白い雪原 11
このお話も明日で最終回です。本当は、今日までの間に17回連載する予定でしたが、忙しくて12回で連載を終わるのは心残りですが、とにかく、あと2回で、エンドマークを書くこととします。
放課後、私は雪人形の山に走りました。春の陽気に、雪は、どんどん溶けていました。雪人形も溶けて無くなっていました。私は、ウソハチじいさんの家に走りました。しかし留守でした。ウソハチじいさんは入院したとのこと。私は、病院に走りました。走りながら、すべてを振り返ってみると、ウソハチじいさんは、一度も嘘をついてないことに気がつきました。
「雪人形を作ってはいかん」
「雪人形を作ると、雪ん子がでるぞ」
「小さな女の子さ。そうさな坊主と同じくらいの年頃の女の子さ」
「アハハハハ、雪ん子は、転校なんかしない。安心しろ」
「いずれ雪ん子は、消えていく。雪のある間に、ちょっとばかり悪戯をして消えてしまう。それが雪ん子の正体さ」
「雪ん子は、転校生なんかじゃない」
「生身の人間が消えることはない。心配するな」
「消えるのは雪ん子だ。人間は消えたりしない」
ウソハチじいさんの言葉は、全部、真実でした。だけど、その真実をそのままに人に話すからウソハチと呼ばれる。全て本当のことを話すからウソハチと呼ばれる。しかし、私は知っている。ウソハチじいさんは、一度だって嘘をついたことがない。裏表がない。感じたことを全部話してしまう。黙っていた方が良いことも話してしまう。しかも、大人も子供も区別せずに話してしまう。だからウソハチじいさんと呼ばれてしまう。
けれど、本当に嘘をついているのは、ウソハチじいさんではなく、まわりの大人たちだ。大人たちは自分に嘘をついている。自分に嘘をついて、見えているはずの雪ん子に対して見えないふりをしているだけ。そんなことを考えながら私は、ウソハチじいさんが入院している病院に飛び込みました。じいさんは、病室に元気に寝ていました。
「しいさん、だいじょうぶ?」
「ああ」
ウソハチじいさんは窓の外をみていました。
太陽の日差しがまぶしかった。
「雪ん子が消えた」
「・・・・」
「雪人形と一緒に、雪と一緒に消えちゃった」
「そうか」
「どうすればいいんだろう? 雪ん子は、もう戻らないの?」
「溶けてしまった雪は元には戻らん」
「・・・・」
「でも、来年の冬になったら、また雪は降ってくるさ」
「じゃ、雪ん子は?」
「しそれまでのお別れ」
「雪ん子は、どこにいったの?」
「さあな。よくは分からんが山かもしれん」
「山?」
日本では太古の昔から、人が亡くなると山に帰ると信じられてきました。ナウマン象の化石を発見したネリー・ナウマンは『万葉集』の死者を詠んだ歌の分析を通して、他界観について次のような見解を示しています。
死者は「黄泉の国」、遥かな、再びそこから戻り来ることのない国。もともとは山にある死者の国に赴くと考えられていました。また、死者の墓は訪れられることはほとんどなく、墓のある場所は荒野や荒山であることが多く、墓そのものが他界でした。
これに対し、掘一郎は『万葉集』の分析をもとに次のように述べます。
「当時の一般的観念として、人の死するにあたって死者の霊魂が高きにつくとした着想が著しい。万葉集を唯一の資料とする限りにおいて多くの霊魂が山岳に登り、鎮まり、しかして天上の世界に行き棲むとしたことは明らかである」
『万葉集』の歌の分析をもとにした当時の人びとの他界観に関する解釈には、研究者による相違が認められます。しかし、山を一般的な意味での他界とする考えかたが存在したのです。そして、その考えかたをもとに修験道が発展したり、日本独特な仏教思想が生まれたりしました。たとえば、お盆になると仏壇に御先祖様が帰ってくるとか、コケシを造ることによって、間引かれた子供の霊を供養したりです。
雪国の人間は、雪人形を造ることによって、山の精霊を呼んだりもしました。逆に、雪人形には山の精霊が宿ると忌み嫌い、ただひたすらに雪だるまを造るだけの地方も多かったことも確かです。人形には魂が宿るものですが、雪人形は、春になると消えて無くなります。それが悲しくて雪人形に宿った精霊たちが、雪ん子となって、創造主に色々な悪戯をしかけてくるからです。
しかし、多くの創造主は、そんな雪ん子の伝説を迷信ときめつけ、雪ん子たちの悪戯を気のせいにしたり、何かの勘違いと納得してしまい、気がつかないままにしておきます。たとえ気がついたとしても、見ぬふりをしてしまう。
ところが、ごくまれに、雪ん子の存在に気がついてしまう人もいる。ウソハチじいさんもその一人です。そういう人の多くは、友人が少なかったり、村八分にされていたりして、淋しさの中にいる人だったりします。そういう人は、すすんで雪人形を造り、雪ん子の到来を待つのです。
雪ん子は、そんな孤独な人間たちの前に、小さな少女の姿になって現れます。そして、いろいろな悪戯をしかけてくるのです。井戸の中に大量の枯葉を入れてみたり、水道管を破裂させたり、屋根の雪を突然落としてみたりです。でも、どんな悪戯でも、何も起こらないことより楽しいものです。とくに淋しい雪国の冬ならなおさらです。
つづく
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2008年01月31日
2008年01月30日
浅間高原ウインターフェスティバル
浅間高原ウインターフェスティバル
2/1〜3は、浅間高原ウインターフェスティバルです。
2500本のアイスキャンドルが乱舞!
http://wf.yoyoyoi.net/

■企画・運営
浅間高原ウインターフェスティバル実行委員会
■開催場所
嬬恋村大前細原2277 プリンスランド内 プリンス大通りのグリーンベルト内
■実施期間
平成20年2月1日(金)〜2月3日(日) 3日間 開催時間10:00〜20:00(2/3は15:00終了)
■雪や氷のオブジェ・建造物
■イグルー、氷柱、かまくら
■アイスキャンドル
2月1日 17:30〜21:00
2月2日 17:30〜21:00
■自然散策ツアー スノーシュー
2月2日 1日2回開催(有料)
2月3日 1日2回開催(有料)



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2500本のアイスキャンドルが乱舞!
http://wf.yoyoyoi.net/

■企画・運営
浅間高原ウインターフェスティバル実行委員会
■開催場所
嬬恋村大前細原2277 プリンスランド内 プリンス大通りのグリーンベルト内
■実施期間
平成20年2月1日(金)〜2月3日(日) 3日間 開催時間10:00〜20:00(2/3は15:00終了)
■雪や氷のオブジェ・建造物
■イグルー、氷柱、かまくら
■アイスキャンドル
2月1日 17:30〜21:00
2月2日 17:30〜21:00
■自然散策ツアー スノーシュー
2月2日 1日2回開催(有料)
2月3日 1日2回開催(有料)



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2008年01月28日
スノーシューツアー村上山
スノーシューツアー村上山

1/27のツアーは、村上山でした。村上山は、国民休暇村からたった1時間で登れる手頃なハイキングコースです。けれど標高は1746メートルもあり、山頂からは浅間山や北アルプスが展望でき、眼下に広がる嬬恋平野の雄大さと美しさには目を奪われます。

村上山とは、鹿沢温泉にある小さな山であり、スノーシューハイクのコースとして、とても手軽な良いコースです。写真を見てください。コースの大半は、こんな森を散策します。したがって動物や野鳥に会える確率が高いわけなんですが、それよりも重要なことは、雪崩の危険が無いことと、風(吹雪)の影響を受けにくいところが素晴らしいのですね。

ここは紅葉だけではなく、冬のスノーシューのコースとしても代表的なところで、ブルーベリーも冬は毎週のようにスノーシューツアーを開催しています。秋の紅葉ではカラマツが美しく、夢のようなカラマツ林を散策するだけで、とても幸せになれます。

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1/27のツアーは、村上山でした。村上山は、国民休暇村からたった1時間で登れる手頃なハイキングコースです。けれど標高は1746メートルもあり、山頂からは浅間山や北アルプスが展望でき、眼下に広がる嬬恋平野の雄大さと美しさには目を奪われます。
村上山とは、鹿沢温泉にある小さな山であり、スノーシューハイクのコースとして、とても手軽な良いコースです。写真を見てください。コースの大半は、こんな森を散策します。したがって動物や野鳥に会える確率が高いわけなんですが、それよりも重要なことは、雪崩の危険が無いことと、風(吹雪)の影響を受けにくいところが素晴らしいのですね。
ここは紅葉だけではなく、冬のスノーシューのコースとしても代表的なところで、ブルーベリーも冬は毎週のようにスノーシューツアーを開催しています。秋の紅葉ではカラマツが美しく、夢のようなカラマツ林を散策するだけで、とても幸せになれます。
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2008年01月27日
スノーシュー万歳!
スノーシュー万歳!
スノーシューは、初めての人でも簡単にしかも、子供からお年寄りまで、気軽に楽しめる雪あそびの道具です。スノーシューを使って森を歩くことをスノーシューイングと言いますが、スノーシューイングは現在、人気上昇中のウインタースポーツです。
誰にでも簡単にできて、しかも楽に歩ける道具です。ですから雪山・冬山をあきらめていた人たちにもスノーシューの出現によってチャンスがでてきました。スノーシューを使えば、簡単に雪山に入れる時代がやってきたのです。

はじめてのスノーシューは、スノーシュー教室をひらいているスノーシューツアーを利用したほうが無難です。なぜかと言いますと、本や聞いただけでは、どうしても分からない事が多いのと、どんなスノーシューを用意したらいいのかが分からないからです。
それにスノーシューで何ができるのか? どんな楽しみがあるのかも、ちょっと分かりにくいものです。スノーシューは、雪原歩くだけが楽しみではありません。景色や動物との出会いも、確かに楽しみ方の一つではありますが、スノーシューには、無限の可能性があります。それを手に入れるなら積極的にスノーシュー教室に参加してみると良いでしょう。
楽しい雪上散歩や、素晴らしい景色だけでなく、雪上の足跡・樹木の観察などができるともっと楽しくなりますね。あとスノーシューツアーのメリットとして、
1.安全性が高く安心して参加できる
2.いろいろなアドバイスが聞ける
3.豊富な自然知識が得られる
4.クイズ形式で上れるので疲れない
がありますが、特に重要なことは、4番の疲れないということですね。森や山を舞台に、ネイチャークイズのテレビのバラエティー番組に参加するような感覚で、進みますので、疲れるどころか、
『あれ? もう頂上なの?』
という感じで目的地に着けます。それが一番のメリットかもしれませんね。

これは、北軽井沢ブルーベリーYGHユースホステルで行っているスノーシューツアーの様子です。参加者の大半は初心者です。安心して参加してください。

■おまけ−北軽井沢で、こんな写真を撮ってみませんか?
夜明け前の月

そして日の出

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スノーシューは、初めての人でも簡単にしかも、子供からお年寄りまで、気軽に楽しめる雪あそびの道具です。スノーシューを使って森を歩くことをスノーシューイングと言いますが、スノーシューイングは現在、人気上昇中のウインタースポーツです。
誰にでも簡単にできて、しかも楽に歩ける道具です。ですから雪山・冬山をあきらめていた人たちにもスノーシューの出現によってチャンスがでてきました。スノーシューを使えば、簡単に雪山に入れる時代がやってきたのです。
はじめてのスノーシューは、スノーシュー教室をひらいているスノーシューツアーを利用したほうが無難です。なぜかと言いますと、本や聞いただけでは、どうしても分からない事が多いのと、どんなスノーシューを用意したらいいのかが分からないからです。
それにスノーシューで何ができるのか? どんな楽しみがあるのかも、ちょっと分かりにくいものです。スノーシューは、雪原歩くだけが楽しみではありません。景色や動物との出会いも、確かに楽しみ方の一つではありますが、スノーシューには、無限の可能性があります。それを手に入れるなら積極的にスノーシュー教室に参加してみると良いでしょう。
楽しい雪上散歩や、素晴らしい景色だけでなく、雪上の足跡・樹木の観察などができるともっと楽しくなりますね。あとスノーシューツアーのメリットとして、
1.安全性が高く安心して参加できる
2.いろいろなアドバイスが聞ける
3.豊富な自然知識が得られる
4.クイズ形式で上れるので疲れない
がありますが、特に重要なことは、4番の疲れないということですね。森や山を舞台に、ネイチャークイズのテレビのバラエティー番組に参加するような感覚で、進みますので、疲れるどころか、
『あれ? もう頂上なの?』
という感じで目的地に着けます。それが一番のメリットかもしれませんね。
これは、北軽井沢ブルーベリーYGHユースホステルで行っているスノーシューツアーの様子です。参加者の大半は初心者です。安心して参加してください。
■おまけ−北軽井沢で、こんな写真を撮ってみませんか?
夜明け前の月
そして日の出
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2008年01月26日
白い雪原10
翌朝はやく起きてみると、あたり一面の雪景色でした。外に出てみると、ほんの数ミリばかりの雪が台地を覆っていました。朝日はまぶしく、空は見渡すかぎり青い色が続いていました。私は、山の方に向かって散歩にでかけました。そして、なるほどと思いました。そして昨夜の会話を思い出していました。

「きっと明日は青空だよ。だからちょっとだけ早起きして雪の銀世界を散歩してごらんよ。きっと1年で一番美しい風景が見られるはずだよ。春よりも、夏よりも、秋よりも美しい風景がみられるよ。本当だよ。雪が景色を十倍美しく見せてくれるんだ。草木の緑や、燃える紅葉よりも、もっと美しい景色を雪が見せてくれるんだ。どうしてか分かる?」
「どうして?」
「白い雪が、青い空をつくるから」
「?」
「白い雪が、青い空をつくり、その青い空が、お日様の光を大空いっぱいに覆い、そして、すべての景色をお日様の光でキラキラと輝かすから」
白い雪が青い空をつくる。その言葉に嘘はありませんでした。本当に白い雪が青い空をつくるのです。そして、白い雪と青い空が、台地の全てのものを美しく映し出すのです。その美しさは、春の新緑よりも、夏の山野よりも、秋の紅葉よりも輝いて見えました。冬の世界には、基本的に空の青と雪の白しか無いはずなのに、たくさんの色をもつ春・夏・秋の景色より美しく見えました。
「おはよう!」
転校生でした。
「お前は、いつも突然に現れるなあ」
「ごめんごめん、もう、そういう事はしないから。それより、どう? 朝早く起きて散歩したかいがあったでしょ?」
「うん」
「きれいでしょう?」
「うん」
「冬もまんざら捨てたものでないでしょう?」
「そうだなあ」
「冬は、色が少ないでしょう? だから今まで気がつかなかったものが見えてくるの。色が少ない分、雪の白とか、空の青とか、お日様の光の加減とか、たとえばキラキラ輝く小さな雪の結晶とか」

「でも、今まで、どうして気がつかなかったんだろう」
「見ようという気持ちがないと見ることはできないからね」
「見ようという気持ちねえ」
「そう。その気になれば、この世で一番美しいものかもしれないのに、あまりにも身近すぎて気がつかない人が多いのは悲しい事ね」
「・・・・」
「でもこの美しい景色は、一瞬で無くなってしまう。というより、一瞬で無くなってしまうから美しいのかな。今日は陽気も良いし、数時間後には雪も溶けてなくなっちゃう。残念だよね」
「ああ」
「じゃあ、ここでサヨナラ。短い期間だったけれど、おわかれです」
「え?」
「私、また転校します、遠くに行っちゃいます」
「ええ! 転校してきたばかりなのに?」
「うん、だからもう会えないけれど、元気でね」
「そんな、でも、今日だけは学校で会えるんだよな」
「それがダメなんだ、もう会えないの、サヨナラ」
そういって転校生は山の方に走り去っていきました。
私は「せっかく仲良くなったのに」と無性に切ない気分になりました。
そして学校に登校したわけでしたが、学校には、さっきサヨナラしたばかりの転校生が、何食わぬ顔で教室にいました。
「あれ? お前、また遠くに転校するっていったじゃないか?」
しかし、転校生は怪訝な顔をするばかり。
「今朝、お前と俺は、雪の中を一緒に散歩したよな、昨日の夜にも会ってるよな、昨日の夕方も・・・・」
「会ってないわ」
「そんな・・・・」
放課後、私は雪人形の山に走りました。
春の陽気に、雪は、どんどん溶けていました。
雪人形も溶けて無くなっていました。
つづく
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「きっと明日は青空だよ。だからちょっとだけ早起きして雪の銀世界を散歩してごらんよ。きっと1年で一番美しい風景が見られるはずだよ。春よりも、夏よりも、秋よりも美しい風景がみられるよ。本当だよ。雪が景色を十倍美しく見せてくれるんだ。草木の緑や、燃える紅葉よりも、もっと美しい景色を雪が見せてくれるんだ。どうしてか分かる?」
「どうして?」
「白い雪が、青い空をつくるから」
「?」
「白い雪が、青い空をつくり、その青い空が、お日様の光を大空いっぱいに覆い、そして、すべての景色をお日様の光でキラキラと輝かすから」
白い雪が青い空をつくる。その言葉に嘘はありませんでした。本当に白い雪が青い空をつくるのです。そして、白い雪と青い空が、台地の全てのものを美しく映し出すのです。その美しさは、春の新緑よりも、夏の山野よりも、秋の紅葉よりも輝いて見えました。冬の世界には、基本的に空の青と雪の白しか無いはずなのに、たくさんの色をもつ春・夏・秋の景色より美しく見えました。
「おはよう!」
転校生でした。
「お前は、いつも突然に現れるなあ」
「ごめんごめん、もう、そういう事はしないから。それより、どう? 朝早く起きて散歩したかいがあったでしょ?」
「うん」
「きれいでしょう?」
「うん」
「冬もまんざら捨てたものでないでしょう?」
「そうだなあ」
「冬は、色が少ないでしょう? だから今まで気がつかなかったものが見えてくるの。色が少ない分、雪の白とか、空の青とか、お日様の光の加減とか、たとえばキラキラ輝く小さな雪の結晶とか」

「でも、今まで、どうして気がつかなかったんだろう」
「見ようという気持ちがないと見ることはできないからね」
「見ようという気持ちねえ」
「そう。その気になれば、この世で一番美しいものかもしれないのに、あまりにも身近すぎて気がつかない人が多いのは悲しい事ね」
「・・・・」
「でもこの美しい景色は、一瞬で無くなってしまう。というより、一瞬で無くなってしまうから美しいのかな。今日は陽気も良いし、数時間後には雪も溶けてなくなっちゃう。残念だよね」
「ああ」
「じゃあ、ここでサヨナラ。短い期間だったけれど、おわかれです」
「え?」
「私、また転校します、遠くに行っちゃいます」
「ええ! 転校してきたばかりなのに?」
「うん、だからもう会えないけれど、元気でね」
「そんな、でも、今日だけは学校で会えるんだよな」
「それがダメなんだ、もう会えないの、サヨナラ」
そういって転校生は山の方に走り去っていきました。
私は「せっかく仲良くなったのに」と無性に切ない気分になりました。
そして学校に登校したわけでしたが、学校には、さっきサヨナラしたばかりの転校生が、何食わぬ顔で教室にいました。
「あれ? お前、また遠くに転校するっていったじゃないか?」
しかし、転校生は怪訝な顔をするばかり。
「今朝、お前と俺は、雪の中を一緒に散歩したよな、昨日の夜にも会ってるよな、昨日の夕方も・・・・」
「会ってないわ」
「そんな・・・・」
放課後、私は雪人形の山に走りました。
春の陽気に、雪は、どんどん溶けていました。
雪人形も溶けて無くなっていました。
つづく
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2008年01月25日
バンブーブレード
アニメ『バンブーブレード』
って知ってます?
これ、すごく面白いです!
昔あったアニメ『yawara』の剣道版みたいなものですが、
このアニメは、『yawara』よりも面白いです。
特に剣道経験者は、絶対に見て損はない逸品。
かなり笑えます。
1話前編
ニコニコ動画なら
公式サイト http://www.bambooblade.jp/pc/
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って知ってます?
これ、すごく面白いです!
昔あったアニメ『yawara』の剣道版みたいなものですが、
このアニメは、『yawara』よりも面白いです。
特に剣道経験者は、絶対に見て損はない逸品。
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1話前編
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2008年01月24日
すずや・鬼押し鍋 その2
すずや・鬼押し鍋の御紹介
鬼押し鍋で有名な、食事処『すずや』に行ってきました。
北軽井沢ブルーベリーYGHから徒歩1分のところにあります。
結論から言うと、
ここは、当たりです!
まずは、鬼押し鍋(1300円)の写真をどうぞ

でかい!
量が半端ではない!
ゆうに2〜3人前もある。
では人間と、対比してみましょう。

この写真でみても分かると思いますが、でかいです。
カセットボンベのガス台の大きさと、
鍋の大きさを比べてみてください。
鍋の大きさが分かります。
あと、人間との対比で大きさを確認してみてください。
ちなみに手前が鬼押し鍋。
奧が、少し小さめのきりたんぽ鍋。
女性なら、少し小さめのきりたんぽ鍋がいいかも。
下の写真なら
左が、鬼押し鍋(ブタ+鶏団子+鷹の爪)
右が、きりたんぽ鍋(浅間地鳥)

そして、美味い!
野菜たっぷりだから美味い!
ダシは、鶏団子とブタ肉と、白菜などの野菜。
そしてコチジャンなんか使っていません。
鷹の爪でとった天然の味だから美味しい!

これで1300円。
きりたんぽ鍋なら980円。
この味で、この値段で、この量なら文句なしですよ。

そして、餅やラーメンのトッピングもあります。

ダシがうまいから、トッピングのラーメンでトドメをさせば、
満足このうえなし!
酒も飲めます。
瓶ビールで500円。
他にも各種の酒があります。
ちなみに、下記の写真が
きりたんぽ鍋(980円)。
ただのきりたんぽではありません。
鳥牧場の浅間地鶏を使っているから、
想像を絶するほどに美味しい!

最後にきりたんぽを入れますから、
きりたんぽ鍋になっていますが、
正確な名称ていえば、浅間地鶏鍋ですよ!
味はアッサリの女性向きです。
白菜がたっぷりなので、冷え性に抜群です。
このきりたんぽ鍋
なんだか癖になりそうな予感がします。
住所 群馬県吾妻郡妻恋村鎌原 大カイシコ1503-2
п@0279-86-2233
木曜定休
営業 10時〜22時
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鬼押し鍋で有名な、食事処『すずや』に行ってきました。
北軽井沢ブルーベリーYGHから徒歩1分のところにあります。
結論から言うと、
ここは、当たりです!
まずは、鬼押し鍋(1300円)の写真をどうぞ
でかい!
量が半端ではない!
ゆうに2〜3人前もある。
では人間と、対比してみましょう。
この写真でみても分かると思いますが、でかいです。
カセットボンベのガス台の大きさと、
鍋の大きさを比べてみてください。
鍋の大きさが分かります。
あと、人間との対比で大きさを確認してみてください。
ちなみに手前が鬼押し鍋。
奧が、少し小さめのきりたんぽ鍋。
女性なら、少し小さめのきりたんぽ鍋がいいかも。
下の写真なら
左が、鬼押し鍋(ブタ+鶏団子+鷹の爪)
右が、きりたんぽ鍋(浅間地鳥)
そして、美味い!
野菜たっぷりだから美味い!
ダシは、鶏団子とブタ肉と、白菜などの野菜。
そしてコチジャンなんか使っていません。
鷹の爪でとった天然の味だから美味しい!
これで1300円。
きりたんぽ鍋なら980円。
この味で、この値段で、この量なら文句なしですよ。
そして、餅やラーメンのトッピングもあります。
ダシがうまいから、トッピングのラーメンでトドメをさせば、
満足このうえなし!
酒も飲めます。
瓶ビールで500円。
他にも各種の酒があります。
ちなみに、下記の写真が
きりたんぽ鍋(980円)。
ただのきりたんぽではありません。
鳥牧場の浅間地鶏を使っているから、
想像を絶するほどに美味しい!
最後にきりたんぽを入れますから、
きりたんぽ鍋になっていますが、
正確な名称ていえば、浅間地鶏鍋ですよ!
味はアッサリの女性向きです。
白菜がたっぷりなので、冷え性に抜群です。
このきりたんぽ鍋
なんだか癖になりそうな予感がします。
住所 群馬県吾妻郡妻恋村鎌原 大カイシコ1503-2
п@0279-86-2233
木曜定休
営業 10時〜22時
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白い雪原9
放課後、私は雪人形の山に向かいました。大きなミズナラ林の中の先に雪人形の山はありました。そのミズナラ林を歩いていると声がしました。
「どこに行くの?」
学校を休んでいるはずの転校生の声でした。
気がつくと、大きな目玉の転校生が木陰に座っていました。
「おまえ病気じゃないのか?」
「だから休んでる」
「休んでるって、ここでか?」
「うん」
「寒いだろう」
「暑い」
「熱があるんじゃないか?」
「うん」
「じゃあ、早く家に帰って寝ないと」
その瞬間、転校生は消えてしまっていました。
「まただ、どこに消えたんだ?」
「ここよ」
転校生は、まだ微かに残る白い雪原に倒れていました。
「やっぱり、お前は、雪ん子か?」
「・・・・」
「そえなんだな」
「何言ってるの、自分で造っておいて」
転校生の目から涙が出ていました。
それも黒い涙が。
おもわず転校生にかけよった私でしたが、
またもや転校生は消えていなくなってしまいました。
「まさか!」
私は、大急ぎで雪人形のところに走りました。太陽の光で、雪人形は、溶けつつあり泥だらけになっていました。墨汁で書いた目も溶けていて、それが流れ落ち、涙のようになっていました。黒い涙でした。それからの私は、怖くなって自宅に逃げ帰りました。夕食は喉を通りませんでした。黒い涙ばかりが、思い出されてなりませんでした。
深夜。
どうしても眠れなかった私は、スコップと懐中電灯を持って、あの雪人形のある山に向かいました。星の綺麗な夜でした。そして、何時間もかけて溶けかかった雪人形の修繕を行いました。墨汁の涙を削り取り目も入れ直しました。そして、家に戻ってみると、あの転校生が玄関前に立っていました。もう黒い涙は、流れていませんでした。それどころか転校生は、前より美しくなっていたような気がしました。
「ありがとう」
「いや」
「これで少しだけ時間が出来たよ」
「時間?」
「うん」
「本当は、出てきちゃいけなかったんだけれど、山から出てきちゃったんだ。でも、もう春だし帰らなきゃ」
「帰るって?」
「佐藤君は春が好き?」
「雪国の人間で雪が好きな奴なんているもんか。あ〜あ、早く春がこないかな」
「そうだよね」
「・・・・」
「でも、私は冬が好き。それも雪に埋まった銀世界が」
「・・・・」
「今夜は、星がきれいだね。きっと明日は青空だよ。だからちょっとだけ早起きして雪の銀世界を散歩してごらんよ。きっと1年で一番美しい風景が見られるはずだよ。春よりも、夏よりも、秋よりも美しい風景がみられるよ。本当だよ。雪が景色を十倍美しく見せてくれるんだ。草木の緑や、燃える紅葉よりも、もっと美しい景色を雪が見せてくれるんだ。どうしてか分かる?」
「どうして?」
「白い雪が、青い空をつくるから」
「?」
「白い雪が、青い空をつくり、その青い空が、お日様の光を大空いっぱいに覆い、そして、すべての景色をお日様の光でキラキラと輝かすから」
「・・・・」

「みんな気がつかないでいるけれど、冬は、雪のおかげで、お日様の光が一年で一番キラキラと輝くときなんだよ。だから何でも一番きれいにみえる時なんだ」
「へえ〜」

「ところで、やっと話ができたね」
「・・・・」
「佐藤君は、学校ではあまり口をきいてくれなかったね」
「それは、お前が、大きな目玉で俺の顔をのぞきこんたりするから。クラスの連中も冷やかしてくるし」
「でも、その大きな目玉を造ったのは、佐藤君だよ」
「と言うことは、やっぱりお前は雪ん子?」
「うん」
「じゃ、春になると消えてしまうのか?」
「そういうことに・・・・なるのかな」
「大変だ、今のうちに冷凍庫で氷をたくさん造っておかなきゃ」
「アハハハハ、そんなことしなくても大丈夫よ」
「どうして? あの雪人形が溶けたら、お前は死んでしまうんだろう?」
「そんな心配はいらない。もう帰るんだから」
「え? だって・・・・」
「じゃ、明日、雪の野原で」
「おい待てよ!」
転校生は闇の中に消えてしまいました。
つづく
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「どこに行くの?」
学校を休んでいるはずの転校生の声でした。
気がつくと、大きな目玉の転校生が木陰に座っていました。
「おまえ病気じゃないのか?」
「だから休んでる」
「休んでるって、ここでか?」
「うん」
「寒いだろう」
「暑い」
「熱があるんじゃないか?」
「うん」
「じゃあ、早く家に帰って寝ないと」
その瞬間、転校生は消えてしまっていました。
「まただ、どこに消えたんだ?」
「ここよ」
転校生は、まだ微かに残る白い雪原に倒れていました。
「やっぱり、お前は、雪ん子か?」
「・・・・」
「そえなんだな」
「何言ってるの、自分で造っておいて」
転校生の目から涙が出ていました。
それも黒い涙が。
おもわず転校生にかけよった私でしたが、
またもや転校生は消えていなくなってしまいました。
「まさか!」
私は、大急ぎで雪人形のところに走りました。太陽の光で、雪人形は、溶けつつあり泥だらけになっていました。墨汁で書いた目も溶けていて、それが流れ落ち、涙のようになっていました。黒い涙でした。それからの私は、怖くなって自宅に逃げ帰りました。夕食は喉を通りませんでした。黒い涙ばかりが、思い出されてなりませんでした。
深夜。
どうしても眠れなかった私は、スコップと懐中電灯を持って、あの雪人形のある山に向かいました。星の綺麗な夜でした。そして、何時間もかけて溶けかかった雪人形の修繕を行いました。墨汁の涙を削り取り目も入れ直しました。そして、家に戻ってみると、あの転校生が玄関前に立っていました。もう黒い涙は、流れていませんでした。それどころか転校生は、前より美しくなっていたような気がしました。
「ありがとう」
「いや」
「これで少しだけ時間が出来たよ」
「時間?」
「うん」
「本当は、出てきちゃいけなかったんだけれど、山から出てきちゃったんだ。でも、もう春だし帰らなきゃ」
「帰るって?」
「佐藤君は春が好き?」
「雪国の人間で雪が好きな奴なんているもんか。あ〜あ、早く春がこないかな」
「そうだよね」
「・・・・」
「でも、私は冬が好き。それも雪に埋まった銀世界が」
「・・・・」
「今夜は、星がきれいだね。きっと明日は青空だよ。だからちょっとだけ早起きして雪の銀世界を散歩してごらんよ。きっと1年で一番美しい風景が見られるはずだよ。春よりも、夏よりも、秋よりも美しい風景がみられるよ。本当だよ。雪が景色を十倍美しく見せてくれるんだ。草木の緑や、燃える紅葉よりも、もっと美しい景色を雪が見せてくれるんだ。どうしてか分かる?」
「どうして?」
「白い雪が、青い空をつくるから」
「?」
「白い雪が、青い空をつくり、その青い空が、お日様の光を大空いっぱいに覆い、そして、すべての景色をお日様の光でキラキラと輝かすから」
「・・・・」
「みんな気がつかないでいるけれど、冬は、雪のおかげで、お日様の光が一年で一番キラキラと輝くときなんだよ。だから何でも一番きれいにみえる時なんだ」
「へえ〜」
「ところで、やっと話ができたね」
「・・・・」
「佐藤君は、学校ではあまり口をきいてくれなかったね」
「それは、お前が、大きな目玉で俺の顔をのぞきこんたりするから。クラスの連中も冷やかしてくるし」
「でも、その大きな目玉を造ったのは、佐藤君だよ」
「と言うことは、やっぱりお前は雪ん子?」
「うん」
「じゃ、春になると消えてしまうのか?」
「そういうことに・・・・なるのかな」
「大変だ、今のうちに冷凍庫で氷をたくさん造っておかなきゃ」
「アハハハハ、そんなことしなくても大丈夫よ」
「どうして? あの雪人形が溶けたら、お前は死んでしまうんだろう?」
「そんな心配はいらない。もう帰るんだから」
「え? だって・・・・」
「じゃ、明日、雪の野原で」
「おい待てよ!」
転校生は闇の中に消えてしまいました。
つづく
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2008年01月23日
すずや・鬼押し鍋 その1
すずや・鬼押し鍋の御紹介

鬼押し鍋で有名な、食事処『すずや』に行ってきました。
北軽井沢ブルーベリーYGHから徒歩1分のところにあります。
結論から言うと、
ここは、一押しです!
すげー美味い鍋を食べさせてくれます。
しかも、900〜1300円という安さで、三人前くらいのボリューム。
女の子なら、二人で一つの鍋を注文し、
食べ終えたら御飯や餅やラーメンをトッピングに入れて
お腹いっぱいになる。
住所 群馬県吾妻郡妻恋村鎌原 大カイシコ1503-2
п@0279-86-2233
木曜定休
営業 10時〜22時

これはメニュー用の写真。
はたして本物は?

お値段は、下記の通り!
お酒も飲めます。
ブルーベリーから歩いて帰れます。

店内は、ログ調の造り。

さて、肝心な、食事(鍋)ですが、詳細を知りたい方は、
下記をクリックしてください。
【つづく】
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鬼押し鍋で有名な、食事処『すずや』に行ってきました。
北軽井沢ブルーベリーYGHから徒歩1分のところにあります。
結論から言うと、
ここは、一押しです!
すげー美味い鍋を食べさせてくれます。
しかも、900〜1300円という安さで、三人前くらいのボリューム。
女の子なら、二人で一つの鍋を注文し、
食べ終えたら御飯や餅やラーメンをトッピングに入れて
お腹いっぱいになる。
住所 群馬県吾妻郡妻恋村鎌原 大カイシコ1503-2
п@0279-86-2233
木曜定休
営業 10時〜22時
これはメニュー用の写真。
はたして本物は?
お値段は、下記の通り!
お酒も飲めます。
ブルーベリーから歩いて帰れます。
店内は、ログ調の造り。
さて、肝心な、食事(鍋)ですが、詳細を知りたい方は、
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【つづく】
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白い雪原8
「おじいさん、雪ん子って、いったい何者なの?」
「・・・・」
「どうして雪人形をつくると雪ん子がでるの?」
「さあな」
「春になって、雪が溶けると雪ん子は消えてしまうの?」
「さあな」
「あの転校生は消えてしまうのかな?」
「・・・・」
「消えてしまったら、どうしよう」
「どうして、そう思う?」
「だって、あの転校生は雪ん子なんでしょ?」
「雪ん子は、転校生なんかじゃない」
「でも」
「生身の人間が消えることはない。心配するな」
「だって」
「消えるのは雪ん子だ。人間は消えたりしない」
「あの転校生は、雪ん子じゃないってこと?」
「そうだ」
ウソハチじいさんは何か隠している。
そう思いました。
どういうわけか嘘をついている気がしました。
というのも私の隣の席に座っている転校生は、本当に不思議な女の子だったからです。何が不思議かというと、消えたと思うと、すぐ目の前に現れたりしたからです。隣の席なので教科書を見せ合ったりもしましたが、その時に、あの大きな目玉でジーッと見つめられたかと思うと、催眠術にかかったように睡魔が襲ってきて、気がついたら、あの雪人形の前で目が覚めていたりしたからです。
「あれ? なんで俺、ここにいるんだろう?」
雪人形は、溶けかかっていました。
気味が悪くなった私は、大急ぎで逃げて帰りました。
そして翌日。私は重い気分で学校に行くと、私より早く、あの転校生が席についていました。教室に入ると、彼女は、あの大きな目玉でじっと、私を見つめられました。私は、目線をそらしながら自分の席につきましたが、気がつくと、転校生は消えていなくなっていました。それにホッとして、鞄から教科書をとりだとうとすると
「どうして逃げたの?」
と転校生の声がしました。
「うわっ!」
と驚いた私は、椅子から転げ落ちましたが、転校生の姿はどこにもありませんでした。
「どうした佐藤?」
「転校生は?」
「転校生? そういや今日は来てないな」
「なにいってるんだよ、さっきまで、ここに居ただろうが」
「はあ?」
「机に座っていたよな」
「いや、誰も机に座ってなかったと思うぞ」
「・・・・」
結局、その日に転校生を見た人間は、私一人でした。
彼女は、風邪をひいて欠席したとのことでした。
その日は、まっすぐに家に帰りました。
外には春の陽気がおとずれていました。
道端で色々な人たちに造られた、雪だるまたちが次々と溶けていました。
翌日も良い天気でした。
春の陽気で、道端の雪だるまは、ますます溶けてしまっていました。
まだ転校生は、学校を休んでいました。
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「・・・・」
「どうして雪人形をつくると雪ん子がでるの?」
「さあな」
「春になって、雪が溶けると雪ん子は消えてしまうの?」
「さあな」
「あの転校生は消えてしまうのかな?」
「・・・・」
「消えてしまったら、どうしよう」
「どうして、そう思う?」
「だって、あの転校生は雪ん子なんでしょ?」
「雪ん子は、転校生なんかじゃない」
「でも」
「生身の人間が消えることはない。心配するな」
「だって」
「消えるのは雪ん子だ。人間は消えたりしない」
「あの転校生は、雪ん子じゃないってこと?」
「そうだ」
ウソハチじいさんは何か隠している。
そう思いました。
どういうわけか嘘をついている気がしました。
というのも私の隣の席に座っている転校生は、本当に不思議な女の子だったからです。何が不思議かというと、消えたと思うと、すぐ目の前に現れたりしたからです。隣の席なので教科書を見せ合ったりもしましたが、その時に、あの大きな目玉でジーッと見つめられたかと思うと、催眠術にかかったように睡魔が襲ってきて、気がついたら、あの雪人形の前で目が覚めていたりしたからです。
「あれ? なんで俺、ここにいるんだろう?」
雪人形は、溶けかかっていました。
気味が悪くなった私は、大急ぎで逃げて帰りました。
そして翌日。私は重い気分で学校に行くと、私より早く、あの転校生が席についていました。教室に入ると、彼女は、あの大きな目玉でじっと、私を見つめられました。私は、目線をそらしながら自分の席につきましたが、気がつくと、転校生は消えていなくなっていました。それにホッとして、鞄から教科書をとりだとうとすると
「どうして逃げたの?」
と転校生の声がしました。
「うわっ!」
と驚いた私は、椅子から転げ落ちましたが、転校生の姿はどこにもありませんでした。
「どうした佐藤?」
「転校生は?」
「転校生? そういや今日は来てないな」
「なにいってるんだよ、さっきまで、ここに居ただろうが」
「はあ?」
「机に座っていたよな」
「いや、誰も机に座ってなかったと思うぞ」
「・・・・」
結局、その日に転校生を見た人間は、私一人でした。
彼女は、風邪をひいて欠席したとのことでした。
その日は、まっすぐに家に帰りました。
外には春の陽気がおとずれていました。
道端で色々な人たちに造られた、雪だるまたちが次々と溶けていました。
翌日も良い天気でした。
春の陽気で、道端の雪だるまは、ますます溶けてしまっていました。
まだ転校生は、学校を休んでいました。
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2008年01月22日
豆腐カフェ(おとうふかふぇ五六亭)
豆腐カフェ(おとうふかふぇ五六亭)
豆腐カフェ紹介、すげー美味かった!

ランチ(豆腐ねぎとろ丼定食)
ねぎとろと、豆腐ソースのハーモニー。
御飯の量は少ないが、ランチをたのむと
食べ放題の手作り豆腐(極旨)がついている。

ランチをたのむと食べ放題の手作り豆腐(極旨)


豆腐きぬごしレアチーズ (美味)

豆乳ティラミス400円(美味)

豆腐白玉パフェ500円(美味)

所在地 〒380-0841長野市大門町55−3ぱてぃお大門内
営業時間 11時〜20時 (19時30分ラストオーダー)
定休日 毎月第3金曜日
お問い合わせ先 TEL : 026-233-0356 FAX : 026-233-0356
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豆腐カフェ紹介、すげー美味かった!
ランチ(豆腐ねぎとろ丼定食)
ねぎとろと、豆腐ソースのハーモニー。
御飯の量は少ないが、ランチをたのむと
食べ放題の手作り豆腐(極旨)がついている。
ランチをたのむと食べ放題の手作り豆腐(極旨)
豆腐きぬごしレアチーズ (美味)
豆乳ティラミス400円(美味)
豆腐白玉パフェ500円(美味)
所在地 〒380-0841長野市大門町55−3ぱてぃお大門内
営業時間 11時〜20時 (19時30分ラストオーダー)
定休日 毎月第3金曜日
お問い合わせ先 TEL : 026-233-0356 FAX : 026-233-0356
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2008年01月21日
のんびりスノーシュー
のんびりスノーシュー
湯かけ祭の後は、のんびりスノーシューです。
まずインタープリテーションプログラム。
ネイチャーウオッチングとアニマルトラッキング。

子供さんも大人の方も自然ガイドに興味津々。
過去の最年少は3歳の参加者。

頂上に到着!

お昼御飯はカップ麺ですが、
これが凄く美味しい。
家で食べる味とぜんぜん違います。

乾杯!

みなさんも一度、スノーシューを体験してみませんか?
ファミリー・団体さんも大歓迎ですよ。
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湯かけ祭の後は、のんびりスノーシューです。
まずインタープリテーションプログラム。
ネイチャーウオッチングとアニマルトラッキング。
子供さんも大人の方も自然ガイドに興味津々。
過去の最年少は3歳の参加者。
頂上に到着!
お昼御飯はカップ麺ですが、
これが凄く美味しい。
家で食べる味とぜんぜん違います。
乾杯!
みなさんも一度、スノーシューを体験してみませんか?
ファミリー・団体さんも大歓迎ですよ。
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白い雪原7
その日から私は、毎日ウソハチじいさんの家に出入りするようになりました。どんな嘘がでるのか、ちょっぴり期待していたのですが、世間の評判と違って、ウソハチじいさんは一度も嘘をつきませんでした。この人が、どうしてウソハチじいさんと陰口をたたかれるのか理解できなくなった私は、いろいろな人に尋ねてみました。すると大人たちは、こんな答をくれました。
「僕はウソハチじいさんが嘘を話しているのを一度も聞いたことがないよ。あの人は嘘をつくような人ではないと思うけれど」
「だから始末におえないのさ」
「え?」
「あきらかな嘘つきは罪がないものなんだよ」
「どういうこと?」
「それは冗談みたいなものだからさ。大げさな表現や、大ボラというものは、聞く者が割り引いて聞くし、それは毎日嘘ばかりついている人にも言える。また大げさなことを言ってやがると割り引いて聞ける。怪しい呪い師の予言や、怪しい占い師の占いだって、外れても誰も嘘つきよばわりしないだろう?」
「うん」
「でもね、ウソハチじいさんは違う。真面目で滅多なことでは嘘をつかない。だから人はウソハチじいさんを信用してしまう。しかし、完全に信用しきってしまうと、とても大切な場面で裏切られてしまうんだよ。絶対に嘘をつかないと思った人に嘘をつかれてね」
「・・・・」
「だから、みんなは怒ってしまう。その結果、村八分になってしまう」
「・・・・」
「100回の嘘には罪はないけれど、大事な時の1回の嘘は大きな罪。嘘はつきどころが肝心ということかな」
「?」
小学校5年生であった当時の私には、この答えは理解の範囲を超えていました。ウソハチじいさんは嘘をつかない。これが私の感じた印象でした。それよりウソハチじいさんは、「何かを知っている」と思いました。他の大人たちの知らない何かを知っていると。それが何なのか分からないけれど、何か得体の知れない何かを知っていると。
じいさんは、よく山に登りました。ゴム長靴で雪山に、どんどん入っていきました。私は、その後を追いかけました。しかし頭の後ろに目があるのか、一度も後ろを振り向かないまま、私が尾行していることに気がつきました。そして声をかけてきました。私はじいさんと一緒にアケビ蔓を集め、それを背中に背負って帰りました。ウソハチじいさんは、思い出したように尋ねました。
「雪ん子は元気にしておるか?」
「うん」
「よかったな」
「でも、意地悪なんだ。いつも悪戯をしかけてくる」
「どんな?」
「机の中や長靴の中にゴミを入れられたり」
「どんな?」
「ドングリとか、枯葉とか」
「ハハハハ」
「笑い事じゃないよ」
「合図だよ」
「合図?」
「私にかまってくれという合図さ」
「?」
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「僕はウソハチじいさんが嘘を話しているのを一度も聞いたことがないよ。あの人は嘘をつくような人ではないと思うけれど」
「だから始末におえないのさ」
「え?」
「あきらかな嘘つきは罪がないものなんだよ」
「どういうこと?」
「それは冗談みたいなものだからさ。大げさな表現や、大ボラというものは、聞く者が割り引いて聞くし、それは毎日嘘ばかりついている人にも言える。また大げさなことを言ってやがると割り引いて聞ける。怪しい呪い師の予言や、怪しい占い師の占いだって、外れても誰も嘘つきよばわりしないだろう?」
「うん」
「でもね、ウソハチじいさんは違う。真面目で滅多なことでは嘘をつかない。だから人はウソハチじいさんを信用してしまう。しかし、完全に信用しきってしまうと、とても大切な場面で裏切られてしまうんだよ。絶対に嘘をつかないと思った人に嘘をつかれてね」
「・・・・」
「だから、みんなは怒ってしまう。その結果、村八分になってしまう」
「・・・・」
「100回の嘘には罪はないけれど、大事な時の1回の嘘は大きな罪。嘘はつきどころが肝心ということかな」
「?」
小学校5年生であった当時の私には、この答えは理解の範囲を超えていました。ウソハチじいさんは嘘をつかない。これが私の感じた印象でした。それよりウソハチじいさんは、「何かを知っている」と思いました。他の大人たちの知らない何かを知っていると。それが何なのか分からないけれど、何か得体の知れない何かを知っていると。
じいさんは、よく山に登りました。ゴム長靴で雪山に、どんどん入っていきました。私は、その後を追いかけました。しかし頭の後ろに目があるのか、一度も後ろを振り向かないまま、私が尾行していることに気がつきました。そして声をかけてきました。私はじいさんと一緒にアケビ蔓を集め、それを背中に背負って帰りました。ウソハチじいさんは、思い出したように尋ねました。
「雪ん子は元気にしておるか?」
「うん」
「よかったな」
「でも、意地悪なんだ。いつも悪戯をしかけてくる」
「どんな?」
「机の中や長靴の中にゴミを入れられたり」
「どんな?」
「ドングリとか、枯葉とか」
「ハハハハ」
「笑い事じゃないよ」
「合図だよ」
「合図?」
「私にかまってくれという合図さ」
「?」
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善光寺参りに行ってきました
善光寺参りに行ってきました

善光寺
天台宗と浄土宗の別格本山ともなっている(日本において仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、宗派の別なく宿願が可能な霊場と位置づけられている)。天台宗の大勧進と25院、浄土宗の大本願と14坊により運営されている。大本願はこの手の大寺院には珍しい尼寺で、門跡寺院ではないが代々公家出身者から住職を迎えている。

本尊は善光寺式阿弥陀三尊の元となった阿弥陀三尊像で、絶対の秘仏であり、その姿は寺の住職ですら目にすることはできない。善光寺本堂は1953年(昭和28年)3月、国宝に指定された。また、山門(三門)と経堂は重要文化財である。本堂では床下の真っ暗な通路を通り、本尊の真下にあるとされる「極楽浄土への錠前」に触れる「戒壇巡り」が体験できる。


いったい、どんな願いが?
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善光寺
天台宗と浄土宗の別格本山ともなっている(日本において仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、宗派の別なく宿願が可能な霊場と位置づけられている)。天台宗の大勧進と25院、浄土宗の大本願と14坊により運営されている。大本願はこの手の大寺院には珍しい尼寺で、門跡寺院ではないが代々公家出身者から住職を迎えている。
本尊は善光寺式阿弥陀三尊の元となった阿弥陀三尊像で、絶対の秘仏であり、その姿は寺の住職ですら目にすることはできない。善光寺本堂は1953年(昭和28年)3月、国宝に指定された。また、山門(三門)と経堂は重要文化財である。本堂では床下の真っ暗な通路を通り、本尊の真下にあるとされる「極楽浄土への錠前」に触れる「戒壇巡り」が体験できる。
いったい、どんな願いが?
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2008年01月20日
阿鼻叫喚の無間地獄が!
だんじりも真っ青の戦う祭!
湯かけ祭り報告
今年の湯かけは、過去最強でした。
色々な地獄絵図がみられましたね。


ことしは気合いが入ってました。
芸能人も、テレビ局も、ねらい打ちされていました。

このレポーターは、30回くらい、お湯をかぶってました。
集中攻撃されてましたね。
もちろんカメラさんも、照明さんも。
テレビ局にも遠慮無しですよ!

見物客も追いかけ回して、お湯をざぶん!
若い女性の悲鳴が!
中には頭からかぶせられる人も何人か。
自分から、かぶせてもらうひとも何人か。
もう、狂っているとしか言えません。
まさに阿鼻叫喚の無間地獄!

今年は、16名の湯かけツアー参加者がいましたが、
全員が無限地獄を体験してきました
ぬれてない人はゼロです。
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湯かけ祭り報告
今年の湯かけは、過去最強でした。
色々な地獄絵図がみられましたね。
ことしは気合いが入ってました。
芸能人も、テレビ局も、ねらい打ちされていました。
このレポーターは、30回くらい、お湯をかぶってました。
集中攻撃されてましたね。
もちろんカメラさんも、照明さんも。
テレビ局にも遠慮無しですよ!
見物客も追いかけ回して、お湯をざぶん!
若い女性の悲鳴が!
中には頭からかぶせられる人も何人か。
自分から、かぶせてもらうひとも何人か。
もう、狂っているとしか言えません。
まさに阿鼻叫喚の無間地獄!
今年は、16名の湯かけツアー参加者がいましたが、
全員が無限地獄を体験してきました
ぬれてない人はゼロです。
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2008年01月19日
明日は湯かけ祭りですね
明日は湯かけ祭りですね

川原湯温泉は吾妻川の渓谷にある静かな温泉です。今から800年ほど前に源頼朝によって発見されたといわれ、草津の湯治の仕上げに入浴された温泉でもあります。ただ八ッ場ダムの建設により数年後にはダムに沈むことになっています。

奇祭、裸祭りとしても有名な「湯かけ祭り」は毎年1月20日(大寒)の早朝に地元の繁栄を祈り、1年の無病息災と平穏無事を祈願して行われます。

400年ほど前、ある日、突然温泉が出なくなってしまった。村人達はたいへん困り果てていたが、ある村人が温泉の匂いをかいだところ、ニワトリの卵をゆでた臭いがしたそうです。

そこで川原湯神社に鶏を奉納しお祈りしたところ、再びお湯が噴きだした。初めは「お湯わいた、お湯わいた」と言ってみんな喜んでいましたが、そのうちに「お祝いだ、お祝いだ」と言いながら、みんなでお湯をかけるようになったというのが「湯かけ祭り」の始まりといわれています。

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川原湯温泉は吾妻川の渓谷にある静かな温泉です。今から800年ほど前に源頼朝によって発見されたといわれ、草津の湯治の仕上げに入浴された温泉でもあります。ただ八ッ場ダムの建設により数年後にはダムに沈むことになっています。
奇祭、裸祭りとしても有名な「湯かけ祭り」は毎年1月20日(大寒)の早朝に地元の繁栄を祈り、1年の無病息災と平穏無事を祈願して行われます。
400年ほど前、ある日、突然温泉が出なくなってしまった。村人達はたいへん困り果てていたが、ある村人が温泉の匂いをかいだところ、ニワトリの卵をゆでた臭いがしたそうです。
そこで川原湯神社に鶏を奉納しお祈りしたところ、再びお湯が噴きだした。初めは「お湯わいた、お湯わいた」と言ってみんな喜んでいましたが、そのうちに「お祝いだ、お祝いだ」と言いながら、みんなでお湯をかけるようになったというのが「湯かけ祭り」の始まりといわれています。
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霧の中のキタカル君
霧の中にて
キタカル君からニュージーランド娘への
メッセージを届けます。
おっとキタカル君、歌っているようです。
さかんに霧を指さしながら歌っています。
山口百恵の歌みたいですね。
カメラさん、ズームしてください。

霧を指さしているキタカル君。
「これキリ、これキリ、これキリ、これキリ〜ですか♪」
(何のことか分からない人は、お父さんに聞いてみてね)
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キタカル君からニュージーランド娘への
メッセージを届けます。
おっとキタカル君、歌っているようです。
さかんに霧を指さしながら歌っています。
山口百恵の歌みたいですね。
カメラさん、ズームしてください。
霧を指さしているキタカル君。
「これキリ、これキリ、これキリ、これキリ〜ですか♪」
(何のことか分からない人は、お父さんに聞いてみてね)
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2008年01月18日
さよならニュージーランド娘!
那覇あたりにいってしまうニュージーランド娘へ


翌日は、角間山に登って、せんだみつおのモノマネをしました。
ナハ、ナハ、ナハ、ナハハハハハ・・・・。
(わかるかな? わかんねえだろうなあ〜)

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翌日は、角間山に登って、せんだみつおのモノマネをしました。
ナハ、ナハ、ナハ、ナハハハハハ・・・・。
(わかるかな? わかんねえだろうなあ〜)
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白い雪原6
あの子は、雪ん子なのだろうか?
そんなことありえん。
ただの転校生に違いない・・・・。
そんなことを考えている私のことなどお構いなしに転校生は、さかんに私に話しかけてきました。当時は、女の子から男の子に話しかけてくるという光景が珍しかったために、クラスの男子たちは、そんな光景を「ヒューヒュー」と囃し立てました。赤面して逃げ出しましたが、転校生はお構いなしに私のそばにやってきました。そんな彼女は目が大きかった。そして、じーっと人の顔をのぞき込む癖があった。それがまた、やりきれなくて私は何度か逃げ出してしまった。
幸いなことに彼女は、すぐに女友だちができました。私は「ホッ」として胸をなでおろしました。しかし、それにもかかわらず、その子は、私のところに寄ってこようとしました。他の女の子が
「佐藤なんかと口をきいちゃダメだよ」
と注意するにもかかわらず、それを振り切ってやってきました。そして彼女は必死になって私と何か会話をしようとするのですが、私は、ウンともスンとも言わなかったので、はずんだ会話は成立しませんでした。私が口を開いたのは1回きり。
「兄弟はいるか?」
「妹が二人いるけど」
「じゃ、3人兄弟なのか?」
「そうだけれど、どうして?」
「・・・・」
放課後、私は、学校を逃げ出すように、あの雪人形のところに行きました。そして、3体の雪人形をしげしげと眺めてみると、やはり目が大きかった。思わず小枝で目を小さく作りかえて病院に向かいました。病院の待合室で、ウソハチじいさんを待ち伏せしました。ウソハチじいさんは、すぐに現れましたが、私は声をかけることができなかった。
「雪ん子がでたかもしれない」
とは言えなかった。だからウソハチじいさんの後を尾行しました。しかし、下手くそな尾行のためか、すぐに相手に気づかれてしまい、ウソハチじいさんににらまれる結果になりました。
「出たのか」
「・・・・」
「そうか」
「・・・・」
ウソハチじいさんは、そのままサッサと歩き出し、私は、その後を尾行しつづけました。そして、ついにウソハチじいさんの家にたどり着いたのでした。そこは、茅葺きの農家の家で、庭先で白菜の漬け物をつけている御婦人がいました。病院で私を叱ってくれた御婦人でした。どうやらウソハチじいさんの親戚のひとのようでした。御婦人も一言、言いました。
「出たのかね」
「・・・・」
「そうか」
「・・・・」
「せっかくだ、お上がりなさい。いいよね、じいさん」
「ああ」
私はウソハチじいさんの家にあげてもらいました。
そして神妙にウソハチじいさんに尋ねました。
「どうして雪だるまなら良くて、雪人形はダメだったの?」
「だるまさんは、ずっと座禅を組みなさる。そして天地と一体となる。だから姿形を超越なさっている。雪が溶けたところで、天地と一体になった達磨大師さまにとっては、大したことではないのだよ。でも雪人形は、そうではない」
「雪人形なんか造らなければよかった」
「・・・・」
「今日、転校生がやってきたんだ。雪ん子かもしれない」
「アハハハハ、雪ん子は、転校なんかしない。安心しろ」
「だって」
「いずれ雪ん子は、消えていく。雪のある間に、ちょっとばかり悪戯をして消えてしまう。それが雪ん子の正体さ。これからお前は、雪ん子に悪戯されるかもしれないが、腹をたててはいかんぞ。優しく見守ってやることが大切だ」
「うん」
「それから、このことは、誰にも話してはならんぞ」
「どうして?」
「みんなからウソハチと呼ばれるからさ」
その時、私は酷く赤面しました。
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そんなことありえん。
ただの転校生に違いない・・・・。
そんなことを考えている私のことなどお構いなしに転校生は、さかんに私に話しかけてきました。当時は、女の子から男の子に話しかけてくるという光景が珍しかったために、クラスの男子たちは、そんな光景を「ヒューヒュー」と囃し立てました。赤面して逃げ出しましたが、転校生はお構いなしに私のそばにやってきました。そんな彼女は目が大きかった。そして、じーっと人の顔をのぞき込む癖があった。それがまた、やりきれなくて私は何度か逃げ出してしまった。
幸いなことに彼女は、すぐに女友だちができました。私は「ホッ」として胸をなでおろしました。しかし、それにもかかわらず、その子は、私のところに寄ってこようとしました。他の女の子が
「佐藤なんかと口をきいちゃダメだよ」
と注意するにもかかわらず、それを振り切ってやってきました。そして彼女は必死になって私と何か会話をしようとするのですが、私は、ウンともスンとも言わなかったので、はずんだ会話は成立しませんでした。私が口を開いたのは1回きり。
「兄弟はいるか?」
「妹が二人いるけど」
「じゃ、3人兄弟なのか?」
「そうだけれど、どうして?」
「・・・・」
放課後、私は、学校を逃げ出すように、あの雪人形のところに行きました。そして、3体の雪人形をしげしげと眺めてみると、やはり目が大きかった。思わず小枝で目を小さく作りかえて病院に向かいました。病院の待合室で、ウソハチじいさんを待ち伏せしました。ウソハチじいさんは、すぐに現れましたが、私は声をかけることができなかった。
「雪ん子がでたかもしれない」
とは言えなかった。だからウソハチじいさんの後を尾行しました。しかし、下手くそな尾行のためか、すぐに相手に気づかれてしまい、ウソハチじいさんににらまれる結果になりました。
「出たのか」
「・・・・」
「そうか」
「・・・・」
ウソハチじいさんは、そのままサッサと歩き出し、私は、その後を尾行しつづけました。そして、ついにウソハチじいさんの家にたどり着いたのでした。そこは、茅葺きの農家の家で、庭先で白菜の漬け物をつけている御婦人がいました。病院で私を叱ってくれた御婦人でした。どうやらウソハチじいさんの親戚のひとのようでした。御婦人も一言、言いました。
「出たのかね」
「・・・・」
「そうか」
「・・・・」
「せっかくだ、お上がりなさい。いいよね、じいさん」
「ああ」
私はウソハチじいさんの家にあげてもらいました。
そして神妙にウソハチじいさんに尋ねました。
「どうして雪だるまなら良くて、雪人形はダメだったの?」
「だるまさんは、ずっと座禅を組みなさる。そして天地と一体となる。だから姿形を超越なさっている。雪が溶けたところで、天地と一体になった達磨大師さまにとっては、大したことではないのだよ。でも雪人形は、そうではない」
「雪人形なんか造らなければよかった」
「・・・・」
「今日、転校生がやってきたんだ。雪ん子かもしれない」
「アハハハハ、雪ん子は、転校なんかしない。安心しろ」
「だって」
「いずれ雪ん子は、消えていく。雪のある間に、ちょっとばかり悪戯をして消えてしまう。それが雪ん子の正体さ。これからお前は、雪ん子に悪戯されるかもしれないが、腹をたててはいかんぞ。優しく見守ってやることが大切だ」
「うん」
「それから、このことは、誰にも話してはならんぞ」
「どうして?」
「みんなからウソハチと呼ばれるからさ」
その時、私は酷く赤面しました。
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冬の浅間山は、世界で一番きれいです!
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浅間をバックに記念撮影をしましょう。

もちろん、その後にスノーシューも!
カラマツ林のハイキングは最高に楽しいですよ!

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2008年01月17日
白い雪原5
転校生
雪人形に目を入れた翌日、私のいたクラスに転校生がやってきました。
女の子でした。
私の育った村には自衛隊の基地がありました。
当然のことながら自衛隊員の多い村でしたから、転校生は少しも珍しくありませんでした。毎年、二〜三人の人間が転校してきては、去っていく。私は、そういう村で育ったのです。
ところで子どもの頃の私には、特技がありました。
転校生と仲良くなる特技です。
ふだんから私には、これといった仲の良い友達がいませんでした。そして、これといった仲の良い友だちがいないというのは、転校してきたばかりの転校生も同じでした。そういう転校生と仲良くなるという、実に情けない特技が私にはありました。
転校生が珍しい地域であったなら、クラス中の人間が転校生を取り巻いて質問攻めにしたでしょう。しかし、自衛隊の基地がある村では転校生は珍しくもなんともなく、おまけに、その転校生たちは、いずれは別の地域に転校して去っていくヨソ者でした。
転校してくる者も、転校していく者も、幹部自衛官です。幹部自衛官たちは、定住せずに二〜三年で村を去っていきます。下っ端自衛官ならそう言うことはありません。同じ自衛官の子弟でも、遊び相手を選ぶ時は、幹部の子弟を遊び相手にはしません。第一、いつかは去っていく人たちなのですから。
せっかく仲良くなっても、いずれは消えていく。それも無茶苦茶遠い僻地に消えていく。北海道の果てとか、沖縄とか・・・・。そういう転校生と、すすんで仲良くなろうという人は少なかったものでした。
しかし、例外もいました。
私でした。
これといった仲の良い友だちが、いなかった私は、ポツンと淋しそうにしている転校生をみつけると私から声をかけていきました。そして大の仲良しになるのですが、その転校生が学校になれてきて、みんなの人気者になってきますと、どういうわけか私は、その転校生と喧嘩して別れ別れになりました。そして、また私は、ひとりぼっちになってしまうのです。
しかし、転校生と仲良くなるといっても、それも男の子の場合に限った話です。女の子の転校生とは、一度も仲良くなったことがありませんでした。
ところが、こんど転校してきたのは女の子でした。
おまけに、その転校生は、私の隣の席になりました。
私は、その隣の席の転校生をしげしげと眺めました。
色の白い女の子でした。
とっさに「雪ん子だろうか?」とドキドキしました。
いつもの私なら、誰よりも早く転校生に声をかける私なのですが、相手が女の子であることに躊躇がありました。自慢ではないが、私は誰よりも女の子に嫌われていましたし、自分も、それを勲章に思っているくらいに野蛮な、典型的な友だちいないキャラでしたから、いくら転校生であっても自分から女の子に声をかけることはできませんでした。
しかし、そんなことはお構いなしに、相手から声をかけてきました。
私の机が汚れていると、私にチリ紙を差し出してきたのです。
その時、私は全身が凍り付いてしまいました。
心臓の鼓動が止まりませんでした。
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雪人形に目を入れた翌日、私のいたクラスに転校生がやってきました。
女の子でした。
私の育った村には自衛隊の基地がありました。
当然のことながら自衛隊員の多い村でしたから、転校生は少しも珍しくありませんでした。毎年、二〜三人の人間が転校してきては、去っていく。私は、そういう村で育ったのです。
ところで子どもの頃の私には、特技がありました。
転校生と仲良くなる特技です。
ふだんから私には、これといった仲の良い友達がいませんでした。そして、これといった仲の良い友だちがいないというのは、転校してきたばかりの転校生も同じでした。そういう転校生と仲良くなるという、実に情けない特技が私にはありました。
転校生が珍しい地域であったなら、クラス中の人間が転校生を取り巻いて質問攻めにしたでしょう。しかし、自衛隊の基地がある村では転校生は珍しくもなんともなく、おまけに、その転校生たちは、いずれは別の地域に転校して去っていくヨソ者でした。
転校してくる者も、転校していく者も、幹部自衛官です。幹部自衛官たちは、定住せずに二〜三年で村を去っていきます。下っ端自衛官ならそう言うことはありません。同じ自衛官の子弟でも、遊び相手を選ぶ時は、幹部の子弟を遊び相手にはしません。第一、いつかは去っていく人たちなのですから。
せっかく仲良くなっても、いずれは消えていく。それも無茶苦茶遠い僻地に消えていく。北海道の果てとか、沖縄とか・・・・。そういう転校生と、すすんで仲良くなろうという人は少なかったものでした。
しかし、例外もいました。
私でした。
これといった仲の良い友だちが、いなかった私は、ポツンと淋しそうにしている転校生をみつけると私から声をかけていきました。そして大の仲良しになるのですが、その転校生が学校になれてきて、みんなの人気者になってきますと、どういうわけか私は、その転校生と喧嘩して別れ別れになりました。そして、また私は、ひとりぼっちになってしまうのです。
しかし、転校生と仲良くなるといっても、それも男の子の場合に限った話です。女の子の転校生とは、一度も仲良くなったことがありませんでした。
ところが、こんど転校してきたのは女の子でした。
おまけに、その転校生は、私の隣の席になりました。
私は、その隣の席の転校生をしげしげと眺めました。
色の白い女の子でした。
とっさに「雪ん子だろうか?」とドキドキしました。
いつもの私なら、誰よりも早く転校生に声をかける私なのですが、相手が女の子であることに躊躇がありました。自慢ではないが、私は誰よりも女の子に嫌われていましたし、自分も、それを勲章に思っているくらいに野蛮な、典型的な友だちいないキャラでしたから、いくら転校生であっても自分から女の子に声をかけることはできませんでした。
しかし、そんなことはお構いなしに、相手から声をかけてきました。
私の机が汚れていると、私にチリ紙を差し出してきたのです。
その時、私は全身が凍り付いてしまいました。
心臓の鼓動が止まりませんでした。
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2008年01月16日
白い雪原4
ウソハチじいさん
祖母の言ったことは本当でした。待てど暮らせど雪ん子は現れませんでした。「やっぱりウソハチだったのか」とガッカリした私は、病院でウソハチじいさんをさがしだし、
「ウソハチ! ウソハチ!」
と囃し立てました。それも毎日です。時には、友人まで連れてウソハチじいさんをなじりに病院に通い「ウソハチ! ウソハチ!」と口撃して囃し立てました。思えば、ずいぶん酷いことをしたものですが、回りの大人たちも笑ってみているだけでした。そして、ウソハチじいさんは、ひたすら私たちを無視しつつ、病院の待合室で黙想していました。
そして、数日後、いつものように病院の待合室でウソハチじいさんをからかっていると、私を叱りつける50歳くらいの御婦人が現れました。私が造った雪人形に手をあわせ「人形は大事にせんとな」と言ってくれた人でした。その人は、恐ろしい怪力で私の首根っこを掴んで病院の外につれだしたのです。
「だって、ウソハチじいさん、ウソをついたんだもの」
「どんなウソだ?」
「雪人形を造ると雪ん子がでると言ったけれど、雪ん子なんかでやしない」
「・・・・」
「それにみんな言っているよ、ウソハチじいさんは、ウソをつくから関わるなって」
「バカなことを。お前は、みんなが泥棒をしたら、おまえも泥棒するのか?」
「・・・・」
「みんなが人を殺したらをしたら、おまえも人を殺すのか?」
「・・・・」
「みんながお前のお母さんをイジメたら、おまえもお母さんをイジメるのか? みんながお前のお父さんに石を投げたら、おまえもお父さん石を投げるのか? みんなのせいににしてはいかん。悪いことは、悪いこと。第一、あのジイサンは、ウソをついてはおらん。雪人形を造ると雪ん子がでるというのは本当のことだ」
「出てないもの」
「お前は、まだ雪人形を完成してないじゃないか」
「え?」
「人形というものは、目を入れてはじめて完成するものだ。お前のこさえたものには、目が入ってないだろうが。もちろん、目を入れても雪ん子は出てこないこともありえる。しかしな、出ないほうがいいんだよ」
「どうして?」
「春になれば雪はいずれ溶ける。その時に雪ん子は、消えてしまう。かわいそうだと思わんか? ひと月やふた月で消えてしまわなければならない雪ん子を造ってしまっては、その子が哀れだとおもわんか?」
「おばさんもウソハチか?」
「これは、ウソとか本当とかの問題ではないよ。そういう気持ちが大切だと、あのジイサンは、言っていたの。わからんのか?」
「わからん!」
私は、走り出しました。
そして家に駆け込むなり、墨汁を手にして外に飛び出しました。
そして数日前に造った三体の雪人形のところに向かい、
雪人形に目を入れたのです。
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祖母の言ったことは本当でした。待てど暮らせど雪ん子は現れませんでした。「やっぱりウソハチだったのか」とガッカリした私は、病院でウソハチじいさんをさがしだし、
「ウソハチ! ウソハチ!」
と囃し立てました。それも毎日です。時には、友人まで連れてウソハチじいさんをなじりに病院に通い「ウソハチ! ウソハチ!」と口撃して囃し立てました。思えば、ずいぶん酷いことをしたものですが、回りの大人たちも笑ってみているだけでした。そして、ウソハチじいさんは、ひたすら私たちを無視しつつ、病院の待合室で黙想していました。
そして、数日後、いつものように病院の待合室でウソハチじいさんをからかっていると、私を叱りつける50歳くらいの御婦人が現れました。私が造った雪人形に手をあわせ「人形は大事にせんとな」と言ってくれた人でした。その人は、恐ろしい怪力で私の首根っこを掴んで病院の外につれだしたのです。
「だって、ウソハチじいさん、ウソをついたんだもの」
「どんなウソだ?」
「雪人形を造ると雪ん子がでると言ったけれど、雪ん子なんかでやしない」
「・・・・」
「それにみんな言っているよ、ウソハチじいさんは、ウソをつくから関わるなって」
「バカなことを。お前は、みんなが泥棒をしたら、おまえも泥棒するのか?」
「・・・・」
「みんなが人を殺したらをしたら、おまえも人を殺すのか?」
「・・・・」
「みんながお前のお母さんをイジメたら、おまえもお母さんをイジメるのか? みんながお前のお父さんに石を投げたら、おまえもお父さん石を投げるのか? みんなのせいににしてはいかん。悪いことは、悪いこと。第一、あのジイサンは、ウソをついてはおらん。雪人形を造ると雪ん子がでるというのは本当のことだ」
「出てないもの」
「お前は、まだ雪人形を完成してないじゃないか」
「え?」
「人形というものは、目を入れてはじめて完成するものだ。お前のこさえたものには、目が入ってないだろうが。もちろん、目を入れても雪ん子は出てこないこともありえる。しかしな、出ないほうがいいんだよ」
「どうして?」
「春になれば雪はいずれ溶ける。その時に雪ん子は、消えてしまう。かわいそうだと思わんか? ひと月やふた月で消えてしまわなければならない雪ん子を造ってしまっては、その子が哀れだとおもわんか?」
「おばさんもウソハチか?」
「これは、ウソとか本当とかの問題ではないよ。そういう気持ちが大切だと、あのジイサンは、言っていたの。わからんのか?」
「わからん!」
私は、走り出しました。
そして家に駆け込むなり、墨汁を手にして外に飛び出しました。
そして数日前に造った三体の雪人形のところに向かい、
雪人形に目を入れたのです。
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ちょっとハードなスノーシューな一日
ちょっとハードなスノーシューな一日
角間山に行ってきました。
みなさん絶景にびっくり!




この日は、18名で角間山を登頂!
絶景の雪景色に感動して帰ってきました。
(でも、ちょっとハードでした)
来週は、ゆかけ祭りがあるので、
のんびりスノーシューにさせてもらいます。
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角間山に行ってきました。
みなさん絶景にびっくり!
この日は、18名で角間山を登頂!
絶景の雪景色に感動して帰ってきました。
(でも、ちょっとハードでした)
来週は、ゆかけ祭りがあるので、
のんびりスノーシューにさせてもらいます。
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2008年01月15日
白い雪原3
ウソハチじいさん
その翌日のことです。風邪をひいた私は、祖母つれられて病院に行き、両親がトイレに行っている時に待合室で、あのお爺さんと出会ったのです。「雪人形を作ると、雪ん子がでるぞ」と、忠告してきた、あのお爺さんです。私は、その老人にかけよりました。
「おじいちゃん」
「うん?」
「おじいちゃんは、雪人形を作ると、雪ん子がでると言ってたよね?」
「ああ」
「造っちゃった」
「・・・・」
「雪人形を作っちゃったんだ」
「・・・・」
「雪ん子がでる?」
「ああ」
「雪ん子って何なの?」
「小さな女の子さ。そうさな坊主と同じくらいの年頃の女の子さ」
「僕が造ったのは、男の子を3人だよ」
「じゃ、3人の雪ん子がでてくる。ただし、みんな女の子だ」
その時、トイレから戻ってきた祖母は、私と老人が会話している姿をみて驚いた様子でした。そして私の腕をひっぱり、老人から私を引き離しました。
「ウソハチじいさんと話をしてはダメだよ」
「どうして?」
「あのじいさんは、ウソばっかり言うので有名なんだよ。だから臼八という名前じゃ呼ばれなくて、ウソハチじいさんと陰口をたたかれるのさ」
「へえ・・・・」
「だから絶対に関わってはダメ」
「・・・・」
つづく
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その翌日のことです。風邪をひいた私は、祖母つれられて病院に行き、両親がトイレに行っている時に待合室で、あのお爺さんと出会ったのです。「雪人形を作ると、雪ん子がでるぞ」と、忠告してきた、あのお爺さんです。私は、その老人にかけよりました。
「おじいちゃん」
「うん?」
「おじいちゃんは、雪人形を作ると、雪ん子がでると言ってたよね?」
「ああ」
「造っちゃった」
「・・・・」
「雪人形を作っちゃったんだ」
「・・・・」
「雪ん子がでる?」
「ああ」
「雪ん子って何なの?」
「小さな女の子さ。そうさな坊主と同じくらいの年頃の女の子さ」
「僕が造ったのは、男の子を3人だよ」
「じゃ、3人の雪ん子がでてくる。ただし、みんな女の子だ」
その時、トイレから戻ってきた祖母は、私と老人が会話している姿をみて驚いた様子でした。そして私の腕をひっぱり、老人から私を引き離しました。
「ウソハチじいさんと話をしてはダメだよ」
「どうして?」
「あのじいさんは、ウソばっかり言うので有名なんだよ。だから臼八という名前じゃ呼ばれなくて、ウソハチじいさんと陰口をたたかれるのさ」
「へえ・・・・」
「だから絶対に関わってはダメ」
「・・・・」
つづく
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2008年01月14日
2008年01月13日
白い雪原2
白い雪原2
「雪人形。人形というからには、女の子なんだろうな」
とは思いましたが、姉妹のいなく、小学校5年生であった私には、どうやって女の子の雪人形を造って良いか分からず、まずは男の子の雪人形を造り始めました。
とはいうものの、どうやって造ってよいか分からなかった私は、まず雪だるまを造り、そこから雪を削るようにして造形を行いましたが、さっぱりうまくいきません。その方法で雪人形を造るのは、とても難しく、とても人形の形にはなってくれません。
手作業では無理と悟った私は、塩や水を用意し、ショベルや出刃包丁やゴム手袋などの本格的な道具を用意して、苦心惨憺のうえ、3日がかりで、やっと等身大の雪人形を作り上げた時は、思わず
「やった!」
の歓声をあげたものです。そして、その後も雪人形造りは続け、雪人形は全部で3つ作り上げました。等身大のものを1つと、それよりも小さいものを2つです。そして、おじいさんの
「雪人形を作ると、雪ん子がでる。だから雪人形を作ってはいかん」
という言葉を思い出しつつ、
「これで雪ん子が出てきたらどうしようかなあ〜」
とワクワクしていました。
もちろん、そんな言い伝えは迷信だと分かっていましたが、私は、そんな迷信に反抗することで何か快感を覚えていたのかもしれません。
「雪人形を造ってしまったのか・・・・」
ふりかえると白菜を山のようにかかえていた通りがかりの御婦人でした。
50歳くらいの方でしょうか?
御婦人は、白菜の束を降ろして雪人形のそばにやってきて、
手と手を合わせて拝礼し、
「この雪人形は、坊が造ったのか?」
「うん」
「ならば大切にせねばな。時々、見に来るんだぞ」
「どうして?」
「人形は大事にせんと」
「?」
つづく
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「雪人形。人形というからには、女の子なんだろうな」
とは思いましたが、姉妹のいなく、小学校5年生であった私には、どうやって女の子の雪人形を造って良いか分からず、まずは男の子の雪人形を造り始めました。
とはいうものの、どうやって造ってよいか分からなかった私は、まず雪だるまを造り、そこから雪を削るようにして造形を行いましたが、さっぱりうまくいきません。その方法で雪人形を造るのは、とても難しく、とても人形の形にはなってくれません。
手作業では無理と悟った私は、塩や水を用意し、ショベルや出刃包丁やゴム手袋などの本格的な道具を用意して、苦心惨憺のうえ、3日がかりで、やっと等身大の雪人形を作り上げた時は、思わず
「やった!」
の歓声をあげたものです。そして、その後も雪人形造りは続け、雪人形は全部で3つ作り上げました。等身大のものを1つと、それよりも小さいものを2つです。そして、おじいさんの
「雪人形を作ると、雪ん子がでる。だから雪人形を作ってはいかん」
という言葉を思い出しつつ、
「これで雪ん子が出てきたらどうしようかなあ〜」
とワクワクしていました。
もちろん、そんな言い伝えは迷信だと分かっていましたが、私は、そんな迷信に反抗することで何か快感を覚えていたのかもしれません。
「雪人形を造ってしまったのか・・・・」
ふりかえると白菜を山のようにかかえていた通りがかりの御婦人でした。
50歳くらいの方でしょうか?
御婦人は、白菜の束を降ろして雪人形のそばにやってきて、
手と手を合わせて拝礼し、
「この雪人形は、坊が造ったのか?」
「うん」
「ならば大切にせねばな。時々、見に来るんだぞ」
「どうして?」
「人形は大事にせんと」
「?」
つづく
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