同じ生後60日の他の赤ちゃんをみたかったからです。
できたら抱いてみたかったがチャンスはなかった。
実は、赤ちゃんは首の座ってない新生児が一番かわいい。これは自分の赤ちゃんにかぎらず、他人の赤ちゃんもかわいい。できたら誰の子どもでも抱いてみたい。と私は思っている。しかし、そう思っているのは私だけでないことが、外出するとよくわかる。
水沢観音に出産のお礼参りに行った時のことである。赤ちゃんをつれて、車からでてくると、土産物屋にたむろしていたおばちゃん達が「新生児だ」と叫んであつまってきた。子どもは他にも大勢いたが「新生児」の威力にはかなわない。しかし、一部のおばちゃん以外は、新生児に反応はしめさない。若い女性や男たちは全く無反応。ここが面白いところである。
新生児の頭というのは、私の拳骨よりも小さい。そして私の小指を手に握らせるとぎゅっと握ってはなさない。口に小指をもっていくとチューチューと吸い出す。首も座ってないし、寝返りもうてない。身体のどこもかしこもプヨプヨで、自分ではなにもできない。泣くことしかできない。だからよく泣くのであるが、私は泣いている赤ちゃんを笑わすのが得意である。
嫁さんが、どんなにあやしても泣き止まなくても、私がいじると瞬時に泣き止む。そして笑い出す。もちろん抱いてあやしてない。泣く原因を瞬時にさぐりだし、それを処理し、あとは乱暴に好奇心をしげきするだけである。だから、うちの赤ちゃんは、あまり泣かなくて寝てばかりいる。計測してみたら1日に16時間も眠っていた。コロ(子犬)は、1日に18時間眠っていたので、それにせまっている。おかげでブクブクと太ってしまった。
ちなみにムツゴロウさんの調査だと、人間の赤ちゃんは、1日に12時間眠り、子犬は20時間眠るらしい。それが本当なら、うちのコロ(子犬)は、睡眠が足りなくて、うちの赤ちゃんは眠りすぎであることになる。と、まあ、長い前置きになってしまったが、ここからが本題である。
ベビーサロンのことである。
これに参加することによって嬬恋村には、うちの赤ちゃんと同じ時期に生まれた赤ちゃんが5人いることがわかった。単純計算すると1学年60人ということになる。嬬恋村の人口は1万1000人。私が生まれた佐渡島の金井町の人口は6000人で、1学年120人だった。ということは、50年前の佐渡島に比べて、子どもの割合が4分の1まで減ったことになる。少子化の波は、すごい勢いで進んでいるようである。
まあ、そんなことはどうでもいいとして、
ベビーサロンに参加して何に驚いたかというと、
赤ちゃんの泣き声である。
そうなのだ!
赤ちゃんは泣くのである!
うちの赤ちゃんが泣かないので、すっかり忘れていた。
というか赤ちゃんが泣いても、私がすぐに泣き止ませることができるので、
赤ちゃんが泣くものであることをすっかり忘れていた。
で、泣いている赤ちゃんを見て
「しまった!」
と後悔した。
泣いている赤ちゃんの顔が精悍なのである。
顔つきがたくましいのだ。
身体も痩せている。
首も座っているし、うつぶせにさせると首をもちあげる。
それにくらべて、うちの赤ちゃんは、
ニコニコ笑って幸せそうな顔をしているのはよいのだが、
ぷっくり太っていて、精悍さが足りない。
うつぶせにすると窒息しそうになる。
「しまった! 泣きが足りなかったか!」
そうなのだ! うちの赤ちゃんには、泣きが足りないのだ。
私が、赤ちゃんの不満点を次々と解消するために
泣かなくなってしまい、たくましさが無いのである。
赤ちゃんは泣くのが商売である。
泣きが足りないと呼吸器とか内臓が弱くなってしまう。
もっと泣かせないといけないと思ってしまった。
もちろん、うちの息子のように泣かない赤ちゃんもいたので、どんな親なのか観察した。で、自己紹介で、すでに何人か育てた経験のあるお母さんであることが判明した。なるほどと思った。経験者なら赤ちゃんを泣かせない技をもっているはずだ。そして、泣かない赤ちゃんは、うちの息子と同じくプックリとしている。
ちなみに私には、赤ちゃんを育てた経験は無い。しかし、10歳下の弟がいたので、親のすることをみていたので、知らず知らずのうちに赤ちゃんに対する対処を知っていたようだ。あとインチキくさい育児本を読んでなかったのもよかった。うちの嫁さんは、その手の本を大量に読んでいて、それにふりまわされていたから。
私は、本に書いてあることを鵜呑みにしません。自分で本を書いてみた経験があるからです。本を書く場合は、あたりさわりのないことしか書けない。きれい事しか書けない。本音やきわどいことは書けないわけです。だから理想論ばかり書いてある。しかしね、理想と現実は違うことがおおいんですよね。
まあ、そんなことは、どうでもいいとして保健師さんにヒアリングを受けた時、「お父さんが、おしめを代えてるんですか?」と驚かれてしまった。わが家では、オムツ交換も、哺乳瓶も、私と嫁さんが奪い合うようにやっている。両方、楽しくて仕方が無い。というのもオムツ交換も、哺乳瓶での授乳も、赤ちゃんを突いたり、ウエットティッシュで悪戯しながらやっているので、赤ちゃんも、こっちも楽しいのだ。
これも自営業だからなせる技である。一般のサラリーマンだと、こうはいかないだろうなあ。お父さんが、オムツ交換も、哺乳瓶での授乳をしながら仕事ができるわけが無い。そうなると、お母さん一人がやることになって、お母さんは育児ノイローゼになるかもしれない。
一般的に、お母さんはまじめだから、授乳もオムツ変えも、黙々とやるだろうし、そうなったら赤ちゃんも、よく泣くようになるだろうな。けれど、お父さんなら、赤ちゃんを乱暴に扱って、赤ちゃんは喜ぶかもしれないけれど、普通のサラリーマンは、仕事でクタクタで、それどころではないかもしれない。
その点、自営業はいい。
仕事だけでは飽きるし、かといって、育児だけでも飽きる。なので、両方を適度に交互にできる。それを夫婦交代でできるので、赤ちゃんにとっては、とても幸せなことだと思う。しかし、その幸せが、今回、命取りになってしまった。泣きがたりないみたいなのだ。昔から泣きが足りないと病気をしやすいと言われています。事実、私は泣きが足りなかったために、子どもの頃に肺炎をやって1ヶ月休学したことがある。今でも呼吸器系統が弱い。
でも、まあ、わざと泣かすわけにもいかんから、毎日、寝返り特訓や、起き上がり特訓や、足踏みや万歳などの運動をすることにした。これで多少は、精悍な顔つきになるだろう。
つづく。
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