2009年07月02日

たまには業界裏話3

たまには業界裏話3

続いて、飲み物の持ち込み料金について。
なぜ、宿に飲み物を持ち込むと、お金をとられるシステムが、
日本の宿泊業界に定着したのでしょうか?
これも、複雑な理由があったみたいです。
その理由は、意外なところにあるのに驚いたことがあります。

理由は、ゴミにありました。
これは宿をやるまで、想像もつかなかったのですが、
業者は、役場のゴミ回収に捨てられないんですね。
ゴミ業者と専属契約をしなければならない。

もちろん市町村によって、ケースはバラバラなんですが、
たいていの市町村では、宿泊業者は、ゴミ業者と契約して
ゴミを引き取って貰うことになっている。

で、ゴミの中で一番、かさばるのが酒なんですよ。
ビールの瓶や缶なんか、かさばりますよね。

それが嫌だから宿泊業者は、地元の酒屋と提携して、
配達と回収を地元の酒屋にさせているわけですが、
酒を量販店なんかで買ってしまうと、そうもいかない。
困った宿泊業者は、持ち込みに制限をかけるのです。
制限をかけないと、ケースごと酒を持ち込む御客様がいて、
後は、ゴミだらけになってしまうのです。

ここで、宿泊業者の本音をいうと、
1本や2本の持ち込みなんか、
どうだっていいのです。
そんなことに目くじらたてる宿はいない。(と思う)

問題は、10本や20本の持ち込みで、そういう御客様が、5組いたら
50本から100本になり、それが10日続くと、
500本から1000本になり、
回収費用が跳ね上がって経営を圧迫するのです。

それを理解すれば、御客様の方でも、
持ち込みに対する対策が立てられるはずです。

もう一回くりかえしますが、宿泊業者の本音をいうと、
1本や2本の持ち込みなんか、どうだっていいのです。
そんなことに目くじらたてる宿はいない。

なぜなら、宿側は、すべての酒の種類を御客様に用意できないのです。
だから
「おれは八海山しか飲めない」
という御客様がいたら、
「御用意できないので、持ち込んでください。4合瓶1本くらいなら冷蔵庫で冷やしてあげますよ」
と、言う気持ちはある。(あるはず)
1本や2本ぐらいなら....。

しかし、5本10本となると話は違ってきます。

そのへんを察すれば、差し入れ大歓迎の宿であっても、大量持ち込みには難色を示す理由がわかると思います。


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posted by マネージャー at 14:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

たまには業界裏話2

たまには業界裏話2

宿業をはじめる前に不満だったのは、酒の値段でした。
定価の2倍以上で売られている。
量販店で仕入れれば、かなり安く仕入れられるのに
どうして定価の2倍以上で売られているのだろうか?
と単純に疑問に思っていました。
で、いざ自分が宿業を始めてみて分かったことは、
そんなに単純な図式ではなかったということでした。

高い地元の酒屋から買わざるえない内情というものがあったのです!
その内情を知った私は、「なるほどなあ」と考え込んでしまいました。

その内情とは、酒屋や肉屋が、
ペンションやレストランに
積極的に投資しているんですよ。


どういう事かと言いますと、酒屋は、
業務用酒類冷蔵ショーケースを無料プレゼントしているんですね。

これをペンション側が買うとなると、最低でも30万くらいする。
とても金がでない。だから酒屋がプレゼントしている。
その代わりに、ペンション側は、酒屋から注文をとる。
こういうシステムになっているんです。

これは、肉屋でも一緒で、業務用フリーザーを
ペンションにプレゼントするんですが、
その代わりにペンション側は、肉屋から注文をとるシステムになっている。
肉屋は、肉だけでなく冷凍食品も扱ってますからね。

「なるほど、うまいことになってるなあ」
と感心しました。
と、同時にペンション側が、どうして量販店から
酒や肉を買えないのかも分かってしまった。

しかし、最初は、そういう契約で、お互いに取引するわけですが、
何年もたつと、この不況で参ってしまって、ついついペンション側は、
契約を履行せずに、量販店に足が向いてしまうわけですが、
そうなると怒るのが、酒屋と肉屋になります。

で、この酒屋と肉屋というのが、だいたい、どこの市町村でも
地元の有力者であるケースが多く、議員だったり区長だったりする。
で、ペンション側は、よそ者が多いので、力がない。
ケンカすると負けるのはペンション側になるわけです。

(まあ、ペンション側が悪いのですけれど)

じゃあ、そういう、しがらみを一切拒否して、独力で
業務用酒類冷蔵ショーケースを30万で買ったとします。
30万円を回収するためには、
100円の利益商品を3000本売らないといけない。
電気代を考えると、4500本売らないといけない。
けれど、4500本を売るには、10年かかります。

しかし、業務用酒類冷蔵ショーケースの償却は、6年なんです。
6年しかもたない。
赤字になっちゃう。
それでペンションや旅館の酒類が高いのです。

しかし、高くない店も存在する。
たとえば、うち(北軽井沢ブルーベリーYGH)のケースです。
ペンションを買った時に、前のオーナーが置いていったために
業務用酒類冷蔵ショーケースにコストがかかってないからです。

しかし、こいつが壊れたらどうなるのか?
今までのようには、いかなくなる可能性がでてきます。

みっともなくても、家庭用冷蔵庫で誤魔化すか、
コストがかかっても業務用酒類冷蔵ショーケースを新規導入するか、
悩みどころでもあります。

続いて、飲み物の持ち込み料金について。
なぜ、宿に飲み物を持ち込むと、お金をとられるシステムが、
日本の宿泊業界に定着したのでしょうか?
これも、複雑な理由があったみたいです。
その理由とは......?

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posted by マネージャー at 03:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする