具体的にいうと、全ての経費をANAカードを使って、マイルを貯める作戦である。北軽井沢ブルーベリーYGHは、年間700万円以上の経費がかかっている。これを全てANAカードを使って、マイルを貯めると、年間に7万マイルになる。3年間だと21万マイルである。ヨーロッパまでの飛行機のファーストクラスが、10万マイルだから、ぎりぎり夫婦がファーストクラスで旅行できることになる。
で、3年間がんばったら、もう少しで20万マイルになるところまでいった。夢のファーストクラスまで、あと一歩である。
で、飛行機マニアの御客さんに、ファーストクラスへの乗り方を伝授してもらった。
「いいですか? 間違っても背広でファーストクラスに乗ってはいけません」
「え? どうしてですか? ファーストクラスというからには、背広じゃないとまずくないですか?」
「それは素人の浅知恵。基本はかっぺ」
「えええええええええええええええええええええええええええええ?」
「背広だと、スチワーデスさんは、遠慮してかまってくれないんですよ」
「そうなんですか?」
「毎回ファーストクラスに乗ってる金持ちは、寝てばっかりか、パソコンで仕事しているケースが多いので、基本的に放置なんです」
「ほお」
「ところが、それだとスチワーデスさんたちは暇なんです」
「そうだよねえ」
「で、私なんかが、かっぺ姿でファーストクラスに乗り込むわけです」
「うんうん」
「で、『冥土の土産に大枚はたいてファーストクラスに乗せていただきました。よろしくお願いします』と頭を下げるわけですよ。するとスチワーデスさんたちは、いたれりつくせりしてくれるわけです」
「うーん、なるほどねえ」
「一緒に写真もとってくれるし、いろんなものを持ってきてくれるし、他の御客さんは、寝てるだけなので、基本的に暇をもてあましているスチワーデスさんですから、ほんとうに凄いサービスをしてくれるんですよ」
「で、どんなサービスをしてもらいました?」
「いやー、それが貧乏人のサガで、つい、丼ものをたのんだり、普通のビールを飲んだりしてしまった。フレンチの高級食材とか、高級ワインを飲めば良かったんですけれど、つい飲み慣れたものをたのんでしまう」
「あははははは!」
「で、かわいそうと同情したのか、こんな高級ワインもありますよーとスチワーデスさんが、いろいろアドバイスしてくれたりして」
「アハハハハ」
「ファーストクラスに乗るなら腰の低いカッペが一番ですよ」
このアドバイスには、感心した。宿屋の私も、腰の低い田舎客の人が泊まりに来たら、ついついサービスしてしまう。地域で言うと、一般的に腰の低い東北の御客さんには、ついついサービスしてしまう傾向がある。そういう意味では、東北弁というものは、非常に強力な武器である。逆に損をするのが関西弁である。関西弁は、ちょっと強い響きがあるので、損しやすいのである。
他にも、いろんな御客さんから、ファーストクラスに乗る方法を伝授してもらった。服装から、マナーから、いろんなことまで伝授してもらった。あとは、半年後に出発するだけになった。つまり、ちょうど、今頃、ファーストクラスに乗って海外旅行にでかける予定だったのである。しかし、ものすごい衝撃が訪れた。
「妊娠したらしい」
これでファーストクラスに乗る計画は、消滅してしまった。
妊婦は、飛行機には乗れない。
それ以前に、妊婦の負担を減らすために、手をうたねばならない。
こうしてANAカードで貯めまくった20万マイルは、
数台のルンバ(掃除ロボット)に変わってしまったのである。
つづく。
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