今回の事件で、もう、ガイドツアーなんて、危険でと思われる方も多いかと思いますが、ガイドツアーは無くならないでしょうね。需要があります。その理由に「足」の問題があります。うちの宿に山岳関係者が団体貸し切りで泊まったことがありまして、貸し切りバスでやってきました。一泊二日で百名山を3つ登るんだと言ってました。
確かに登れます。
貸し切りバスがあれば。
無ければ、3泊は必要でしょう。
車がないと不便な山って多いですね。で、増えているのが、バス会社が盛んにガイドツアーをはじめています。それを利用すると確かに便利です。一泊二日で百名山を3つ登ることも可能になってくる。お得であるということらしい。でも、それって、本当にお得なのでしょうか?
百名山て、そんなに急いで登らないとダメですかね?
天気の良いときに、一つの山を、
最高のコンデションで、じっくり登る方が良くないでしょうか?
実は私はトムラウシに何度か登っています。
天気図をにらみ、最高の天候の時に登りました。
すごい綺麗だった。
で、トムラウシに登ろうとする皆さんに助言です。
必ずテントは、持って行きましょう。
日程は、5泊くらい用意しておくといいです。
天候が悪いなら旅館で、ゆっくり休めばいいですよ。
慌てて登る必要はない。
1990年頃に、私がトムラウシ山を縦走したルートは、十勝岳からトムラウシ山そして天人峡のコースです。天人峡のコースならエスケープできたんじゃないですかね?
私の場合は、美瑛の白金にある自然の村キャンプ場にテントを張り、そこで1泊。日本酒やワインやビールを飲んでいますと、キャンプ場の管理人が見回りにやってきました。で、管理人さんにも酒を飲ませて山の情報を仕入れました。
翌日、晴天だったので、望岳台に向い、望岳台から富良野岳に登り、十勝岳に向いました。十勝岳は、大島に三原山を想わせる、その山容。まるで西部劇に出てくる荒野を思いださせましたね。眼下に眺めも素晴らしいの一言で、富良野や美瑛の美しい事。しかも、自衛隊の大砲の音つき。日本広しと言えども、自衛隊のドンパチが聞ける山は十勝岳くらいのものかもしれない。
その後、美瑛岳に向いました。この美瑛岳のコースは右手に緑の湿原地帯。左手に崖の火山地帯。これほど左右対象の稜線は見た事がありません。まるで、右手に天国、左手に地獄を見ながら山の尾根を歩いているようでしたね。
そんな夢心地の中を歩いた私たちが、美瑛富士避難小屋に着いたのは夕方の3時頃。避難小屋に到着して驚いた事は、その地が、なきうさぎの天国だった事です。チュン、チュンと鳴くなきうさぎ。ウサギというより大きなネズミみたいでした。目の前に宝石箱を見つけたような気分でしたね。
二日目は、ひたすらトムラウシ山に向かいますが、アップダウンの連続。トムラウシ山まであとわずかのところで、夕方に濃霧がでてきたのと、気温の急激な低下に危険と判断し、大沼まで行くのを断念。三河台にテントを張りました。三河台には雪渓が大量に残っていましたから水が簡単にとれました。
三日目にトムラウシ登頂。登山者でごったがえしていました。トムラウシに来るまでは、登山者らしい登山者を見かけなかったものでしたが、さすがはトムラウシ。頂上は通勤ラッシュなみに混んでいましたねえ。そのせいか、トムラウシでは目ぼしいお花も、なきうさぎも見かけることが、ありませんでした。まあ、当然と言えば当然の事かもしれませんね。
その後、天人峡に向いました。大雪のパノラマは、しばし、私たちの足を止めてしまいました。あんまり素晴らしかったんで、食料は、ふんだんに残っていたので、ヒサゴ沼に、もう1泊しようかなと思っていた矢先に、はしゃぎすぎた仲間が、足をくじいてしまった。
この時は、ひやっとしました。
怪我した人の容体をみると靱帯損傷のおそれがありそうなので、3時間後に足が動かなくなるおそれがあると判断。応急処置をしたうえで、私と怪我した人の荷物を他のメンバーに預けました。そして全行程は背負えないので、場合によっては背負ったり、背負わなかったりしながら、5時間かけて天人峡に下山。やはり下山直後に、足は動かなくなっていました。すぐに病院に駆け込みました。
さいわい怪我はたいしたことがなく、
全治3週間でしたが、ほんとうに焦ったものです。
はしゃぎすぎて怪我した人は、反省会では、小さくなり
それ以降は、慎重な登山を目指すようになりました。
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