「昔むかし、佐渡の二つ岩という所に団三郎という、とても悪いムジナがいました。
団三郎は島に訪れる人間たちを次々と化かしては金をまきあげ、その金でたくさんの女を囲い豪勢な暮しをしてました。村人はそんな団三郎に腹をたて、村中で二つ岩でムジナ狩りをしたのでした。
これにはさしもの団三郎もかなわず、団三郎は村人に捕まり殺されてしまったそうです。そして団三郎の住んでた二つ岩には今までに村人からまきあげた金が宝が、山のように出てきたのです。村人はそれらを戦利品として当然の如く持ち帰りました。
しかしです。それからというもの毎晩、嵐が村を襲ったのです。土砂崩れ、洪水、雷。次々と訪れる災害に
『これは団三郎のたたりに違いない!』
と思った村人は、二つ岩に団三郎を祭る神社を建てたのでした。
すると、村を襲っていた災害が嘘のようにぴたっと止んだのです」
あれは40年前の事でした。
私がまだ小学校に入る前の事でした。
私は団三郎を祭ってある二つ岩神社で、
御供物泥棒を見つけたのです。
御供物泥棒は精悍な大男だったような気がします。
「おじさん、御供物をとっちゃだめだよ! それは団三郎の物なんだから。団三郎にたたられても知らないよ!」
すると、大男はジロリと私を睨んでいいました。
つづく
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