4.できるだけ夕食をとる。
ユースホステルにおける食事というものは、一種のイベントなんです。夕食タイムは、一種の社交場になっているんです。
もちろん、そういうのが煩わしいという人は、他人を無視して食べてもいいんですが、そうでない人は、社交場としての機能をもった夕食時間を有意義に使った方がいいですね。
とは、いうものの知らない人と、会話するのには、勇気が入りますよね。ましてや、既に盛り上がっている団体さんの中に入っていくのは辛いです。
そういう場合は、小さなテーブルをめざして座るのです。できれば、4人テーブルがいいですね。4人なら仲間はずれになるという事は、おこりにくいのです。これより人数が多いと、会話から、はみでる人が出てくるのですが、4人だと、そういうことは無いんです。
あと、もう一つコツを!
これは、北軽井沢ブルーベリーYGHに限っての話なのですが、「スタッフ席」の隣に座ることです。スタッフ席というのは、宿関係者の席で、まれにスタッフが御客さまと一緒に食べることがあるのですが、このスタッフの隣なら、スタッフが色々と気を遣って、みんなと馴染みやすく手配してくれるからです。
ところで「夕食=社交場」説についてですが、どんな社交場かと言いますと、ユースホステルの伝統として、旅の情報交換の場所になっています。グルメ情報や、天気情報や、紅葉情報、桜前線なんかの情報交換をしたり、明日の旅の道連れを誘ったりする。具体的に言うと、車で来た人が、電車できた人に対して
「ガソリン代ワリカンで一緒に車でまわりませんか?」
と誘ったりする。または、リピーターさんたちが、
「庭に出て一緒に星をみませんか?」
と言ってきたりする。
始めてユースホステルに泊まる人は、こういう申し出に、驚いて尻込みしがちですが、尻込みしない方がいいですね。庭先で星をみるくらいなら、たいして危険なことはないですから。
リピーターさんというのは、
その土地を、すごく気に入っている人が多いんです。
だから、その土地の魅力を、
初めてくる人に
伝えたくて伝えたくてしかたない。
そういう善意があふれている。
だから、そういうお誘いがあるのです。
ただし、中にはナンパ目当ての人もいますから、そういう臭いがしたら気をつける必要もありますが、まあ、あまり気にしなくてもよいでしょう。気になったら宿主に相談することです。宿主は、実に良くみていますから、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
また、良心的な宿なら、御客さまを選んでいるはずです。どんなに、お金に困っても、問題をおこす御客さまのお泊まりを拒否していると思います。
さらに、良心的な宿ならば、食事のテーブル配置に工夫がされているはずです。問題ないケースの場合は、
「どこでも、ご自由にお座りください」
とアナウンスされるでしょうし、問題あるケースの場合は、御客さまの席が、指定席になっていて、事故がおこりにくくなっているはずです。
最後に、「夕食=社交場」説の立場から一言。
グルメを追求するなら、コース料理を出すのが一番です。
料理が冷めないからです。
北軽井沢ブルーベリーYGHでも、味を追求するあまり、
コース料理を出したことがあったのです。
しかし、料理を下げ、料理をあげるたびに、盛り上がっている御客さまの会話を中断してしまう。前菜・スープ・メイン・デザートの皿の出し入れと8回も中断してしまう。会話の流れを切ってしまうんですね。
会話というものには、流れがあります。その流れが、うまく滑り出すには、時間がかかる。最初は、し〜んと沈黙が流れ、それを誰かが打ち破って、ある程度盛り上がるためには、時間がかかる。その流れを皿の出し入れで切ってしまいかねない。だからコースメニューは出したくないんです。
食事の美味しさは、味だけではなく、盛りつけとか、店の内装とか、雰囲気に影響されます。どれを重視するかは、宿の方針によって変わってきます。ただ、一般的に言ってユースホステルという宿は、どちらかというと雰囲気に重点を置いているんですね。「夕食=社交場」説になってしまうのです。もちろん、北軽井沢ブルーベリーYGHにおいても同じです。
以下、つづく
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