「どこで携帯が繋がるか?」
というのも重要な調査です。これが分からないと、イザという時に救援隊が呼べません。トムラウシ山遭難事故のような事件が起きてしまうのです。ですから、携帯が繋がらないようならアマチュア無線を持参しなければならない。
で、携帯は繋がったり繋がらなかったり。
的岩あたりで、常時携帯がつながるようになりました。
すると電話がはいったのです。
「もしもし、佐藤さん?」
「はい」
「柴山(元観光協会の事務局の人で俳句の先生)さんの、御主人が亡くなったの知ってますか?」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?」
「あ、知らなかったんだ」
「急死ですか?」
「そのようです。温泉で倒れたそうです」
「分かりました。すぐに駆けつけます」
「通夜と葬儀は、鎌倉でやるそうです。17時に嬬恋村を出発するそうです」
時計を見ました。
15時でした。
「実は、今、四阿山にいるんです。急いで帰りますが、17時まで2時間しかありませんから、全力疾走で下山しても間に合わない可能性があります」
「わかりました」
実は、その時、私は、新ルートを探索していました。
スノーシューに適した場所をもとめて藪漕ぎをしていたのです。
場所は、花童子宮と的岩を直線で結ぶ中間地点。
もちろん登山道ではありません。
新ルートだけに17時までに北軽井沢に戻れるかどうか不安だったので
「しかたない、いったん的岩に行って登山道を下山しよう」
と全力で尾根越えを行い、16時。
そして的岩から走るように鳥居峠に向かいました。
これが村上山か、湯ノ丸山だったら
簡単に1時間以内に下山できるのですが、
四阿山の新ルートとなると、そうはいきません。
こう配がゆるやかで、距離が長いので、平地を歩くのとかわりなく、
あるけども、あるけども、鳥居峠まで辿り着きません。
やはり下山には1時間かかり、
鳥居峠に到着したのは17時。
ついに柴山(元観光協会の事務局の人で俳句の先生)さんの、
御主人には、お会いできませんでした。
実は、北軽井沢ブルーベリーYGHには遊びに来たこともあって
一緒に古今亭八朝さんの落語もきいていたんですよね。
御冥福をお祈り致します。
つづく。
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