2015年04月20日

遠くからやってくるお客さん

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 遠くからやってくるお客さんについて。当然のことながら1番遠くからやってくるお客さんは、ヨーロッパのイギリスかアメリカのニューヨークだろう。正確に地図で測ったわけではないが、この2つのどちらかが、 1番遠かったと思う。ニューヨークから北軽井沢を目指してやってきたお客さんは、日系人のグループだった。最初は、日本人の団体さんが来るのかなと思っていたが、いざお客さんを迎えてみたら、もろ完全無欠のアメリカ人だった。ご先祖様は日本人だったかもしれないが、心は完璧にアメリカ人である。バス停まで迎えに行ったら、レディーファーストなのか、男性が車のドアを開けて女性をエスコートする。男性が女性の荷物も持ってあげてた。

 うちの宿にはイギリス人のお客さんも泊まりにきているが、そんな光景は見たことがない。レディーファーストといえば、イギリスが本家本元のイメージがあったのだが、少なくともうちの宿に泊まりに来たイギリス人は、そういう人たちはいなかった。もっともバックパッカーだから、そういうことをしないのか、その辺はよくわからない。

 あと、日系人のアメリカ人たちは、宿に着いたら1人がギターを始めた。すると、みんな何やら歌いだしてダンスを始めた。その光景を見たときに、この人たちは日本文化の人たちじゃないんだなと確信した。話は変わるが、うちの宿に泊まりに来たイギリス人で、そんなことをする人たちを見たことがない。そもそもイギリス人は歌わないイメージがある。関係ない話だが一般的なイギリス人の宗教に対する感覚は、日本人に近いものがあるかもしれない。

 ドイツ人が夫婦で北軽井沢に泊まりに来たが、彼らも踊ってなかった。しかし私はドイツを旅行したときに、ドイツ人が歌ったり踊ったりしているのを何度も見ている。バンドのいるレストランで食事をしていると、ドイツ人夫婦たちは、一緒に踊っていたものだ。彼らは日本に来たとしても、踊り出すのだろうか? その辺は非常に興味がある。

 フランス人も、北軽井沢ブルーベリーに何人か泊まっている。フランス人といえば、ちょっとワガママなイメージがあるのだが、うちの宿に泊まったお客さんに限って言えば、礼儀正しくおとなしい人たちであった。見た目も日本人ぽい。それをフランスのお客さんに質問してみたら、フランスという国は混血が進んでいて、アーリア人ぽい外見のフランス人は少なくなっているらしい。

 またフランス人は、フランス語しか喋らないというイメージもあるのだが、うちの宿に泊まっているお客さんに限って言えば、日本語を話す人が多い。イギリス人も片言の日本語を話している。日本語を話せないのは、もっぱらアメリカ人である。しかし、アメリカ人は人懐っこいから日本語を話せなくても、すぐに日本人と仲良くなる。ところが、日本語を上手に話せるヨーロッパ人は、必ずしも日本人とすぐ仲良くなるとは限らないのだ。ある程度、距離を保って接してくる人が多い。

 そういえば、アフリカから来られたお客さんも礼儀正しく静かな方たちが多かった。インドのお客さんも礼儀正しかった。日本人よりも礼儀正しいイメージである。もっとも彼らは、いわゆるエリートなのかもしれない。オーストラリアやニュージーランドからかた来た客さんもいたが、彼らは、同じ英語圏ではあるが、アメリカのような人懐っこさはなかったかもしれない。もちろん日本語は話さない。片言でも日本語を話すのは、たいていヨーロッパ人である。しかしオーストラリアやニュージーランドの人たちは儀正しいのは一緒で、丁寧な礼状を送ってきたりする。ただし英語である。

 アメリカ人は、人懐っこい。すぐにハーイと言う。なぜかドイツ人はハローである。そんな事はどうでもいいとして、アメリカ人も州によって千差万別である。典型的な陽気なアメリカ人は、たいていカルフォルニア州あたりの人が多い。オレゴンとかアイダホ州あたりの人は、少しシャイかもしれない。で、アイダホの人に聞いてみたら、 16分の1だけ先住民の血が流れていると言っていた。彼女(アイダホ人)が、北軽井沢に泊まりに来たとき、偶然にも嬬恋村に住んでいるアイダホ人がいたので、お互い会わせててみたら、嬬恋村に住んでるアイダホ人も、 4分の1だけ先住民の血が流れていた。どうりで背丈が低かったわけだ。で、アイダホ人どうし仲良く話をするのかと思ったら、そんな事はなかった。しかし、互いに無視しているというわけではなくて、シャイで戸惑っている感じである。アメリカ人にも関東と関西の違いみたいなものがあるのかもしれない。

 台湾から来た御客さんは、うちの宿を絶賛してくれたのはいいとして、落書きノートに「北軽井沢は冷たいです」と書かれてしまった。北軽井沢は冷たかったのだろうか? それとも「寒い」が台湾では「冷たい」の意味なのだろうか? ちょっとモヤモヤする。ちなみに台湾の人たちは、昭和時代の日本人みたいな人が多く、なにか懐かしくなる。東アジアでは珍しく控えめで自己主張も少ない。

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 国内で1番遠い所から来た人といえば、沖縄だろう。沖縄の小さな離島から来たお客さんは、電車の旅が好きだと言っていた。大喜びで雪遊びをしていたけれど、想像していたよりも寒くないと感想を漏らしていた。どうやら北軽井沢をシベリアの奥地ぐらいに思っていたらしい。逆に北海道から来たお客さんは、北軽井沢が北海道よりも涼しいのに衝撃を受けていた。北海道民は、自分のところが1番寒いと信じ込んでいたらしく、それでも寒い北軽井沢に驚いていた。

 沖縄と北海道の次に遠方から来るお客さんといえば、九州と四国かもしれない。九州のお客さんは、関東地区に来ると醤油の種類が違っているので衝撃を受けるらしい。九州の醤油は、ちょっと甘いのである。それはともかく、九州のお客さんに「北軽井沢は寒いでしょう」と言うと、そんな事は無いという返事が返ってきたりする。どうやら阿蘇や湯布院あたりでは、北軽井沢並みに寒いらしいし、地域によっては大雪も降るらしい。

 さて四国だが、同じ四国でも、高知県と香川県では別の種族である。香川県や徳島県は大阪に近いけれど、高知県ともなると北九州よりも遠いイメージがある。それだけに、遠いところからよく来たなあと思う。

 思い出深いのは、東京からやってきたお客さんである。どこからきたんですか?と尋ねると、東京ですと答えていた。しかし、何か話が噛み合わない。変だなぁと思って、よくよく聞いてみたら東京は東京でも小笠原諸島だった。小笠原ユースホステルのマネージャーや、母島ユースホステルのマネージャーも北軽井沢に泊まりにきている。考えようによっては、彼らが1番遠い所から来たお客さんなのかもしれない。ロンドンやニューヨークよりも、確実に時間がかかるわけだから。

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つづく。

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posted by マネージャー at 15:18| Comment(6) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする