日本における幼児死亡率の低さは、とても低い。これが日本人の平均寿命を伸ばしている原因でもある。その理由は、自分に息子が生まれるまでわからなかった。今ならわかる。日本の赤ちゃんは、自治体の見えざる手に守られているのだ。
2週間ぐらい前に、息子の2歳児健診があった。といってもまだ息子は1歳11カ月なのだが、 2月生まれと3月生まれの赤ちゃんたちが、勢揃いして検診を受けるのである。ちなみに、子供が産まれると3ヶ月検診、 6ヶ月検診、 1歳児検診、 1歳6ヶ月検診、 2歳児健診とめじろ押しである。その他にも予防接種や歯の検診などがある。これらのイベントに何らかの理由で参加しないと、村役場から担当者が訪ねてくる。そして、 2か月後に検診を受けるように注意されるのである。ここまで子供に手厚くなっている。子供が虐待されていないかどうか調べるためだろうと言われている。
ちなみに、検診の時に、何度か子供と引き離されて、母親だけで離乳食の作り方とか、そういった講義を受けることもある。その時は、他の職員さん達に子供を預けるのだが、おそらくそのときに、赤ちゃんが虐待されているかどうかチェックされていると思われる。そういうのは、ぷんぷんと空気で伝わってくるので、否応でもわかってしまう。
とにかく日本では、子供たちが自治体から守られているのがよくわかる。これは子供を授かってみると本当によくわかる。母子手帳が発行されると、役場の職員の方が自宅まで訪ねてこられた。そして、夫婦で講習にきませんかと誘いに来られた。わざわざ、妊婦のところまで訪ねてこられるなんて、うちの嫁さんが妊娠するまで考えもしなかった。本当に至れり尽くせりだった。
出産直後、うちの嫁さんが、ちょっと鬱っぽくなったことがあった。その時も、保健婦さんたちが真剣に悩みを聞いてくれた。そしてお医者さんに掛け合って、睡眠導入剤などの薬をもらってきてくれた。その方は、見るからに癒し系の人で、嫁さんの話を聞いてくれるだけで、嫁さんの体調が良くなっていくではないかと思えることだった。電話でのサポートもあったし、いろいろな団体さんを紹介もしてくれた。
そういえば、赤ちゃんの検診の時に、看護学校からの実習生の人たちが来ていて、盛んに赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりもしていた。未来の保健婦さんだろうか? それとも以来の助産婦さんだろうか? そーゆー若手に、現場を体験させてあげるシステムも完璧に見えた。
妊婦さんやお母さんは、いろいろな割引があるのも初めて知った。関東地方限定かもしれないが、赤ちゃんの医療費は一切かからないのも驚いた。病院に行っても、 1円もかからないのだ。だから金がなくて病院に行けないという事は無い。おまけに児童手当ももらえる。これを学資保険に積み立てると300万近くになって大学の学費になるというのも知って驚いたものだ。
とここまで書いて、思い出すことがある。今から25年位前に世界中を放浪したことがあったのだが、こんなに子供に手厚い国は、世界中どこにもなかったと思う。試しにインターネットで調べてみたら、新生児の死亡率の低さは世界第一位だった。乳幼児の死亡率の低さは世界第3位である。やはり、かなり死亡率は低い。
ところがである、 1歳から4歳までの幼児死亡率となると、世界で21番目という低さになってしまう。先進国14カ国の中では、アメリカに次いで下から2番目なのだ。これはあまり褒められたことでは無い。幼児虐待が問題となっているからだろうか? それとも小児科の先生が激減しているからだろうか? 死亡原因の統計を見てみると、不慮の事故と先天奇形が多いようだ。そして心疾患や肺炎で死亡するケースも多い。先天奇形や心疾患はともかくとして、不慮の事故と肺炎だけは気をつけたいと思った。
さて、息子の2歳児健診の結果である。
一言で言うと、太り気味であった。この頃の男の子の平均体重は、 12キロらしいのだが、うちの息子は14キロもあった(身長は88センチ)。明らかに食べ過ぎなのである。おそらくお客さんと一緒においしいものたべすぎたのだろう。そこで思い切ってミルクを減らし、水を飲ませるようにした。すると、恐ろしいことに、どんどんスリムになっていく。出っ張っていたお腹が、数日で、どんどん凹んでいくのだ。これには呆れかえってしまった。
あと面白いのは、スリムになると、運動量が増えるのである。ロビーを走り回るようになったり、 NHK教育放送の幼児番組の体操を見せると盛んに飛んだり跳ねたりする。エネルギーを爆発させるようになってしまった。ますます手に負えなくなってきたが、これが本来の子供の姿なんだろうなぁと、半ば諦めている。
しかし、面白いもので、お客さんが入る週末などは非常におとなしい。こっちが忙しいと、かなりおとなしくなるのがありがたい。しかし、お客さんがいなかったりすると、何となくそれが息子にもわかるらしく、やたらと欲求が多くなるのだ。こーゆーところも、知恵がついてきた証拠なのかもしれない。
つづく。
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