2020年10月12日

カメムシとの二十年戦争 後編

 後編です。

 今から六年前。子供が生まれた時、庭の改造を行いました。よちよち歩きの息子は藪の中にどんどん入っていきます。そして虫やトゲに刺され傷だらけになる。庭にはトリカブトなどの毒草もあるし、トゲだらけの野いちごもあります。赤ちゃんには危険すぎるのです。

 なので家の周りから、ヤブ蚊や真ダニ・毒草を絶滅させるために、庭木の全てを伐採し、花壇も全廃し、五十センチほど土を掘り起こし、そこに岩石を並べ、除草シートをかぶせ、十トンダンプ二十台以上分の砂利を敷き詰め、ヤブ蚊や真ダニ・毒草・漆・タラの芽などを絶滅させ、千坪の土地を幼児にとって安全な場所に改造しました。


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 しかし、それでも秋の紅葉シーズンになると大量の葉っぱが空から降ってきます。真っ白に敷き詰めた砂利が、落葉に埋もれていきます。その落葉をかき集めていつもの年のように、カメムシ退治のための焚き火をしようと思ったら、積もり積もった落葉の下からカメムシが現れてきました。今までの黒い土のままだと気がつかなかったのですが、地面が白かったのでカメムシが目立って見える。なので、堆積した落葉の中にカメムシが見えてきた。

「なるほど、そういうことだったのか!」

 私は、とんでもない間違いを犯していたことに気づいてしまった。カメムシを敵視するあまり、自分で自分の首を絞めていたことに!


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 北軽井沢においてカメムシが発生する時期は、決まっています。落葉が落ちた時です。落葉が地面に落ちる頃、カメムシも冬眠に入ります。落葉の山の中に潜り込んで冬眠するのです。しかし、北軽井沢の住民たちは、その落葉を集めて燃やしたり、今に出したりします。業者さんに頼んで処分する方も多い。その結果、冬眠場所を失ったカメムシが、流民のごとく家屋敷に潜り込むしかなくなる。私は落葉を燃やすことによって、カメムシたちの冬眠場所を奪っていたわけです。

 それに気づいた私は、エンジン付きの強力なブロアを購入し、庭の隅に掘った巨大な穴の中に落葉をかき集めるようにしました。また、管理を委託されている隣近所の林の中にどんどん吹き飛ばしていきました。そして巨大な落葉の山をいくつも作りました。
 と同時に、宿の周りにある落葉を徹底的に排除しました。建物から三メートル以内には、 一枚の落葉も見ないようにしました。すると、毎年秋になると大量のカメムシが壁をはい上がっていく光景が全くなくなりました。
 落ち葉の山で、カメムシの冬眠場所を作ることによって宿にカメムシが入らなくなってきたのです。これは殺虫剤・木酢・竹酢・落葉焚きよりも、効果がある上に、てんとう虫や、いろんな虫たちが、家の中から消えていくどころか、家のまわりから全く見えなくなってしまった。

 北風と太陽とでも言うのでしょうか? 虫を殺そうとしても、虫を排除しようとしても、今ひとつうまくいかなかったのが、虫と共生することを考えた途端に、うまくいく。
 不思議なものです。
 今では、殺虫剤をほとんど使う事は無くなりました。毎年、何万円分も使っていた費用は、一体なんだったんだろうか? うちの倉庫には、未使用のまま眠っている殺虫剤や木酢竹酢などが大量に眠っています。


つづく。

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posted by マネージャー at 12:00| Comment(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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