しかしである。個人的には宮崎アニメの「風たちぬ」は面白かった。どこが面白かったかと言うと、地元民ならバレバレの軽井沢が書かれていたからである。もちろんアプトの道にあるメガネ橋も現ている。主人公が泊まっているホテルが、草軽ホテルと言う名前であったのにも驚いた。というか笑えた。おまけに外観は万平ホテルの旧館に似ているし、内装は三笠ホテルの内装にそっくりだった。戦前時代の軽井沢の写真にそっくりなカットもあった。テニスコートも軽井沢会テニスコートそのものだった。主人公とヒロインの出会いの場所は、どう見ても碓井湖だった。
軽井沢付近に住んでいる人にとってみたら、宮崎アニメの「風たちぬ」は、内容と関係なく非常に興味深く見れるのではないだろうか? 雪が溶けたら、早速聖地巡礼をしてみたい。今のところ、それを完璧に紹介したサイトは無いようなので、もし4月になっても誰もやってなかったら、私が聖地巡礼のサイトを作ってみたいと思っている。
それはともかく、「風たちぬ」の原作は堀辰雄です。主人公のヒロインが、最後に結核で死ぬ話なのですが、昔は結核になると、死を宣告されるような重い病気でした。しかし、軽井沢に療養に来ると、不思議と結核が治るケースが多かったのです。そのために全国の結核患者が、次々と軽井沢にやってきました。そして色々なドラマが生まれたりしたのですが、それを小説にしたのが堀辰雄です。
今では、どうして軽井沢に来ると病気が治るのかが、医学的に証明されつつあります。森の中に三日間滞在すると、体内のnk細胞が増加して、体の免疫機能が増えるのです。そのために、人によっては、自分の持ってる免疫力で病気を退治したりしました。おまけに軽井沢には、カラマツという針葉樹林がたくさんあります。針葉樹林は、広葉樹林よりも免疫力を増すらしいのです。
それはともかく、大量の結核患者が軽井沢に滞在するようになると、それを見たもともとの住民たちが、非常に結核を恐れるようになりました。なにしろ軽井沢に結核患者が大量にいるのです。自分たちも、感染しないだろうかと不安になったようです。特に体を使う仕事をしていた農家の人たちは、結核に感染しないように防御措置を取りました。その防御措置とは、いわゆるグルメです。
結核は貧困が原因とまでいわれる病気だったので、人々は結核にならないように、特に食事に気を付けました。今では考えられないことですが、甘い物や白砂糖も口にしました。白砂糖はもともと漢方薬でした。ご飯は白米を食べました。こうやって結核予防したわけですが、結核にかかる代わりに、歳をとってから糖尿になってしまったから皮肉なものです。私の宿の地主さんも、そういうパターンで糖尿病になってしまいました。しかしこれは仕方がなかったのかもしれません。終戦直後まで、結核は癌より怖い死の病気だったのですから。
どちらにしても、極端に走りにすぎない方が良いのかもしれません。結核を恐れて、極端に炭水化物を取り過ぎれば、その反動はいずれ別のところにやって来るのですから。偏食をせずバランスよくなんでも食べるというのが良いと私は思いますし、食事だけではなく散歩をしたり体を動かすことも大切ですし、ストレスを解放することも大切でしょう。
つづく。
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