2019年02月06日

真っ青になって病院に駆け込んだ話 その5

 幼児のうちに、一部の脳だけを成長させすぎると、他に大切な知能である別の脳の成長がうまくいかなくなる可能性がある。大げさに言うと両眼視を失う可能性だってある。つまり、ゆとり教育というのは、脳科学的に非常に危険な教育だったという説がでてきている。

 極端な例として、サバン症の人たちがあります。発達障害などのせいで、自閉症的だったりする人たちの中に驚異的な能力を示す人がいますが、それがサバン症です。サバン症を主人公にしたドラマで『グットドクター(山ア賢人主演)』というドラマがありましたが、あれがサバン症です。

 以上は、大げさな話ですが、ゆとり教育には、そういう危険性がなくもないというのです。それを私は聞きかじって知っていたから、息子の視力検査で異常が出たと聞いて青ざめ、幼稚園を休み、眼科で最も有名な御代田総合病院に駆け込んだわけです。



 では、どういう幼児教育が良いかというと、幼児のうちは、多くの知能を均等に伸ばしてあげるのが一番だという。そもそも知能は環境に適応するために進化してきた脳機能ですから、進化的予想している環境があれば、自然と発達すると、脳科学者の澤口俊之が言っています。

 つまり、そういう環境を息子の周辺につくるのが親の役目なんでしょうね。

 例えば、いろんな友達と遊ぶ環境。
 祖母と暮らす環境などなど。

 そういう環境があれば、臨界期をうまく利用して適正な知能の発達が得られると言います。

 具体的にいうと、公園に連れて行って、見知らぬ子供たちと遊ばせる。親は介入しない。殴られてもイジメられてもグッと我慢する。また、できるだけ嫁さんに里帰りさせて祖母と接触をもたせる。それらの環境をつくってあげることによって一般知能が向上するといいます。

 ここでちょっと説明をします。
 一般知能についてです。
 一般知能というのは、イギリスの心理学者、チャールズ・スピアマンが発見した概念で、知的作業には、個別に必要とされる特殊因子と、全ての作業に共通する一般因子があることを発見しました。

 例えば計算に必要な知能と、音楽に必要な知能とでは、それらの間に関連性が全くないわけです。いくら暗記が得意になっても、音楽の才能が発達するわけではありません。これが個別知能です。
 
 一般知能というのは、計算や音楽やその他のいろいろな作業すべてに関わる共通の知能のことです。

 つまり、知能には、
 『一般知能』と
 『個別知能』の二つがある。

 1998年、アメリカでの大規模な調査で一般知能の調査が行なわれました。その結果、一般知能が低いほど社会的リスクを負う確率が高くなることが分かりました。仕事が続かないとか失業するといったリスクは、一般知能が低いほど高くなる。結婚に関しても離婚したり、望まない妊娠をする。社会保障を受けないと自活できない、といったリスク確率が高くなるというのです。

 高校に関して言うと、いくら個別知能(暗記能力や、計算能力など)が高くても、一般知能が75以下の生徒の半数以上が高校を中退。75から90では三人に一人が中退。110以上では中退者は皆無。もちろん高校に入学しているわけですから、個別知能は高い人たちばかりです。個別知能(IQ)が高く、学力があっても、一般知能が低かったら、高校を中退してしまう結果がでているという。

 これは大学生に関しても同じで、大学に入学できるほど勉強ができるわけですから、計算や国語力といった個別知能は高いにもかかわらず、一般知能が低いと、卒業できない傾向が強いという結果がでてしまった。きちんと卒業する大学生の一般知能は110以上という結果がでています。

 さらに社会的地位が高くて年収も多く家庭も円満、という社会的成功者を六百人ほど調べたところ、一人の例外もなく一般知能が110以上だったと言います。一人の例外もないのがミソです。

 しかも追跡調査によって、一般知能が高いほど年収が多いことが再確認され、交通事故死や医療機関にかかる確率も一般知能と相関することもわかり、国民の平均的一般知能が高い国ほどGNP(国民総生産)が高いこともわかっています。それほど重要な知能ということで、多くの専門家たちは、半世紀以上にわたる研究を行なって、一般知能の伸ばし方を追求したのですが、それを解明できた人はいませんでした。

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 ところが、一般知能の脳内中枢が前頭連合野にあることが2000年頃に分かりました。前頭連合野とは、前頭連合野というのは、状況の変化に合わせて柔軟に行動を変えるなどの行動の制御において重要な役割を果たす部分です。

 情動のコントロールや、論理的な判断、将来の予測、判断、行動計画に必要な情報を受け取り、複雑な行動計画を組み立てて判断するところが前頭連合野です。ここに一般知能の中枢があることがわかってきました。で、一般知能とワーキングメモリが深く関係することが分かってきました。

 ワーキングメモリというのは、作業記憶のことです。パソコンでいうところのRAMにあたります。情報を一時的に記憶して、それを材料に判断・決断・行動を行なうために、一時的に記憶しておく装置みたいなものです。パソコンでいうところのRAMです。

 それに対して個別知能が、パソコンでいうところのアプリケーションソフトにあたります。個別知能は、アプリケーションソフトのように各種の脳領域にバラバラに存在します。そして独立しているというか、並列しているわけです。その中で、あるソフトだけが突出して巨大に発達しすぎると、別のアプリケーションソフトが入る容量が少なくなってしまう。で、これらの個別知能(アプリケーションソフト)は、各々が競争し合っている。右目と左目さえも競争し合っているんです。

 それに対して、一般知能は、パソコンでいうとウィンドウズのようなOSに相当するかもしれません。で、脳科学者・心理学者たちは、アプリケーションソフトにあたる個別知能(計算能力など)のバージョンアップの方法を見つけることは簡単にできたんですが、OSにあたる一般知能の向上の方法を見つけられなかった。半世紀にわたって研究をしたけれど誰も見つけることは出来なかった。

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 ところが最近の研究で、パソコンのRAMにあたるワーキングメモリの能力を向上させると、一般知能の能力がアップすることが分かってきました。一般知能そのものを訓練することはできないけれど、ワーキングメモリは訓練で向上させることが可能であることは分かっている。

 で、ワーキングメモリ能力を向上させてみると、自己制御力が高くなり、衝動性は低くなり、キレにくい子供になるということも分かってきた。落ち着きが出てきた。集中力が増したという報告もされるようになりました。ワーキングメモリの訓練でADHD(多動児)の子供の衝動性を低くしたという報告も出てきました。

 しかしワーキングメモリ能力の訓練にも臨界期があるらしいこともわかってきた。八歳頃までです。九歳になるとその効果は急になくなってしまう。実は、甥っ子にADHD(多動児)がいるのですが、対症療法としてワーキングメモリ能力の訓練が有効である可能性があります。

 それはともかくとして、ワーキングメモリ能力の訓練によって、一般知能の能力がアップすることが分かってきたために、何が起きたかというと、幼児教育の教材に、それを取り入れる会社が増えてきました。今までは、どちらかというと小学校教育の早どり学習をする幼児教育が多かったのですが、最近は違っていて、ワーキングメモリ能力の訓練を主流とする学習が主流になりつつあります。

 その最右翼を走っているのが、脳科学者・篠原菊紀氏が監修している全家研の幼児ポピーです。それも幼児用のみです。小学生以上の教材には、脳科学者・篠原菊紀氏はかかわっていません。ワーキングメモリ能力の訓練ができるのは、幼児ポピーのみです。小学生以上は、つまらない教材になっています。





 実は、この教材は、通信教育なのですが、バックナンバーを買うことも出来たので、それらを全て発注して息子にやらせてみました。当然のことながら、息子は苦戦しました。内容に「なぞなぞ」のような部分が多分にあったからです。むしろ息子にとっては、平仮名・カタカナを書くと行った、従来の幼児用教材の方が簡単だったらしく、ワーキングメモリ能力の訓練をするために「なぞなぞ」のような部分に四苦八苦していました。

 しかし、普通なら四苦八苦に教材を投げ出すはずなのですが、そこは脳科学者・篠原菊紀氏が監修しているためか投げ出さない。四苦八苦しながら自分ですすんで教材をやりたがる。というか、遊びの一種だと思っている。「なぞなぞ」のような部分に勉強ぽさをこれっぽっちも感じてないんですね。親の私は
「しめた!」
と思いましたね。なぜならば、幼児ポピーのおかげで、親が言わなくなっても毎日勉強する癖がついてしまったからです。私が忘れていても、息子の方から「まだポピーやってない」とか「もっとやっていい?」と聞いてくる。その結果、六ヶ月ぐらいで一年分がおわってしまう。仕方がないので、早どり学習させるより、同じ問題のほうがいいと思ったので、また同じ物をとりよせて、おなじ問題を再びやらせたら、今度は、四ヶ月くらいで一年分が終わってしまった。

 ちなみに息子の同級生たち何人かは、公文に通っているらしく、みんな早どり学習をしています。なぜ私が、それを知っているかというと、息子が時々、公文のテキストかなんかで作った紙ヒコーキかなんかをもってくるからです。それを分解してみてみたら息子の同級生の名前が書いてあって、三桁の足し算引き算が書いてありました。これには、さすがに目が点になり
「○○さんの家では、幼児に小学三年生の算数をやらせているのか?」
と驚いたものです。




 こんな田舎が、これほど教育熱心だったとは夢にもおもってなかったですが、サラリーマンの息子ならともかくとして、宿屋の息子には、そういった個別知能より、一般知能の方が重要なので、ワーキングメモリ能力の訓練をするために、ひたすら「なぞなぞ」みたいなものに四苦八苦してもらっていました。宿屋の息子に一番大切なものは、学力ではなく、情動のコントロールや、論理的な判断、将来の予測を間違わない一般知能の方なんです。勉強は、たいして出来なくてもよい。それは私自身の過去の体験から言えるし、ユースホステルのオーナーとして、多くの悩める高学歴の御客様と夜通し話し合った体験からも、もっと大切なことがあることを体験でしっている。



つづく。

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posted by マネージャー at 12:41| Comment(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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