佐藤「このゴールデンウィークで一番働いたのは、野鳥だな」
ユウ「すごい種類がいますね」
佐藤「ちょっとメタボ気味だけどね」
ユウ「でも自然がいっぱいって感じです」
佐藤「そういや君の自宅は和歌山だっけ?」
ユウ「和歌山市内です」
佐藤「御両親も?」
ユウ「いえ、父も母も徳島県の山奥です」
佐藤「大歩危・小歩危の近く?」
ユウ「はい」
佐藤「自然がいっぱいなところだね」
ユウ「そのせいか父は、自然好きで山屋さんです」
佐藤「登山家ですか、いいですねえ! 山屋には悪い人はいないというしね」
ユウ「だから父は、時々、山に行って、花をとってきます」
佐藤「・・・・」
(それって......orz)
(いや、あえて突っこまないでおこう)

佐藤「どんな花」
ユウ「水仙」
佐藤「水仙かあ」
ユウ「その盗掘してきた水仙なんかを、自分が散歩するコースに植えるんです」
佐藤「・・・・・」
(ああ突っこみたい。でも突っこまない)
(その先が聞きたいから)

佐藤「自分が散歩するコース?」
ユウ「父は、毎日散歩するのが趣味なんです。で、自分が散歩するコースに、かたっぱしから花を植えて、素晴らしい景観にするんですよ」
佐藤「いい話しだなあ」
ユウ「山で盗掘してきた花を植えるんですけどね」
佐藤「・・・」
(突っこみたい。突っこみてー)
(でも、突っこむと検閲に引っかかる恐れがある)
(ここは、平静を装って、なにくわぬ顔を保たねば)

ユウ「で、自分が散歩するコースを花いっぱいにしたんです」
佐藤「・・・(これって、いい話しなのだろうか?)」
ユウ「で、ある日、父が嬉しそうに帰ってきて、こう言ったんです」
佐藤「?」
ユウ「別の人が、盗掘して植え替えた水仙の花のところに『勝手に盗らないでください』という看板が立ててあったと」
佐藤「・・・」
ユウ「道ばたの名も無き水仙のために盗掘禁止の看板まで作って立ててくれるひとがいる。世の中も捨てたものではないと、父は喜んでいました」
佐藤「・・・」

つづく。
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