最初は、もっぱら木道と階段ばかり歩かせました。そうしないと好奇心が強すぎて、枯葉や枯れ枝をさわって、トゲが刺さるなど大変なことになるからです。幼児の皮膚は柔らかいので、大人ならなんでもない枯れ枝でも、トゲとなってささってしまう。そのたびに毛抜きでトゲをとってあげるのですが、2歳6ヶ月だと必ずしも協力的とはかぎらないので、これが大変な苦労なんですね。
関係ないけれど、幼児のお子さんに登山させるつもりがある御両親に言っておきますが、毛抜きと傷パットと日焼け止めは必修ですからね。予備の靴と靴下と着替えも必要です。不意をついて水たまりに飛び込んだり、水遊びしたりしますからね。もちろん甘い物やジュースも必要です。電池切れを防ぐためです。幼児は筋肉量や内臓が未発達でエネルギーを蓄えにくく、大人より早く低血糖を引き起こしますから、頻繁に栄養補給が必要です。
また、うちの息子は、4時間くらい登山すると、その後に死んだように熟睡・爆睡します。2時間はたっぷり寝ます。そうしないと体力がもたないんでしょうね。はやく身体を回復させるためには、直後の睡眠が必要なんでしょうね。
前置きはこのくらいにして本題に入ります。2歳6ヶ月の息子を毎日のように山に連れて行って思ったことは、登山の上達が早いことです。日に日にバランスの取り方がうまくなります。もちろんうちの息子の場合、1歳6ヶ月くらいから毎日のように浅間牧場を歩いていたからかもしれませんが、それを1年間つづけるよりも、たった1週間の登山三昧の方が、圧倒的に逞しくなっています。何度も牧場を散策するより、数回の登山の方が圧倒的に体力がアップするんですね。
というのも、1週間くらい登山させた後、息子を浅間牧場を歩かせてみたら、以前とは大違い。別人のように体力が付いていたからです。しかし、よく考えてみたら1週間くらいで体力がつくわけがない。なので、観察してみたら体力というよりコツをつかんでいたようなのです。反射神経がよくなって、無駄な動きが少なくなった結果、階段をスイスイと登ったり、坂道を楽々と登るようになったんですね。
で、こうなると道草が少なくなってくる。以前は、石ころを拾ったり、草花をさわったりで、なかなか前に進まなかったのですが、すいすい歩くようになったとたんに、道草が減ってきて歩行速度が速くなるんですね。で、思ったのですが、二歳児が道草を行う理由の大半は、疲れた身体を休ましているのかもしれませんね。
煩悩のかたまりである幼児は、嫌なことはやりたがりません。そこが大人と違っているところです。なので、歩きたくなくなったら石ころをさわるなどの道草をして休もうとする。私は「道草」は好奇心なのかな?と思って根気強く見守っていたのですが、あれは休憩だったのかもしれません。
まあ、そんなことは、どうでもいいとして、登山が楽しくなると全て自分で歩きたがるようになります。これが親としての不安のタネです。おんぶもダッコも嫌がりますから、危険地帯にくるたびに冷や冷やします。もちろんフードや背中をしっかり握って離しはしませんが、それにしたって不安は不安。
なので幼児用のハーネスを買うことを決意し、インターネットで検索してみたらびっくり。私の知っているハーネスと違うのです。そもそも登山用ハーネスというものは、足と腰をベルトで固定するのですが、インターネットで売られている幼児用ハーネスは、小さなリュックサックにヒモがついたもの。
「これ、ハーネスじゃないだろ?」
と思いつつ、よくよく考えてみたら便利かもしれない。登山用ハーネスは、前にヒモをつけるのですが、インターネットで売られている幼児用ハーネスは、うしろにヒモがついている。親としては、後ろから息子を見守りたいので、こっちの方が便利かも知れない。しかし、足ベルトが無い事やヒモの強度などに不安があるので、最低限の改造が必要でしょう。
最後に「どうやって2歳児を登山好きにさせたのか?」という質問を複数の方から頂いているので、簡単なコツみたいなのも述べておきます。このブログをずっと読み続けている方なら、もう察しがついていると思いますが、2歳児を登山好きにさせる方法は、しごく簡単です。
山を歩かせなければいいのです。
私は、息子が生後3ヶ月の頃から1歳6ヶ月くらいまで、息子に山歩きをさせず、ただ、ひたすら息子を背負って山登りや浅間牧場の散策をしていました。息子は、キャッキャとハイテンションで喜んでいましたが、ある日、突然、背負子から降ろして浅間牧場を歩かせたら、もう二度と背負子には乗ってくれなくなりました。肩車もダッコも拒否です。
背負子から見るだけから、歩く楽しみを知ってしまった息子は、もう後戻りはできません。しかし、ここで苦しい山登りを体験させては駄目で、まずは芝生に覆われた浅間牧場。つぎに木道です。そしてなだらかな山。最後に、本格的な登山です。順序さえ間違わなければ、子供は山を嫌いになるわけがありません。
文章が長くなったので今日は、これくらいで筆をおきますね。
いつか、(体験的)幼児のための登山論を発表したいと思います。
つづく。
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