2015年02月11日

フライパンとラップ

 最近、フライパンがダメになりつつあるので、新しいものに変えてみた。その時に驚いたのは、ものすごい種類のフライパンがあったことである。昔はフライパンといえば、鉄のものかテフロンしかなかった。ところが、最近は、セラミックコートや、マーブルコートや、ダイヤモンドコートといった数多くのフライパンが存在する。それぞれどのフライパンが、うちの料理に合うのかさっぱりわからなかったので、それぞれ1種類ずつ買ってみた。

 驚いたのなんのって、最近のフライパンは、ものすごく性能が良い。具体的に言うと、ほとんど油なしで目玉焼きが作れてしまうのだ。こびりついたりしないし、焦げることもない。豆腐も油なしで簡単に焼き豆腐になってしまう。今後は、もう焼き豆腐を買わなくても済むだろう。

 セラミックコートに至っては、野菜炒めが格段に美味しくなる。もちろん鉄のフライパンの方がもっと美味いのだが、鉄のフライパンは油を大量に必要とするのである。最高に美味しい料理を作りたいのは山々であるが、食べる人の健康を考えてしまうと、少しの油でも美味しい野菜炒めができる方を選んでしまう。この辺は、作る人の思想哲学との兼ね合いであろう。

 ダイヤモンドコートに至っては、金属ヘラで30万回擦っても傷がつかないという優れものである。もちろん金属ヘラを使うことはないが、傷がつかないという謳い文句は非常にありがたい。重金属が体に入りにくいというだけでも安心して料理が作れる。それに今までは、何度もフライパンを買い換えていたが、この製品を使うようになれば買い換える回数もだいぶ減るだろう。そういう意味では究極のエコである。

 エコといえば思い出すことがある。宿屋を始めたばかりの頃、お金がなくて、ラップなんかを買うときは、安いものばかり買っていた。しかし、その後安いラップは使えなくなってしまった。安物は美味しい料理を作る邪魔をするのである。最近はサランラップしか買っていない。サランラップは最強である。

 一時期クレラップを使っていたこともあったが、あれは切断部分がプラスチックなのでラップを切りにくいのだ。ましてや安物ラップは、切断部分が紙であったりするし、ふにゃふにゃで、強度も熱に対しても力不足であったりする。冷凍保存する時なんかは、きっちりと差が出てくる。また、ラップを買うときは必ず100メートルのものにしている。 20メートルという短いものだと、その都度、ラップの芯や箱を捨てるわけで、エコでは無い。

 そもそも、宿屋には、在庫スペースに限界というものがある。倉庫の空間を有効利用するためにも100メートルのものにせざるを得ない。なにしろ使う量が一般化家庭と違うのである。ゴミはなるべく減らしたい。だから100メートルになってしまうのだ。

 ところが貧乏時は、そういうことに頭が回らなかった。安いラップを買おうと必死になって探して、 20メートルくらいのよれよれのラップを100円ショップで買いだめたりした。

 貧すれば鈍するである。実は、 20メートルの100円ショップの物の方がメートル当たりの単価は高かったりするのである。おまけにゴミが出るのでゴミ費用として余分な経費が加算されているのだが、貧すれば鈍するで、そういうことに気づかない。気づき出すのは、経営に余裕が出てからなのだ。

 話を戻そう。
 フライパンについてである。

 オープンしたての頃は、鉄のフライパンを使っていた時期もあった。鉄のフライパンは、実は非常に便利な調理器具でもあった。どこが便利かというと、ハンマーを使って自分の都合のいいように改造できるから便利なのである。実際、一流の調理人は、みんなマイフライパンを持っている。自分が使い良いように改造するのである。そして何年も使いこなすことによって、そのフライパンを最高の芸術作品に仕上げていくのだ。

 ところがである。うちの宿は、そういうことができないことに途中で気がついた。理由は、ヘルパーさんを採用するためである。素人のヘルパーさんに鉄のフライパンは使えない。ましてや自分が使いやすいように改造してしまったフライパンを当てがうことなどできない。

 昔は、 5人10人のヘルパーさんを使っていた事もあったので、誰にでも使えるフライパンでないといけなかったのだ。そこでテフロンのフライパンを買って使っていた。もちろん安いものもあったが、ティファールのフライパンもあった。安いフライパンは、この15年間に7回ぐらい買い換えている。さすがにティファールは、それよりは長持ちをしている。しかし何度も買い換えている。

 で、今回フライパンを買い換えることになったのだが、もうヘルパーさんを雇う事はありえなくなってしまった。理由は、とあるユースホステルのオーナーが、ヘルパーさんと労働条件で揉めて裁判沙汰になってしまったからだ。なので、鉄のフライパンに戻ってもいいのだが、そうもいかない。あの重さには、嫁さんがついていけないからである。

 で、いろんなフライパンを試している最中なのだが、どれもこれも素晴らしい。その中であえて優劣をつけるとすれば、やはりダイヤモンドコートのフライパンになるかもしれない。セラミックも素晴らしいのだが、ちょっと重いのだ。 IH兼用のものも重過ぎる。ガスコンロ専用のダイヤモンドコートのものが軽くて性能が良い気がする。もちろんマーブルコートも捨てがたいのであるが。

 そうそう、 1番大切なことを忘れていた。フライパンでもう一つ大切なことは、形である。大きさと角度の微妙な差によって、オムレツが美味しく作れるかどうかが決まってくるからだ。この辺は、いろんなメーカーの物を、いろいろ探してみてくるしかない。気に入ったフライパンが見つかると良いのだが。

つづく。

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posted by マネージャー at 23:52| Comment(5) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする