http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2011041800340
出崎 統氏(でざき・おさむ=アニメーション監督)17日午前0時35分、肺がんのため東京都三鷹市の病院で死去、67歳。東京都出身。葬儀は21日午前9時30分から東京都府中市多磨町2の1の1の多磨葬祭場思親殿で。喪主は兄でアニメ監督の哲(さとし)氏。
テレビアニメの草創期から制作に携わり、70年に「あしたのジョー」で監督デビュー。透過光や「止め絵」と呼ばれる手法を多用した独自の演出スタイルで知られた。代表作に「エースをねらえ!」「ガンバの冒険」「ベルサイユのばら」など。「とっとこハム太郎」などの劇場版アニメも手掛けた。 (2011/04/18-13:03)
なんてこったい。
このニュースを聞いた私は、しばらくショックで動けなかった。
何をかくそう私は、出崎さんの大ファン!
それも、三十五年間も長い間のファン。
間違いなく出崎さんはアニメ界の革命児
その演出方法のオリジナリティは、宮崎さんの比ではないはず。
しかし、最近の出崎さんの作品は、正直言っていただけなかった。
劇場版AIRも、劇場版CLANNAD -クラナド-も駄目だった。
正直言って、テレビ版の京都アニメーションの方が絶対に良い。
出崎さんの名作は、1970から1980年代の作品に限られます。
・宝島
・エースをねらえ!
・あしたのジョー
・家なき子
・冒険者たち ガンバと7匹のなかま
特に劇場版『エースをねらえ!』は、あの水野晴郎が、試写室で号泣したというしろもので、私も映画館で涙が止まらなかった。
動画をみると分かるのですが、映画全編にハレーションがはいっています。
つまり全て逆光なんです。
アニメで、全部が逆光!
ありえないですよ。
こういう作品は、出崎さんしか作らなかった。
つまり、登場人物を逆光で輝かせ、
ローアングルで大きく見せまくった。
天才です!
しかし、この手法は、スポ根ものには通用しますが、
劇場版AIRも、劇場版CLANNAD には通用しない。
ちぐはぐな感じがする。
これは出崎さんが悪いのでは無く、
出崎さんを起用した方のミスですね。
あと、出崎演出として有名なのが
ストップモーションの多用。
これで劇的効果をだして、次のシーンにつなげてました。
それからマルチ画面。
劇場版『エースをねらえ!』で最も多く多用しています。
あと効果音。
意味なくヘリコプターや電話の呼び鈴の音を入れたりする。
意味が無さそうなのですが、
これがドラマを盛り上げたりする。
それから雨のシーンの多用。
晴れているシーンは全て逆光にしておきながら、
雨のシーン(霧のシーンも)を多用する!
そしてドラマを動かす。
出崎アニメの究極の演出です。
日本アニメ界では、出崎以前と、出崎以降では、技術のレベルが全く違っています。
逆に言うと、ジブリの方は、オーソドックスなんですね。
伝統的な手法で私たちを楽しませてくれます。
京都アニメーションもそうですね。
しかし、出崎さんのアニメは違っていた。
一目で出崎アニメとわかってしまう。
それくらい特徴がありました。
では、そんな出崎アニメを紹介してみましょう。
どれも名作ですが、出崎さんの演出は、映画の影響をうけていますね。
アニメの影響というより、映画なんです。
多くのアニメーターが、ディズニーの影響をうけていた。
ディズニーなどの海外アニメの影響が強かった。
ところが出崎さんは違っていた。
ディズニーより映画の影響をうけている。
(手塚虫の影響もうけている)
もともと貸本漫画家だったためか
アニメで映画(実写)を越えようとしたふしが強い。
だから、動きよりもカット割りを重視している。
これがジブリだと、動きに力を入れている。
しかし、出崎アニメはあきらかに違っていますね。
その究極の作品が『冒険者たち ガンバと7匹のなかま』です。
私は、この作品こそは、出崎アニメの最高傑作ではないかと思います。
この作品は、フランス映画の『冒険者たち』のイメージで作ったと出崎さんが雑紙のインタビューをうけてたのをよんだことがあります。すごい名作で、私は、dvd全巻を持っています。何度見ても感動しますが、この作品の凄いのは『敵キャラ』です。イタチのノロイ以上の敵キャラを私は知りません。ドラゴンボールの敵キャラなんかより、よほど怖かったです。この怖い敵キャラと戦うネズミたちの勇気には、本当に感動しましたね。
それにしても67歳の若さで亡くなるなんて惜しいなあ。
もう一本、本気出してオリジナルをやってほしかった。
つづく
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ラベル:出崎統氏死去=アニメーション監督