侮れないのが戦争中に作った『桃太郎と海鷲』ではないでしょうか? これは日本初のフルアニメーション映画であり、しかもミュージカルアニメです。
桃太郎が犬・猿・キジといった軍人を乗せた航空母艦を引き連れ、鬼畜米英をパクった鬼が島の青鬼艦隊を、犬の戦闘機部隊・猿の急降下爆撃機隊・キジの雷撃機隊で攻撃するという大爆笑ものの作品です。 鬼が島に向かう途中、猿は迷子になった鷲の子供を助けますが、その子鷲をあやすためにキビダンゴの袋からゼロ戦を取り出して子供をあやしてたりしますから大笑いです。
もちろん、映画の本場であるアメリカも負けてはいません。ハリウッド映画『宇宙戦争』も、かなりあなどれません。この映画では、火星人が宇宙船に乗ってやってくるところから始まります。そして、火星人の宇宙船に、3人のアメリカ人が近づいていくわけですが、火星人に敵意がないことを知らせようと白旗を掲げるのですよ。そして
「お前、白旗が宇宙人にわかるか」
「それはもう白旗は万国共通だ」
「最初にお前なんという」
「カリフォルニアヘようこそ」
と間抜けなことを言っているうちに宇宙人に焼き殺されてしまうのです。もう大爆笑ものですね。
最後に日本映画『海底軍艦』を紹介して終わりにします。『海底軍艦』は、昭和37年の作品ですが、原作は明治33年に発表されています。著者は押川春浪です。
この作品は、いわば日本初のSF小説なのですが、夏目漱石や芥川竜之介が出現するはるか前に、日本初のSF作家が生まれているのには驚かざるをえません。
ストーリーは、日本を脱出した元日本軍人が、南の無人島で、きたるべき世界大戦にそなえて海底軍艦を建造していたのですが、ムー大陸の子孫ともいえる、海底王国ムー帝国が地上を侵略し始めたために、白人の侵略にそなえて建造した海底軍艦をムー帝国との戦いに使って大活躍するという話しです。
そういえば、この映画もミュージカル仕立てで出来ていましたが、なかなか侮れない作品でした。ちなみに作者の押川春浪氏は、大正3年に38歳で死んでいますから、もっと長生きしていれば、どんなすごいSFを書いていたと思うと残念でなりません。
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