この数字は、最盛期の十分の一とは言いませんが、激減したことは確かです。
北軽井沢ブルーベリーYGHがオープンした年は、
三日で30人ちかく入会したこともありました。
それが十年後には、年間に33人しか入会しなくなったのです。
不可解です。
と言っても、こうなった原因は、ある程度、推測できます。会員が激減したのは、ある時期からです。会員証がキャッシュカード化され、非会員の利用料金が1000円から600円に値下げされてからです。その時から入会希望者は激減したのです。これは、ユースホステル業界の致命的な失策の一つであったかもしれません。
御客さんの中には、キャッシュカードを作るなら入会しないという人が大勢いました。あと、非会員の利用料金が1000円から600円になったために、ユースホステルに5泊以上しないと元が取れないので入会しないという御客さんも大勢いました。うちの御客さんで入会しなくなった人は、圧倒的に、この理由が多かったものです。普通に考えて、ユースホステルに年間5泊する人は少ないです。私だって去年は、ユースホステルに3泊しかしてない。つまり元がとれてないのです。しかし、ユースホステル運動を支援する立場として、たとえ1泊もしなくても会員になり会費を払っています。
じゃ、どうして、このような失策が実行されたのか? 日本ユースホステル協会の責任か?というと、そうではないのですね。日本ユースホステル協会に責任があるわけではない。日本ユースホステル協会は、選出された理事と評議員の議決によって運営されているからです。つまり、われわれの代表が日本ユースホステル協会を作っている。
で、会員証がキャッシュカード化も、非会員の利用料金が1000円から600円に値下げも、民営ユースホステルから出された提案だったりします。少なくとも当時のトップであった理事長の独断で決められたことではありません。われわれ民営ユースホステルのトップが、総会の選挙によって選出されたトップが提案して、それが実行されて、このような結果になったにすぎません。なんのことはない、自分たち自ら蒔いた種なのです。
この事実は、逆に考えると、個々のユースホステルの努力次第によっては、逆転のチャンスもありうるということです。北軽井沢ブルーベリーYGHで、年間33人しか入会しなかった原因をつきとめ、これを10倍の330人に増やすための作戦を私たちマネージャーは考えなければならない。5年前までは、
「3泊以上するなら入会した方がお得ですよ」
と言って入会してもらいましたが、非会員の利用料金が1000円から600円に値下げしてからは
「5泊以上するなら入会した方がお得ですよ」
と言わなければならなくなった。となると、年間5泊する人は珍しいから入会する人はいなくなる。となると別のセールストークが必要になってきます。しかし、会員になると得することなんか、あまりないんですね。損得で考えると会員証に魅力が薄くなって来つつある。で、民営ユースホステルのマネージャーの一部から
「いっそ、会員証を廃止したら」
という人もでてくる。しかし、こういう事を言ってくるマネージャーの多くは、ユースホステルしか経営してない人です。ユースホステルから会員証を廃止したら、そのへんのペンションや国民宿舎と変わりなくなる。そのへんを分かっているのかどうか? ホステラーは、会員証があるからホステラー。会員証が無くなったらホステラーと言われる人種は確実に滅びます。
これには根拠があります。
実は、ユースホステル運動は、戦前にもあり、文部省の後押しである程度広まったにもかかわらず、会員制度をとらなかったために滅びてしまった実態があったからです。このことは、日本ユースホステル協会の発行する年史には書いてありません。つまり関係者は誰も知りません。
つづく
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