2015年04月26日

バイクでやってくるお客さん 2

 その昔、モンキーバイクで日本一周をしたという友人がいた。モンキーバイクでなんだろう?と思ってインターネット検索してみたたら、小さい小さい。子供用の3輪車のように小さい。こんな小さなバイクで、よく日本1周をしたものだ。どうりで、うちの宿にモンキーバイクでやってきたお客さんがいないわけである。これで北軽井沢の山に登ってくるのは、至難の業であろう。

 ちなみに彼はその後、何を思ったのかヘリコプターのパイロットになりたくなって、数年間佐川急便で働いて、 1,000万くらい貯金をして、アメリカで免許を取った。そして、うちの宿で何年か働いて、最終的にはプロの自然ガイドになったはいいが、東北大震災の時に救援に行っているうちに、何故か嫁さんをもらっていまはトヨタ系列のところでガイドをやっている。で、ついこの間、南極に行くための相談をしに来た。モンキーバイクから、ヘリコプター、自然ガイド、南極越冬隊とは、かなり目まぐるしい人生だが、バイクに乗る人たちは、ちょっと常識を超えた人生を送っている人たちが少なからずいる。ライダーという人種は、エスカレーター的な生き方が苦手なのかもしれない。

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 あと、これはうちのお客さんに限ったことかもしれないが、いろいろ話を交わしてみると、ライダーさんの何割かは、バイクレースに熱中した過去があるみたいなのだ。レースといっても、鈴鹿サーキットみたいな本格的なレースではなく、話の内容からしてかなりアマチュアっぽいレースである。彼らは「草レース」と呼んでいたが、破損や改造のために、かなりの金額をバイクにつぎ込んでいたらしい。かと思うと、バイクを何台か持っている人もいる。うちの宿に来るたびにバイクが変わっているために、買い換えているのかなぁと思っていたら、複数のバイクを持っていて日替わりで違うバイクを運転するのだそうだ。これではいくら金があっても金はたまらないだろう。

 そうかと思うと、バイクを単なる移動の手段と割り切って使う人もいる。そういう人は、原付バイクや、小型のスクーターに乗ってやってくる。特徴としては、長い距離を走らない傾向にある。 100キロぐらい走って宿に泊まるのだ。私は若い頃に、ママチャリで200キロぐらい走って公園に野宿したものだが、その半分の距離で宿に泊まるわけだから、もともと動きたくない人たちなのかもしれない。

 また、キャンプ場を転々と移動しているライダーもいる。これは、ライダーなのか?キャンパーなのか?どっちが本業なのか?よくわからない人たちだ。さらによくわからないのは、石垣島とか西表島なんかにいるライダーたちである。キャンプ場にテントを張って何週間もそこで生活をするのだが、彼らがバイクを走らせている話を聞いたことがない。そもそも小さな離島にバイクが必要なのだろうかと思ってしまう。信じがたいのは、そのキャンプ場のテントに郵便物が届くことである。しかも彼らのテントに、時たま差し入れが入ることがある。よく聞いてみると、テント生活の先輩からの差し入れということらしい。といっても誰とも面識はないらしい。はっきり言って赤の他人からの差し入れである。それはともかく、その先輩は、地元の農家の娘と結婚して、農業をやっているらしいのだが、要するに農業のアルバイトしないか?という探りみたいなものだったのかもしれない。あるいは、新手のお婿さん探しだったのかもしれない。

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 あと、やたらと温泉好きなライダーというのもいる。無料天然露天風呂なんかに行くと、なぜかバイクがあって、ライダーたちが温泉につかっているということがよくある。宿屋の業界では、温泉ライダーと呼んでいる。温泉に命をかけているライダーなのだが、当然のことながらオフロードバイクに乗っている。そして天然温泉のありかを嗅ぎつけると、どんな山奥でも入っていく人たちだ。彼らは、バイク好きというより、温泉好きなのだろう。林道によっては、車が入っていけないところもあるので、故にオフロードバイクなのだ。嬬恋村にも、そういう秘湯がいくつかあって、立ち入り禁止もなんのそので入っていくのである。もちろん危険なので、どんなに頼まれても絶対教えないのだが、どこからか情報を得て入りに行くのである。彼らはどんな情報網を持っているのだろうか?

 レトロバイクマニアというのもいる。例えば1980年代のホンダのバイクしか乗らないと言う人である。しかもそのバイクで草レースに出たりする。当然のことながら勝てない。私はよくわからないのだが、バイクは性能の進化が激しいらしく、 1980年代のバイクだと蝶々と燕ほどのスピードの差が出るらしい。だからレースには勝てないのだが、 1980年頃のバイクで走るのに意味を見つけているらしい。もちろん宿にも、そのバイクでやってくるが、古いバイクなので、燃費も悪い上に、よく故障するらしい。しかしそれがいいのだそうだ。私にはよくわからない趣味である。

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 わからない趣味といえば、ライダーたちが、エンジンを動かしてエンジン音に感激している姿である。私には、すべて同じエンジン音に聞こえるのだが、実はそうではないらしい。ライダーさんたちにとっては、エンジンの音というものが非常に重要なポイントなのだそうだ。

 話は変わるが、定年退職してからバイクに乗り出したと言うお父さんもいる。 60の手習いである。若いうちは、奥さんに反対されてバイクに乗れなかったらしい。しかし定年退職したら奥さんの許可がおりたらしい。奥さん的には、息子さん娘さんが社会に出たので、もういつ旦那が死んでも良いと思ったのか? 女性の一般的な目からすると、バイクに乗るという行為は、かなり危険だと思われているらしい。まぁ車よりは危険なのだろうが、はっきり言って運転する人の心がけの方が大きい。安全運転ならば、バイクだろうがスポーツカーだろうが危険はないと思うがどうだろう?どんなに安全な乗り物でも、運転する側の心がけが悪ければ、そっちの方がよほど危険だと思うのだが。暴走族はともかくとして、一般的にライダーの人たちは、メカに詳しく、バイクの整備もマニアックに行うので、むしろ彼らはその辺のドライバーよりも、よほど安全に運転しているような気がする。

 ちなみに嬬恋村は、日本で最初にバイクレースを行っている。その時は、地元民もヤマハ派とホンダ派で別れて、すごく殺気だっていったらしい。結果として、ヤマハがホンダを打ち任した。勝利したヤマハの社長は、すっかりいい気分になって、嬬恋村を気に入った。そして、静岡県に「つまごい」という名を持ってきて、ヤマハリゾートつま恋を作った。そして、つま恋コンサートを開いている。敗れたホンダは、臥薪嘗胆でマン島レースに出て優勝し、世界のホンダとなった。勝利したヤマハが、バイク業界で今ひとつなのは皮肉といえば皮肉である。そういう意味で、ホンダは勝負に負けて大きなものをつかんでいる。最近は、 2足歩行のロボットから、ジェット機まで生産しているのだからすごいと思う。

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つづく。

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2015年04月25日

バイクでやってくるお客さん

バイクでやってくるお客さん

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今から30年ほど前、初めて北海道旅行したとき、バイクに乗っている人たちが、ほぼ全員、三角の旗を持っていたのに気がついた。ホクレンと書いてあった。ホクレンのガソリンスタンドでガソリンを入れると、この方がもらえるらしい。みんなホクレンの旗をバイクにかざして走っていた。そして彼らは、バイクの対向車が現れると。お互い挨拶をしていた。最初は片手を上げるぐらいの挨拶だったらしい。それがいつしか、両手を離してスペシウム光線をお互いにしあうようになっていたらしい。年度によっても挨拶の方式は違っていたらしく、ガッツポーズが主流の時があったり、ピースサインが主流の時があったりで、年度によって挨拶パフォーマンスが違っていた。

中には忍者が運転するライダーもいて、忍者ライダーは、背中の刀を抜いて挨拶をしていた。もちろん刀が抜けてしまっては、それを元に戻すのは至難の業なので、わざわざバイクを止めて刀を鞘に収めていたようである。つまり挨拶をするたびにバイクを止めなければいけないので、なかなか前進できなかったらしい。水戸黄門ライダーというのもいた。助さん格さん黄門様の3人のライダーが走っていて、対向車のライダーがやってくると印籠を出していた。次の年には、飛猿とおぎんが加わったというが定かでは無い。

忍者ライダーにしても水戸黄門ライダーにしても、今で言えばコスプレということになるが、コスプレライダーは、30年前の北海道にわんさかいた。仮面ライダーや、バットマンや、ウルトラマンや、ちびまる子ちゃんまでいた。コスプレといえば、平成時代のオタク現象だと思っている人も多いかもしれないが、そんな事は無い。あれは昭和の時代から存在していたし、ハルヒダンスのような秋葉原ダンスは、昭和時代のユースホステルでさんざん踊らされていたのだ。

しかし、当時は、コスプレしている人たちも、ダンスを踊っている人たちも、自分たちがオタクだとはこれっぽっちも思っていなかったに違いない。そもそも彼らは、その後立派な社会人となり、医者になったり、外交官になったり、大企業の役員になったり、大学教授になったりで、旅先のバカ騒ぎの先に、素晴らしい人生を見つけている。



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話が大きくそれてしまったが、今日はバイクで来るお客さんについて語ってみる。

最近増えているのが、大型バイクで来るお客さんだ。大型バイクなので、それに1台で、普通乗用車くらいの駐車スペースを取ってしまう。そんな大型バイクが、 15台くらいやってくるとなると、相当広い駐車スペースが必要となってくる。そのために、広い駐車場がある宿にしか泊まれないのだ。で、うちの宿に泊まりに来るのである。彼らの年齢層は高い。財布にゆとりがないと、大型バイクを買うことができないからかもしれない。

逆に最近めっきり減ってしまったのが、オフロードバイクである。昔あれほど存在したオフロードバイクは、いったいどこに消えてしまったんだろうか? 確かにオフロードバイクで高速道路を走るのはしんどい。ダートの林道も少なくなってきている。そのためにオフロードバイクが減っているのだろうか? しかしオフロード車に乗ってくるお客さんを見ると、なんとなく武士(サムライ)の風貌を感じることがある。彼らの中には、 ハイエースの荷台にバイクを入れてやってくる人もいるくらいだ。

ちなみにうちの宿は、道路から20メートルくらいダートを走らないと駐車場にたどり着けない。オフロードバイクなら問題ないのだが、そうでない場合は、走りにくいようだ。時々 、 20メートルのダートがあることに激怒するお客さん(女性)もいる。私はダートを走れない。どうしてくれるんだ!と怒ってくる。その都度、ペコペコ謝るわけだが、これだけはどうしようもない。私の力では道路を舗装することが出来ないのだ。

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あと小型自動二輪車に乗ってやってくる人もいる。小型自動二輪車というのは、 50 ccから125 ccまでの中途半端なバイクである。この手のバイクに乗っている人は、郵便局員と決まっている。会社が費用で取れる免許が小型自動二輪車だからである。バイクの排気量見ただけで、その人の職業がわかってしまうのだ。

そうそう、まれに原付に乗ってやってくるお客さんもいる。そんなお客さんには本当に感心する。北軽井沢は、山の中にあるので、よく原付で登ってくることができたなぁと驚いてしまう。お客さんの中には、 120キロもある体重で、原付に乗ってやってくる人もいるので、よくこれで坂道を登れたなあと感心せざるを得ない。

そういえばインターネット上に、ライダーは大飯を食べるのか?  小食なのか? という点で大論争をしていたのを見かけたことがある。ライダーは食べるはずだと言う人もいれば、そうではないと反論する人たちもいた。私の経験からすれば、ライダーは大飯ぐらいだ。本当によく食べる。一人当たり2合ぐらいはペロリとたいらげるのだ。しかし、最近食べなくなりつつある。昔の学生さんたちは、ご飯を4杯ぐらいおかわりしたものだが、今はそんな事は無い。 2004年に浅間山が噴火した時に、 15人ぐらいのライダーの団体さんが、泊まっていたが、彼らも小食だった。しかし、今から思えば、浅間山の噴火にびびっていたので、単に緊張して食欲がなかっただけなのかもしれない。


つづく。

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2015年04月24日

鉄道でやってくるお客さん

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 その昔、北海道で旅していた時に釧路牧場ユースに泊まったことがある。そこのヘルパーさんが、みゆきの杜ユースホステルの中村さんであった。当時学生だった中村さんは、かなりの鉄道マニアだったらしくて、お茶会では、鉄道の話をしていた。彼は、その後ユースホステルを立ち上げるが、館内に鉄道模型を設置したわけだから、筋金入りの鉄道マニアである。そうなのだ、宿のオーナーには少なからず鉄道マニアがいるのである。

 北海道の霧多布には、きりたっぷりと言う宿がある。ここのオーナーも、かなりの鉄道マニアである。関係ないが、ここのオーナーの伝説がすごい。 2キロぐらい離れていたバス停の看板を、毎日1メートルずつずらして行って、自分の宿の真ん前に近づけていたらしい。そうすればお客さんに便利になるからである。まさに違法行為ではあるが、そんなことがまかり通るはずもなく、あと500メートルぐらいまで近づくと、バス会社の人にバス停を元の位置に戻されてしまう。しかし、彼はめげずに何度もバス停の看板の移動を行ったらしい。するとバス会社の人が、ある日突然訪ねてきて、あなたの宿の前に新しいバス停を作るから、バス停の看板の移動はやめてほしいと、頭を下げてきたらしい。まさに執念の勝利だ。

 長野県に「 ぽっぽのお宿」というのがあるが、名前からして鉄道マニアだなというのが分かる。ぽっぽは、鳩ポッポのぽっぽではなく、汽車ポッポのぽっぽでは無いかと思って泊まってみた。ビンゴだった。やはり、強烈な個性のオーナーだった。

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 ちなみに私は、新潟県は佐渡島の生まれである。当然のことながら、佐渡島には鉄道がない。だから本州に上陸した時に、鉄道の乗り方がわからなかった。と書くと「バカじゃないの」と思うかもしれないが、昔はYouTubeなんてものはないのだ。みんなにとって当たり前の事でも、鉄道を見たことのない人間には分からないのである。仕方ないので、同じ位の年頃の女の子に鉄道の乗り方を聞いてみたが、当然のことながら無視される。新手のナンパ方法だと思われて相手にされなかったんだと思う。

 でどうなったかというと、切符も何も持たずに改札口を通過してしまった。で、電車に乗って一生懸命に整理券の置いてある所を探した。もちろん電車に整理券なんかない。切符を買って改札口で駅員さんに見せなければいけないのに、改札口の駅員さんはどういうわけか私を通過させてしまった。ここから悲劇が起きる。なぜならば、私が下車した駅は、無人駅だったのだ。今はどうかわからないが、昔は、新潟駅の隣の駅は無人駅だった。そして壮大な勘違いをした。鉄道は無料で乗れると思ったのだ。もちろんそんな事は無いから、帰りに怒られることになる。長い前置きになってしまったが、私は鉄道に衝撃的な出会いがあったことを言いたかったのである。

 ところで北軽井沢ブルーベリーは、電車の駅からかなり遠い。バスに乗り継がなければいけない。そのために、鉄道マニアの人たちが宿泊するには、ずいぶん不利な位置にある。しかも1,200円もバス代がかかる。だから鉄道関係のお客さんは最初から期待してなかった。しかし不思議なことに、うちのお客さんに鉄道マニアは多いのである。これが長いことわからなかった。ところが、開業して数年後に、その理由がわかってしまった。まず、吾妻線の終点になる大前駅に来る鉄道マニアの人たちがいるのだ。どうして大前駅に来るかというと、線路がそこでストップしているからである。そーゆー線路に対するマニアというものもいるのだ。また、軽井沢の隣である横川に鉄道博物館があったり、そこから軽井沢につながるアプトの道があったりするので、そこに聖地巡礼を行う鉄道マニアもいる。あとコアなマニアとして、廃線となってしまった草軽鉄道の跡地は歩きたがるお客さんもいる。北軽井沢のバス停に来れば、草軽鉄道の駅がそのまま残っているし、そこに当時の鉄道の模型も置いてあるし、小さな無料の博物館もある。それを目的にやってくるお客さんも多いのだ。

 あと、鉄道マニアには、大きく分けて乗り鉄と撮り鉄というものがあるらしい。乗り鉄というのは、鉄道に乗るマニアである。撮り鉄というのは、鉄道の写真を撮るマニアである。当然のことながら、自動車で高台などに移動して鉄道を撮影する。そういう人たちは、車で移動するのが旅の基本なので、宿が駅から遠くても何も問題ないのだ。

 ところで、うちの宿には超大手企業の秘書付き重役だった人が、よく泊まりに来る。一緒にハイキングなんかに行ったりもするのだが、鈍行列車に乗って帰っていく。変だなぁと思ったら、やはり鉄道マニアだった。このクラスになると、1週間かけてオーストラリアの大陸横断鉄道を乗り回している。いわゆる乗り鉄である。壮大な趣味だなぁと思っていて、他のお客さんにそれを話していたら同じような人がいた。やはり超大手企業の役員さんだったが、この人は乗り鉄ではなくて撮り鉄だった。ヘリコプターをチャーターして、空から鉄道を撮影するのが趣味だと告白してきた。

 この手の人たちは、身分を隠してみんなと一緒にハイキングに行くので、ぱっと見た目には、普通のおっさんにしか見えない。だから若い鉄オタの学生さんたちなんかは、おっさん達たちと距離を持ってしまうのだが、実にもったいない話である。どう見ても普通のおっさんであるが、彼らは超大手企業の重役なのである。そういう人たちを無視して部屋に閉じこもる鉄道オタクの学生さんたちを見ると、もったいないと思うのは私だけであろうか?

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 話が大きくそれるが、昔からのユースホステルのお客さんは、非常識なくらい高学歴の人たちが多い。もちろんおっさんに限られるのだが、元東大生はともかくとして、東大の名誉教授とか、そのレベルの人たちが泊まりに来るからややこしい。しかも本人は、それをひた隠しにするものだから、それを知らないで、つい東大の悪口なんかを言ってしまって、後で恥をかくことがある。ハイキングツアーの時に、高山病のことを偉そうに解説していたら、お客さんがお医者さんだったというケースもあった。

 それはともかく、スーパー鉄道マニアにとってのエリートコースは、東大では無い。岩倉高校と昭和鉄道高校である。 JRに就職したい人たちは岩倉高校に進学する。私鉄に就職したい人たちは昭和鉄道高校に進学する。と、昔は相場が決まっていた。今はどうなのだろうか?

 私の友人に、岩倉高校からJRに入った人もいれば、昭和鉄道高校から私鉄に入った人もいる。小学生の頃に鉄道マニアになって、そのまま鉄道関係の高校に進学し、鉄道会社に就職する。しかしこのエリートコースが、最近弊害があるのではないかという話になって、 JRが中途採用を始めたらしい。その際に、鉄道と関係ない一般人を中途採用して、鉄分の純度を下げることを試みたらしい。マニアックな度合いを避けようとしているらしい。そういう経緯でJRに中途採用された人も、うちのお客さんに少なからずいる。そういう人たちに、本当に鉄道と関係ないんですか?と聞いてみたら、実は鉄道マニアだったけれど、その匂いを消して面接を受けたとの事。やはりマニアであった。しかし、面白いことに、いざ鉄道会社に入ってみたら、徐々に鉄道の趣味から離れていったらしい。趣味を仕事にすると、そうなりがちなのかもしれない。

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 その昔、 30年ぐらい前のことだが、全く女の子にモテなかった私の友人がいた。その友人は、ある日、新幹線の車内販売のアルバイトを始めた。すると突然モテ始めた。なぜだろうと不思議に思っていたのだが、その友人の自宅に行って驚いた。彼は、すでに美人の彼女と同棲していたのだが、部屋の中に鉄道のプレートみたいなものが、たくさん飾ってあったのである。言っておくが、その友人は鉄道マニアでは無い。なのになんでモテたのだろう? なぜ、部屋に鉄道の駅名の書いてあるプレートなんかは飾ってあるんだろう?と不思議に思ったのだが、新幹線の車内販売をしている女の子たちは、ほとんどが鉄道マニアだったのだ。そこで友人は、自分も鉄道マニアのふりをして、彼女をゲットしていたらしい。当然のことながら、鉄道マニアの彼女と同棲を始めれば、部屋中に鉄道関係のコレクター商品が乱立するようになる。駅名が書いてあるプレート何かが壁に貼ってあったらしい。

 これが、彼女との破局につながるから恐ろしい。

 友人は、潔癖症だった。当然のことながら駅名が書いてあるプレートに我慢がならない。昔の電車は、トイレのウンチなんかを走行中にばらまくわけだから、駅名なんかが書いてあるプレートは、もちろん黄色くなっている。最も黄色いのは必ずしもウンチのせいだとは言えないのだが、潔癖症の彼にしてみたら、そのように思えてならなかったらしい。なので、彼女が留守中に、そのプレートを全部きれいに洗ってしまったらしい。当然のことながらプレートはピカピカになる。彼は、彼女に褒められると思って洗った訳なのだが、鉄道マニアの彼女はかなり激怒して、 2人の愛は破局となってしまった。本物のマニアは、うんちが着いてるかもしれない駅名プレートに価値を見いだすらしい。だから彼女は激怒してしまったのだ。

 これも女欲しさに、趣味でもなかった鉄道マニアを演じていた天罰がくだったのかもしれない。だから、このブログを読んだ人は、彼女を作りに新幹線車内販売のアルバイトをするのはやめて欲しい。これはあくまでも30年前の話であって、今もそうかどうかは保証の限りでは無い。あとで私にクレームを入れないでいただきたい。

つづく。

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2015年04月23日

自転車でやってくるお客さん2

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 その昔、自転車で旅する人たちの中には、 2種類の人種がいることに驚いたことがある。チャリダーとサイクリストである。私は最初、それを知らなくて自転車で旅をしている人に、チャリダーですか?と聞いたら、相手は不愉快そうに、違いますと答えた。私はサイクリストですと。

 サイクリストというのは、朝早く宿を出かけて、ギリギリまで走って、夕方遅くにチェックインする人たちらしい。朝早いから朝食をとらないこともあり、寝るのもかなり早い。お茶会に出てくることもなく、翌日も早くから出かけてしまう。しかしチャリダーは、早めにユースホステルにチェックインし、みんなと一緒に温泉ツアーに出かけて、宿のイベントがあればそれに参加し、グルメや温泉に熱中したりする。サイクリストがスポーツマンだとすると、チャリダーは自転車で移動している旅好きの人たちということになる。一般的に言って、サイクリストの自転車は高額商品が多いけれど、チャリダーの自転車はボロボロに傷んでいたりする。

 本当にめんどくさい話なのだが、外見がそっくりに見ても、ポリシーの違いからチャリダーとサイクリストは別の存在であるらしい。うかつに一緒にしてしまうと怒られてしまうので、注意が必要である。もっともこれは自転車に限ったことではなく、鉄道を利用して旅する人たちの中にも、 JRラーと言う人種もいれば、鉄チャンと言う人種もいる。バイクで旅をする人たちの中にも、ライダーという人たちもいれば、バイカーという人たちもいる。私には同じに見えるのだが、微妙に違うらしい。

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 まぁそんな事はどうでもいいのだが、こんな私でも、過去に自転車で日本全国を旅している。で分かったことなのだが、自転車で旅する連中にも、いろいろな流派があるようだ。割と多いのが輪行チャリダーである。これは、自転車を荷物にして、電車である程度移動して、自転車で旅する人たちである。若い頃の私は、このグループに入れなかった。輪行チャリダーになるには、ある程度軽量化された分解可能な自転車でないといけない。当然のことながらママチャリや安物の自転車は電車に乗せて輸送することはできない。第一ママチャリで日本中を旅する人たちなど、私以外に存在しない。つまりそういうカテゴリーは無い。だから私は一匹狼であった。

 そもそもママチャリは、旅行に向いていない。風に弱いし直ぐにパンクする。タイヤも800キロも走れば丸坊主になってしまう。コストがかかりすぎるのだ。そういう意味ではマウンテンバイクは素晴らしい。タイヤも丈夫だし、パンクもしない。 2,000キロ以上走っても全く問題ない。しかしマウンテンバイクは、めちゃくちゃ体力が必要な上に速度が出ない。重い上に風にも弱いのだ。そこでツーリング向けの自転車(ランドナー)を使う人が多いのだが、最近はこのランドナーも見かけなくなってきた。逆に増えてきたのが競技用の自転車で山道を登ってくる人たちである。彼らは、ほぼ何も荷物を持たずにやってくる。旅人というよりスポーツマンである。

 あと、ありそうで全く無いのが電動自転車チャリダーである。あれは便利なので、山道の多い北軽井沢に来るのには最適なのだが、今のところ見かけた事は無い。その反対に絶対になさそうで、実際に存在していたのが、一輪車チャリダーだった。今から30年位前に、私は北海道で見たことがある。背中に小さなザックを背負って広大な大地を一輪車で黙々と走行していたのには胸を打たれたものだ。北海道には、そういうバカバカしい方法で旅している人たちがいるのである。リヤカーを1人でひいている旅人もいれば、ものすごい装飾をゴテゴテと飾った自転車で旅している人たちもいた。そういう人たちが北海道に多かったのは、北海道の道路が、他の地域に比べて走りやすかったということもあると思う。これが東海道の国道1号線になると、突然自動車専用道路になったりして、 uターンしなければならなくなることも多い。東北道の国道4号線になると、どういうわけかトラックがやたら多くて、大型トラックの風圧に悩まされる。かといって海岸沿いを走れば、海風とアップダウンで地獄の思いをすることになる。

 アップダウンといえば、北軽井沢もアップダウンが多い。だから自転車で来るお客さんは、かなり苦労すると思う。そこでコツを教えよう。 疲れたら自転車から降りて歩くのが1番。無理して自転車に乗らないことだ。 急な坂は押して歩いた方が良い。坂を登れば、いつかはくだる。自転車に乗るのは下り坂のときで充分ではないか。無理して自転車を漕ぐよりも、ゆっくり歩いて景色を眺めた方が私はいいと思う。自転車を押しながら歩くというのも、それはそれで楽しいものなのだ。移動速度が遅くなれば、それだけ移動中に目に入る情報量は多くなる。何気ない道端で、素晴らしい風景を見つけるかもしれないし、カモシカやリス達に出会う可能性も大きくなってくる。たらの芽や山ぶどうに出会うかもしれない。

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 関係ないが、息子の2歳の誕生日に、息子のおばあちゃんが幼児用自転車を買ってくれた。今日は、庭先で息子が乗って遊んでいた。うちの息子は、こういうメカが大好きなので、かなり興味津々である。つい先日、小諸の懐公園にある動物園に息子を連れて行ったのだが、反応はイマイチであった。しかし、ホームセンターやヤマダ電機などに息子を連れて行くと、目を輝かせてあらゆる商品をいじりたがる。明らかに動物よりも機械類が好きなようである。庭で遊ばせると、自転車小屋や物置に入って、あらゆる小道具を触りたがる。工具箱何か見つけた日には、夢中になっていじり回している。だから自転車に目を輝かせていじり回している。この辺は、やはり男の子だなぁと思ってしまう。男の子は、本質的にメカが大好きなのだ。自転車好きの人間も、バイク好きの人間も、そういうところがあるような気がする。

つづく。

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2015年04月22日

自転車でやってくるお客さん1

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 自転車で旅する人たちは、ものすごい経費をかけなければならない。それは、実行した人でないとわからないかもしれない。何を隠そうワタシ自身も、自転車で日本中を旅したことがある。今から20年以上前に、旅行仲間たちとある実験を行った。ママチャリで何回東海道を往復すると壊れてしまうかの事件である。まず最初に私がママチャリで大阪に向かった。ママチャリで移動なので、だいたい600 kmぐらいあったと思う。国道1号線は、途中で自動車専用道路になったりして、ママチャリだといろんなところを遠回りしなければいけないからである。まぁそれはともかくとして、何十回もママチャリで東海道を往復したわけだが、当時のママチャリは日本製品だったせいか、全く壊れる様子はなかった。なのでこの実験は途中で放棄されてしまった。

 ところで、ママチャリで遠距離を移動してわかったことなのだが、自転車は丈夫であってもタイヤは消耗するのである。だいたい800 kmぐらい走行すると、タイヤがつるんつるんとなって、交換しなければいけなくなる。ゴムチューブはその倍ぐらい走ると、パンクスが多くなってやっぱり交換が必要となってくる。自分で交換すれば安いのだろうが、東海道走ってる間に知らない町の国道1号線沿いの自転車屋で交換する羽目になるので、高くつく。 5,000円から7,000円ぐらいするのである。おまけに何度かパンクするので、その費用も馬鹿にならない。結局、東京から大阪まで行くのに、ママチャリよりも夜行バスの方が安かったりするのだ。バカバカしいったらありゃしない。

 もう一つわかったことがあった。東京から大阪に行く場合、基本的にすべて向かい風になるということである。その逆はすべて追い風になるので、女の子でも体力的に問題は無い。怖かったのは箱根の山だった。箱根の山を登るのは問題なかった。体力は奪われるが、それは大した事では無い。問題は箱根の山を沼津方面に下る時である。あまりの下り坂でブレーキが効かなくなるのだ。そして法定速度で走っている自動車を負い抜かすことになる。考えてもみてほしい、時速60キロの自動車をママチャリが多い抜かすのである。生死をかけるもいいところだろう。もう一つの鈴鹿山脈は、なだらかだったので大して問題はなかった。

 ちなみに私が東京から大阪に走ったときは、巨大な台風が来ていた。しかも2つもである。出発の時に台風だったし、鈴鹿山脈を越える時にも台風だった。なので鈴鹿山脈のトンネルの中で、寝ながら台風をやり過ごした。本当だったら、 3日で大阪まで行く予定だったのだが、台風のために鈴鹿山脈の中のトンネルで、じっとしていたために、 3日と半日かかってしまったのが残念といえば残念である。後で聞いたら大きな台風だったらしくて大阪市内の電車は全て止まっていたらしい。しかし悪いことだけでは無い。台風のおかげで、移動中はほとんど晴れていたのだ。どうやら私は、 2つの台風の目と目の間を移動していたらしい。

 東海道をママチャリで走っていて、思った事は、どこまでいっても静岡県だったことだ。静岡県の長いこと長いこと。どんだけ、細長いんだよと思ってしまった。しかも、どこに行ってもサークルKしかなかった。今はどうか知らないが、昔は静岡県にはサークルKしかなかった。だから、コンビニで弁当を買おうとしたら、すべてサークルKの弁当になってしまう。同じような飯ばかりなってしまっては食欲が湧かないので、吉野家の牛丼屋のドライブスルーに入って、弁当を持ち帰った。国道1号線の牛丼屋のドライブスルーにママチャリで入って弁当を注文したのは、日本広しといえども私ぐらいのものだと思う。なぜ牛丼屋のドライブスルーなのかというと、台風の向かい風の中で、いちにち200キロ走行するママチャリのチャリダーは、 何回も飯を食べないと体がもたないのだ。だから牛丼屋の弁当を3個くらい買い物カゴに入れて自転車を走らせたのである。

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 なんだか長い前置きになってしまったが、雑談が過ぎた。
 ここで本題に入る。

 うちの宿にも自転車でやってくるお客さんが大勢いる。 1番衝撃的だったのが、 80歳の老人が東京から自転車でやってきたことだ。私は若い頃に、さんざん自転車で暴れまわっているので、正直言ってたいていのことでは驚かない。しかしこの時は、腰を抜かさんばかりに驚いてしまった。やはり大物はどこかにいるのだ。

 そういえば自転車で帰省してる途中という学生さんが、うちに泊まったことがあった。東京から長野市に向かう学生である。お金がかかるでしょうと聞いてみたら、やはり金がかかると言っていた。自転車の移動は、むちゃくちゃお金がかかるのである。決してエコロジーなんかでは無い。タイヤはどんどん消耗するし、燃費がかかる。燃費というのは、自転車をこぐ人間の食事代のことである。つまり食費が異常にかかる。 1日に5回ぐらい食べないと体がもたない。途中の宿泊費も馬鹿にならない。電車で移動した方が圧倒的に安いのだ。

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 しかし、それでも自転車で移動するのは、そこにそれなりの魅力があるからである。徒歩だと遅すぎる。かといってバイクや自動車では早すぎるのである。そこで自転車なのだ。もちろん体力は必要になる。しかし、そこがいいのである。

 自分の力でペダルを漕いで、風を全身に受ける。すると、新緑の草木の匂いが体中に香るようになる。昼寝に絶好なポイントを見つけたら、自転車を倒して寝転がることができる。駐車場探す手間も何もいらない。苦労して登り坂を登って、下り坂になった時の気持ちの良さと言ったらありゃしない。

 けれど、軽い気持ちで自転車でやってくるお客さんも多い。東京を出発したはいいが、高崎あたりでヘタばってしまうお客さんも多い。そこから電車バスでやってくるわけだが、これは逆にした方が良い。むしろ、軽井沢まで電車で移動して、軽井沢から北軽井沢まで自転車で旅した方がよほど楽しいと思う。日本の道路は、自転車に不親切なのだ。いつの間にか自動車専用道路になってしまって、自転車が通れなくなってしまったり、歩道橋を担いで渡らないと道路を横断できなかったりするからだ。

 だから都市部は電車で移動して、
 自然の多いところにきて初めて自転車で旅をした方がいいと思う。

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つづく。

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2015年04月21日

徒歩でやってくるお客さん

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 昔、今は亡き釧路牧場ユースホステルでヘルパーをしていたことがある。仕事は、受付業務だった。お客さんからの予約を電話で受け付けたりする。その次に名前や住所や電話番号を聞くのである。そして交通手段も当然のことながら聞く。そうしないと、駐車場の確保などができないからだ。ある時、今日これから泊まりたいと言う男性から電話がかかってきた。奇跡的に、その日は男性一名だけ空いていた。

「交通手段は何んですか?」

 と聞いたら、信じがたい回答が返ってきた。

「カヌーです」
「え? 」
「カヌーです」
「え? すいません聞き取れなかったのでもう一回お願いします」
「カヌーです」

 ちなみに釧路牧場ユースは、北海道の釧路市内にある。人口1を8万人の大都市だ。

「カヌーですか?」
「カヌーです」
「すいません、昨日はどちらにお泊まりですか?」
「摩周湖ユースホステルです」
「はぁ・・・・。ちなみにカヌーは、釧路川に置いてくるんですか?」
「いいえ、そちらのユースホステルまで持っていきます」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええ?」

 その後、ヘルパーだった私は、ワクワクドキドキしながらお客さんを待った。しかしお客さんは、 18時の夕食がスタートしてもなかなかやってこなかった。で、夕食を食べているお客さんに、

「今日はカヌーでやってくるお客さんがいるんですよね。しかもそのカヌーで、このユースホステルに来るらしいんですよ」

と話したら、どよめきが流れた。ここは街中である。この辺には川は無い。どうやってくるんだろう?と、みんな口々に囁いていた。すると自分の身長ほどもある巨大な折りたたみカヌーを背負ったお客さんが、食堂の窓を歩いてくるのを誰かが発見した。
 カヌーだ!
 どよめいた。
 みんな拍手していた。
 しかしその時、お客さんの誰かがささやいた。

「これって交通手段が可能じゃなくて、徒歩なんじゃない?」
「あああーーーー」

 館内が、再びどよめいた。

 確かに徒歩なのだ。カヌーを背負って徒歩で歩いてきている。カヌーを使って多少は移動をしているのだろうが、カヌーをこいで屈斜路湖に行ったわけではないだろう。電車で上流まで行って、徒歩でカヌーを担いで釧路川まで行って、それから釧路川を下ったんだろうと思う。客観的に見ればそうなのだろうが、彼にとっての交通手段は、カヌーなのかもしれない。ひょっとしたら、私が交通手段は何んですか?と尋ねるのを期待して「カヌーです」と、どや顔で回答する気満々だったとしたら、彼の作戦は大成功を収めている。

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 長い前置きはこのぐらいにして、本題に入る。

 宿屋をやっていると、信じがたい交通手段でやってくるお客さんが時たま存在する。例えば、自転車で日本一周している人とか、徒歩で日本を縦断している人とかである。うちの宿にも、何人もの人たちが、歩いて日本を縦断している人たちが泊まりにきた。恐ろしいことに男女比で言うと半々ぐらいである。

 徒歩で日本一周する人たちや、日本を縦断する人たちは、なぜか九州の南端から出発する。その逆は聞いたことがない。どういうわけか、北に向かうのである。南に向かって旅をする人たちは、あまりいない。逆に、車で日本一周する人たちは、北から南に南下する人たちが何人も居た。しかし歩いて日本縦断する人たちは、必ず南から北に向かうのだ。なぜだろうか? そういえば植村直己さんも南から北に向かって徒歩旅行をしていた。どうして、みんな北に向かって歩くのだろうか?

 そういう人たちが、ユースホステルに泊まるとき非常に苦労するらしい。平日にオープンしている宿が意外に少ないからだ。そのために当日ではなく、前日ぐらいに泊まれるかどうか聞いてくる。うちの宿は、平日のお客さん大歓迎なので、私が空いてますよというと、うれしそうに予約を入れてくる。その時に交通手段を聞くと、歩いて日本一周してますといってくる。

 きたな。

 私は、即座に戦闘態勢になる。こういう人たちは、ひとりで五杯の飯を食うからである。だから、いつもの二倍から三倍の料理を作って、てぐすね引いて待っているが、これがなかなか到着しない。19時ぐらいに到着したりする。距離計算ではなく標高差計算を間違えてこういう結果になるのだ。で、食事を出すと、ものの十分ぐらいで5杯飯をペロリと食べてしまう。米を三合ぐらい炊いてあるのだが、すべてスッカラカンだ。まかないの分も空っぽである。それだけ食べておいて、
「いやー、この宿の夕食は量が多いですね」
なんて言うので笑うしかない。無理して全部食べなくてもいいのに。残りはまかないかもしれないのに。きっと、あれば食べてしまう人なんだろうなぁと。

 そういえば私も若い頃は、ユースホステルに宿泊したら、朝食も夕食も、ご飯を五杯ぐらいおかわりをしたものだ。おなかいっぱい食べて、節約のために昼飯を抜いたものである。もちろん自分用のふりかけも持参していた。最後にはおかずがなくなるので、ふりかけでご飯を食べていたのである。私も人のことをとやかく言えないのだ。

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 その後、 21時30分から始まるお茶会にも、もちろん登場する。毎度のパターンなのだが、こういうお客さんは、しゃべってしゃべってしゃべりまくるのである。理由は彼らから聞いて納得した。中部地域の人たちは、真面目なので、よそから来る人たちにある程度距離を取るらしい。そのために、他人と会話する機会が極端に減ってくるらしい。

 これが九州とか四国になると全くそういう事は無いらしいのだ。だから、旅先でも寂しい思いをすることは全くなくて、いろんな人と出会い楽しい思い出が沢山できる。ところが、関西に入ってくると、そういうことが徐々に少なくなってきて、中部地域に入ると急に孤独になるという。何か避けられているような感じがするらしい。

 なにしろ彼らは、歩いて旅をしている。ゆっくりゆっくり移動しているために、なかなか先へ進めない。それぞれの地域をべったりと這いつくばっているわけだから、地域の文化風習をもろにかぶってしまうらしい。四国や九州だと野宿やキャンプ場や駅で寝ても寂しくないらしいのだが、中部地域ではそうはいかないらしい。で、人恋しくなってユースホステルに泊まるようになる。しかし平日に泊まってもお客さんが一人もいないケースが多いので、お客さんと会話するユースホステルのオーナーと出会うと、会話するのが楽しくてたまらないという感じになるらしい。

 この気持ちは私もわかる。なぜならば、私も二十代の頃に歩いて日本縦断をしてるからだ。そして同じ体験をしている。ただし、少しだけ違うところがある。昔はユースホステルに、今よりお客さんが多かったことだ。平日に泊まっても0人という事はなかったと思う。そういう意味で、今のお客さんは少しばかりかわいそうに思う。

 私は、お茶会で御客さんの武勇伝を聞く。面白いので何度も質問する。するとますます御客さんは得意になって話してくれる。もちろんお客さんにスケジュールを聞くことにしている。もし谷川岳ラズベリーユースに泊まる予定があるようなら、電話で宿のオーナーに御飯の量について教えとこうと思うからだ。それで、一応スケジュールを聞いておくのだが、明日は、朝七時ぐらいに早く出発すると聞いた。そのつもりで、こちらも準備しておいて、朝の六時ぐらいに食事の準備をしていたりすると、日本縦断のお客さんは
「もう1泊していいですか?」
と言ってきたりする。そうだった。こういう人たちにスケジュールなんて、意味がなかった。昔の私もそうだったが、その日の気分次第で行動を決めるのが特徴であった。よほど寂しかったんだろうなぁと同情してしまう私がいた。しかし、その寂しさも東北地方に入っていくと、嘘のようになくなってしまうのだ。東北や北海道では、いろいろな出会いがあるのである。もちろん、それも御客さんに教えている。

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つづく。

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2015年04月20日

遠くからやってくるお客さん

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 遠くからやってくるお客さんについて。当然のことながら1番遠くからやってくるお客さんは、ヨーロッパのイギリスかアメリカのニューヨークだろう。正確に地図で測ったわけではないが、この2つのどちらかが、 1番遠かったと思う。ニューヨークから北軽井沢を目指してやってきたお客さんは、日系人のグループだった。最初は、日本人の団体さんが来るのかなと思っていたが、いざお客さんを迎えてみたら、もろ完全無欠のアメリカ人だった。ご先祖様は日本人だったかもしれないが、心は完璧にアメリカ人である。バス停まで迎えに行ったら、レディーファーストなのか、男性が車のドアを開けて女性をエスコートする。男性が女性の荷物も持ってあげてた。

 うちの宿にはイギリス人のお客さんも泊まりにきているが、そんな光景は見たことがない。レディーファーストといえば、イギリスが本家本元のイメージがあったのだが、少なくともうちの宿に泊まりに来たイギリス人は、そういう人たちはいなかった。もっともバックパッカーだから、そういうことをしないのか、その辺はよくわからない。

 あと、日系人のアメリカ人たちは、宿に着いたら1人がギターを始めた。すると、みんな何やら歌いだしてダンスを始めた。その光景を見たときに、この人たちは日本文化の人たちじゃないんだなと確信した。話は変わるが、うちの宿に泊まりに来たイギリス人で、そんなことをする人たちを見たことがない。そもそもイギリス人は歌わないイメージがある。関係ない話だが一般的なイギリス人の宗教に対する感覚は、日本人に近いものがあるかもしれない。

 ドイツ人が夫婦で北軽井沢に泊まりに来たが、彼らも踊ってなかった。しかし私はドイツを旅行したときに、ドイツ人が歌ったり踊ったりしているのを何度も見ている。バンドのいるレストランで食事をしていると、ドイツ人夫婦たちは、一緒に踊っていたものだ。彼らは日本に来たとしても、踊り出すのだろうか? その辺は非常に興味がある。

 フランス人も、北軽井沢ブルーベリーに何人か泊まっている。フランス人といえば、ちょっとワガママなイメージがあるのだが、うちの宿に泊まったお客さんに限って言えば、礼儀正しくおとなしい人たちであった。見た目も日本人ぽい。それをフランスのお客さんに質問してみたら、フランスという国は混血が進んでいて、アーリア人ぽい外見のフランス人は少なくなっているらしい。

 またフランス人は、フランス語しか喋らないというイメージもあるのだが、うちの宿に泊まっているお客さんに限って言えば、日本語を話す人が多い。イギリス人も片言の日本語を話している。日本語を話せないのは、もっぱらアメリカ人である。しかし、アメリカ人は人懐っこいから日本語を話せなくても、すぐに日本人と仲良くなる。ところが、日本語を上手に話せるヨーロッパ人は、必ずしも日本人とすぐ仲良くなるとは限らないのだ。ある程度、距離を保って接してくる人が多い。

 そういえば、アフリカから来られたお客さんも礼儀正しく静かな方たちが多かった。インドのお客さんも礼儀正しかった。日本人よりも礼儀正しいイメージである。もっとも彼らは、いわゆるエリートなのかもしれない。オーストラリアやニュージーランドからかた来た客さんもいたが、彼らは、同じ英語圏ではあるが、アメリカのような人懐っこさはなかったかもしれない。もちろん日本語は話さない。片言でも日本語を話すのは、たいていヨーロッパ人である。しかしオーストラリアやニュージーランドの人たちは儀正しいのは一緒で、丁寧な礼状を送ってきたりする。ただし英語である。

 アメリカ人は、人懐っこい。すぐにハーイと言う。なぜかドイツ人はハローである。そんな事はどうでもいいとして、アメリカ人も州によって千差万別である。典型的な陽気なアメリカ人は、たいていカルフォルニア州あたりの人が多い。オレゴンとかアイダホ州あたりの人は、少しシャイかもしれない。で、アイダホの人に聞いてみたら、 16分の1だけ先住民の血が流れていると言っていた。彼女(アイダホ人)が、北軽井沢に泊まりに来たとき、偶然にも嬬恋村に住んでいるアイダホ人がいたので、お互い会わせててみたら、嬬恋村に住んでるアイダホ人も、 4分の1だけ先住民の血が流れていた。どうりで背丈が低かったわけだ。で、アイダホ人どうし仲良く話をするのかと思ったら、そんな事はなかった。しかし、互いに無視しているというわけではなくて、シャイで戸惑っている感じである。アメリカ人にも関東と関西の違いみたいなものがあるのかもしれない。

 台湾から来た御客さんは、うちの宿を絶賛してくれたのはいいとして、落書きノートに「北軽井沢は冷たいです」と書かれてしまった。北軽井沢は冷たかったのだろうか? それとも「寒い」が台湾では「冷たい」の意味なのだろうか? ちょっとモヤモヤする。ちなみに台湾の人たちは、昭和時代の日本人みたいな人が多く、なにか懐かしくなる。東アジアでは珍しく控えめで自己主張も少ない。

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 国内で1番遠い所から来た人といえば、沖縄だろう。沖縄の小さな離島から来たお客さんは、電車の旅が好きだと言っていた。大喜びで雪遊びをしていたけれど、想像していたよりも寒くないと感想を漏らしていた。どうやら北軽井沢をシベリアの奥地ぐらいに思っていたらしい。逆に北海道から来たお客さんは、北軽井沢が北海道よりも涼しいのに衝撃を受けていた。北海道民は、自分のところが1番寒いと信じ込んでいたらしく、それでも寒い北軽井沢に驚いていた。

 沖縄と北海道の次に遠方から来るお客さんといえば、九州と四国かもしれない。九州のお客さんは、関東地区に来ると醤油の種類が違っているので衝撃を受けるらしい。九州の醤油は、ちょっと甘いのである。それはともかく、九州のお客さんに「北軽井沢は寒いでしょう」と言うと、そんな事は無いという返事が返ってきたりする。どうやら阿蘇や湯布院あたりでは、北軽井沢並みに寒いらしいし、地域によっては大雪も降るらしい。

 さて四国だが、同じ四国でも、高知県と香川県では別の種族である。香川県や徳島県は大阪に近いけれど、高知県ともなると北九州よりも遠いイメージがある。それだけに、遠いところからよく来たなあと思う。

 思い出深いのは、東京からやってきたお客さんである。どこからきたんですか?と尋ねると、東京ですと答えていた。しかし、何か話が噛み合わない。変だなぁと思って、よくよく聞いてみたら東京は東京でも小笠原諸島だった。小笠原ユースホステルのマネージャーや、母島ユースホステルのマネージャーも北軽井沢に泊まりにきている。考えようによっては、彼らが1番遠い所から来たお客さんなのかもしれない。ロンドンやニューヨークよりも、確実に時間がかかるわけだから。

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つづく。

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2015年04月19日

近所に住んでいるお客さん

 30 kmも離れてない市町村のお客さんが、よく家に泊まりに来る。その人が、
「こんなに近くから泊まりに来る人間は、私ぐらいしかいないでしょうね」
と自嘲気味に笑っていた。

「いやいやそんなことないですよ」

 実は、家に泊まりに来たお客さんで、最も近くに住んでいた人は、 100メートルも離れていなかったのが最短距離のレコードである。近くに別荘を持っているお客さんだった。いつもは別荘にとまってるのだが、人数があぶれてしまうと家に泊まる。定住者に限って言えば、10キロも離れてない同じ村内に住んでいるお客さんも泊まりに来ている。お嫁さんが息抜きに泊まりに来るケースもあれば、ホテルの寮から抜け出して泊まりに来るケースもある。みんな命の洗濯をしに来ているのだ。

 これは宿屋を経営するまでわからなかったのだが、宿に来る人たちは、必ずしも旅先で泊まる所として利用しているわけではなかった。ただ泊まりに来る人も多かった。体の疲れを癒しにくる人も多いのである。そういう人たちをみてわかった事は、本当に疲れている人は、車で遠くに移動するのも億劫になっている。だからリーズナブルな価格で、疲れを癒せる宿が近くにあったら、そこに泊まりに来るケースも多いのである。宿屋を始めてその事実を知って驚いたものだ。

 同じ村内の嬬恋村に住む人が泊まりに来るケースも多いが、軽井沢町、小諸市、佐久市、東御市、上田市などに住んでる人も、泊まりに来ることが多い。どの市町村も車で1時間の距離だが、よく泊まりに来る。そして「浅間山の反対側を見に行きました」と言うのである。浅間山の南側は、人口が密集してて癒されないのだそうだ。だから浅間山の北側に来て、早朝にのんびり牧場を散歩をしたいらしい。そのためにうちの宿に泊まりに来るのである。

 宿を始める前は、お客さんの大半は遠くから泊まりにくるものだと思っていた。しかし実際に開業してみると、必ずしもそうではないのである。遠くに出かけるから宿に泊まらなければならない、つまり必要に駆られて宿泊するお客様ばかりではなかったのだ。

 あと意外だったのが、前橋や高崎から泊まりに来るお客さんも多かったことだ。前橋は高崎は暑いのだ。夏の暑さを避けるように、うちの宿にやって来ていた。軽井沢町、小諸市、佐久市、東御市、上田市から来る人たちのほとんどが一人旅であるのに対して、前橋や高崎から来るお客さんの大半がファミリーだった。とにかく涼しければそれでいいというご家族もいれば、ハイキングを目的に来るご家族もいる。あくまでもハイキングが目的なので、無理して遠距離に出る必要性はないのかもしれない。

 去年の夏は、大勢の新規のお客様がきてくれたわけだが、その3割ぐらいは群馬県内のファミリーのお客様だった。去年の夏は猛暑ですごかったので、手っ取り早く涼しいところに逃げ込もうとして、北軽井沢の宿を選んでくれたのかもしれない。また、平日には宿屋のオーナーが泊まりに来たりする。こうなると同業者同士で話が盛り上がる。ホテルの営業さんなんかも泊まりに来る。カメラマンや、登山ガイドさんや、遠足の下見に来る学校の先生なんかもいる。私から情報を仕入れるためである。ガイドの仕方を教えてくれということで何泊か泊まっていったガイドさんもいた。その時は私がガイドさんの先生をしたものだ。人形劇団とか、ビジネスマンも多い。中には、不動産を探しに来る人もかなりいる。その中の何人かは、今はご近所さんとなっている。

 印象深い思い出は、嬬恋村出身者の同窓会をうちの宿で行った時にである。全国に散らばっていた嬬恋村出身者が、北軽井沢ブルーベリーを貸し切って同窓会を開いた。私は、みんな嬬恋村出身者だと聞いてなかったので、彼らを相手に嬬恋村の説明をしたり、星空を案内した。みんなものすごく熱心に聞いてくれたので、調子に乗って夜の浅間牧場や、鬼押し出しのあたりを案内した。しまいには二度上峠まで案内した。素晴らしい星空に皆さん感動していた。後で、嬬恋村の出身者だと聞いて腰を抜かしたが、その後にもっと驚いた事は、地元民は、意外に地元の事を知らなかったということである。だから、私の作ったホームページをみて、ここで同窓会を開くことにしたらしい。どうりで反応が良かったわけである。

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つづく。

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2015年02月11日

フライパンとラップ

 最近、フライパンがダメになりつつあるので、新しいものに変えてみた。その時に驚いたのは、ものすごい種類のフライパンがあったことである。昔はフライパンといえば、鉄のものかテフロンしかなかった。ところが、最近は、セラミックコートや、マーブルコートや、ダイヤモンドコートといった数多くのフライパンが存在する。それぞれどのフライパンが、うちの料理に合うのかさっぱりわからなかったので、それぞれ1種類ずつ買ってみた。

 驚いたのなんのって、最近のフライパンは、ものすごく性能が良い。具体的に言うと、ほとんど油なしで目玉焼きが作れてしまうのだ。こびりついたりしないし、焦げることもない。豆腐も油なしで簡単に焼き豆腐になってしまう。今後は、もう焼き豆腐を買わなくても済むだろう。

 セラミックコートに至っては、野菜炒めが格段に美味しくなる。もちろん鉄のフライパンの方がもっと美味いのだが、鉄のフライパンは油を大量に必要とするのである。最高に美味しい料理を作りたいのは山々であるが、食べる人の健康を考えてしまうと、少しの油でも美味しい野菜炒めができる方を選んでしまう。この辺は、作る人の思想哲学との兼ね合いであろう。

 ダイヤモンドコートに至っては、金属ヘラで30万回擦っても傷がつかないという優れものである。もちろん金属ヘラを使うことはないが、傷がつかないという謳い文句は非常にありがたい。重金属が体に入りにくいというだけでも安心して料理が作れる。それに今までは、何度もフライパンを買い換えていたが、この製品を使うようになれば買い換える回数もだいぶ減るだろう。そういう意味では究極のエコである。

 エコといえば思い出すことがある。宿屋を始めたばかりの頃、お金がなくて、ラップなんかを買うときは、安いものばかり買っていた。しかし、その後安いラップは使えなくなってしまった。安物は美味しい料理を作る邪魔をするのである。最近はサランラップしか買っていない。サランラップは最強である。

 一時期クレラップを使っていたこともあったが、あれは切断部分がプラスチックなのでラップを切りにくいのだ。ましてや安物ラップは、切断部分が紙であったりするし、ふにゃふにゃで、強度も熱に対しても力不足であったりする。冷凍保存する時なんかは、きっちりと差が出てくる。また、ラップを買うときは必ず100メートルのものにしている。 20メートルという短いものだと、その都度、ラップの芯や箱を捨てるわけで、エコでは無い。

 そもそも、宿屋には、在庫スペースに限界というものがある。倉庫の空間を有効利用するためにも100メートルのものにせざるを得ない。なにしろ使う量が一般化家庭と違うのである。ゴミはなるべく減らしたい。だから100メートルになってしまうのだ。

 ところが貧乏時は、そういうことに頭が回らなかった。安いラップを買おうと必死になって探して、 20メートルくらいのよれよれのラップを100円ショップで買いだめたりした。

 貧すれば鈍するである。実は、 20メートルの100円ショップの物の方がメートル当たりの単価は高かったりするのである。おまけにゴミが出るのでゴミ費用として余分な経費が加算されているのだが、貧すれば鈍するで、そういうことに気づかない。気づき出すのは、経営に余裕が出てからなのだ。

 話を戻そう。
 フライパンについてである。

 オープンしたての頃は、鉄のフライパンを使っていた時期もあった。鉄のフライパンは、実は非常に便利な調理器具でもあった。どこが便利かというと、ハンマーを使って自分の都合のいいように改造できるから便利なのである。実際、一流の調理人は、みんなマイフライパンを持っている。自分が使い良いように改造するのである。そして何年も使いこなすことによって、そのフライパンを最高の芸術作品に仕上げていくのだ。

 ところがである。うちの宿は、そういうことができないことに途中で気がついた。理由は、ヘルパーさんを採用するためである。素人のヘルパーさんに鉄のフライパンは使えない。ましてや自分が使いやすいように改造してしまったフライパンを当てがうことなどできない。

 昔は、 5人10人のヘルパーさんを使っていた事もあったので、誰にでも使えるフライパンでないといけなかったのだ。そこでテフロンのフライパンを買って使っていた。もちろん安いものもあったが、ティファールのフライパンもあった。安いフライパンは、この15年間に7回ぐらい買い換えている。さすがにティファールは、それよりは長持ちをしている。しかし何度も買い換えている。

 で、今回フライパンを買い換えることになったのだが、もうヘルパーさんを雇う事はありえなくなってしまった。理由は、とあるユースホステルのオーナーが、ヘルパーさんと労働条件で揉めて裁判沙汰になってしまったからだ。なので、鉄のフライパンに戻ってもいいのだが、そうもいかない。あの重さには、嫁さんがついていけないからである。

 で、いろんなフライパンを試している最中なのだが、どれもこれも素晴らしい。その中であえて優劣をつけるとすれば、やはりダイヤモンドコートのフライパンになるかもしれない。セラミックも素晴らしいのだが、ちょっと重いのだ。 IH兼用のものも重過ぎる。ガスコンロ専用のダイヤモンドコートのものが軽くて性能が良い気がする。もちろんマーブルコートも捨てがたいのであるが。

 そうそう、 1番大切なことを忘れていた。フライパンでもう一つ大切なことは、形である。大きさと角度の微妙な差によって、オムレツが美味しく作れるかどうかが決まってくるからだ。この辺は、いろんなメーカーの物を、いろいろ探してみてくるしかない。気に入ったフライパンが見つかると良いのだが。

つづく。

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2014年10月23日

ユースホステルとゲストハウス

 どうやら、やっと北軽井沢の紅葉がピークを迎えた。
 かなり遅いピークである。
 今週末に泊まる御客様にとっては、かなりラッキーな展開になってきた。

(まだドミトリー2人だけ空いているので、御予定のない人は検討してもらいたい)

と、ここで珍しく空室宣伝をしてみたのには訳がある。今年は、北軽井沢の紅葉と同時に菅平のカラマツの紅葉も始まっているのだ。こういう事は開業以来はじめてである。カラマツの紅葉は、楓や白樺が落葉しないと紅葉しないからだ。もちろん北軽井沢のカラマツの紅葉は未だであるが、菅平のカラマツは美しく光り輝きはじめた。標高が違うせいだと思うが、こう言うことは滅多に無い。もし菅平からくる御客様がいるなら楽しみにしてよいと思う。

 問題は天気だが、今の時点では、ネットで確認するかぎり、金・土・日とよさげである。

http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/10/4220/10425.html

 まあ、天気予報なんて、あまりあてにはできないが、良いという予報は信じたくなる。天気図も微妙に形が良いし、このまま週末に晴れてくれという気分でいっぱいだ。

 それにしても、どうして今年は、こんなに紅葉が遅かったのか? 本当に不思議である。霜も奇跡的に発生してないし、寒さも例年に比べて寒くなかった。ただし、晴天が続けば、放射冷却で初霜が降りる可能性もある。そうなると一瞬にして紅葉は散ってしまう。なので、ちょっとドキドキしながら週末を迎えることになりそうだ。さて、ごうなることやら。

 話しは変わるが、今年の夏、若いひとり旅が増えた理由が分かった。原因をつくった人が何人かいたのだ。犯人は予想通りリピーターさんたちだった。といってもユースホステルのヘビーユーザーではない。ゲストハウスユーザーの人たちが若い人を連れてきたのだった。ゲストハウスをよく利用する人が、ゲストハウスの御客さんに北軽井沢ブルーベリーYGHを紹介してくれたらしい。ゲストハウスには、若い人たちが多いので、それで若い人が戻ってきたらしい。

 いや、ちがう。

 戻ってきたのでは無く、はじめてユースホステルにやってきたのだ。しかし、うちの宿が、ゲストハウス系統の御客様に満足感を与えられたかというと自信が無い。うちには自炊設備が無いからだ。それに料金もゲストハウスと比べて高いし、23時に消灯になるし、どう考えてもゲストハウス系統の御客様を満足させられないきがする。

 もし本気でゲストハウスの御客さんを取り込むなら、近所の別荘を格安で買って、そこをライダーハウスのようなスタイルで営業するしかないだろうが、はたして、その行為が正解なのかどうか分からない。そんな資金があったら、ユースホステル設備投資に向けるべきかもしれない。どうすべきか? 難しい判断であるが、やはり私は、ユースホステルに設備投資する道を進もうかなと今のところ考えている。もちろん将来の事はわからないけれど。


つづく。

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posted by マネージャー at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月06日

クワガタやカブトムシの悪戯

 いつもの年なら8月第一週の平日は、御客さんも多くなく、比較的ひまなのだが、今年はずっと満室ちかくなっていて忙しい。こういう時に限って大事件はおきる。なんとなく嫌な予感はしていた。

 で、その予感は当たった。
 網戸が片っ端から破れはじめたのだ。
 犯人は、クワガタやカブトムシであった。

 北軽井沢ブルーベリーYGHのまわりは、クヌギやコナラの樹でいっぱいである。当然のことながらクワガタやカブトムシがいる。こいつが、夜の光に誘われて網戸にへばりつき、網戸を破壊するのだ。

 ふだんなら網戸は壊れない。

 しかし、前回、張り替えてから7年から8年くらいたっているので寒暖差と紫外線の影響で劣化しているのだ。夏に網戸が破壊されれば、虫たちが侵入する。しゃれになってない。

 で、目が回るくらい忙しいさなか、ホームセンターに飛び込み、網戸の網を買ってきて、全ての客室の網戸の網を張り替えた。飲まず食わずで、作業は、12時から15時までかかった。15時に全て張り替えた時、御客さんがチェックインした。間一髪であった。

 念のために、張り替えた網は、編み目が最小のものにしてある。
 虫たちの嫌う臭いもついていて、景色も見やすい黒色にしてある。

 それにしても今回は反省した。
 今度からは、3年おきに網戸を張り替えることにする。
 もちろん夏前にだ。


つづく。

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2014年04月14日

5月5日、大型キャンセルありました

業務連絡です。
5月5日、大型キャンセルありました。
5名お泊まりになれます。

ご予定がまだな方は、ご検討ください。



つづく。

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posted by マネージャー at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月31日

最近、おおいインターネット詐欺

このブログは、宿のマネージャーさんたちも読んでいるので、今日は、最近、おおいインターネット詐欺について書きます。

日本ユースホステル協会からも警告が届いているんですが、外国から団体予約の英語のメールが届き、それをオーケーすると、入金したいので口座番号を教えろと言ってきたりします。

このケースの多くは詐欺だとのこと。
こっちの口座番号の情報を聞き出すのが目的らしい。

で、うちにも、ぼつぼつ、そういう予約が入ってきました。文面は同一ですが、宛先がロンドンだったり、パリだったりする。そのくせipを調べて見たら同一(香港)のところからきている。なので、宿のマネージャーさんたちは、こういう詐欺にひっかからないように注意してください。口座番号を教えるにしても、中身の空っぽの口座を教えるようにした方が無難です。

つづく。

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posted by マネージャー at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月28日

休館日にかかってきた電話

今日は、北軽井沢ブルーベリーYGHは、休館日でした。
休館日と言っても、予約があればオープンしないこともない。

しかし、予約は無かったので、嬬恋村ウインターフェスティバルの作業に出席。大型テントを6基・大型テーブルを22個・イスを数十個ほど、村役場や商工会から搬入する作業をしました。で、昼の15時をまわっても、電話が鳴らなかったので、ホテルのレストランの予約をとりました。

実は、今日は、嫁さんの誕生日だった。

2ヶ月後には、子供が生まれているわけで、そのために数日後に里帰りする予定なので、夫婦みずいらずで食事をするのは、今日で最後なります。だからホテルのレストランの予約をいれたわけなんです。で、18時半に宿を出発して、ホテルのレストランに向かったのですが、その時、「今日泊まれますか?」という電話がかかってきた。なんでも、もう北軽井沢に到着しているという。

しかし、泊められるわけがない。
こっちは、もう予定をいれてしまって、何千円もする料理を予約している。
で、そこに向かっている最中なのです。
転送された携帯電話に出るのが精一杯。

せめで15時前に電話があれば、泊められないこともなかったのですが、私は15時にレストランに予約を入れてしまった。それから以降は、どうにもならない。ましてや、宿を閉めてレストランに向かっている最中の19時頃ですから絶対に無理。

実は、こういう事は、よくあるのです。タイミングがわるいというか、どうにもならないことが、よくあるのですね。ワックスをかけた瞬間、今日泊まれますか?という電話がかかってきたり、団体貸切が入った瞬間、泊まれますか?という電話がかかってきたり、こっちが東京で会議をやっている時に今日泊まれますか?という電話がかかってきたり。こういう事は、ほんとうに多い。

ですから、早めの電話をしたほうがいいです。

オフシーズンに当時の飛び込みは難しいと考えた方が無難です。なぜなら、御客さんが来ないという前提で、予定を組んでいることが多いからです。具体的に言うと、ウインターフェスティバルなどの作業があったり、ハイシーズンでは不可能であった人間ドックにはいったり、メンテナンスの工事をいれたりするからです。実際、明日、暖房器具の工事の予定が入っています。なので暖房が使えないので、明日は、御客さんを入れたくても入れられません。そのつもりで休館をホームページで公表しています。しかし、前もって連絡があれば。業者さんにたのんで工事日程をずらせますが、明日、いきなり言われても無理なんですよね。

オフシーズンには御客さんが来ない。
そういう前提で、宿屋は予定を組んでいるんですよ。


つづく。

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2012年06月07日

北軽井沢ブルーベリーYGHの前の道路(県道235号線)が拡張されることになった。

北軽井沢ブルーベリーYGHの前の道路(県道235号線)が拡張されることになった。

 で、近所の人たちを集めて、喫茶「ゆうゆう」に集まり、嬬恋村土木課、県の土木事務所の係員、村会議員に来ていただいて説明会を開いてもらった。

 音頭をとったのは、ルネス軽井沢・北軽井沢ブルーベリーYGH・あさまホームの3軒であったが、観光協会の作業と日程が重なってしまったのと、あさまホームの社長が、急用で来られなくなってしまったので、参加者が少なくなるのではないか?という危惧があったのだが、蓋をあけてみれば、総計30人くらいがあつまって盛況だった。

 まず住民側の代表として、何カ所もの危険箇所の指摘を行ったが、今回の道路拡張計画によって、大幅に改良されることになった。ホテル1130から有料道路まで、2メートル幅の歩道も設置されるうえに、道路幅も2車線7メートル道路になり、急カーブ地帯も解消され、1130入り口付近の危険地帯も大幅に改善される見込みになった。

 ありがたいことである。

 私としては、何も文句が無いので、嬬恋村の他の地域の道路の危険箇所について、いろいろ提案させてもらったが、驚くべきことが分かって、愕然としてしまった。

 まず、通学路の指定と確保について、これは県の管轄ではなく、嬬恋村の教育委員会の管轄であるとのこと。県の力では何も出来ないとのこと。あと、その通学路にしても対象は、小学校までらしい。つまり中学生・高校生が使う道路は通学路にはならないらしい。通学路の指定が無ければ、そこに県の予算を使うわけにはいかないらしい。

 しかし、どうも腑に落ちない。現実に、中学生・高校生は、歩道も無い危険な道を歩いて学校に通っている。たたでさえ危険なのに、その道は冬は凍結してしまい、そのうえ坂道でもある。滑って倒れたらどうなるのか? 車だって凍結道路は急には止まれない。
 雪が降れば、道は狭くなってますます危険になる。まあ、このへんのことは、県の土木事務所も充分に承知していて、権限の垣根をこえて対策をとりつつあるのだが、それにしても中学生・高校生が使う道路は通学路にはならないというのはねえ。まあ、いろんな理由があるのだろうけれど、ちょっと首をひねってしまう。他にも、いろいろ不思議なことが、いっぱいあった。全て書くと、書き切れないので、後は省略します。

 まあ、道路が広くなることは大歓迎であり、そのための土地供出なら喜んで行うつもりだが、道路が広くなると、暴走トラックも多くなるのである。だから「メロディーライン」を作って欲しいと提案させてもらったが、簡単に却下されてしまった。他の住民たちも乗り気ではなかったようだ。みんなメロディーラインの効果を信じてないらしい。観光への効果や、速度抑制の効果について、理解していただけないのは非常に残念であった。


つづく。

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2012年01月26日

業界裏話 仕入れ先について

業界裏話 仕入れ先について

御客さんに、こんな質問をされました。

「ブログなどを読むと、スーパーで仕入れをしているみたいですが、業務用専門店で仕入れはしないんですか?」
「あまりしませんねえ」

 業務用専門店といっても、業務用スーパー(ユーパレット)のことではありません。あれはスーパーです。それとは別に業務用専門店があるんです。ある程度の注文があるペンションなんかだと、注文すると商品を届けてくれる業務用専門店があるんですね。それは全国チェーンの巨大企業だったり、地域のお肉屋さんだったり。

 地域のお肉屋さんといっても、地域では大きな企業です。その企業が、宿屋やペンションに大きな冷凍庫をプレゼントしてくれる。そして、その冷蔵庫に注文した品物を納めてくれる。もちろん肉以外のものも持ってきてくれる。サランラップ1個から納めてくれる。うちの近所にある喫茶「ハイジ」なんかは、そういう業者を使っているし、プチホテルクラス以上の規模の宿屋の大半が、それを使っています。わざわざ自分で買い出しにはいかない。人件費とガソリン代がかかって、かえって高くなるからです。

 大手の業務用専門店だと高瀬物産なんかが有名です。

 http://www.takasebussan.co.jp/products/index.html



 高瀬物産の配送車は、嬬恋村でも軽井沢の道路でも富良野の道路でもジャンジャン走っています。皆さんの町にもジャンジャン走っているはずです。仲間のペンションなんかは、この高瀬物産から買っています、圧倒的に安い上に、夏の忙しいときに助かるからです。

 そこまで大手でなくても各県に中小の業務用専門店がわんさかあります。社長が議員だったりするので、いろんな意味で便利なこともあって利用するケースもあります。一般的には、こういう業者を通して買っているケースが多いのです。

 次に多いのが、スーパーに似た業務用専門店です。
 と言ってもスーパーと違うところは、一般客が入れないんです。
 飲食の営業許可証がないと入れない店がある。
 顔写真付きの入店許可証(カード)がないと買えないんです。

 そういう店は、安いだけでなく、オリジナルブランドの商品を多く出している。どういう事かと言いますと、一般のスーパーで買えない商品であるために、御客さんが、
「あ、あの食材を使ってる!」
と、特定できないようになっているんです。つまり、その店で仕入れれば、御客さんは食材を特定できない。独占契約を結んだワインや日本酒や珈琲豆なんかが置いてあって、他では買えない。そのために、御客さんに原価を知られずに売ることもできるし、一般では買えない味のソースなんかも仕入れることもできる。
 肉も世界各国のものがある。
 例えば、豚だとベルギーが一番安い。アメリカは高い。カナダは中間。味も様々といったように使い分けができる。米もブランド別に買えたりする。味見の炊飯ジャーが置いてあって、味比べができる。で、値段と相談しながら仕入れていく。

 こういう店は、非常に便利で、1ヶ所で全ての商品が仕入れられる。無いものはないし、一般客がいないので、混雑することもない。時間と人件費を節約できるし、便利なことこのうえないんです。

「ブログなどを読むと、スーパーで仕入れをしているみたいですが、業務用専門店で仕入れはしないんですか?」

と聞いてきた御客さんは、それを知っている人で、自らも飲食店を経営している人でした。

「正直言いまして、昔は利用していたこともあったんです。ペンションとユースホステルの2軒を営業していたときに。でも今はやめました」
「どうしてですか?」
「地場産にこだわりたくなったんです」
「なるほどね」

 オリジナルブランドの商品は、便利と言えば便利でした。御客さんが知らない味を手軽に提供できるからです。しかし、途中で疑問に思うこともでてきた。配達商品も、便利派便利なんですが、素材を選ぶ努力を放棄すると、腕がだんだん鈍ってくるんですね。比較する目が鈍ってくるし、良いものと出会えなくなってくる。それに気がついたときに、ペンションを閉鎖する決意がついたんです。3年前のことです。

 しかし、ペンションをやめて、ユースホステル一本にしてよかった。ユースホステル一本にしてから、クリエイテブな仕事ができるようになった。嫁さんが誕生ケーキを焼くことができるようになったのも、ペンションをやめてからです。北軽井沢ブルーベリーYGHの庭が立派になったのも、ペンションをやめたおかげです。量の拡大をやめたおかげで、質の向上に力をそそぐことができるようになった。

 で、業務用専門店で仕入れを止めて、農家から野菜を仕入れたり、いろんな店をまわって一番よいものを選ぶ楽しみも味わえるようになりました。コストはかかりますが、これがけっこう楽しいのですね。

 あと、御客さんが、よく使っている見慣れた食材で、美味しい料理を提供することが、料理の王道ではないかと思えてきたんです。御客さんが手に入れることのできないオリジナルブランドの商品を使って料理するのは簡単だし、御客さんにレシピを聞かれても、御客さんは絶対に真似ができないんです。それで勝負するのは、非常に簡単。でも、それでいいのかな?と思えてきた。御客さんが手に入れられる食材で美味しく造ることの方が意味があるのではないかと思えてきたんですよ。それも普通の家庭料理で・・・・。


つづく。

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2011年08月30日

草津は、前年比1.5倍らしい。

そろそろ、どのお宿さんも、統計があがってきています。
凄いのは、草津。
前年比1.5倍だそうです。
北軽井沢でも、大手ホテル2社が、史上最高の売り上げをあげたとか。
それからしたら、うちなどは、良かったと言っても、たかが知れています。
ちょっと良かったくらいですから。
もちろん、ここ数年では、一番良かったですが。

しかし、これは素直に喜べません。
東北の犠牲によって得られた集客だからです。
誰かが泣くことによって得られた集客ですから。
ところで、御客様の中には、こんな人もいました。

「毎年、海外に行ってるんだけれど、今年は国内旅行です」
「どうしてですか?」
「こういう時期だからこそ、日本に、お金をおとさなきゃと思って」
「・・・・・」
「明日は、新潟に行きます。明後日は山形に、東北に避暑にいってきます」

 こういう人もいました。
 すごいなあと感じ入りました。
 
「義援金の御礼に台湾に行こうと思っている」

 という人もいました。
 日本も、まだまだ捨てたものではないようです。


つづく

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2011年08月25日

震災の影響で御客さんが激減すると思いきや、

震災の影響で御客さんが激減すると思いきや、
結果的に今年の集客は、去年よりよかったです。
ここ数年では、一番多かったんじゃ無いですかね。
これは、うちだけでなく、軽井沢・北軽井沢の宿
全てに言えることだそうです。

どうして、こうなったか不思議だったので、今日は統計を調べていたんですが、やはり関西からの御客さんは壊滅状態でした。西日本の御客さんは、皆無に近かったんですね。うちの夏の御客さんの8割は西日本からですから、今年は、毎年来られる西日本からの常連さんはゼロに近かったことになります。

じゃ、どういう御客さんが、うちに泊まりに来て、近年なかった大入り満員になったかと言いますと、毎年、東北旅行にでかけていた関東の御客さんが、うちに泊まりに来てくれたんですよね。そして、毎年、海に行ってた御客さんが、今年は高原に来たんです。

これは、どういうことかと言いますと、
・東北旅行する御客さんが激減した
・海水浴に行く御客さんが激減した
ということなんですね。

そういう御客さんが北軽井沢に来てくれた。
これって、良かったのかどうなのか。
東北の宿屋さんや、海辺の宿屋さんは、
さぞかし辛い思いをしてるんだろうなあと思いました。



つづく

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2011年07月23日

予約は、ホームページからの方が良いという話

夏休みに入って、毎日御客様を迎えるようになりました。
満室までいきませんが、そこそこ賑わっています。
で、気になることがあったので、御報告します。

ホームページから予約した人は、おおむね、御客様の希望を満たすことが出来てるのですが、
電話予約の人は、必ずしもそうはなってないことに気がついたのです。

ホームページから予約すると、アンケートがあります。
このアンケートで、私たち宿側は、旅の目的を知ることができます。
また、アリルギーの有無や、メンバー構成を知ることが出来ます。
電話だと、そこまでは知ることが出来ません。
そのために電話予約の御客様に食べられない食材を出してしまうことになる。
こういう事故を、メールのやりとりをしていると、防げるのです。
糖尿病患者とは知らずに、
ボリュームのあるステーキを出してしまう事故が防げます。


電話では、聞ける情報に限りがあります。
例えば、こんな会話。


「男1名・女2名、できるだけ個室で御願いします」
「ありがとうございます。女性2名は、個室は可能ですが、男性は相部屋になってしまいますが、かまいませんか?」
「ああ、それでいいです」


そして、御客様が到着してみると、3人とも家族でした。
家族とわかってたら、最初から3人部屋にしたんです。
しかし、御客様は、おっしゃらなかった。
「おまえが聞けばいいじゃないか」
と言うかもしれませんが、その時に、ちょうど揚げものをあげていたので、詳しいことを聞く時間が無かった。
で、結局、3人とも、男女別々に相部屋になってしまった。

仮に、もし、この3人の御客様が、4時くらいにチェックインしていたら、
こちらも機転をきかして、部屋割りを変えてしまい、家族を1室にまとめるのですが、
一番遅くチェックインされたので、それもできなかった。
全てが、裏目になってしまったんですね。


こういった不幸は、ホームページの予約フォーマットからの予約で防げます。
ホームページの予約フォーマットに入力して送信すると、
24時間以内に私どもからメールが返信されます。
その返信メールに、希望を書いておくことで、快適な宿泊に一歩近づけます。

だから、ご面倒でも、電話より、ホームページからの御予約をおすすめしているのです。



つづく

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2011年07月20日

牛丼チェーン「吉野家」が110円値下げ

牛丼チェーン「吉野家」を展開する吉野家ホールディングスは19日、26日午前10時から8月2日午後3時まで、全国の店舗で牛丼や牛皿など8品目を一律110円値下げすると発表した。

 通常は380円の牛丼の「並」が270円、480円の「大盛」は370円、630円の「特盛」は520円にそれぞれ値下げされる。

2011年7月19日18時15分 引用元:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110719-OYT1T00935.htm



すごっ!
食べに行かねば!


しかし、値下げは、いいんだけれどね。
私のような飲食を商売をやってる人間は、どうしても裏が気になる。
どんな肉を使っているんだろうか?って。
放射能は大丈夫なのか?って。

もちろんアメリカ牛なんでだいじようぶだろうし、
円高なので、安く輸入できることもわかっている。
でも、ちょっと疑いたくなる。


ちょっと前に吉野屋が、牛鍋丼をだしましたよね?
一杯あたり280円の超安いやつ!

こいつです。




それまで他の牛丼屋の値下げ攻勢にやられぱなしだった吉野屋が、
これで客を取り戻したと聞いて、食べに行ったんです。
そして、実物を見て大笑いしてしまった。

昔のミニ丼の容器なんです。

牛丼並より小さい容器に、牛鍋丼がでてくる。
そいつが牛丼ミニと同じ値段ででてくる。
しかし、一般客は、それに気がつかないで、単に値下げしたものだと思って食べている。
だれど、そいつは、昔から、同じ値段で小盛丼としてあったものなんです。
それに多少のメニューを変更して牛鍋丼として280円で出しただけ。

(実は、ライバル店の牛丼の丼は、このミニ丼と同じサイズだったりする)
(だから吉野屋の牛丼の値段が一概に高いとは言えないのだ)
(計量カップで計った御茶を丼に入れて飲んでみた)

そもそも、吉野屋の牛丼は、他の牛丼屋より質・量が多かった。
だから私は、牛丼を食べるなら吉野屋に行ってた。
その吉野屋が、質・量で勝てなくなって値段で勝負するようになったら私は行きませんね。



実は、こういう事は、よくあるんです。
食材の仕入れをしていると、頻繁に体験する。
例えば、バターやチーズ。
昔も、今も値段はかわりません。
しかし、昔は、200グラムだった雪印バターが、
ある日、突然160グラムに減ってしまっている。
つまり御客様に気づかれないように40グラム分値上げされているんですが、
消費者の多くは気づいてない。
一般の家庭なら問題ないでしょうが、
うちのような飲食業だと、料理する段になって、
計量するとバターが足りないことに気がついて慌ててしまう。
勘弁してほしい!




納豆もです。
むかしは、50グラムはいっていた容器に
知らない間に45グラムしか入ってなかったりする、
で、タレを入れて食べると塩辛いと感じてしまう。
変だな?と思って調べてみると、
納豆は45グラムに減ってるのにタレの量は減ってないので、
微妙に味が変化してしまっている。
それ以降、タレを全部入れないようにしている。





回転寿司なんかもそうですね。
昔、築地の魚河岸で働いていた私の目からみたら、
回転寿司は、決して安くはない。
よく見るとネタが薄い。
マグロやカンパチなんか、ハムみたいに薄くなっている。

しかし、うちの嫁さんは、回転寿司しか食べてないので、
本物の寿司屋に連れて行くと、ネタが分厚くて、脂だらけで
「気持ち悪い」
と言ってくる。嫁さんにとって、回転寿司の寿司が基本になっているので、
本場の寿司は、口に合わないらしい。

で、一緒に回転寿司に行く訳なんですが、
いつもホタテを食べているので、
よほどホタテが好きなんだろうなと思ってきいてみたら、
一番カロリーが低いのがホタテだった。

よーく見ると、回転寿司のメニューには、カロリーが表示してあった。
どーりでー、メニューをジーッとみていたわけだ。


つづく

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2011年07月02日

北軽井沢ブルーベリーYGHの米(朱鷺米)の紹介

たまには、宿の宣伝でもしておきます。
で、今回は、北軽井沢ブルーベリーYGHの米について。


0000013024.JPG


実は、某米所からの御客様が、うちの御飯を絶賛して帰って行きました。

「どんな米を使ってるの?」
「普通の米じゃ無いよね。何米なの?」
「どうして、お米が美味しいの? 何を使ってるの?」

さすがは、米所の御客様。
新潟県の御客様は、味がわかってらっしゃる。
そういえば、ササニシキの宮城県の御客様も絶賛してたなあ。
山形・秋田の御客様も、さかんに米のことを聞いてきた。

なにをかくそう、今年から北軽井沢ブルーベリーYGHの米は、
『朱鷺米』
を使っています。


0000013025.jpg


 ちなみに佐渡島では、平成20年産米より99%以上の面積で農薬・化学肥料を3割削減したコシヒカリの生産に取り組んでいます。

0000013026.jpg

 そういう地域で、さらに化学農薬・化学肥料を5割以下に抑えたのが、朱鷺米です。
 無農薬、無化学肥料栽培・8割減栽培・5割減栽培(栽培期間中)の米です。
 つまり新潟県特別農産物認証制度の認証を受けた米なんです。

(新潟県特別栽培農産物認証制度とは、新潟県が化学農薬・化学肥料を地域の基準から5割削減して栽培した農産物の栽培方法等を確認し認証する「新潟県の安全・安心ブランド」です。生産者の栽培履歴は新潟県ホームページで確認できます)

 それだけではありません。
 農薬や化学肥料を削減するだけでなく、
 生きものが暮らしやすい水田環境を作り出す農法で朱鷺米は作られています。
 
 朱鷺を野生に戻すためにさまざまな生物が暮らせる生態系を取り戻し維持することが大切です。
 佐渡市では自然環境の復元に取り組み続けています。
 朱鷺米は、売上の一部は佐渡市トキ保護募金に寄付されます。
「朱鷺と暮らす郷」は消費者と生産者のとき保護への想いが一つになったお米です。


◆朱鷺米が美味しいわけ

 佐渡沖を流れる対馬海流の影響で冬は本土よりも1〜2度気温が高く、
 夏は逆に本土よりも2度ほど涼しい。
 そのために稲の稔りの期間が長く、じっくりと登熟したおいしいお米が収穫出来ます。
 甘みが強く、もち米のような歯ごたえがあります。
 もちろん人気が高いので、すぐに売り切れます。
 ネットで買うことも至難の業です。
 北軽井沢ブルーベリーYGHは、佐渡に親戚がいるので買えるわけです。
 ちなみに朱鷺米の値段は、5キロで5000円。
 安いもので、3500円くらい。

 目茶苦茶に高いですが、この米を食べることによって、
 朱鷺たちの環境が守られるんですから安いものです。
 私たち宿主は、こういう形で、田舎の環境(朱鷺の環境)を守り、
 そして御客様の健康を守っていくのが使命だと思いますね。
 やすけりゃいいっていうものではないでしょ。


御客さんの健康と
日本の環境を守るのが
宿屋の心意気でい!



DSCF0021.JPG

0000013024.JPG



【ちなみに朱鷺米を作る田んぼ】
 
◆水田、水路での江(深み)の設置
 江の設置は、水田の湛水状態を維持することにより、中干し期にも生きものを育みます。
 つまり朱鷺の餌が田で生活します。

0000013027.jpg



◆冬期湛水
 ふゆみずたんぼとも言われる冬期湛水は11月から2月まで水深5センチ程度の湛水状態を維持し、年間を通して生きものが生息する環境を維持します。

0000013028.jpg 



◆魚道等水路の設置
 生きものが水路と水田を行き来できることにより、年間を通して生きものを育みます。


0000013029.jpg


◆びおとーぶの設置

0000013030.jpg

http://www.city.sado.niigata.jp/eco/info/rice/index.shtml より拝借


つづく

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ラベル:朱鷺米
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2011年06月02日

ネットへの取り組みについて1

北軽井沢ネットについて

 御客さんから、電話で北軽井沢ネットについて質問がありましたので、良い機会なので北軽井沢ネットについて書いてみたいと思います。

 観光の仕事をしていて、つくづく思うことは、時代に追いついている企業と、そうでない企業の差が開きすぎているということです。これが非常に困る。どういうふうに困るかというと、会議の時に困る。会議にならないんです。だから、こっちは黙ってしまう。一言も口をきかないで、終了とともに逃げるように去ってしまうだけになる。下手に捕まると、仕事や役職を押しつけられてしまうからです。

 昔は、こんなことは無かった。会議にならないということは無かった。少なくとも会話は成立した。じゃ、どうして、今は会話が成立しなくなったかと言いますと、インターネットとマーケッティングへの取り組みの差のためです。

 インターネットをやってる立場からすると、従来の紙媒体の宣伝というものの費用対効果の効率の悪さが信じられないほど悪い。しかし、インターネットに無知だと、それにすがるしかないわけで、何十万もかけて、チラシやポスターを作ってばらまくわけですが、その効果は皆無にちかいです。しかしインターネットだと、千分の1のコストで、同様の効果を得ることが出来ます。しかも双方にメリットのある顧客が得られます。そこから長いつきあいが始まり、リピーターが増えるのです。

 リピーターという存在は、観光業者にとって神様みたいにありがたいもので、道案内はしなくていいし、宿について細かい説明もいらない。そのうえ勝手に宣伝までしてくれる。暫く、姿をみせなくなったとしても、どこかで話題にだしててくれる。本当にありがたい存在ですが、このリピーターはチラシでは得られにくいんです。チラシという紙媒体では獲得しにくい。本を出版するくらいでないと難しい。チラシ程度の情報では、相手の顔が見えないために相性の悪い宿を選択してしまいがちだからです。

 あと、チラシやポスターは、時として御客さんを騙すこともあります。意図してないのに騙すこともある。チラシに使われている写真は、最高のものであるために、行ってみるとガッカリということになり、結果として悪評を広めてしまうことになる。しかし、インターネットならそのデメリットを防ぐことも可能です。今年は、シャクナゲの花が不作だとか、見頃はいつだとか、細かい情報が書けるから、御客さんをガッカリさせる確率が減ります。

 前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

 その昔、私が属している浅間高原観光協会は、なかなかホームページを作ってくれなかった。ホームページによる情報発信をしようとしなかったんです。事務局に何回言っても、ウンと言ってくれなかった。で、チラシ・ポスター・キャラバン・イベントばかりやっていた。当然のことながら効率が悪いのなんの。

「もう観光協会をやめようかな」

と思っていた矢先に、ホームページで共同宣伝する組織である「北軽井沢ネット」という組織から、北軽井沢を宣伝するホームページを作ってくれないか?という相談がありました。で、ワダックスの代理店をやってる土井君を管理責任者にすることを条件にボランティアでホームページを作ったのです。それが、これです。

http://kita-karu.net/

 ちなみに
「どうしてサッサと観光協会を辞めなかったの?」
という質問がありましたから、お答えしておきます。

 観光協会でないと、できないことがあるんですね。
 それは割引施設のことです。
 温泉などの割引券は、1軒の宿のために割引券をだしてくれない。
 三十軒くらいまとまって利用してくれないと出してくれないんです。

 あと、割引券・前売り券の印刷。
 これは、温泉施設が印刷してくれるわけではありません。
 こっちが毎年印刷をかけて発行します。
 そういうものなんです。


 この費用が年間に三十万円くらいかかる。
 つまり、割引券・前売り券にはコストがかかっている。
 それを一軒の宿が負担できるわけがない。

 実は前売券や割引券には、
 莫大なコストがかかっているんです。


 だから観光協会で共通割引券にして、割引施設を三十ヶ所くらいの割引券を共通にして、印刷をかけないと、とても作れないのです。大手の軽井沢グリーンプラザホテルなんかは、独力でそれをやっていますが、小さなペンションやユースホステルには、それができない。だから観光協会を辞めたくてもやめられなかったんです。辞めたら、御客さんの温泉入浴料金が跳ね上がる。だから辞められなかった。これは案外知られてない事実でしょうね。割引券は、無料で存在しているわけでない。

 しかし、私が北軽井沢ネットに入った時、北軽井沢ネットに温泉割引券があった。
 北軽井沢ネットで割引券・前売り券を印刷していたんです。
 これで観光協会に在籍する意味が無くなった。

「こりゃいい、北軽井沢ネットに入れば、観光協会を辞められる」

と思って大喜びしたのですが、そうは問屋がおろさなかった。観光協会のトップが交代し、北軽井沢ネットのボスが、観光協会の役員になってしまった。そしてホームページを作る予算が付きました。で、ワダックスの代理店をやってる土井君を管理責任者にすることを条件に、私がボランティアでホームページを作りました。それが、これです。

http://asama-kogen.info/

ブログも作りました。

http://asama-s.seesaa.net/
http://wf-asama.seesaa.net/
http://ai-asama.seesaa.net/

 こうして、北軽井沢ネットと浅間高原観光協会のインターネット事情は改善されていったわけですが、北軽井沢の状況・嬬恋村全体の状況をみると、まだまだ遅れています。それは日本ユースホステル協会も一緒です。ホームページはできていても、チラシをインターネットに流した程度のものしかないのが現状です。しかし、これもパソコン教室を開いて宿主のスキルアップをさせているので、少しづつ改善されていくでしょう。



つづく

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2011年02月25日

なぜ北軽井沢ブルーベリーYGHでは、朝食にパンを出さないか?

このさい、なぜ北軽井沢ブルーベリーYGHでは、朝食にパンを出さないか?
それを書いておこうかと思います。
一言で言うと
「まわりに美味しいパン屋がありすぎるから」
です。


でも、オープン当初は、パンを出していたんです。
理由は簡単。
その方が、作るのが楽だからです。
簡単だからです。

しかし、オープンして少し余裕ができて、まわりの観光地を調査しだしたら真っ青になった。
軽井沢はパン屋の聖地だったんですね。





パンといえば軽井沢。
軽井沢といえばパン。


そのくらい軽井沢とパンは切っても切れない関係だった。
で、食べてみたら美味しかったのはもちろんのことですがパンにも色々あることがわかった。
パンは奥深いのです。

あと、これが致命的な理由なのですが、
大手メーカーの安いパンには、ショートニングが入っている。
ショートニングは、低カロリーなうえに、パンを柔らかくする。
コンビニで売っているパンの大半は、柔らかくて食べやすいですね。
あれは、ショートニングのせいなんです。
これが、すごく健康に悪い。
毒とまでは言わないけれど、身体に悪い。
あと、マーガリンも入っている。
これも毒とまでは言わないけれど、身体に悪い。


で、軽井沢の御当地パンなんですが、バターの入っているパンが多い。
必然的に値段は高くて高カロリー。
そうでなければ、天然酵母を使った低カロリーのパン。
こっちは固くて食べにくい。
パンにもいろいろあるんです。
好みがあるんです。





焼き方もそう。
スペイン煉瓦で焼いたパンと、ガスオーブンで焼いたパンは味が全く違う。
ましてや家庭用パン焼き機なんて、使いたくはない。
焼いた直後は美味しいけれど、時間がたつと駄目になる。

天然酵母の差によっても味が違う。
葡萄酵母を使えばブドウの味がする。
どの酵母が好きで、どの酵母が嫌いかなんて、そういう御客さんの趣味まで分かるわけがない。

これを全て揃えるのは不可能だし、コストも高くつく。
パンにこだわっている人ならいいけれど、
一般人なら、
「値段の高くない普通のパンを出せよ」
というでしょう。

しかし、マーガリンとショートニングを使った普通のパンは健康に悪い。
全部、御客さんが食べてくれるならいいけれど、
残ったパンは、捨てるか私が食べることになるんです。
だから北軽井沢ブルーベリーYGHでは、朝食にパンを出すのをやめて、御飯にしたんです。

パンにこだわる御客さんは、軽井沢の専門店に行ってくださいよと!
そのほうが、中途半端なものを食べさせられるよりいいですよと。
ただし、うちは、米にこだわっていますから。
米だけは最高の物を用意してますから。





つづく

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2010年08月21日

定員17人の宿に、25台分の駐車場があるのは無駄か?

あるとき、御客様から、こんな話しを伺いました。

「噂どうり北軽井沢ブルーベリーYGHさんの駐車場は大きいですねえ」
「はい」
「何台くらいまで入れるのですか?」
「つめれば25台くらいは、はいれそうです」
「定員は?」
「17人です」
「定員17人なのに、25台入れる駐車場って無駄じゃないですか?」
「そんなことはないですよ」
「いやね、○○ユースホステルのマネージャーさんが、無駄だよって、さかんに言ってましたよ」
「・・・・」
「将来、定員を増やす計画でもあるんですか?」
「いや、これ以上定員が増えると、私たちの能力を超えてしまいますから」
「じゃあ、なおさら25台入れる駐車場って無駄じゃないですか」

 めんどくさいので、私は別の話に会話を切り替えました。
 そして数日後、別の御客様から、また同じ質問をいただいたのです。
 
「北軽井沢ブルーベリーYGHさんの駐車場は大きいですねえ、何台くらいまで入れるのですか?」
「つめれば25台くらいは、はいれそうです」
「定員17人なのに、25台入れる駐車場って無駄じゃないですか? ○○ユースホステルのマネージャーさんが、無駄だよって、さかんに言ってましたよ」
「そんなことはないですよ」
「どうしてですか?」

 しかし、めんどくさいので、またもや私は別の話に会話を切り替えました。
 ところが数日後、別の御客様から、また同じ質問をいただいたのです。

 これで3回目でした。

 さすがにもう、めんどくさいなんて言ってられないので、
 この質問に答えることにしました。
 そして、ブログにも書くことを決意しました。
 で、こうやって筆をとってるわけです。
 
「定員17人なのに、25台入れる駐車場って無駄じゃないですか?」
「定員17人なのに25台の車が集まったことが過去にはあったんですよ」
「はあ?」
「ユースホステルをよく知らない御客様や、他のお宿さんは、定員の数しか御客様が集まらないと思ってらっしゃいますが、そうではないんです。人気のあるユースホステルには、しばし定員の倍くらい車が集まることがあるんです。昔の小諸ユースホステルなんかがそうでしたね。あれに比べれば、うちなんかチャチなもんです」
「え? どういうことですか? 詰め込むということですか?」
「そうではありません、定員以上の宿泊者がいなくても定員の倍くらい車が集まることがあるんです」
「え? いったい、どういうことなんです?」
「例えば、週末の日曜日にツアーがあったとします」
「はい」
「大半のツアー参加者は、前日の土曜日に宿泊して翌日にツアーに参加します」
「はい」
「でも、ごくたまにツアーに参加してから日曜日に宿泊するケースがあるのです」
「・・・・」
「そのときに、駐車場の車の数が一時的に定員を超えるケースがあるのです。土曜日宿泊者の車が17台。日曜日宿泊者の車が8台あれば、合計25台の車が、ツアー中の間に北軽井沢ブルーベリーYGHの駐車場を占領しますよね」
「なるほど....」
「このような事情は、頻繁にツアーを行っているユースホステルでないと分からないかもしれませんね。こういう苦労は、ツアーをやってない他の宿やユースホステルでは分かりにくいかもしれません」
「なるほどねえ」
「また、定員を超えなくても、キャンピングカーや大型車で来られる御客様もいらっしゃいます。そうなると一台で3台分のスペースを使うこともあるんですよね」
「・・・・」
「ま、駐車場は広いにこしたことはないんですよ。今年は、北軽井沢ブルーベリーYGHでも花火を販売しましたから、広い駐車場でファミリーの御客様が花火を楽しめるようになりましたしね」
「花火ですか」
「東京や首都圏では、花火は条例で禁止されてるので、北軽井沢にこないとできないんです。広い駐車場があると、そういった遊びにも苦労しなくなります」

つづく


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posted by マネージャー at 08:23| Comment(3) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月03日

ペアレント講習会に参加して13

ペアレント講習会に参加して13

 ペアレント講習会の初日が終わり、
 懇親会が終わり
 2次会が終わりました。

 で、3次会となってしまった。
「3次会だけは勘弁」
と断って退散したのですが、それを見逃す谷川岳ラズベリーYHの曽原マネージャーではなかった。

「佐藤さん、3次会は組長(日光大谷川ユースホステルの菊池さん)の部屋ですよ!」
「えええええええええええええっ、俺、出席しないとダメ?」

と言うわけで、曽原マネージャーの強引な誘いに負けて、組長の部屋に行くと、曽原マネージャーが、

「佐藤さん、こっちです!」

と手招きし、私を定位置に座らせると、
そのまま外に消えてしまいました。
「やっぱりなあ」と、思っていると組長が

「曽原君は、どこにいった?」

と言ってるので

「俺が探してきます」

と外に探しに出かけるのですが見つからない。清里ユースホステルと石和温泉ユースホステルのマネージャーが歌舞伎町別動3次会から帰ってくるのに出会いましたが、曽原マネージャーはいない。

で、まさかと思って曽原マネージャーの部屋に聞き耳をたてると、
イビキ
がきこえる。

「やられた!」

と、スゴスゴ、組長の部屋に戻った私であった。
組長の部屋には、民営ユースホステル協会の会長もいるし、
日本ユースホステル協会の宗像さんもいる。
このさい、いろんな情報をリークしておかなければ。





 翌日。

 2日酔いぎみで、ペアレント講習会第二弾に参加するのであった。

つづく

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posted by マネージャー at 22:15| Comment(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月18日

ペアレント講習会に参加して12

ペアレント講習会に参加して12

 義理人情の話しの続きです。北軽井沢ブルーベリーYGHが、日本ユースホステル協会に認可される時、たいへん御世話になった人がいます。今は亡き河野理事長と、日本ユースホステル協会の事務局の小俣さん・真田さんです。

 残念ながら2人とも事務局にはいません。小俣さんは、定年退職され、日本オートキャンプ協会に行かれました。真田さんは、代々木ユースホステルに行き、御病気されたと聞いています。

 北軽井沢ブルーベリーYGHが、日本ユースホステル協会にユースホステル契約の申請をだしたときに、ライバルがいました。鹿沢リゾートホテルでした。もちろん施設も規模も鹿沢リゾートホテルの方が数段上でした。従業員も十人以上いる。鹿沢リゾートホテルが認可されれば、日本ユースホステル協会への上納金も、北軽井沢ブルーベリーYGHの比ではありません。北軽井沢ブルーベリーYGHは、圧倒的に不利だったわけです。しかし、河野さん、小俣さん、真田さんが、北軽井沢ブルーベリーYGHを密かに支援してくれた。北軽井沢ブルーベリーYGHは、この三人に足を向けて寝られなかった。

 *  *  *

 話しは変わりますが、私は、ここ2年間、ペアレント講習会に出席していませんでした。去年は嫁さんに出席してもらいました。一昨年は、欠席しました。欠席の理由は、小俣さんへの恩返しのためです。小俣さんとは、日本ユースホステル協会の事務局長であり、カラオケで



を一緒に歌った仲でもありますが、定年退職され、日本オートキャンプ協会に行かれました。その日本オートキャンプ協会が、北軽井沢でイベントを行うことになったのですね。で、主催キャンプ場のスィートグラスがインタープリテーションプログラムの講師を私に依頼してきたのです。

 しかし、日本ユースホステル協会のペアレント講習会と
 日程がバッティングしてしまった。

 どっちをとろうかと悩みましたが、
 やはり義理人情が優先。
 日本オートキャンプ協会のイベントをとりました。

 日頃御世話になっているスィートグラスと、
 まだ、御恩返しできてなかった
 小俣さんに御恩返ししたかった。

 で、日本ユースホステル協会のペアレント講習会をサボって、日本オートキャンプ協会のキャンプ場オーナーたちを前にして、インタープリテーションプログラムの魅力をたっぷりと御紹介したのです。反応は素晴らしい者がありました。みなさん恥ずかしいくらいに、のめり込んで聞いてくださいました。そして、質問に次ぐ質問。会場は盛況で予定時間を大幅に超える講座となり大成功のうちにイベントを終了したのです。

 そして、最後に私は日本オートキャンプ協会の皆さんに言いました。

「実は、これらのインタープリテーションの魅力は、ここにいる日本オートキャンプ協会の事務局長である小俣さんに教えていただいたのです!」

 実は、小俣さんが日本ユースホステル協会に射た時代にインタープリテーションプログラムを発見し、小俣さんが日本ユースホステル協会にインタープリテーションプログラムを定着させたのですね。それを日本オートキャンプ協会の皆さんに知ってほしかった。小俣さんの能力を皆さんに知って欲しかった。だから義理人情を優先してペアレント講習会をサボって、日本オートキャンプ協会のイベントに講師として出席したのです。

 もちろん日頃、何かと御世話になっているスィートグラスさんのたのみだから、断れなかったということもあります。私はスィートグラスさんのファンでもあります。バーベキューしたい御客様をかたっぱしからスィートグラスさんに送っているのも事実です。これも義理人情です。

 小俣さんとスィートグラスさん。この2つの義理人情に応えることができるなんて、なんと素晴らしいことでしょうか? ペアレント講習会なんか、サボっても屁でもないという気分でしたね。

 でも、今回のペアレント講習会は、出席しようと思いました。
 水野新理事長に挨拶しなければと思いましたから。
 水野さんにはドイツに行くときに、たいへん御世話になったから。
 これも義理人情ですな。

つづく。

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posted by マネージャー at 10:00| Comment(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月17日

ペアレント講習会に参加して11

ペアレント講習会に参加して11

 実は、今日、前橋で群馬県ユースホステル協会の理事会がありました。一代で群馬県ユースホステル協会を設立した河野理事長が、お亡くなりになってから初めての理事会でした。大勢の理事さん、評議員さんが出席されましたが、実は地元の大物ばかり出席されていました。みんな亡き河野さんの親友たちばかりです。

 おそらく理事の皆さんは、ユースホステルをよく御存じない方ばかりだと思いますが、河野さんのために一肌も二肌も脱ごうという方ばかりなので、本当に心強いです。当分の間、群馬県ユースホステル協会は、盤石の体制が続くでしょう。だから私たちユースホステルの現場の人間は、安心して仕事ができそうです。よかった、よかった。

 そう言えば、ペアレント講習会に参加した時に、
 とても嬉しかったことがあります。
 水野新理事長が、河野さんのために
 黙祷の時間を作ってくれたことです。

 あれは、嬉しかったなあ。
 私は、あれで、水野新理事長のファンになりましたよ。
 水野新理事長を、日本ユースホステル協会を
 底辺から支援していこうじゃないかと!

 こういっちゃ何ですが、私の欠点は、義理人情で動きすぎること。しかし、それはそれで良いと思っています。開き直りですね。ちなみに私が、ユースホステルの共和国グループに入ったのも『義理人情』からです。私は、ユースホステルの共和国グループの会議に初めて参加しようとしたときのことです。

「友人がやってるペンション歩゜風里のオーナーも一緒に連れて行っていいですか?」

と無理を承知でたのんだら、快くオーケーしてくれたのが共和国グループでした。で、松山ユースホステルまで飛行機に乗って会議に出席したから、最高の御部屋(ゲストルーム)に泊めていただき、すごい御馳走をいただきました。それいらい共和国グループを義理人情で応援しています。

 旅人宿フリーも同じです。
 義理人情で応援しています。

 メリットとかデメリットとか関係有りません。
 義理人情です。
 それだけです。

 まあ、逆にいうと、
 義理人情に欠け気味の団体もあったわけです。

 団体だけではありません。
 個人的なつきあいも義理人情で行っています。

 近所の別荘オーナーが、私が病気したとき見舞を届けてくれたことがありました。私は、その方の心意気に感動し、その方のホームページを無償で作ってあげています。しかも4つも。ところが、それじゃ悪いと思ったのか、先日、本格中華を御馳走してもらいました。それじゃ悪いから御客様を紹介してあげたりしています。

 御客様にしても同じですなあ。

 もともと北軽井沢ブルーベリーYGHは、こんなにサービスの良い宿ではなかった。昔は、お茶会にポテトチップスしか出してなかった。でもねえ、リピーターの御客様が、いろいろ差し入れをもってくると、ついつい、うちも、何か、お出ししなきゃと思っているうちに、だんだん、こうなってきたんです。だから5年ぶりに泊まった御客様は、5年前とレベルが違っているので驚いていたりする。

 屋根付きバイク置き場や、駐車場を拡張したのも、営業戦略でやったのではありません。台風の中、キャンセルせずに、びしょ濡れで来てくれるから、その心意気に感動して無理して作ったんです。かなり無理したけれど、やっぱ、義理人情が優先してしまうから作ってしまった。

 で、工事業者も義理人情で撰んでます。
 金だけじゃない。
 いくら安くても、人柄に納得できなければダメ。

 出入の業者も義理人情で撰んでます。
 金だけじゃない。
 高くても正直で人柄の良い職人さんに御願いしている。
 あの人を儲けさせてあげたいと思っている自分がいる。

 気がついたら買い物も、
 そうなってましたね。
 おかげで遠くまで仕入れにでかけるので、
 ガソリン代が、かかることかかること。

つづく。

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posted by マネージャー at 21:28| Comment(2) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月09日

ペアレント講習会に参加して10

ペアレント講習会に参加して10

 二次会の話しの続きです。

 二次会は、養老の滝に決定。
 勝沼YHさんには可愛そうなことしました。
 だって飲めないんですもの。
 え?
 じゃどうしてワインツアーやってるかって?

 これはね、むしろ飲めない人の方がいいんですよ。飲めないからこそ、プロにお願いしてワインのイベントを開いて、それが結果として大成功に結びついているのですから。まあ、飲めないと言っても全く飲めないわけでもないしね。第一、御主人は、ブドウ農家で働いているくらいで、ブドウの知識は本物です。あと勝沼YHさんの奥さんは、食品関係の仕事をしていたらしく、その道のプロなんですよね。もちろんワインに対する造詣も高いでしょうねえ。


sakaya2.jpg


 ちなみに勝沼YHの奥さんと、私はマネージャー養成講習会の同期なんです。一緒に研修を受けた同期の桜なんですよ。で、思い出すのが、その時の研修の思いで。勝沼YHの奥さんは、妊娠8ヶ月(?、いや9ヶ月だったかな?)でマネージャー養成講習会に現れたんです。

 マネージャー養成講習会では、ユースホステルに関する講義があって、いろいろ勉強をするわけですが、勉強だけではありません。小俣さんが主導でハンカチ落としみたいなゲームなんかもやるんです。もちろん妊娠8ヶ月(?)の勝沼YHの奥さんができるゲームではないので、小俣さんが
「見学していましょうか?」
と気を遣うのですが、勝沼YHの奥さんは、
「私もゲームやります!」
と妊娠10ヶ月で普通にゲームをはじめました。

「すごい!」

みんな目が点になりましたね。


clip_image002.jpg


 そうそう、同期に鎌倉はせYHの吉野さんもいました。しかも夫婦でマネージャー養成講習会に来ていました。普通は、夫婦のどちらかがマネージャー養成講習会にくるものなのですが、夫婦できたのは、この方が初めてだったのではないですかね? その時は、どこにユースホステルを建設するか迷っていたようですが、ほんとうに面白いオシドリ夫婦でしたね。なにせ講義中に夫婦ゲンカをはじめちゃうくらいですから。奥さんが涙をためて教室を飛び出し、それに驚いた私は

「吉野さん、いいんですか」

と囁きましたが、吉野さんは、フーテンの寅さんに出てくるおいちゃんのように「てやんでい」という感じで、とりつくしまもなく、こっちがアタフタしたものですが、数分後に、もとのオシドリ夫婦になってて、

「いったい、あの夫婦ケンカはなんだったのか?」

と目が点になったものです。なんとかは犬も食わないと言いますが、本当ですね。ちなみに私は、この鎌倉はせYHの吉野さんが大好きで、密かにファンだったりします。いや、めちゃくちゃファンです。吉野さんを尊敬しています。そういう人は、私だけでないらしく、吉野さんを知ってる人は、その不思議な人格に衝撃をうけています。このさい仮面トークでばらしちゃいましょう。

「吉野さんて、面白いよね」
「作務衣きてペアレント講習会にきているしね」
「YHのマネージャーの中で、一番変わってるんじゃないかなあ?」
「一番は、言い過ぎだろう。松山YHの大統領がいるから。あの人も、いつも作務衣だぞ。怪しい度数でいうなら松山YHが一番だろう」
「たしかに怪しさから言えば、松山YHの大統領に敵う者はいないけれどな。超能力でスプーンを曲げちゃうし、怪しさを売りにしているし」
「だろう?」
「しかし、なんていうかなあ、鎌倉YHの吉野さんは、あれほどは怪しくはないけれど、座禅百年やってる僧侶のようなオーラがある。相撲番付でいうなら西の横綱が松山YHの大統領なら、東の横綱は、鎌倉はせYHの吉野さんじゃないか?」
「なるほど! じゃ西の大関は? やっぱり高千穂YH」
「それもありだが、湯布院カントリーロードYHも捨てがたい」
「なぜ?」
「御客さまが帰る度に、スタッフ全員でカントリーロードを合唱するらしい」
「それは凄い! 大関の貫禄充分だな。となると、東の大関は、御客さまが帰る度に『おでん旗』を振って見送る谷川岳ラズベリーYHになるのかな?」
「ちょっと待て、ちょっと待て、ちょっと待てい! 何か大切なものを忘れてないか?」
「へ?」
「桃岩ユースホステル」
「ああ!」
「あれは別格ね。横綱審議会みたいなものだから」
「あれは、ユースホステルというカテゴリじゃなくて、桃岩ユースホステルというカテゴリだな」
「無形文化財というか、人間国宝というか、70年代の残滓というか....」


「ところで酒をテーマでユースホステルの相撲番付をつけるとしたら?」
「西の横綱は、もちろん高知YHでしょう!」
「東は?」
「難しいところだが、会津の里あたりかなあ? 酒屋やってるし」
「ラズベリーYHは?」
「それも有りかも」
「勝沼YHも有りだな」
「東には強敵が多いなあ」


「じゃ、マネージャーの奥さんをテーマでユースホステルの相撲番付をつけるとしたら?」
「そうだなあ・・・・」


つづく。

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posted by マネージャー at 22:47| Comment(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月08日

ペアレント講習会に参加して9

ペアレント講習会に参加して9

 懇親会の話しの続きです。

 今回のペアレント講習会で楽しみにしていたことは、清里YHの渡辺マネージャーと、石和温泉YHの古屋マネージャーに会うことです。この2人は、とても楽しい人で、ペアレント講習会のたびに、ハメをはずして一緒に飲んだりします。嫌なことがあっても、この2人と一緒にいるだけで、全て忘れてしまう。

 二次会が決まると、私は、石和温泉YHさんと清里YHさんに声をかけました。この二人がいれば無条件に楽しくなるからです。あと、日本ユースホステル協会の宗像さんにも声をかけました。あと勝沼ユースホステルの小西さんも。小西さんも面白い。新人マネージャーの川根七曲宿ユースホステルのマネージャーを発見。これで面子が揃った!

 さて、二次会ですが、その前に関東ブロック長と、北信越ブロック長がトップ会談をはじめてしまった。で、私たち平(ひら)は、会談が終わるまでロビーでアルコール無しの談笑。

 もちろん川根七曲宿YHのマネージャーのキャラを肴に大盛り上がり。
 内容は、ちょっとここには書けません。
 で、気がつくと谷川岳ラズベリーYHの曽原マネージャーがいない。

「ま、いいか! ほっておこう」

と、適当にギャグで盛り上がっているうちに、トップ会談は終了したらしく、夜の町に繰り出すことにしました。すると、どこからともなく、谷川岳ラズベリーYHの曽原マネージャーが出現! いつ消えたのか分からないし、いつ出現したのかも分からない。


sakaya2.jpg


 余談ですが、この曽原マネージャーは、本当に神出鬼没。最果ての知らない町で一緒に旅したときに、ふと気がつくと消えている。で、数分後に1升瓶をもって現れる。
「どこに行ってたんだよ?」
と聞くと、
「酒屋のニオイがしたんで、酒屋にいって地酒を買ってきました」
「え? この街を知ってるの?」
「いえ、生まれて初めて来た街です」
「なのに酒屋をみつけたの?」
「私には半径1000メートル以内の酒屋のニオイがわかるんです」
「またまたご冗談を」
「この先にもありますよ、行ってみましょうか?」
「・・・・・・・本当だ!」

 こんなぐあいに謎なところがあるのが曽原くん。
 彼は、場末の街の酒のニオイがわかるのです。
 しかし、そんな彼にも弱点があります。
 アウトドアです。
 アウトドアでは、その鼻はきかない。

 逆に私の鼻は、アウトドアに強い。
 具体的に言うと、半径五十メートル以内なら熊のニオイが分かる。
 鹿なら二十メートル。
 この特技を利用して、熊と百回以上会っています。
 今年にかぎっていえば、5回会っています。

 そのうち4回は、浅間牧場と白糸の滝方面の道近くの遊歩道で、いつも時刻は17時頃です。で、浅間牧場を悠々と散歩している姿を眺めています。で、近づくと、ドンドン逃げていって、天丸山から浅間牧場茶屋の方に逃げて行ってしまった。私が見たのは、かなりの巨体の雄熊で、ヒグマと間違えかねない大きさでした。

 翌日、浅間牧場茶屋付近で、熊がいると大騒ぎになったらしいのですが、ひょっとしたら、あの熊だったのかも。役場の人たちが、大騒ぎしていたらしい。でも、そんなに大騒ぎすることかな? 心配しなくても昔から国境平あたりに住んでますから。巣のある場所も分かってますから。今さら驚かなくてもねえ。それより猿の心配しなさいよ!





 あとの1回は、今日、出会ってきました。桟敷山の北斜面です。つまり登山道のある場所と反対側の斜面の場所。もちろん登山道なんかない。なんか臭うなあと思ったら崖下の沢で水を飲んでました。咳払いしたら、こっちに気がついて沢沿いをかけさりました。





 まあ、そんなこと、どうでもいいんですが、二次会は、養老の滝に決定。勝沼YHさんには可愛そうなことしました。だって飲めないんですもの。実は私も飲めない方です。難聴のために飲むと耳鳴りがして声が聞こえなくなる。だからテーブルのはしっこで小さくなって飲み始めました。

 奥座敷には、関東ブロック長と、北信越ブロック長。そこから一番離れた位置に勝沼YHさんと一緒に座って大人しくすることにしました。曽原マネージャーは、恐れおおくも関東ブロック長と、北信越ブロック長のそばでお酌。私は、前に勝沼YHさん、隣に清里YHさん、石和温泉YHさんの愉快コンビを置き、さらに、ツッコミやすい新人マネージャーと日本ユースホステル協会の宗像さんを置いてドンチャン騒ぎ。

 だんだん興がのってくると、曽原マネージャーが私を呼びます。

「佐藤さん、ちょっと来て!」
「なんだよ」
「いいから、ちょっと来て!」
「だから何だよ」
「すごい議論が始まってるんですよ」
「いいよ」
「いいから、佐藤さん来てよ!」

 その手は喰わぬの焼きハマグリ。
 人を呼んだら直ぐに逃げるのが曽原マネージャーの十八番。
 だから、その手はくいません。

 それに私は酒飲んで議論するほど私は野暮ではありませんから。
 酒は楽しく飲みたい。
 物騒な話しは、偉い人にまかせておけばいい。

 それに、こうして馬鹿話ししているのが、
 オイラにとっては一番の幸せなんだよなあ。


 こういう立ち位置って、不謹慎ですかねえ?
 不真面目ですかねえ?




つづく


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posted by マネージャー at 23:40| Comment(6) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月24日

ペアレント講習会に参加して8

ペアレント講習会に参加して8

 懇親会の話しの続きです。

 今回のペアレント講習会で楽しみにしていたことは、清里ユースホステルの渡辺マネージャーと、石和温泉ユースホステルの古屋マネージャーに会うことです。この2人は、とても楽しい人で、ペアレント講習会のたびに、ハメをはずして一緒に飲んだりします。この2人の素晴らしいところは、脳天気なところ。嫌なことがあっても、この2人と一緒にいるだけで、全て忘れてしまう。

 私が生まれて初めてユースホステルのペアレント講習会に出たときのことです。不安いっぱいで懇親会にでたのですが、知ってる人は誰もいなく、酒も喉に通りませんでした。そんな時に、元気づけてくれたのは、清里ユースホステルの渡辺マネージャーと、石和温泉ユースホステルの古屋マネージャーです。この二人は、底抜けに明るくて、そして酒好きでカラオケ好きです。ですから私を懇親会の二次会に誘ってくれました。

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 ところが、二次会では、超大物がでんと座っています。今は亡き、群馬県ユースホステル協会理事長の河野さんと、当時日本ユースホステル協会の部長だった小俣さんと、関東ブロック長の秋元さんという有名どころがいるのです。大物の前に小さくなっている私でしたが、石和温泉YHさんも清里YHさんも、そんなこと関係ないと、カラオケでドンチャン騒ぎをしました。
「うわー、2人とも大物だなあ」
と驚いていると、私にも歌えと言ってきます。

 仕方がないので、嘉門達夫の
「ハンバーガーショップ」
を歌ったら、これが馬鹿受け!

 いらっしゃいませこんにちわ!♪
 なれなれしいな、気安う声かけんな、初対面や!
 ご注文を
 てきとーに、握ってくれ
 いえ、あの、ハンバーガーのご注文を
 チーズバーガーひとつ
 お飲み物はいかがですか?
 いらん!
 ごいっしょにポテトなんかも
 いらんゆうたらいらん!いるときは、はじめから言う
 新発売の、テリヤキチーズ・・・
 しつこい!チーズバーガーだけでええ!
 こちらでお召上がりですか? それとも、お持ち帰りですか?
 どっちも、いや。
 ご注文くりかえしま〜す!
 チーズバーガー1個で繰り返すな!





 すると群馬県ユースホステル協会の事務局長
『オー・チン・チン』
を歌い出しました。

 子供の頃の雪の朝ー♪
 白く積もった庭に出てー♪
 チンチンつまんでオシッコでー♪
 雪に名前を書いたっけー♪

 オー・チン・チン♪
 オー・チン・チン♪






 これも馬鹿受け。
 この後は、暴走しっぱなし。
 私は思わず日本ユースホステル協会の小俣部長に

「いいんですか? 天下の日本ユースホステル協会が宴会で、このような歌を歌って」

 すると小俣部長は

「なに無粋なこといってるの、かわいいじゃない」

 orz。
 すると石和温泉YHさんと清里YHさんが、

「北軽井沢ブルーベリーさん、講演会の時に二十歳くらいの美人の女の子と話ししてたでしょう」
「え?」
「ほら、仲よさそうに談笑してたじゃない。あの子、誰よ」
「あ、あれは東京都ユースホステル協会の職員さんで、時々、うちに泊まりに来てくれる御客様です」
「呼んできてよ」
「えええええええええええええええええええええええええ?」


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 そのとき、事務局長の歌声が響いていました。

 オー・チン・チン♪
 オー・チン・チン♪


「呼んできてよ」
「えええええええええええええええええええええええええ?」
「わかった、おれが呼んでくるわ」
「はあ?」
「北軽井沢ブルーベリーさんの知り合いなんでしょ? 俺が呼んでくる。ブルーベリーさんがお呼びだよーーって」
「.....orz」

 1分後。
 ほんとに呼んできた。orz
 そのときも事務局長の歌声が響いていました。

 オー・チン・チン♪
 オー・チン・チン♪


 小俣さんも、そりゃ大喜び!



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 あれから10年たちました。小俣さんは、日本オートキャンプ協会に転職してしまい、日本ユースホステル協会にはもういません。河野さんも天国に召されました。諸行無常の鐘が鳴る。時のたつのは早いものです。

 話しをもどします。
 懇親会のことでした。

 懇親会の時にでてくるのが、二次会の根回しです。もちろん谷川岳ラズベリーユースホステルの曽原マネージャーが根回ししてきます。こういう才能は、曽原マネージャーにやらせたら天才です。曽原マネージャーは言います。

「佐藤さん、組長が二次会をやるそうですよ」
「組長の号令がかかったのか」

 組長というのは、関東ブロックのブロック長の大谷川ユースホステルのマネージャー菊池さんのことです。関東で一番人徳があるマネージャーで、それゆえに長年にわたってブロック長をやめられないでいます。本人は引退したがっていますが、関東ブロックの組長は、菊池さんしかありえないので、あと二十年は、やっていただきたいですね。

 二次会が決まると、私は、石和温泉YHさんと清里YHさんに声をかけました。この二人がいれば無条件に楽しくなるからです。あと、日本ユースホステル協会の宗像さんにも声をかけました。宇都宮出身の宗像さんも面白い人なのです。波光さんは、探したけれどいなかった。金星に帰ったのかなあ? あと勝沼ユースホステルの小西さんも。小西さんも面白い人なのでゲットです。新人マネージャーの那須ハイランドリゾートは、探したけれどいなかった。そのかわりに川根七曲宿ユースホステルのマネージャーを発見。これで面子が揃ったぞ!

 さて、二次会は、どうなる?


つづく。

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posted by マネージャー at 18:38| Comment(2) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする