2010年11月05日

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
磯田 道史 (著)



 この本が映画化されると聞いたときは
「ぜってー無理だ」
と思っていましたが、もう公開間近です。



 そもそも「武士の家計簿」なる本は、小説でもなんでもなく、学術書です。

 はじまりは、著者が神田の古書店で、30年近く書き込まれた武士の家計簿を発見し、それを調査したら、驚愕な新事実を発見したことにはじまります。私が、この本を読んだのが7年前でしたが、数ページ読んだだけで、ひっくりかえるくらい驚いた記憶があります。学校の歴史の授業は、嘘ばっかり教えていることは、よく知ってましたが、この本を読んだとき、日本史の根本が全く分かってなかったことに気がつかされ、しばらく茫然自失した記憶があります。

 例えば、金沢藩・猪山家(70石)の当主直之の小遣いは、年間にして銀19匁。しかし、家来の草履取りの給金は、銀83匁と月々50文の小遣い。それに年3回の御祝儀をもらい、外出するたびに15文の駄賃(チップ)をもらっていました。外出は、2日に1回くらいありましたから、そうとうの金額をもらっていたことになります。しかも衣食住は保障されていました。つまり、家来の草履取りの収入は、当主の10倍くらいあったわけです。

 よく「武士は食わねど高楊枝」と言いますが、これは本当のことだったのですね。家来は、草履取りといった卑屈な仕事をしていても、たくさん金をもらっていましたが、当主の小遣いは、草履取りの1割もない。当然のことながら、家来は、その家計の状態を知っていますから、武士たちが、どんなに威張ってても、草履取りは尊敬していたわけです。

 じゃあ、70石どりの武士の当主の小遣いが、どうして、それほどまでに少なかったかと言いますと、これにも訳がある。給料の大半を「身分費用」に使っていたのです。自分の家来に小遣いをわたしたし、来訪があれば、相手方の家来にも祝儀をわたしていました。つまり、来客があれば、じゃんじゃん金が無くなっていく。さらに辻番にも金品をわたしていた。

 じゃ、来客が無ければよいじゃないかと思うのですが、そうはいかない。武士の身分になると、さまざまな行事があり、そのつど親戚一同が集まるしきたりになっている。節分や、端午の節句や、袴入れの儀式、元服や、七五三など。そういう行事が毎日のようにあり、おおぜいの親戚が集まり、逆に親戚のところに出かける必要がある。

 これを怠るとどういうことになるかと言うと、武士でいられなくなる。具体的に言うと、武士教育がなりたたないのと、万が一、世継ぎが出来なかったばあい、家名が断絶するおそれがある。だから、日頃から親戚づきあいを非常に大切にしたのですね。養子をもらうために。そして養子を出すために。

 で、その費用が、莫大な金額になっています。
 草履取りなどの家来たちは、そういった行事があるたびに
 御祝儀をもらっていたから、武家社会の最大の利益者は、
 草履取りなどになった、農村の次男坊たちであったかもしれません。

 ここで著者は言います。

「江戸時代は、圧倒的な勝ち組を作らない社会であった。武士たちは、威張っていますが、家来草履取りの給料より少ない収入でいる。幕末の日本に百姓一揆が、大発生していますが、百姓たちは絶対に武士にとってかわって政権を奪おうとしなかった理由が、ここにあります」

 このへんを読んだときに
「なるほど!」
と大声をだし、嫁さんに訝しがられた記憶があります。

 これじゃ革命がおきようがない。
 日本社会に革命がなかったのは、まさにこれが原因だったかもしれません。
 驚くべきは、他にもあります。

 明治維新後、失業した武士たちの多くが銀行員となって成功してたことは、前々から知っていましたが、その理由も本書であきらかにされています。江戸時代の武士たちは、トレーダーであった事実が、彼らの家計簿でわかったからです。どういうことかと言いますと、彼らは、年貢を現物で支給されていなかったからです。

 猪山家の家禄は70石と切米50俵です。金沢藩の1俵は5斗なので、合計95石。このうち税収が42石。42石うち屋敷に運んだ米が8石。家来含めて8人家族だったので8石だけ、屋敷に運び、のこりの34石を銀に両替しています。この他に拝料金を8両もらっていました。つまり、金・銀で給料をもらっていたのですが、金銀では買い物が出来なかったのですね。銭に両替しなければならない。で、FXをやっていたわけです。あと、米の換金レートにも敏感に対応しなければ、損をするので、江戸時代の武士たちは、意外にことに、みんなトレーダーであったわけです。

 こういった事実を突き止めていくと、なぜ明治維新が成功したのか? なぜ明治政府が、武士たちの録をとりあげても不満が少なかったのかが、少しづつ見えてくるのです。そういう意味で、この本は歴史に興味ある人には、必読の書ですが、この本を、どのように映画化したのか? そのへんが気になります。

 なにか、著者の研究成果を、無茶苦茶にされてなければいいのですが。宣伝動画をみると、何か嫌な予感がします。映画に、へんないじくりがないことを祈ります。と同時に、原書を読む人が、もっと増えて欲しい。





http://www.bushikake.jp/


キャスト

猪山直之:堺雅人
猪山駒:仲間由紀恵
猪山成之:伊藤祐輝
猪山政:藤井美菜
猪山直吉→猪山成之:大八木凱斗
猪山常:松坂慶子(特別出演)
おばばさま:草笛光子
猪山信之:中村雅俊

西永与三八:西村雅彦
嶋田久作
宮川一朗太
小木茂光
茂山千五郎


スタッフ

監督:森田芳光
原作:磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』(新潮新書)
脚本:柏田道夫
音楽:大島ミチル
撮影:沖村志宏
制作:エース・プロダクション


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posted by マネージャー at 05:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おっとびっくり 尖閣ビデオ流出

海上保安庁の皆様、
命がけの御仕事、
本当におつかれさまです!





もう1回、海猿のビデオを見ようかと思いました。
この画像、すぐに消されるのかなあ?



それにしても
「逃げ惑って当たった印象」
「期待はずれだった」
「これが『衝突』なのか」
「『う〜む、この程度だったのか』が偽らざる印象」
「『衝突』『追突』『接触』の何れと捉えるか、批判を恐れず申し上げれば主観の問題ではないか、と思われる程度の『衝撃』」
「捕まえたこと自体に疑問を持っている」
とぬかした議員は、何をみてたんですか?

http://www.j-cast.com/2010/11/02079854.html

あなたの目は節穴ですか?
こんな事を書かれたら、
ビデオをこっそり流出させる奴が出てくるよなあ。



つづく。

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posted by マネージャー at 01:42| Comment(6) | TrackBack(0) | ニュース・時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月04日

雨坊主山ツアー2

雨坊主山ツアー2

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頂上に到着。

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この山は、低山ですがアップダウンの多い山です。
紅葉・新緑の頃がおすすめです。
夏は、ちょっと不向きかな?

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2010年11月03日

雨坊主山ツアー1

私は、個人的に何度も登っているのですが、
北軽井沢ブルーベリーYGHのツアーとしては、初めてですね。
この山は、角落山と並んでプロ向きのコースです。
プチ岩登りと、プチヤブこぎがありますが、決して難しい山ではありません。
小学校の遠足にも使えるコースです。


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この山は、複数のルートがあるのですが、
現在この山は、針葉樹林の森からしか登れません。

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つづく

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2010年11月02日

台風でも晴れた志賀高原ツアー2

台風でも晴れた志賀高原ツアー2

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台風でも晴天。
これ全てパワースポットマンのおかげなのです。

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さすがに台風だと落ち葉も落ちちゃいますね。

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琵琶池です。志賀高原にある湖沼のうち最もよく知られる池の一つ。
その面積は大沼池に次ぐ。
白樺林が美しく、蓮池から続くトレッキングコースが整備されています。

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みよパワースポットマンの勇姿。

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今、一番面白い放映中アニメ

日本アニメが面白くなって久しいですが、
今、一番面白い放映中アニメを紹介。

バクマン。




NHKのアニメなんですが、とっても面白い青春ドラマ。
前期のNHKアニメ、GIANT KILLINGも面白かったですが、
バクマン。も負けず劣らず。
原作が面白いのかなあ。

この作品は、漫画家になろうと青春を燃やすストーリーなのですが、
専門用語や、業界ネタがふんだんに入ってて、
豆知識的に「なるほどー」と唸ってしまいます。

GIANT KILLINGもサッカーの豆知識に「なるほどー」と唸りましたが、
こういう専門的な豆知識は、とってもいいですね。
実は、私は大のNHK嫌いなのですが、NHKアニメは高く評価しています。


あと、注目なのが

屍鬼



村人が次々と原因不明の病気で死んでいくが、それは、「おきあがり」という吸血鬼というかゾンビの仕業。外見においてはそう人間と変わるところはないが、人間の血液を得なければ生きていけないこと。彼らは年を取らず成長も老化もしない。そんな彼らに、村が徐々に侵略されていく話。絵は、ともかくストーリーは洗練されています。村が彼らに乗っ取られる。そんな中で、主人公が必死に抵抗しますが、その主人公が、やられてしまい、敵方の人間になる。

つまり、次々と主人公が交代していくアニメです。
やられると敵になる。
だから新たなる主人公がでてきますが、
これもやられてしまう。
どんどん村が「おきあがり」に支配されてしまう。
当然のことながら役場の職員も、学校の先生も。
ちょっと怖いホラーアニメ。
面白いです。

つづく。

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posted by マネージャー at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

台風でも晴れた志賀高原ツアー1

台風でも晴れた志賀高原ツアー
これもパワースポットマンの力でしょうか?

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台風で全国的に雨なのに、こんなに良い天気。

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横手山のパン屋さん

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2010年11月01日

お馬鹿なツアー

お馬鹿なツアー

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そうです、ここは「ひすい」で有名な、親不知子不知。
と言うわけで、この海岸の「お馬鹿な」レポートを。
今回のメンバーです。
ヒスイといえば、パワースポットマン!


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親不知子不知の脾。
山椒大夫で有名ですね。
ちなみに私の生まれ故郷佐渡も、山椒大夫の舞台。


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いしころ博物館?


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こんなところにガメラが?


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どうやら「カメ吉」という名前らしい。

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カメ吉ラーメン?

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怪しい博物館。

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