猛暑が続くせいか、怒濤の予約ラッシュが続いていて、
ここ数年で一番御客様が入った年になったが
実は2週間前までは閑古鳥であった。
長雨のせいである。
うちは、アウトドアを趣味とする御客様が多いので、
雨が続くと御客様が減少する。
晴れてないと、あまり予約が入らないのである。
そんな状況でも泊まりに来てくれる御客様がいた。
天気予報が最悪だったので、
「今週末はアウトドアの御客様は来ないな」
と思っていたら予約が入った。
◆◆さんだった。
もちろん予約を受け付けたのが、
宿側としては心苦しかった。
他にツアーを希望する御客様がいなかったのだ。
つまり◆◆さんが
「どうか、もう一人泊まってくれ」
と祈っていたが、それも空しく空振りに終わった。
で、当日、◆◆さんをむかえて夜のお茶会をひらいたわけだが、◆◆さんが打ち明けてきた。
「実は転職することになりました。飛行機の距離に引っ越します」
「ええええええええええええええええええええええええええええ」
「会社の業績が思わしくなくて」
そこで急遽、転職祝いをするこちとになったが、もちろん他の御客様もいないのでサシで飲むことになる。
「さびしくなるなあ、もう当分会えないね」
「そんなことないです。実家は関東なのでまた来ます」
「無理しないで良いよ。当分は異郷の地になじまなければ。初めてなんでしょ、九州で暮らすのは」
「まあ、そうですけれどね」
その夜、久々に夜遅くまで御客様と飲みあった。
今まで聞いたことの無かったも聞けた。
人には、いろんな歴史があるようである。
翌日、彼は土井君のツアーに参加した。
私は、北軽井沢マラソン参加の御客様の対応に追われてろくに会話も無くおわってしまった。
そして数日前、一通の葉書が届いた。
九州で元気そうにやっている文面だった。
心がキュンとなってしまった。
この猛暑の中、元気いっぱいにがんばっているのだろうなと思いながら。
つづく。
↓ブログ更新を読みたい方は投票を
人気blogランキング