浅間高原ウィンターフェスティバル2010 3
2009年の浅間高原ウィンターフェスティバル。
イグルーを造ったんですが、雨が降って、
御客様に見せる前に崩壊してしまった。
熱気球も飛ばなかった。
雪の祭典なのに、雨。
雪像は、溶け、真っ黒になり。
1ヶ月にわたる血と汗の結晶が次々と流されていきました。
でも、2000個のアイスキャンドルが残っていた。
しかしロウソクの火は、強風で消えてしまい、
2000個のアイスキャンドルの大半が消えてしまった。
さらに予定していた星空案内も中止。
星は一つも見えなかった....。
ちなみに私が解説する予定だった。orz。

もう、何をどうして良いか分からなくなった時、
救世主が現れた。
宗次郎さんだった。

宗次郎さんが、来てくれると聴いた私は、驚きました。
実行委員会が、拝み倒して頼んだところで、
そうそう来てくれる人ではありません。
「あの宗次郎さんが、よくきてくれたなあ」
「宗次郎さんって誰なの?」
「はあ?」
恐ろしいことに嬬恋村の人たちは、宗次郎さんを知らなかった。
嬬恋村は、テレビが映らない。
難視聴地域でなのです。
宗次郎さんどころか、テレビに出てくる有名歌手や
世界的な俳優だってしらない人が多い。
昔、うちの近所に、西田敏行さんが住んでましたが、
誰も西田さんを知らないから、西田さんは、のびのびと、
あたりを散歩していました。
さらに新聞が無い。
配達されない。
インターネットも調子が悪い。
ソフトバンクの携帯も使えない。
こういう地域ですから、
世界の宗次郎さんを知らない人も多いのも無理はない。
あるとき、
「宗さんて、どこの国の人」
と聞かれました。
しばらく何を言ってるのかわからなかった。
「宗っていうくらいだから、韓国?」
「?」
「それとも中国?」
「??」
「あ、台湾か!」
「??? あのう・・・、言ってる意味が、よく分からないんですが」
「何言ってるんだよ、今度来る宗・次郎さんのことだよ」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
「?」
「宗・次郎さんじゃなくて、宗次郎さん。そして群馬県出身! 群馬県館林市出身なんだよ!」
嬬恋村の浅間高原は、こういう地域だった。
私は、イベントの責任者たちとこんな会話をかわしました。
「宗次郎さんを知らないなんて信じられない」
「あのオカリナの音色を聞いたことがないなんて、考えられない」
「どういうわけだろうね」
「嬬恋村の村民には、癒しがいらないのかもしれない」
「なるほど、この村の人は、癒しを必要としてないのか」
こういう調子ですから、会場に集まった嬬恋村民たちは、必ずしも宗次郎さんを目当てに集まったわけではなかった。
「なんか知らないけれど、オカリナ吹きが演奏するらしい」
くらいの軽い気持ちで集まっていた。
誰もが、気軽に集まっていた。
そこに宗次郎さんが登場した。
しんしんと冷える大気。
そして強風。
寒さのあまり指が凍り、
オカリナをふくどころでなくなります。
楽器をやったことのあるひとなら分かるでしょうが、
マイナス10度の寒さで、
それも強風の中で、
オカリナを吹くことがどういうことなのか?
分かるかと思います。
最悪なコンデションの中のコンサートなのです。
しかし、そういうことは、客である私たちには、わかりません。
この写真をみてください。
必死に指を保護していますね。
こういう状態の中でコンサートは行われました。
村民たちは、生宗次郎さんの生演奏に聴き惚れていました。


で、一曲が終わると、割れんばかりの拍手。
音楽に国境はありません。
宗次郎さんの音楽は村民の心に染みいりました。
宗次郎さんが、何者か分からない人たちも、
その音色の素晴らしさだけは伝わりました。

「宗次郎さんだっけ? あれは良かったなあ」
「オカリナっていうのか? ええ音色だのう」
「山に響いて、実に、ええもんだった」
「そうそう、浅間高原にぴったりだったなあ」
「素晴らしかった」
「来年も来てくれるかなあ」
「聞けるなら、また聞きたいなあ」
つづく。
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posted by マネージャー at 20:13|
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