それはともかく今年はお客様が多かった。そのために売り上げも例年よりは多かったのだが、去年の大雪の災害で物置小屋が2つつぶれてしまったこともあって修繕費も多かった。また、お客さんが多かったのに気をよくして、分不相応な設備投資をしてしまった。そのために赤字になってしまいそうな気配がある。
まぁそんな事はどうでもいいのだが、今年1年のデータを調べてみたら、売り上げの大半が新規のお客様であったことに驚いている。
うちの宿は、北軽井沢という場所柄もあって、連泊するお客さんも多く、その上に年に何度も来られるリピーターさんも多い。なので、ユースホステルの会員率が異常に高い宿である。非会員の御客様がほとんどないと言う非常に珍しいユースホステルであった。ところがである。今年は新規のお客様が大量にお泊まりになるようになったので、ユースホステルの会員の比率が激減した。今まで9割近くが会員であったのに、それが6割ぐらいまでに減ってしまった。
もちろんそれでも、他のユースホステルに比べれば圧倒的に会員のお客様が多いのであるが、そのお客様は何連泊もするリピーターさんであったりするので、延べ人数は多くても、実数は少ないのである。延べ人数で6割であっても、実数では3割から4割ぐらいでは無いだろうか?
とはいうものの、新規のお客様が増えるということは、宿主としては大変うれしいことである。自分としては、何か特別なことをした訳では無いのだが、どういうわけか新しいお客様が増えてしまった。その上、この新規のお客様もすでにリピーターになりつつある。何度も何度も泊まりに来てくれているのだ。いったいどういうことなのだろう? と不思議に思っていたら、ある新規のお客様が、あることで非常に喜んで帰っていってくれたので原因が分かってしまった。
そのお客さんは、小さなお子さんを連れていたのだが、そのお子さんが、リピーターのお客さんのお子さんと仲良くなって、宿の庭先で雪遊びをしたり、一緒にゲームをしたりしていたのだ。またお母さんやお子さんが、お茶会にも出てきて、リピーターさんの差し入れを食べて楽しんでくれていたららしい。何の事は無い。新規のお客さんが増えた原因は、リピーターさんたちの心遣いだったりしたわけだ。
そういえば思い当たることがあった。じゃらん・楽天などの口コミサイトで五つ星などの高い評価をくれるお客様のほとんどは、お茶会に出てきて、リピーターさんたちと楽しい会話をしているお客様ばかりなのである。また、星空温泉ツアーに参加して、私の星空案内を楽しんでくれた人たちに高い評価をしてもらっている。
逆に、部屋に閉じこもって出てこないお客様からは高い評価は得られてないのだ。また、食事を摂ってないお客様にも、あまり高い評価を得られてない。というか、リピートしてくれない。お茶会や、ツアーに参加しなくとも、食事をとってくれたお客様は、またリピートしてくれる。しかし素泊まりのお客様は、あまりリピートしてくれないのだ。
この結果を考えてみると、うちの宿の最大の弱点は、お茶会や星空案内や温泉ツアーなどに参加してないお客様に、そして食事をとってくれないお客様に、いかに満足してもらえるかという点である。ここをなんとか改善していかなければならないと思った。
食事にも、お茶会にも、ツアーにも興味がなく、
ただ泊まるだけを目的としたお客様に
満足していただけるためには、何が必要なのだろうか?
実はそういうお客様も多いのである。ただ睡眠するために来るだけのお客様も確かにいるからだ。部屋に閉じこもって勉強しているお客様もいる。読書するために泊まりに来るお客様もいる。これはすごいなぁと思ったのは、森の中でヨガをしに来たお客様もいた。そういうお客様は、特別な食事しか食べないし、水さえ自分で持ってくる。そして、なるべく他の人を避けるように部屋に閉じこもっている。
北軽井沢という土地柄は、そういうお客様を寄せつける何かがあるのである。うちはそういうお客様に喜んでもらえる何かが足りないのかもしれない。今年は、そういうお客様に対してもっと真面目に取り組んでみようかなと思っている。
つづく。
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