ペアレント講習会に行ってきました。実は私はもうペアレント講習会には行かないと決めていました。実際、去年はいやがる嫁さんを行かせました。忙しいし、事務連絡なら嫁さんが直接聞いた方が合理的だし、それに下手したら変な役職おしつけられそうになるし、嫁さんを行かせて適当にお茶を濁そうそうかなと。
ところが家山理事長の突然の死に加え、群馬県協会の河野氏の死。さらに新理事長に水野さんの就任。そして民主党政権による事業仕分けによる日本ユースホステル協会に対する弾圧。あまりにも驚くことが多すぎるので、
「これは一度、ペアレント講習会に出席して様子をみてこなければ」
と群馬の山猿が、いや、群馬のビックベアが、のそのそと上京しました。
北軽井沢の朝6時の気温は3度。
で、新幹線に乗って東京駅に着いてみたら、
「暑い!」
暑すぎる。
正直言ってもうペアレント講習会には出ないぞと誓いましたね。
どうしても出なければいけないなら北海道に行くぞと。
しっかり決意しましたよ。
やっぱ、こなければよかったと。
で、代々木ユースホステルに向かいました。このユースホステルは、存続の危機にあります。なにしろユースホステル協会の会長は、歴代自民党の議員がつとめていますからね。民主党の圧力は凄いわけで、すでに日本ユースホステル協会に査察が入っているそうです。事業仕分けで叩いてくるのは、あの蓮方議員だとか。間違いなくズタズタにやられるでしょう。
とはいうものの、日本ユースホステル協会は、それほど御国から金をもらっているわけでなく、国からの支援は、昔から微々たるものです。仕分けされても大して金銭が動くわけではない。じゃあ、影響ないかと言いますと、そうでもないようなのです。
たとえば、宝くじ協会なんかが仕分け対象になり、資金源の大半を子供手当など充当されると、その資金で制作されている日本ユースホステル協会のオフィシャル誌の「トライベル」が発行できなくなりますし、マイクロバス「宝くじ号」などの寄付もなくなります。
また、グリーンツーリズムを推進している都市農山漁村交流活性化機構(まちむら交流きこう)と日本ユースホステル協会が提携して、すすめていた事業があったのですが、事業仕分けで都市農山漁村交流活性化機構が瀕死の重傷を負ったためらに、あるプロジェクトがダメになってしまったらしい。
とにかく事業仕分けで、いろんな特殊法人が瀕死の重傷となったけっか、いろいろなプロジェクトが壊滅的な打撃をうけています。それは博物館・美術館から大学まで打撃をうけている。そして、それらの資金が子供手当に流用されていくのです。
これも民意だというのなら仕方ないですが、あらゆるプロジェクトが次々と壊滅していくことによって、間違いなく日本にあった多様性・個性は、すりつぶされてます。これによって、じわじわと社会が変わっていくことになるでしょう。没個性的な拝金主義な社会にかわっていきつつあると私は見ています。だから私は、あまり、今の政府を好きにはなれません。
だいたいユースホステル運動というものは、
もともと、そういう経済的には
無駄と思われるかもしれない運動です。
リヒャルト・シルマンは、このように言っています。
「金や金の製品よりも高価なもの、
精巧を極めた機械よりもさらに価値あるものは何であろう?
それは人間である!
(略)
これが真実であることを悟って、
国も市町村も、毎年、何百万という経費を使って
あらゆる種類の学校を建て、これを維持している。
それは体育館から水泳プール、運動場までも含んでいるのである。
これは、時には収穫がないかも知れない。
しかし、全て明日に望みをかけた種まきなのである」
つまりユースホステル運動とは、収穫を期待しない種まきでもあるわけです。どうしても、子ども手当をばらまきたい民主党の皆さんには、とうてい理解できないものであるかもしれません。
日本が本当に貧しかった頃に日本中の貧しい青年たちが金を出し合って日本青年館をつくり、戦後間もない頃に岸総理がなけなしの予算をだして、ユースホステルを建設し、大蔵省が予算を認めないときには、内閣官房費を使ってアジア初のユースホステル国際会議を開いたこともありました。これが金の無駄だと言われれば、無駄だったのかもしれません。
しかし、そのおかげで海外旅行が普及したし、大量の旅行ガイドの本が出版されるようになり、いち早くソーシャルツーリズムが普及したのも確かです。今でこそ大量に存在している旅行の本ですが、昔は、ほとんどユースホステル運動の関係者が作っていました。海外旅行も、大手旅行代理店がパック旅行をはじめる前から日本ユースホステル協会がチャーター便を飛ばして行っていました。日本ユースホステル運動は、日本のソーシャルツーリズムの切り込み隊長の役割をはたしてきたのです。
つづく。
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