マルちゃんは、ちょっとボケが入っているために、
同じくボケが入っている陳さんと一緒に仕事をすると
化学反応をおこして面白いことになります。
「陳さんって名前、中国に多いですか?」
「私は台湾人です」
「香港に行ったときに、まわりには、陳さんばかりいました」
「私は台湾人です」
まるで会話がなりたってない2人でした。
陳さんは台湾人なのですが、
マルちゃんには、ごっちゃになってしまっているのです。
「中国には陳という名字が多いのかなあ」
「台湾です」
その時、信じられないことに、
私は、そんな2人に、割って入って
誤解を解いてあげようという気になっていました。
「あのね、マルちゃん」
「陳というのは、名字ではなくて、姓なんだよ」
「姓?」
「名字と姓は違うんだ」
「?」
「たとえば、マルちゃんの名字は、丸山でしょう?」
「はい」
「しかし、マルちゃんの姓は、丸山ではないのだよ」
「?」
「日本には、姓は、4つしかないんだ」
「4つですか?」
「そう。たった4つ。源・平・藤・橘。みんな、この4つのどれかになる。マルちゃんの家系は、源氏かな? 平家かな?」
「さあ?」
「ちなみに姓というものは、結婚しても変わりません。というのも、姓とは、先祖を現す表現だからです。結婚したからといって、先祖が変わるわけではないよね? だから原則として姓は変化しない。これはアジアルールなんです」
「はあ・・・・?」
「しかし、氏は、姓と違って、結婚すると変化します。なぜならば、氏とは、家族を現す記号だからです。まあ、本籍みたいなものかな。氏は、必ずしも先祖を表現するものではないんです。苗字帯刀を許すという表現があるように、氏は作ることも可能でした。姓は、そういう訳にはいきません。日本には4つしかないんですから」
「ふ〜ん」
「創氏改名という言葉がありますが、これは氏を作ったわけです。しかし、姓は作ることはできなかったので、姓は、そのままにされました。つまり戦前の韓国や台湾には、姓+氏+名という3つのネームがあったりしました」
「へえ〜」
「台湾や中国には、陳という姓が多いですが、姓ですから多くてあたりまえです。日本の源・平・藤・橘に比べれば、少ないくらいです。逆に言えば、もし台湾に『氏』があれば、日本と同じように、多くの氏があったと思いますよ。けれど、姓しか無いから、陳とか、王とか、李ばっかりということになっているのよ」
私は、本日の買い物リストが、ズラズラと書かれてあるホワイトボードで、マルちゃんに姓+氏+名の解説をしたのでした。そこに嫁さんがやってきて、ホワイトボードを見て一言。
「何、これ! どういうこと?」
ああ、もっとボケ系統がやってきた。
この質問魔に捕まったら大変だ。
とっとと消えようっと。
もう説明するのもめんどくさくなってきた私は、
逃げるように立ち去っていきました。
イエ〜イ!
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