http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090717/dst0907170926004-n1.htm
> 北海道新得町の大雪山系トムラウシ山(2141メートル)に登った
>ツアー客ら19人が下山できなくなった遭難事故で、17日午前8時半
>までに、男性1人、女性2人の計3人の死亡が確認された。道警による
>と、さらに5人が意識不明の重体となっている。
ほんとうに悲劇的な事件でした。
犠牲者の皆さんならびに遺族の皆さん、御愁傷様でした。
実は、このトムラウシ山縦走、私は何回か行っています。
だから現場を、よく知っているのです。
で、知っている人間としてコメントを残しておきます。
トムラウシ山の遭難事故は、今回が初めてではありません。
実は、過去に何回もおきているんですよ。
たとえば、2002年7月におきた遭難事故では、
裁判に発展し、ガイドに対し禁固8月執行猶予3年を言い渡されています。
つまり、そういういわくつきの場所だったんですね。
それはともかく、こういう場合、
裁判で業務上過失致死が決定された場合、
ガイド保険がおりる可能性が高くなります。
逆に、業務上過失致死が、認められなかった場合、
つまりガイドにミスが無かった場合は、
ガイド保険はおりません。
つまり死に損になるわけです。
ガイド会社としては、痛し痒しでしょう。
業務上過失致死が、認められなかった場合は、遺族への補償ができない。
逆に業務上過失致死が、認められた場合は、会社そのものが糾弾される。
だから、ふつうガイド会社の大半は、安全管理を徹底して行うものなんです。
ここで私の恐ろしい体験を述べてみます。
北軽井沢のある山で、スノーシューツアーを行っていた時です。
某旅行会社の団体さんと、雪山で出会ったんです。
で、その団体さんたちは、道を間違えていた。
そのまま行ったら崖に転落するので、注意したら、どうも挙動がおかしい。
で、旗をもったガイドさんに
「ガイド歴何年?」
と聞いたら学生アルバイトだったのでした。
そのアルバイトさん、不安そうでしたね。
あと、自称ガイドの方が、率いている挙動がおかしいツアー団体にも出会っています。その自称ガイドさんは、重登山靴にピッケルにカラビナにロープという完全装備で登ってきていたのですが、いかにもあぶなかしいのです。
だいたい、重登山靴も、ピッケルも、邪魔なだけの湯ノ丸山なのに、
というか、そんなものあったら、余計に遭難しかねない状態なのに
そういう重装備にフウフウ言いながら、
かんじきごと雪に埋もれながら前進している。
「怪しいなあ」
と思いつつ、こっちは、ゴム長靴にストックにスノーシューで、スイスイ追い越していきました。で、山の頂上で昼飯を食べて、ゆっくり休んで下山するときに、またすれ違ったのですが、まだ、フウフウ言って登っていました。
なんか面白かったので、いろいろ話しかけてみたのですが、
機関銃のように、いろいろな知識が飛び出してきて、
「百科事典みたいな人だな」
と思ったのですが、一緒について行っている人には悪いですが、私なら、この人と山に登りたくないなあと思いながら下山したものです。ただ、この人と一緒なら、少なくとも遭難することはないなあと思ったことは確かです。少なくともアルバイトさんよりも。でも、あぶなかしかった。
ガイドさんにも、いろいろな人がいるんですね。
つづく。
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