2012年10月15日

嫁を上高地に置いて、一人で北アルプスに登ってきた5

嫁を上高地に置いて、一人で北アルプスに登ってきた4

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 翌朝、御来光を見たあとに、迷った。
 予定では、穂高岳・北穂高岳に登るつもりだった。
 そのつもりで朝食はとってない。
 
 しかし、嫁を上高地に置いてきたのが気がかりになっていた。私の友人は、みんな高齢出産で帝王切開をしている。順調だったのに胎盤がはがれかかって生死をかけたりしている。帝王切開で早産だと母乳が出なくて苦労していたりする。そういう事例をたくさん知っているので、あんまり待たせると、さんざん上高地を歩き回って体調をくずさないか心配になる。なにしろ紅葉が素晴らしすぎるから。
 
 それに涸沢の紅葉が良すぎるのも迷った理由である。縦走は、いつでもできる。しかし、この紅葉は、今後、滅多に見ることが出来ないかもしれない。そうなると、もう一度、あの素晴らしい紅葉を見ておきたい気もしてきた。登りは、涸沢ヒュッテから穂高山荘までの紅葉をみてきた。となると下りで、穂高山荘から涸沢小屋までの紅葉をみてみたくなる。
 
 迷いに迷ったあげく、下山を決意した。
 紅葉に負けてしまった。
 縦走よりも、紅葉に走ってしまった。
 団子より花に走ってしまった。

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 涸沢小屋までのルートは、涸沢ヒュッテまでのルートより、はるかに紅葉が美しかった。
 当たりルートであった。
 
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 これが涸沢小屋である。
 評判の良い小屋ではないが、ロケーションは涸沢ヒュッテよりも素晴らしい。

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 その後、涸沢ヒュッテでラーメンを食べた。
 これが朝食である。
 穂高山荘のラーメンより美味しく感じてないので塩分がたりているなと実感した。
 ここで、知らない山ガールたちが私の方に挨拶をしている。
 私に女性の知り合いがいるはずはないと思って、後ろを振り向いたら壁しか無かった。
「あれ? 俺なの?」
 聞いたら、昨日、山小屋で一緒に星をみていた人らしい。
 大勢いたんで、こっちは誰なのかわからない。
 全く、目立ったことはするものではない。
 今後は、地味に下山しようと心に誓って、下山していたら途中で
「佐藤さんですか?」
 と別の山ガールに声をかけられた。
 今度は、名指しだったので後ろを振り向かなかった。
「え? 誰?」
「九州のHアです」
「えええええええええええええええええええええええええええ、なんでこんなところに?」
 と言っても、それはお互い様であった。
 彼女は、北穂に行くと言っていた。

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 氷壁の宿徳沢園。

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 明神岳。
 昔は、穂高といっていた。
 稲の穂のように高いという意味である。
 奥に、奥穂高ができると、明神(神の山)という名前に変えたが、
 本当は、この山が穂高なのである。

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 明神館。
 明神とは、神様のやどる場所という意味。
 今でこそ、上高地が入口になっているが、昔は、明神が北アルプスの入口であった。
 そして、横尾が開発され、最後に上高地が開発されている。
 上高地は、一番最近になって開けたところなのである。

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 営林署の看板。
 ちなみに国立公園を長いこと保護してきたのは、営林署(旧厚生省)である。
 このことを環境省は、決して言わないけれど、長いこと自然を守ってきたのは営林署だったりする。

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 これは環境省のビジターセンター。

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 環境省は、自然を守ると言うより、自然教育に重点をおいている。
 自然を熟知しているのは、むしろ営林署の方だったりする。
 なので、このようなビジターセンターで教えている情報は間違いも多かったようで、
 何度も営林署の職員が訂正をもとめていたりする。
 その象徴がカッパ橋と小梨平かもしれない。

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 これは大正池。

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つづく。

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posted by マネージャー at 23:59| Comment(11) | TrackBack(0) | 上高地・北アルプス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする