何をかくそう日本のアニメ界の原点は、東映動画です。数あるアニメ会社も、もとをただせば東映動画から分離独立したようなものといってもよいでしょう。私の子供の頃は、東映まんが祭りというものがありまして、世界名作劇場のようなアニメをさかんに公開していました。なかでも面白かったのが『西遊記』で、瓢箪にとじ込められた悟空が、ドリルを使って穴を開けて脱出したり、妖怪がテレビ電話を使って手下に司令を送るという現代的ギャグを連発していました。
また『わんわん忠臣蔵』なるアニメもありました。母犬が虎のキラーに騙し討ちにあう。子犬のロック(大石内蔵助の石を英語読みしている)は、四十七匹の犬たちと協力してあだうちを行なうというストーリーなのですが、笑っちゃうのは、敵役のキラーという名前は、吉良上野介のキラからもじったものだったことです。
それからクライマックスの打ち入りのシーン。どういうわけか四十七匹の犬が、動物園に打ち入りするという設定なのです。もし現実にそんなことがあったら大変ですよね。けれど『わんわん忠臣蔵』では、動物園で犬とゴリラが戦ったりするんです。
しかし、東映動画の最高傑作は、『長靴をはいた猫』でしょうね。
このアニメは、日本アニメの最高傑作と言ってもいいかもしれません。なにしろモスクワ映画祭で「最も面白い映画」として最高の賞を受賞したくらいですから、最初から最後まで腹をかかえて笑いっぱなしの映画でした。私は10歳の時、このアニメを佐渡島の公民館で見たのですが、佐渡島の老人たちが腹をかかえて大笑いし、最後には全員涙しながら席を立って拍手していたのを覚えています。
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