北軽井沢ブルーベリーYGHは、最初ペンションでした。中古ペンションを買い取ったからペンションからスタートしたのです。『風のたより』の友人たちに借金して、中古ペンションを買い取ったのです。お金を貸してくれた人の一人に、谷川岳ラズベリーYHの曽原マネージャーがいます。彼も100万貸してくれました。時々、ヘルパーで手伝ってくれるロシア家の2人も、200万貸してくれました。土井君や土屋君も、それぞれ何百万か貸してくれました。と書くと
「よく貸してくれる友人がいたものだな」
と思われる方が、大半かもしれません。
しかし、これには訳があったのです。私だって最初から友だちに借金するつもりなんて毛頭なかったのです。それが、どういう訳か、大勢の人たちから金を借りることになってしまったのは、ある一人の友人の融資の話があったからです。もう時効なので全部ばやしてもよいと判断し、北軽井沢ブルーベリーYGHをはじめた経緯を述べたいと思います。
私が友人から金を借りるきっかけを作ったのは、
一人の高校教師が、私に
「金を貸す」
と言って譲らなかったのが原因です。
その人は障害者でした。そして、10年後に死ぬことを宣告され、その宣告から20年もたっていました。つまり、いつ死んでもおかしくなかった。そういう人に春が来た。婚約者が現れたのだった。彼は、必死になって金を貯めて、小さな家一軒を建てられるほどの貯金を蓄えたのだが、悲しいかな障害者。相手方の親御さんの反対に遭い、そうこうしているうちに愛も冷めてしまい、結局流れてしまった。私も間に立って復縁の工作をしたのだが無駄だった。
彼は、やけくそのように私に対して
「お前に金を貸すから夢だった宿をやれ」
と言ってきた。
しかし、借りるわけにはいかなかった。
移植手術の費用を借りれるわけがない。
しかし彼は強引だった。
無理やり貸そうとした。
どうみても自棄になってるように見えた。
私は、仲間と相談して、自棄になってる彼を諫める方法を考えた。で、彼以外から金を借りることにした。必要な金は、2000万だったが、数百万あれば足りると嘘をつき、それを他の友人に借りてしまい、彼から借りずにすむように芝居をすることにした。で、友人たちで構成しているメーリングリストみたいなもので、借金の公募を行いました。
すると、大勢の友人が融資を申し出て、
たちまち二千万をはるかに越えてしまったのです。
しかし、金を借りても返せなかったら意味がありません。いろいろと試算してみた結果、買ったばかりの中古ペンションを賃貸にだすと年間360万の家賃が入り、夫婦で一生懸命働いて毎月30万円の貯金をすると、さらに360万くらいの貯金がたまり、1年間で合計700万円の返済ができる。これなら3年くらいで全額返済できることがわかりましたので、友人から融資を受けることを決断できたのです。
そういうわけで「お前に金を貸すから夢だった宿をやれ」と言ってきた障害のある友人からは1円も借りてません。自分のために移植手術に使って欲しかったので。しかし、彼は、移植手術はせずに、貯金を学費に使ってしまった。鍼灸の学校や指圧の学校に行ってしまった。いつ死ぬか分からぬ状態でありながら、あくまでも己の投資に資金を使ってしまった。そして、百名山にチャレンジし、マラソンにチャレンジし、庭いじりにチャレンジしている。そして北軽井沢ブルーベリーYGHの第1号の御客さまは、彼の紹介でお泊まりいただいた御客さまだったのです。
つづく。
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