2015年04月27日

車でやってくるお客さん

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いつだったか、トヨタ車ファンとホンダ車ファンが、大論争をしていた。話の内容はほとんど覚えていないが、ライフスタイルの違いから大論争になっていたのを覚えている。新車派と中古派との論争もあったが、それもライフスタイルの違いから出た論争だった。そうなのだ。車選びはライフスタイルと直結しているのだ。

どの車に乗るか?
どんな車種を選ぶのか?
どのメーカを選ぶのか?

それらの選択肢は、選ぶ人のライフスタイルと連動しているのである。例えば、うちの嫁さんに、ベンツがどれほど素晴らしい車であるかを語ってもあまり意味がない。うちの嫁さんにとっては、スーパーの駐車場で車庫入れが楽な軽自動車にしか興味がないのである。そういう意味で、マイカーで、うちの宿に泊まりに来るお客様のライフスタイルは、もろに車と直結している。

以前、タクシーが何日も家の駐車場に駐車していたことがあった。一体誰だろう?と思っていたら、うちのお客さんだった。普段は個人タクシーをしているのだが、ついふらりと仕事用の車で北軽井沢にやってきたのである。こうなると、私の目はキラキラと輝きだす。タクシーの運転手と一晩語り合えるからだ。もちろん夜遅くまで盛り上がった。しかし考えてみたら、仕事を忘れて北軽井沢に来ているのに、仕事の話をいろいろ聞き出してしまって申し訳ないことをしてしまった。

宿をやっていると、このような事は何度も起きる。正月の何日間か、赤帽の車が何日も駐車場にあった。業者さんの配達なのかな?と思っていたら、やはりうちのお客さんだった。年末にお歳暮の配達を終えて、ボロボロになって北軽井沢にきたのである。また、私の目はキラリと輝きだす。赤帽さんの仕事の話を聞きたくてしょうがないのだが、せっかく仕事を忘れて北軽井沢に来ているので、聞きたいのはやまやまだったが、聞くことができなかった。

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このように、会社の車や仕事の車で来るお客さんは、意外と多い。マイクロバスでやってくるお客さんも年20人ぐらいいる。うちは駐車場だけは広いので、マイクロバスで来るお客さんも多いのである。もちろん60人乗りの大型バスでやってくるお客さんも多い。しかし、 60人乗りの大型バスになると、運転はへたくその場合、びびって駐車場に入れない人もいる。運転手さんが、この駐車場は、大型バスの入れない駐車場だとお怒りになるのだが、すでに何十台も入っているといっても納得してくれないのだ。だから、最近は予約のときに運転が下手だと家の駐車場には入れませんと、あらかじめ断っている。

ちなみにバスの運転手さんの話は、面白い。今まで1番大変だった事は?と聞くと、警察官の団体さんの貸切が1番大変だったと言っていた。車内で酒を浴びるように飲み、もっと飛ばさないと逮捕するぞとギャグを飛ばしてくるらしいのだが、運転手にしてみたらシャレになってないとの事。その次に大変だった事は聞いたら、青森県の高齢のお客さんを載せたときだという。津軽弁が全く分からなくて、何をどうすればいいのか本当に困ったらしい。

 バスではないが、4トンロング車で来るお客さんもいた。しかもファミリーだった。逆にレンタカーよりも燃費が高くつくのではないかと人ごとながらに心配になっちゃものだ。彼らは、いわゆるトラック野郎なのだろうか?

 そういえば、公道レースを走るレーサーが来たこともあった。 2台でやってきて、 1台はレーシングカー。 1台はハイエースである。そして、駐車場にタイヤを置かせてくださいと言ってくる。はいいですよと言うと、早速タイヤを交換し始めるのである。そして、夜の3時ごろになると出かけていって、いつの間にか帰ってきている。一体どこでレースをやっているのか?私にはわからない。公道レースがたびたびあるのは全国でも嬬恋村だけでは無いだろうか?

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 キャンピングカーが来ることもある。で、不思議なのだが、キャンピングカーなのになぜうちの宿に泊まるのだろうか? ちょっとよくわからない。それはともかくとして、中にはキャンピングカーに住んでいて住所不定の人もいた。厳密に言うと、住所はあるらしい。土地を持て行って、郵便ポストもある。 家もある。けれど、その家が週末になるとあちこちに異動するのである。仕事が忙しくなると、会社の駐車場に移動して、そこから出勤するらしい。これはすごいなと思ったのは、小さなトラックを改造して、自分でハンドメイドのキャンピングカーを作った人である。しかも折りたたみ式のキャンピングカーであった。

 意外に多いのが、軽トラで来る人たちである。佐渡島から軽トラできた人もいた。工具や農機具を積んだ軽トラできている人たちもいる。農業体験をしたくてやってくるのだ。なかにはジプシーのような農業体験希望者もいる。その昔、北海道の富良野にあるユースホステルに泊まった時、軽トラできたお客さんがいた。宿のマネージャーが、農業体験してみたい人いますか?と聞いたら、軽トラのお客さんはやる気満々で手を上げていた。すごいなぁと感心したものだが、全国のいたるところに異動しては農業体験をしているらしい。うちにもそういうお客さんが、よくやってくるが、そういうお客さんには、北軽井沢の信号のところにある久保農園を紹介している。

 ハイエースやキャラバンでやってくるお客さんもいる。大家族でやってくるのではなく、カップルで来るお客さんだったりする。カップルなのに、どうしてハイエースたのかはよくわからない。燃費がかかってしょうがないだろうと思うのだが、そんな事は気にしていないようだ。なかには一人旅なのにハイエースでやってくるお客さんがいる。そして荷台にはバイクが積んであったりする。

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 オープンカーでやってくるお客さんもいる。さすがにオープンカーはかっこいい。思わず見学に行ったりする。そしてお客さんに「かっこいいですね」と言うと、でも寒いですと答えてくる。本当は寒くてガタガタ震えているのだが、「かっこいいですね」と言われたいがために頑張っているのだそうだ。特に大型バスの後ろで信号待ちをしているときなどは、排気ガスなどで苦しいらしいのだが、通りがかりの女の子が「かっこいいね」と囁く言葉に勇気づけられるので、頑張れるそうだ。その気持ちはよくわかる。

 また、クラシックカーでやってくるお客さんも、結構多い。クラシックカーなので、よくトラブルを起こす。さぁ宿を出発という時に、エンジンがかからなくなっていることがよくあるのだ。その都度、近くのJAFを呼ぶのだが、出発前のトラブルで良かったと思う。これがもし走行中のトラブルだとしたら、大変なことになってしまうからだ。それにしても、 50年以上前の車をよく手に入れたものだ。

つづく。

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posted by マネージャー at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする