1歳10ヶ月ともなると、格段に知能レベルが上がってきている。
まず、大人の言葉を理解するようになってきた。
話す事はできないのだが、聞き取ることができるようになってきたのだ。
例えば、おやつがなくなって、もうお終いですと言うと、とたんに泣き出す。おしまいという言葉と、おやつがなくなるという事実が、イコールであるということが理解できてきたのだ。大人の言っていることがかなり分かってきている。
それだけでは無い、自己主張も始めるようになった。具体的に言うと、おもちゃ王国のパンフレットを親の前に持ってきて広げて見せるのである。ここに行きたいというアピールを日常的に始めるようになってきたのだ。
私が指をさすと、指のほうに顔を向けるようにもなってきた。スーパーやホームセンターに連れて行っても、ベビーカーという檻は必要なくなってきた。きちんと注意さえすれば、勝手にうろうろすることもなく、親の後をついてくるようになった。多少駄々をこねることもある事はあるのだが、最終的には親の言うことを聞いてくれるようになってきた。またレストランに連れて行ってもおとなしく静かに座り、人様にご迷惑をかけないで食事をすることができるようになってきた。
この結果を踏まえて、改めて感心してしまう。
赤ちゃんは、親が考えている以上に知能が高い。
信じられないくらい高い。
それは知識としては知っていたが、実際自分の目で、体験をしてしまうと、改めて驚かされてしまう。
しかしである、私の息子は、これでも成長が遅い方なのである。生まれた時期が10日しか違わない、1歳10ヶ月の女の子が知り合いにいるのだが、その娘はもっとすごい。ドックランで、であった数十匹の犬の名前すべてと、飼い主の名前を全部覚えて喋れるのである。例えば、犬と飼い主全てを足して50の名前があったとする。それら全てを識別して名前を覚え話すことができるのだから本当に驚かされる。一般的に女の子は成長が早いと言われているが、その成長の早さには、ただただ驚くばかりである。スタッフの土井くんの娘さんも、かなり成長が早い。明らかにうちの息子よりも立ち上がるのが早かった。
前置きはこのくらいにして本題に入る。
子供の成長についてである。
子供の成長には、犬型と狼型がある。
犬とオオカミ。この両者を比較してみると、狼の方が圧倒的にIQが高い。脳みその重さを量ってみても狼の方が圧倒的に重い。もちろん体重に対する脳の重さの比率を比べての話である。
したがって、狼は犬よりもよほど早く成長する。約1年で大人になってしまうのだ。逆に言うと1年で大人になれない狼は、自然界では生存が難しい。早く生きる術を覚えないと生きていけないのである。
これに対して、犬は成長が遅い。狼に比べてみると脳みそも小さい。 IQも低い。犬種にもよるが大人になるまで3年ぐらいかかってしまう。つまり3歳位までは全く警戒心がないのだ。子供のままなのである。だからもし犬が自然界に放り出されてしまったら、生き残るのは非常に難しいだろう。自然界の中では狼の方が圧倒的に有利なのだ。
しかし、犬にも長所がある。学習期間が長いために、結果としてオオカミを超える能力がそなわる。3年間の長期間、子供であるためにオオカミよりも成長するのだ。これは、ニホンザルとチンパンジーの関係にもいえる。ニホンザルはチンパンジーよりも成長が早い。しかし、最終的にはチンパンジーの方が学習する量は多くなる。ただ、野生界では、はやく大人になった方が生存率は高くなる。野生の中ではオオカミは、犬に対して圧倒的に生存率は高い。
ここで乱暴な議論をあえてしてみるとするならば、女性は狼タイプなのかもしれない。早く成長する。年齢が同じなら女性の方が圧倒的にIQが高い。男性はどちらかというと犬タイプなのかもしれない。比較的ゆっくりと成長する。そしていつまでも子供っぽさを残してしまう。しかし、これは大雑把な議論かもしれない。女性の中にも、狼タイプもいれば犬タイプもいるからだ。もちろん男性の中にも、狼タイプもいれば犬タイプもいる。
さて、うちの息子は、どっちのタイプなのだろうかと、この1年10ヶ月の間に、興味深く観察していたのだが、正直なところ、どちらのタイプか全くわからない。親の心情としては、犬タイプになってほしいと思っているのだが、ゆっくり育ってほしいと思ってはいるのだが、どうもそんな風には見えない。切り替えが早過ぎるからだ。かといっても、狼タイプかというとそういう風にも見えない。特別成長が早いというわけでもない。むしろマイペースでゆっくりしているぐらいだ。とゆうか、わざとゆっくりさせている。
まだトイレトレーニングもしてないし、学習用の教材も、絵本も読ませてない。箸やスプーンの使い方も自己流に任せている。なので、他のお母さんたちや、検診の先生たちに呆れられてしまっている。おそらく我が家は、教育ママの世界から最も遠いところにいるのかもしれない。わが家で注意しているのは、お行儀だけだ。行儀が悪い場合は遠慮なく叱っている。しかしそれだけである。
それにしても、他のお母さんたちは、本当に教育熱心だ。ほとんどのお母さん達は1歳位の時から絵本を読んであげているらしい。うちの息子の場合は、絵本を読んであげようにも、おとなしく聞いてくれるようなタイプではなかった。すぐに絵本を口の中に入れてよだれだらけにしてしまったり、ビリビリにやぶいたりした。とてもではないが落ち着いて本を読んではくれなかった。本当ならば、根気強く絵本を読んであげるべきだったのだろうが、めんどくさいのでそんな事はしなかった。
だから絵本なんかとはまったく縁がなく育ったはずなのだが、不思議なことに、いまは勝手に本を読むようになった。本当に不思議である。本だけでは無い。おもちゃ王国のパンフレットを毎日のように眺めている。私が読んでいる歴史の本なんかも読んでいる。もちろん文字なんか理解できてない。時々逆さに読んでいることもある。だけど、親の真似をして本を読んでいるのだ。
つづく。
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