ペンション・ティンカーベルを売却したときに、一時的に所得が大きくなり、毎月10万ものの国民健康保険の支払いをすることになりました。10万という高額の国民健康保険に驚いた私は、国民健康保険への加入をやめようかと思いました。だって、10万円もの医療費を使うわけがないからです。
しかし、考え直して、毎月10万近くという高額の国民健康保険料を払う決心をしたのは、友人に重度の透析患者がいたからです。彼は、私たちが払う国民健康保険のおかげで生きることができる。というのも、昔は、金持ちでない透析患者は死ぬしかなかったからです。しかし、日本の医療福祉の整備によって、彼はギリギリ生き残ることができた。そう考えると、いくら理不尽だと思っても、年に120万の国民保険料を請求されたとしても、ずるして『払わない』とは言えませんでした。
「どうせ1年かぎりのことだ。私が払う保険料によって、どこかの誰かが助かるのかも知れない」
と思ったらズルはできなかった。毎月10万近くの国民健康保険料を払い続けることにしたのです。
そして、1年後。
癌検診で私に前立腺癌の疑いがでてきた。そして群馬大学付属病院に検査入院することになったのです。当然のことながら連帯保証人がないと入院できない。つまり高額の医療費が発生する可能性が出てきた。もちろん医療保険に入っているのですが、カバーできるのは入院費用だけ。高度医療までカバーはしてない。そもそも保険会社が、やる気なさそうな回答しかくれない。まあ、そういうものだと分かっていたけれど。
で、群馬大学付属病院に相談してみたら国民健康保険料を滞納してなければ、市町村から高額医療の大半を自治体がだしてくれるシステムがあるとのこと。で、役場に手続きに行ったらすんなり書類がもらえました。この時ほど日本の保険制度を
「ありがたい」
と思ったことはありませんでした。そして、誰かに支えられて生きているんだと感じましたね。そう思うと、つくづく、あの時にズルしなくてよかったと思いました。私も、誰かを支えなくてはとも思いましたね。私の友人も、そうやって誰かに支えられて20年以上も透析しながら生きているのだから。
つづく。
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