吉田拓郎の「流星」について
私の大好きな曲に吉田拓郎の「流星」という曲があります。
この曲を好きな人は、多いのでは無いでしょうか?
あの武田鉄矢も、この曲が大好きだと聞いています。
理由は、歌詞が良いからだそうです。
特に、感動する歌詞は、この部分です。
「幸福だとは言わないが
不幸ぶるのはがらじゃない」 いいですよね。
すごく良い。
男の哀愁が、
男の強がりが、この一言ににじみ出ている。
さて、本題です。
この曲が大好きという、若い人がいた。
で、歌詞の話で盛り上がったのですが、
会話の途中で「変だな?」と思ったので聞いてみたら
歌詞の意味が、よく分かっていなかった。
特に
「星を数える男になったよ」
の意味が分からなかったらしい。
で、YouTubeの動画のコメントをみたら
こんな書き込みもあった。
「星を数える男になったよ…
意味はよくわからんがなんかいい
zyukou1 3 日前」
そうなのか?
意味が分からなくても、歌詞の良さは分かるのか?
そのへんが疑問だったので聞いてみました。
「そもそもこの歌は、何の歌だと思う?」
「うーん」
「イメージしてごらん」
「・・・」
「なんとなくイメージがわいてこない?」
「うーん」
「シンプルに考えれば分かるよ。絶対に分かるはずだから」
「ヒントをください」
「ヒント? 題名でわからない?」
「流星?」
「そう、流星だよ」
「わからない」
この曲は、全編が間接的な表現で満ちているが、決して難しい曲ではありません。歌詞を素直にストレートにイメージすれば、意味はおのずと分かってくる。出だしの歌詞の一部を紹介して解説してみましょう。
たとえば僕がまちがっていても
正直だった悲しさがあるから
...流れて行く
静けさにまさる強さは無くて
心の中では何を待てばいい
...流れて行く これだけ聞くと、意味が分からないかもしれない。しかし、一つだけ確かなことがあります。星が流れていくのを眺めている自分自身の姿です。つまり、ここで大切な部分は「...流れて行く」のところなのです。星が流れているのを、浅間牧場の草原で寝そべって星をみている自分の姿を想像すればいい。そして、何か考え事をしている。そのつど、星が流れていくのをみかけてしまう。そういう歌詞なのです。で、歌の中盤で、何があったかがわかってきます。
たしかなことなど何も無く
ただひたすらに君が好き
夢はまぶしく木もれ陽透かす
少女の黒髪もどかしく
君の欲しいものは何ですか
君の欲しいものは何ですか ここで、はじめて歌詞の中の主人公は、好きな人がいることを独白します。何があったのかわかりませんが、少女のことを考えている主人公の深層の中には、まぶしい木漏れ日に前が見えないでいる。もどかしい。で、好きになった女の子に何かしてあげたい気持ちでいるが、ここから急展開します。
さりげない日々につまずいた僕は
星を数える男になったよ
...流れて行く 何かへこんだことがあったのでしょう。何かにつまずいた。で、何も出来なくて、浅間牧場の草原で寝そべって星をみている自分がいる。で、
「...流れて行く」 となる。なにかボーッと考えているが、答えが出ない。
時間はすぎていき、流れ星を何個もみてしまう自分がいる。
そんな自分に対して
「星を数える男になったよ」 と自嘲している。
しかし、この男は、決して後ろ向きではない。
「幸福だとは言わないが
不幸ぶるのはがらじゃない」
と突っ張ってみせる。
けれど、流れる星がきれいすぎる。
ただそれだけに悲しくなってしまうのです。
突っ張ってはみたけれど、流れる星がきれいすぎるために悲しくなってしまう。
そういう歌詞なのですが、決して悲しい曲では無く、自分に何かを問いかけている曲なのですね。
つづく
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posted by マネージャー at 00:47|
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