2009年08月21日

的岩ハイキング2

的岩ハイキング2

支えています。

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 『嬬恋村誌』によれば、
「建久年間、浅間野に狩りに来た頼朝は、この岩を見て珍しく思い、岩を的にして矢を射させることにした。この話を聞いた力自慢の男が、(中略)持っていた握り飯を、岩を目掛けて投げつけた。岩には大きな窪みができた。その大きさは3尺ばかりだった」
とあります。

その穴で記念写真を撮っているわけですね。

 この的岩は、的岩山と吾妻山を結ぶ尾根上、標高1769メートル地点に、北より東約30度の方向を軸として直立します。その長さは、約200メートル、高さは20メートルに達します。厚さは3メートル前後で巨大な屏風を思わせます。

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 岩質は、含橄攬石複輝石安山岩。地殻の中のマグマが、その上にあった火山砕屑岩層の割れ目に沿って、板状に貫入し凝固したものです。それがその後、侵食によって周囲の脆弱な部分が排除されてできあがりました。いわゆる注伏節理ですね。3メートルの六角柱状の俵を積み重ねたような形をしています。

 火山地質学的にも非常に貴重なものとされ、昭和15年には国の天然記念物に指定されています。で、県境にありながら所有者は、真田町外一市一町共有財産組合になっており、その管理は旧真田町(現上田市)とされています。嬬恋村の行政区にありながら嬬恋村の文化財としては、認定されていません。

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 これは、古くから四阿山信仰の拠点として旧真田町があったからです。嬬恋村では、修験道は、それほど盛んではなく、逆に旧真田町では、盛んに四阿山で修験道の修行を行っていたためです。広大な面積の嬬恋村に寺院は2つしかありません。しかし、旧真田町には、数多くの寺院があり修験道も盛んでした。それで四阿山の的岩を所有するに至るわけです。

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 四阿山は修験道の霊山でした。この霊山への鳥居峠からの参詣道を、尾根に沿って進み、標高1800メートルあたりのところに「華童子宮跡」があります。この童子とは、如来の王子または1番弟子である菩薩の別名とみられています。また修験道では入峰・出峰の行事を蓮華会と言っています。つまり、「華童子宮」の華は蓮華会の華であり、華童子宮とは、蓮華会のための童子の常駐する場所と考えられます。つまり山頂の奥ノ院と、鳥居峠の中間に位置するため、中宮的性格をもったものとも思われます。

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 残念ながら、この宮は、廃墟となっていますが、石塁に囲まれた建物跡と灯籠の石柱などが、まだ残っています。また、この宮跡の手前の賽の河原とされる地には、直径数メートルの積み石塚状の構築物が三箇所ほど確認されています。

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つづく。

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posted by マネージャー at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 四阿山・バラギ高原 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

的岩ハイキング

 四阿山の中腹に、的岩又は屏風岩ともいわれている珍しい岩があります。建久年間、浅間野に狩にきた源頼朝は、この珍しい岩を的にして矢を射られたといわれてまして、今回は、そこにチャレンジ。ちなみに冬にスノーシューで行ったときの写真がこれ。

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 鳥居峠から四阿山に向かって尾根伝いに北上すると3kmの地点にこの岩脈。上州側では「的岩」信州側では「屏風岩」と呼びます。また、上州側ではこの辺一帯を「天狗の露地」とも言っています。

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これは、数年前のツアー写真。

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では、出発!
今回のメンバー。

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木のトンネルをくぐります。

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到着!
的岩を支えています。

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つづく。

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posted by マネージャー at 01:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 四阿山・バラギ高原 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トムラウシ山遭難事故レス総合3

トムラウシ山遭難事故レス総合3
Yさん

>どちらかといえば、霧雨男だったからで、
>出来るだけ好条件の時にという事と、
>一人で静寂の中で山の風を感じるのが好きだったという事もありました。

ああ、これ分かりますね。
山は、晴れてる時に登るのが一番です。
もう楽しさが違います。
あとね、山の特色として、一人で登っても全く寂しくない。
山では、仲間とおしゃべりするより、自然を感じるほうが楽しいですね。
あと、じっくり写真を撮るには、少人数だったり一人の方が便利。


>そういった意味(無茶がてんこ盛り)でも
>今回の遭難できるだけありのままを明らかにして欲しいですね。

 そうなんです。実際に私の友人たちの中には、トムラウシ山遭難事故のガイドみたいな無茶苦茶なやつがいて、何度注意しても聞く耳をもたないやつがいるんです。だから正直言って、トムラウシ山遭難事故は、人ごとのように思えないんです。知り合いでなくても、近場の山で、かなりヤバソウな団体様をみかけています。

だから他人事ではないと思いました。
トムラウシ山遭難事故は、
条件さえあえば、私の身近でもおこりうる!


というのが偽らざる感想です。もちろん自分自身への戒めも含めています。まあ、それにしてもトムラウシ山遭難事故は、ちょっと御粗末すぎましたけれどね。でも、その御粗末の中に教訓がいっぱいあったような気がします。

 私から口で言われても馬の耳に念仏というか、単なる小言にすぎなかったでしょうが、こういう実例を見たら『ああ、なるほど』と今更ながら分かったことでしょう。私に烈火のごとく怒鳴られても、事の重大性が分からず反発する者もいました。そういう私も、若い頃に日没近くの18時頃に山小屋に入り怒鳴られてシュンとしたことがありましたが。

(昔はテント持ってても怒鳴られたもんです)


>登る能力と、まとめる能力は、
>ある意味まったく逆方向のもの。


そうです!
まさに、そのとうり!



 だから、本格的な山屋さんの立場で事件を眺めると、ちょっと別の意見が出てくる。

 例えば家庭教師が、麻布高校の生徒を教えるのと、偏差値40の人を教えるのでは、教え方が根本的に違っていますよね。同じ家庭教師の仕事でも、仕事内容がまるで違いますよね。もう別次元の仕事になる。それを一緒くたにしてはダメだと思います。

 だから、今回の事件に、いろいろコメントする人がいますが、プロの登山家のコメントも良いですが、もっと日常的に寄せ集めの大人数で登山ガイトしている人間のコメントを聞いておいた方が良いと思いますよ。

 でもね、そういう人たちは、どういう訳か沈黙しているのです。
 下手なことを言って明日はわが身になりかねませんから。
 私だって同じです。
 そういうリスクを背負って、ここに書き込んでいる。

 それとですね、トムラウシ山遭難事故は、山屋の立場からの見方と、ガイド屋の立場にたった見方では、ちょっと違ってくるんですよね。

 ガイド屋の立場にたったら『山に入ったら自己責任』ではすまされない。金をとってガイドするなら船長と一緒で、全員の命を預かっているも同然。舵取りに全神経を使うわけです。お湯を沸かすとか、場所取りをするとかは、本来の意味では、ガイドの仕事じゃありません。そういうのは各自でやってもらって、もっと別次元の仕事をすべきですね。天気に関するあらゆる情報を集める。場合によっては、偵察に行く。体調の悪い人を介護する。これがガイドの仕事ですよ。これは、ネパールでもスイスでも一緒ですよ。

 しかし、山屋の立場にたつと、ちょっと違ってくる。『山に入ったら自己責任』なんですよ。つまり御客様は、山屋の立場に自分を置き、ガイドは、ガイド屋の立場にたつ。これが一番理想的なパーティーなのかなと思います。

つづく

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posted by マネージャー at 01:11| Comment(8) | TrackBack(0) | 登山関係の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする