私は甘い物が嫌いです。でもシュークリームは大好き。子供の頃に生れて初めてシュークリームを食べたときは、この世にこんなに美味しい食べ物があるのだろうかと感動し、小遣いをためてはセッセとシュークリームを買いに行ったものです。最近は無くなりましたが、以前はシュークリーム5個を昼御飯がわりに食べていたこともあります。
「そんなことでは栄養失調になるぞ」
と忠告されても
「小麦と牛乳と卵でできているから栄養価は高い」
とへ理屈で反論していました。

それからモンブランも好きです。マロンクリームと栗の入ったあのケーキを初めて食べたとき、これこそケーキの王様であると思いました。それまでは栗ヨウカンこそが菓子類の王様であると思っていたのですが、
「やっぱりモンブランだよな」
と思うようになりました。私は栗に目がないのです。栗が入っていれば大喜びする性格なのです。イチゴのショートケーキより栗のモンブランの方が大好きなのです。だからもし、イチゴ大福の代りに栗大福があったら、真っ先に食べていると思います。
ある日のことです。ふと神田の町を歩いているとケーキ屋さんがあり『モンブランシュー』なるケーキを発見してしまいました。
それはフランスパンのような横長のケーキで、シュー皮の下生地に栗を並べてマロンクリームをぶっかけ、そのうえにまたシュー皮を乗せてカスタードクリームをたっぷりかける。そしてその上にスポンジケーキを乗せて生クリームをかける。最後にはマロンクリームで表面を固めてチョコレートをまぶすといった、超豪華なケーキが、たったの千円で売っていたのです。
「食べたい」
と思った私は、さっそく昼飯がわりにモンブランシューを買いに店内に入りました。すると、そこには女の子が並んでいました。一瞬とまどいつつも勇気をふりしぼって私は言いました。
「モンブランシューを下さい」
すると店員さんが
「御誕生日ですね?」
と言ってきます。私は焦りました。
「え? あ、はい・・・・」
「名前は何ですか?」
「私ですか? 私は佐藤ですが・・・・」
「いえ、御誕生日になる子の名前です」
「え? あ? あ〜、●●です」
慌てたデタラメな名前を口走ってしまいました。
しかも女の子の名前だった。
店員さんは、よもや私が
モンブランシューを食べるとは思ってなかったようです。

「ちゃんずけにしますか? さんずけにしますか?」
「はあ?」
「●●ちゃんとケーキに名前を入れるほうがいいですか? ●●さんとケーキに書くほうがいいですか?」
「ああ、はい。そうして下さい」
「ロウソクは何本にしますか?」
「7本にしてください」
「7本ですか。小学1年生ですね。さぞかしかわいらしいお子さんなんでしょうね」
「え? ええ、まあ・・・・」
私は、完全にパパにされてしまっていました。店員さんは、彼女にプレゼントするケーキであるという美しい誤解は、まったくもって、してくれませんでした。
「それではランドセル形のチョコをサービスしておきますね」
「ああ、ありがとうございます」
こうして恐怖のモンブランシュー購入事件は終りました。もう私は正々堂々と自分が食べるケーキを買うことができなくなる歳になってしまったようです。しかし、私は声を大にして言いたい。
「男だってケーキを食べてもいいではないか!」
すると、冷たい北風がピューピュー吹きつけました。公園の片隅でランドセル形のチョコをかじる私の背中は寒かった。

追伸
・ヨウカンは端の方がすきだ!
・アンコはツブアンの方がすきだ!
・ミツマメよりアンミツだと思う。
・チョコレートパフェにフレークを入れるのは邪道だと思う。
・煎餅にマヨネーズをつけて食べると意外においしい。
・アーモンドチョコは、
チョコ全部を口の中で溶かしてからアーモンドをかじる!
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