2020年05月05日

発達が遅れ気味だった息子 その2 脳のトレーニング

 脳科学者の本を読むと臨界期について書かれてあります。
 臨界期というのは、何かを学習する際に決定的に重要な期間のことです。
 臨界期を過ぎますと、その何かをほとんど学習できなくなってしまいます。

 例えば視覚。誕生から数ヶ月間、全く光を知らないままでいますと、脳の視覚システムが構築できず一生涯失明したままになります。視覚における神経回路がその発達の臨界期を過ぎてしまったからです。

 感情のコントロールにも臨界期があります。幼児の時に感情のコントロールをせずに放置しておくとキレやすい子になります。もちろん脳には可塑性があるので臨界期を過ぎても学習できますが、それは学習容易期であって臨界期ではありません。

 何の苦労なく習得できるのが臨界期。
 努力して習得するのが学習容易期。

 何の苦労もなく人徳者になれる時期(臨界期)があるのに、それを過ぎてしまうと苦労して人徳を磨く必要が生じます。だったら苦労のいらない臨界期に学習させた方が本人にとって楽ですので、これを利用しない手はありません。臨界期を過ぎてからの教育は効率が悪い。

 これは勉強にしても運動にしても一緒で、やはり臨界期があります。ワーキングメモリなどの知能に関する臨界期は八歳ですので、成長が遅れている息子の場合、八歳までに知能を鍛える必要があります。ですので、早取り学習なんかしてる暇はありません。

 イギリスの心理学者、チャールズ・スピアマンは、知能には、個別知能と一般知能があることを発見しました。例えば計算に必要な知能と、音楽に必要な知能の間に関連性は全くありません。いくら計算が得意になっても音楽の才能は発達しません。これが個別知能です。

 それに対して一般知能というのは、計算や音楽やその他の色々な作業すべてに関わる共通の知能のことです。

 1998年、アメリカでの大規模な調査で一般知能の調査が行われ、一般知能が低いほど社会的リスクを負う確率が高くなることが分かりました。仕事が続かないとか失業するといったリスクは、一般知能が低いほど高くなります。

 逆に一般知能が110以上だった人を調べたら全員が社会的な成功者で、一般知能が高いほど年収が多いことが確認されてます。交通事故死や医療機関にかかる確率も一般知能と相関していました。つまり音楽の天才でも、東大生でも、超エリートでも一般知能が低かったら、人生を失敗する確率が大きい事が分かってしまいました。

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 なので臨界期が過ぎる前に一般知能を鍛える必要があります。最近の研究だとワーキングメモリをアップさせると一般知能がアップするらしいので、早急に息子のワーキングメモリを鍛える必要があります。八歳がワーキングメモリにおける臨界期なので早取り学習なんかしている暇はありませんし、勉強も後回しで良い。とにかくワーキングメモリの強化が先決。

 なので一般知能を上げることが、今後の人生において最も重要なことだろうと私は判断し、それを向上させる教材をかたっぱしから息子にやらせることにしました。

 具体的に言うと脳科学者が監修した『ポピー』と言う教材。全部やり終えたら先に進むのではなく、同じものをまた購入し直して再びやらせる。教材は間違い探しだったり、迷路だったり、勉強というより遊びながら脳トレーニング。その他にも脳力道場・ジグソーパズル・日本地図パズル・世界地図パズル・漢字パズル・各種カルタ・各種ゲーム。これを幼稚園時代に、三年間にわたってやらせたわけですが、そのせいでウェクスラー知能検査の数値が高く出てしまった可能性がある。

 けれど、これらの教材は、ゲーム中心の教材なので、平仮名や漢字をノートに書けるようになったというわけではない。だから勉強ができているわけではありません。迷路や間違い探しやシール貼りで遊んでいました。早取り学習したわけでは無いので、平仮名を書けるようになったのは、他の同級生より遅かった。



 文字を読めるようになったのは、誰よりも早かったくせに、書けるようになったのは、誰よりも遅かった。箸で御飯を食べれるようになったのも、幼稚園で一番遅かった。だから小学校の給食でカレーを手で食べて見せて先生を驚かせたこともありました。
「この子は、幼すぎる」
と思われたようで、家庭訪問で言われてしまった。

 脳のトレーニングを優先するということは、そういう事になってしまう。皆が出来ることが、出来るようになるというわけではない。目に見えて進歩するということはないし、みんなに成長が追いついていくわけでもない。知能がアップしてるかもしれないけれど勉強が出来るわけではない。


 それでも脳トレーニングにこだわった理由は、脳科学者のアドバイスを使ったら、二歳になる前に平仮名・カタカナ・ローマ字を読めるようになった実績があったからです。

 だから早取り学習に走らず、根気よく脳トレーニングを続けていった。
 しかし早取り学習と違って目に見える成果があがるわけではない。
 進歩しているのか、していないのか、さっぱり分からない。
 成果が見えない。
 そこが早取り学習と違うところです。


 しかし、ある日突然に頭の回転が速くなった。
 それも突然に。
 徐々にではなく突然にです。
 問題を解く力がついてきていた。
 うちの嫁さんが苦戦している難問を解くようになってきた。

 なので、試しにインターネット上にある小学一年生の問題を解かせてみたら、習ってないことでも解ける。勝手に推理して問題が解けるようになっていた。幼稚園の年長組の夏休みに入る前の頃です。
「これはいいぞ!」
と思った私は、息子に「チャレンジタッチ一年生」と言うタブレットを与えました。当時は幼稚園年長組のタブレットが無かったので、一年生のものをやらせてみた。そしたら、どんどん問題を解いていく。習ってないのに解いていく。

 後日、発達相談で作業療法士の先生にうかがったところ、ある日、突然、幼児が運動が出来るようになることがあるらしい。何かを繰り返して行わせることによって脳神経が突然つながって、できなかったことができるようになることがあるらしいのです。うちの息子の場合、根気強く脳トレーニングをしているうちに、ある種の脳神経が突然つながって、習っても無い問題を解くことができるようになったらしい。

 結局、脳トレーニングをすることによって、
 早取り学習したのと同じ結果になってしまった。


 けれど問題は解けるけれど文字が書けない。
 早取り学習をしてないので、文字が書けてない。
 なので算数はスラスラ解けるけれど、
 国語は「書く」という部分で苦戦する。
 読むという場面では、スラスラ解けるけど書く部分ができてない。
 また、同じ問題でもタブレットなら満点がとれるけれど、
 紙の問題集だと点数が悪い。頭脳の発達に指先が追いついてない。


 つまり脳のトレーニングには、限界があったわけで、文字を書けるようになったのは誰より遅かったし、箸の使い方も誰より不器用だった。給食のカレーを手で食べて担任の先生を呆れさせたし、友人とうまく会話ができていなかった。先生の紹介で「言葉の教室」という特殊学級に通ったりもした。

 とは言うものの幼稚園の年長にして、一年生の問題を解いている。一年になると二年生の問題も解けるようになっている。そういう意味では頭がよくなっている。だからウェクスラー知能検査をすると高い数値がでてきたのかもしれない。なぜならば、ウェクスラー知能検査は、大半が口頭試問であり紙に書かせる検査は少なかった。それが証拠に、紙に書かせる検査である処理速度の部分は、それほど高くはなかった。

 で、小学校一年生になり、夏休みに入ると一ヶ月分の宿題を一日で終わらせて先生を驚かせたわけですがタネをあかせば、「なーんだ」になります。息子の夏休みの宿題は、書く作業より解く作業が多かった。だからアッという間に終わらせられた。もし書く作業が多い宿題ばかりだったら、こんなに早く終わってなかったと思う。たまたま解く作業が多いために一日で終わったのだと思う。

 また、宿題の中には「夏休み中に、合計で四百ページ以上の読書をしなさい」いうものもありましが、これも夏休みが終わる頃までに三百冊八千ページという読書量になってました。しかも黙読では無く、御客さんのお子さんへの読み聞かせだったりする。何を読み聞かせているんだろう? と、近くに寄ってみると、シュークリームの作り方のレシピを三歳児の女の子に読んであげていた。で、三歳児の女の子は、真剣に聞いてる。

 この読み聞かせの結果、息子のコミュニケーション能力は大幅に向上している。二学期になると担任の先生から、見違えるよう社交的になったと報告がありました。読書・音読・読み聞かせによって、対人関係がすこぶるよくなっていった。相変わらず「書く」という作業は苦手だったけれど、コミュニケーション能力は確実にレベルアップしていた。

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 そのうえ料理のレシピ本を読んで料理を作ったり、工作の本を読んでは何か作ってみたり、読書から発展して、いろんなことをするようになり、そのうちに『自由研究の手引き』が、なにやら面白そうだと気がついて、勝手に自由研究を始めてしまった。機械的に本を読むだけで無く、本をもとに研究まで始めてしまった。


つづく。

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posted by マネージャー at 22:09| Comment(0) | 教育問題を考えてみる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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