うちの嫁さんは、生まれてくる息子の名前を考えてばかりいる。
「そんなものは、子供の顔をみてから決めればいいんだよ!」
と私が言ってもきかない。
「生まれたら興奮して、ハイテンションになって変な名前をつけかねないんだって」
どうやら、キラキラネームの大半は、それが原因でつけられているらしい。
「パスタっていう名前をつけられてしまった子もあるんだよ、信じられる?」
「パスタって? あのパスタ?」
「佐藤パスタ」
「うーん、イタリア旅行だけはできないな、その名前では。どうして、そんな名前をつけたんだろう?」
「だから、出産直後は、ハイテンションになってるから、冷静な判断ができなくなっているらしいんだよ」
「ふーん、そういうもんかねえ」
嫁さんの奴は、てっきり女の子だと思っていたから「佐藤智春」を第一候補に用意していたのだが、男の子だとわかって慌ててしまっているらしい。
「やはり日本武尊からとって、武尊(たける)にしたらどうだ?」
「字画が悪い」
「武(たける)は?」
「それも字画が悪い。それに、すでに佐藤武という俳優がいるらしいので」
「わかった。日本書紀をやめて、古事記にすればいいんだ。倭健命からとって、健(たける)でどうだ?」
「佐藤建(たける)か、これなら字画も悪くないなあ」
しかし、真田幸村から、幸村をとって、佐藤幸村もいいと思っている私がいる。真田昌幸の昌幸も捨てがたい。宮沢賢治の賢治もいいなあ。いっそうのこと、上杉謙信の謙信ではどうだろう? タロウ・ジロウも捨てがたい。この名前なら南極に行ってもたくましく暮らせるはずだ。佐藤忠信もいい。全国の義経ファンと、全国の佐藤さんの御加護がもらえるかもしれない。
つづく。
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