小さな薬屋の話ではありません。大きなドラックストアでの話です。歳の頃なら70歳くらいのオバちゃんが白衣を着て立っていました。その人に、薬について尋ねたのです。
「あの、高血圧に効く薬か、サプリメントは無いですか?」
「高血圧ねえ・・・・」
オバちゃんは、私の体型をジロジロ見ながら、言いました。
「ちょっと来なさい」
「はい」
オバちゃんは、私を血圧計のあるところに連れて行き、血圧を測ってくれて言いました。
「あなた、心臓肥大って言われたことない?」
「はい。でも、なぜ分かるんですか?」
「脈拍が57だもん」
「はあ」
「摂生しないとダメよ」
「はい....で、どんな薬がいいんでしょうか?」
「薬なんかにたよっちゃダメ」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!
だって、ここ、薬屋でしょ?
「薬ないんですか?」
「あるけど、それじゃ根本的な解決にならないということ」
「はあ?」
「野菜を食べなさい。そして、御飯をへらしなさい」
「肉は?」
「肉と魚は、適正な量ならいいでしょう。たまにはスシローで、お寿司でもたべたいわよね」
「はあ....」
「それにお魚には、血圧を下げるアミノ酸なんかが入っているから」
「はあ、で、薬は....」
「それから運動ね」
「はあ、で、薬は....」
「甘い物は控えること」
「はあ、で、薬は....」
「薬、薬なんて言わないの。どうしても甘い物が欲しくなったら、このサプリメントを飲みなさい」
と、カルピスが造っているアミールをわたしてくれました。そして、青汁とか、ペプチド食品を見繕ってくれ、
「私なんか、血圧が210もあったのよ。でも、今は、130。すごいでしょう」
「はあ」
と、全く、こっちの話を聞かないで、勝手に私が買う物を決めてくれていました。おまけに、私の買い物篭の中から、
「これはいらない」
「これもいらない」
「こんな高カロリーなもの買って、棚に返しておくね」
と一方的に棚に返されてしまった。
あまりのことに驚いた私であったが、
その迫力に負けて
全て同意してしまった。
なにしろ、
「薬なんかにたよっちゃダメよ」
という薬屋さんは、はじめてだったので、衝撃のあまり、ぜんぶ同意してしまったのです。
で、その薬屋のオバちゃんの指導で、血圧を下げつつあります。
オバちゃんは、言います。
「これで直らなかったら、医者に行こうね」
「はい....」
こういうオバちゃんには、弱い自分であった。
つづく。
↓ブログ更新を読みたい方は投票を
人気blogランキング
ラベル:ある薬屋の話。