つづきです。
群馬県ユースホステルは、河野功先生の努力によって会員9000人、18ユースホステルという急成長を達成しました。県内最大の青少年団体となったのです。昭和39年と昭和42年には、ラリーを開催し、尾瀬に数百人の若者を集めました。この尾瀬ホステリングは定例化されていきました。
昭和41年には榛名高原でラリーを行いました。この時は、高崎経済大学の大活躍によって、大成功をおさめ、ユースホステル新聞群馬版も発行されるようになりました。
ただし、暗い要因も見え始めていました。昭和47年をピークに、ユースホステルの会員が減少し始めたことです。これは、群馬県にかぎったことではなく、日本全国でみられた共通の現象でしたが、この原因に、高校生グループ連合会の廃止があります。
どういう訳か、日本ユースホステル協会は、文部省の指導を受けて高校生のユースホステル活動をやめさせてしまった。これはユースホステルにかぎらず、政治活動も含まれており、現代でも日本の法律では、高校生の政治活動はできないことになっている。ユースホステル協会は、そのアオリを喰ったかたちになるのですが、これがユースホステル運動衰退の第一原因になったのです。
ユースホステル運動が日本で急速に発展した理由の第一は、高校生の活動にありました。当時は、高校生の旅行などは贅沢なものとして世間から白い目で見られていました。その高校生に『一人旅は教育の一環である』と囁き、金のない高校生たちに格安の宿を提供したのがユースホステルであり、歩きやサイクリングで旅をしなさいとすすめたのがユースホステル運動でした。
当時の高校生たちは、これに飛びついたのです。そして高校生たちが、やがて大学生や社会人になった後もユースホステルを使い続けたんですね。これを日本ユースホステル協会は、文部省の指導の下に廃止してしまった。具体的に言うと高校生グループ連合会を廃止してしまった。で、ユースホステルの会員数が激減しはじめたのです。これは、当時、高校生だった高校生グループ連合会の人たちから聞いたはなしです。
しかし、河野功先生をはじめとする群馬県ユースホステル協会の人たちは、これを指をくわえて黙ってみてませんでした。
昭和五十五年の春、東京都ユースホステル協会と組んで「わんぱく大作戦」と呼ぶイベントを実施しました。東京都協会の少年会員百名が榛名湖に招待し、群馬県ユースホステル協会の少年会員百名が、それを迎えたのです。そして新しい陣取り合戦をくりひろげ、青空の下、歓声を上げ、楽しみを分ち合いました。
このイベントを皮切りに、アドベンチャー集団DOを設立。
小学生を対象に「遊び」をテーマにした各種イベントを企画し実施したのです。
その企画力、行動力は当時のマスコミにも取り上げられたほど新鮮で、しかもユニークなものでした。
群馬の秘境と云われる多野郡上野村の鐘乳洞探検を試み、子供達に勇気と夢を与え話題を呼びました。少年リーダーとともに「何かをする集いの会」を開き遊びの少年塾(後のガキ大将スクール)を形作って行きました。
昭和五十六年七月は、これらの経験を基として群馬県観光課が主催する観光宣伝事業をバックアップ。千七百人の「わんぱく大作戦」を榛名湖で実施、大成功を収めました。
昭和五十七年の夏は、利根川を手作りのイカダで下る「チャレンジ・オブ・トネ」を実施。
さらに上野村で第一回の「がき大将スクール」の構想が持ち上がりました。
主催者をどうするか論議がありましたが、結局群馬県ユースホステル協会は支援団体となる事で「アドベンチャー集団DO」がすべての責任を持ちスタートする事となりました。
昭和五十八年までの実績は未だ趣旨が徹底されず低調でしたが、翌五十九年には参加者が千人を超え、これにならって本県の少年会員が大きく伸び、協会創立以来の九百二十二人を記録して、本部より表彰を受けました。
昭和六十年夏、日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落事故が当スクールのフィールド周辺で発生、これに伴い同スクールイベントが中止を余儀なくされ、以来数年の間その影響を受け低調でしたが、平成に年号が変わった年より同事業も回復、本年十年目には千三百人ほどの参加者を得ています。
この間冬期間の榛名ユースホステルさらには草津高原ユースホステルを拠点としウインタースクール等を開催、地域イベント作りのリーダー役としてユースホステルの存在をアピールしてきました。
さらに日本ウォーキング協会と提携し、「全国自然歩道を歩く大会」、さらに県単事業として「赤城に向かって一斉に歩こう大会」などを実施しました。
また、群馬県ラリーを開催し、
大勢のユースホステル関係者を集めました。
会場は、嬬恋村にあるホテルグリーンプラザ軽井沢です。
バラギ湖にある群馬県立バラギ高原青少年野外活動センターでも、
そのときは大々的なイベントを行っています。
つづく。
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