宿をやるまで気がつかなかったことで、
宿をはじめてから愕然と知ってしまった真実は、
「宿は客を選んでる」ということでした。
これは、自分が客である間は、
全く気がつかなかった盲点でした。
私が御客様であった時は、漫然と「この宿に泊まってやっているんだ」という気分でいたのですが、いざ、宿を始めて見ると、そうではないことに愕然としてしまいます。と、書いても何のことか分からないでしょうから、もう少し具体的に解説してみましょう。
ペンション・ブルーベリーが、日本ユースホステル協会とユースゲストハウス契約した時、名称が変わりました。
ペンション・ブルーベリーから、
北軽井沢ブルーベリーYGH(ユースゲストハウス)
になったのです。
この名称変更が、客層を変えるきっかけになりました。
具体的に言うと、ペンション客が来なくなった。じゃあ、ユースホステル客は来たのかと言いますと、これがまた来なかった。ユースゲストハウスという名称は、ユースホステルユーザーに馴染みがなかった。逆に、ユースゲストハウスユーザーが、わずかながらやってきた。当時、ユースゲストハウスは、全国に数件しかなかったので、ユースゲストハウスユーザーが来たと言っても、たかが知れていました。つまり、御客さまが激減したわけです。
当時のユースゲストハウスユーザーの大半は、いわゆるビジネスホテルという位置づけでした。ユースホステルユーザーの方も、それを知っていて、ユースゲストハウスを毛嫌いしていて、北軽井沢ブルーベリーYGHの御客さまにはならなかったのです。
ユースゲストハウスとしてのオープンの時には、ユースホステルマニアがいっぱいくると聞いていたのですが、そんなことはなく、御客さまは、たったの3人であり、そのうち会員は、2人だけでした。その後、3ヶ月間、ユースホステル会員の御客さまは、ほとんど来なかった。
もちろんペンション客も、めっきり少なくなってしまった。
ペンション・ブルーベリーという名称を
はずした結果は、大きかったのです。
しかし、施設も、食事も、サービスも、
何から何まで全く変わってないのです。
名前を変えただけであり、日本ユースホステル協会とユースゲストハウス契約をしただけなのです。宣伝だって、今までどうり、ジャンジャン行っていました。でも、名前を変えただけで来なくなったのは、名前の変更によって、宿側が御客さまを選んでしまったからです。
つまり、御客さまが宿を選ぶと同時に
宿も、御客さまを選んでいたんです。
この事実を知った私は、ホームページに、さまざまな細工をして実験してみました。タイトルを
『北軽井沢ブルーベリーYGH』
『北軽井沢ブルーベリーユースゲストハウス』
『北軽井沢ブルーベリーYGHユースホステル』
『高級リゾート宿泊施設・北軽井沢ブルーベリーYGH』
『アットホームな宿・北軽井沢ブルーベリーYGH』
と変えたりしました。
すると、これだけで客層が変化する。
面白いくらいに変わるんです。
御客さまが増えるケースもあったし、減るケースもあった。増えてもリピート率が下がる場合もあったし、減ってもリピート率が上がるケースもあり、年間をとおすと、集客が増えるケースもある。あと、宣伝費をかけると増えるが、宣伝しないと激減するケースもあります。その逆に宣伝費なしでも激減しないケースもあります。
つまり、宿側は意図して
御客さまを選んでいるわけです。
これが逆に、宿側が御客さまを選選ばなかった場合、
とんでもないことがおきてしまう。
無秩序と無法地帯が、まかりとおり、
恐怖の事件が始まります。
例えば、銭湯を例にあげてみます。
銭湯も御客さまを選んでいます。
その代表的なものが刺青禁止のルールです。
このルールによって、銭湯側は、御客さまを選んでいるのです。
で、このルールがないと、刺青の御客さまがいっぱいくる。
そうなると一般客は減っていきますね。
その他にも銭湯には
「タオルを浴槽に入れない」
「風呂場で洗濯しない」
「下着や水着で入浴しない」
というルールがあります。
このルールで御客さまを選んでいる。
というのも、そのルールがないと、外国人たちが、
洗濯したり、パンツで風呂に入ってしまう。
そうなると、普通の御客さまは、誰も寄りつかなくなる。
つまり、銭湯は、
御客さまを選ぶことによって、
逆に御客さまを増やすことになります。
その反対に、
御客さまを選ばない銭湯は、
逆に御客さまを減らしてしまう。
これは、宿にも同じ事が当てはまるのです。
それは.....?
つづく
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