2008年01月11日

白い雪原1

白い雪原



1月の北軽井沢は、白い雪原に覆われます。
あちこちで、かまくらや、雪だるまを作る子供たちを目にするようになります。
私も子どもの頃に、庭先で、よく雪だるまを作りました。
すると通りがかりのお爺さんが、
「元気いいなあ、雪だるまを作っているのかい?」
と声をかけてきました。
そして、御菓子やミカンなどをもらっていました。

ある日のことです。
あれは私が小学校5年生だった1月のことでした。
もうすぐ中学生にならんとしている私は、雪だるま造りの遊びにも飽きて
もっと写実的な雪の彫刻を作り始めました。

すると通りがかりのお爺さんが、
「雪人形を作ってはいかん」
と声をかけてきました。

「雪人形?」
「作るなら雪だるまにしなさい」
「はあ?」
「雪人形を作ると、雪ん子がでるぞ」
「雪ん子?」
「そうだ、雪ん子がでる。だから雪人形を作ってはいかん」
「・・・・」
「だから雪だるまにしなさい」
「・・・・」

おじいさんに逆らうほど根性の無かった私は、
雪の彫刻造りをやめて、平凡な雪だるま造りに変更してしまいました。
けれど、何か気になってしまっていました。

「雪人形ってなんだろう? 雪ん子ってなんだろう?」

でも、当時(昭和47年)には、インターネットというものはなく、雪人形も雪ん子についても調べるすべはありませんでした。そこで両親や学校の先生などの身近な大人に聞いてみたのですが、誰も知らないと言います。で、ますます雪人形や雪ん子にたいする興味がわいてきました。そして、雪だるまではなく、雪人形を密かに作ろうと決心したのです。

 別に、雪人形を造ったからと言って、何かがおきるとも思わなかったし、そもそも雪人形とは何かさえも知らないままでしたから、密かに人里離れた山の中に、こっそりと雪だるまを造る要領で雪人形を作ろうと思いました。

つづく


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posted by マネージャー at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする