嫁さんとは、11歳も年が離れている。
そのために、会話があわないことがままある。
一番、合わないのは、知っている歌謡曲の違いである。
「昔は、葬式の場面を歌った歌があったんだよね」
「(小馬鹿にしたように)まさか」
「いや、あったんだよ」
「どうせ超マイナーな曲でしょ?」
「いやいや、マイナーどころか日本中で大ヒットしたんだ」
「(小馬鹿にしたように)またまた」
「いや、本当だって!」
「お笑いソングでしょ?」
「まじめな歌だって!」
「じゃあ、昔は茶の間に、葬式ソングが流れてたの?」
「そうなるな」
「馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿しいもんか、レコード大賞もとったし、紅白にもでている」
嫁さんは私の言うことを信じない。
50歳以上の人間なら、このような体験をしているはず。
ちなみに葬式の場面を歌った歌というのは、
ちあきなおみの『喝采』のことである。
で、まったく信じられないことではあるが、私は嫁さんに歌詞の解説をしてみたのである。
『いつものように 幕が開きー
恋の歌 うたう私に
届いた報せは
黒いふちどりがありました』
良い歌詞だと思うのだが、嫁さんは「黒いふちどりがありました」の部分で爆笑していた。どうやら私と感覚というか感性が全く違うらしい。衝撃をうけるはずの詞の部分が、嫁さんにとってはギャグに聞こえるらしい。では、皆さんにとっては、ちあきなおみの『喝采』は、ギャグに聞こえるか、感動的に聞こえるか、確かめて欲しい。これは世代的なギャップなのか、単なる感性なのか知りたいところである。動画をアップして置いたので、ぜひ聞いてみて欲しい。
「そういえば、キタキツネを呼ぶときのかけ声だけの曲もあったなあ」
「ええええ?」
「ル−ルルルルルル!ってね」
「まさか?」
「そういう曲があったんだよ。そして大ヒットしたんだよ!」
「もっと凄いのは、全く歌を歌わない曲というのもあった」
「え?」
「全編台詞なんだよ。歌じゃ無い」
「まさか?」
「これも大ヒットしたんだ」
思えば、昔は破天荒な歌がいっぱいあった。
それが11歳年下の嫁さんの世代になると、それらの全ては
荒唐無稽な話に見えてしまうのだから時代の流れは速いというべきか。
つづく。
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