
大佐渡スカイラインで、佐渡島の展望を楽しみつつ、
大平高原や乙和池を見学しつつ、下山していくと佐渡金山に到着します。
けれど今回は、それをスルーして、外海府に向かいました。
歴史が好きならば、金山によらない手は無いのですが、うちの嫁さんは、歴史よりも海の方を見たい口なので、今回は、神社仏閣や金山といった歴史に関係ある観光は封印です。嫁さんの希望もあって、ただひたすら、海を眺める旅行になりました。
これが私の一人旅なら、城跡とか名所旧跡巡りになるのですが、今回は息子と嫁さんに海を見せるのがテーマなので、私の歴史に関する解説は、これから後も全くありません。ちょっともったいないですね。ちなみに、金山といえば、佐渡をロケにしたサスペンスで定番なシーンが、金山の洞窟でおきるクライマックスです。かならず犯人が主人公を金山の洞窟で殺そうとするんですが、すると『ちょっと待った!』と刑事さんたちが登場する。洞窟においてある鉱夫の蝋人形(まねきん?)が、突然、動き出して、実は刑事さんだったというオチなんですよ。
まぁそんな事はどうでもいいとして、車を走らせると、磯の香がするのが佐渡島の海岸道路です。下の写真を見てもらうとわかりますが、道路に稲を干す柱がたくさん並んでいます。これが佐渡島の原風景で、子供の頃は、このような柱をたくさん見たものですが、今では佐渡島でも外海府(そとかいふ)くらいでしかいられません。
下の写真を見てください。
途中、巖に墓があったりします。
海岸沿いに墓があったり、崖下に墓があったりします。
そして、それらの墓にしおれてない新しいお花が飾ってあったりします。
下の写真は、海府大橋です。
この橋ができるまで、佐渡島の外海府は、知床岬にも匹敵するほどの秘境であり僻地でした。車はもちろん人が歩くのも困難な場所で、昭和30ー40年代の登山ガイドブックにも掲載されていたくらいです。
この海府大橋ができたのが昭和44年(1969年)で、私が小学校1年生の頃です。それまで佐渡島を1周する道路はなかったのです。外海府ユースホステルのある岩谷口から船に乗らないと隣の集落まで行けませんでした。いわば隣の集落は、佐渡島のチベットだったわけで、映画『喜びも悲しみも幾歳月』にも秘境の灯台として、ロケ地にもなっているくらいでした。それが今や簡単に行けてしまうのですから驚きます。
ちなみにこの海府大橋の下に、落差100メートル以上の大瀑布、大ザレの滝があります。そのすごさは、見る者を感動させます。これを見るためには海から船で見る以外に手段がないと言われていますが、実は簡単に見られる方法を私は知っています。海府大橋のつけねから、降りるルートがあるんですよ。危険なのでこれ以上は具体的に言いませんが、地元民でも知っている人はほとんどいない秘密のルートがあって、大ザレの滝がみられるのです。おまけに、その先に、秘密の洞窟があって・・・・おっと、これ以上は、やめておきます。
ところで佐渡島には、観光ガイドには全く載ってない大瀑布がかなりあります。しかし地元民もほとんど知りません。無関心なのです。で、その中の1つに7段の滝というのがあります。沢装備にロープを持っていかないといけないところにあるのですが、これもまた落差100メートル以上の滝が7段にわたってあるんですね。場所は外海府ユースのあるところから、 2時間ぐらい歩いたところです。もちろん登山道もありませんので命がけです。これも地元民がほとんど知らないと思いますけれどね。
でも、知らなくていいんですよ。
下手に知られたら、頭の悪い観光業者に開発されてしまうかもしれませんから。
佐渡島の秘境は、もうちょっと眠らした方が良いと思います。
海府大橋からしばらく車を走らせると、大野亀に到着しました。ここは、 7月ごろになるとカンゾウが咲き乱れる別天地になります。それは美しい光景で、何時間も見とれてしまうほどの場所ですが、残念ながら花の季節は終わってしまっていました。
奥に見えるのは、 2つ亀です。中学時代や高校時代に、よく自転車で訪れたところです。今はどうかわかりませんが、私は高校生のデートスポットでもありました。というのも、その辺あたりの集落は『願』と言うんですね。何かを願うために2つ亀に行く人たちがいたわけです。ちなみに、ここも秘境の1つで、 2つある島の奥のほうには、非常に面白いものがあるんですよね。見た人は驚くと思いますが、そこまで歩いていく人は皆無なんですね。だから、佐渡島の地元民も、何があるのかを知らと思います。なので、ここではあえて何があるのかは書きません。行った人のみが、『なるほど』と感動してください。ちなみに今回は、私たちはそこまでたどり着けませんでした。時間切れでした。
下の写真は、外海府ユースホステルです。実は、 このユースホステルの初代ペアレントさんとは、私がユースホステルを始める前から、非常に仲良くさせてもらっていました。もうお亡くなりになっていますけれど。だから今回、このユースホステルに泊まってみたかったのですが、運悪く新潟県のペアレント会と日程が重なって、泊まることができませんでした。外海府ユースホステルの初代ペアレントさんは、佐渡島のことなら何でも知っている生き字引のような人でした。山も海も知り尽くしていて、人間国宝にしてもいいくらいな人だったんですが、お亡くなりになったのは残念です。
ここが外海府の砂浜です。
下の写真はレストラン海鷲跡地です。
佐渡島でもっとも美しい展望がのぞめるレストランだったのに廃墟になっていました。ああ、もったいない。大正時代を思わせる屋形で、味が合ってよかったのに。そのレストランでは、海軍珈琲なるものが、メニューにあって、ためしにたのんでみたらネスカフェがでてきました。280円でした。マスターは、佐渡弁がつよくて話が通じなかったですね。そういえば、佐渡に来た当初、やたら中国語みたいなものが聞こえてくるので「佐渡にも外国人が増えたなあ」と思って耳をすませてみたら中国語ではなくて佐渡弁でした。
で、この日に泊まったのが佐渡ベルメールユースホステル。
嫁さんが希望した「海の見えるユースホステル」です。
徒歩50メートルでプライベートビーチまであります。
とても綺麗で、オシャレなユースホステルでした。
全室が和室でエアコン完備です。
すごいのが食事。
これ、東京で食べたら何千円とられるだろうか?
これはブリカツ。
ブリをカツにするなんて、なんて贅沢な料理。
というかもったいない・・・と、思ったら美味しい!
最高に美味しい!
ご飯は、かに御飯。
いつもはサザエ御飯だそうです。
味噌汁もカニづくし。
当然のことながら、ビールをたのみました。
大瓶3本飲みました。
もちろん、他にも御客さんがいました。
2ヶ月間も連泊している御客さんが・・・・。
何か分かるような気がします。
私もリタイアしたら、こういうところで2ヶ月くらい連泊してみたいから。
ちなみに、女将さんと、若女将。
女将さんには、すでに2回ほどあっていて、
「北軽井沢でユースホステルをやってます」
と言うと
「佐渡の人なら、どうして佐渡でユースホステルをやらないの?」
と言われたことがあります。当時は、
「いやいや、ライバルが増えるでしょ・・・困るでしょ」
と、思ったものですが、このレベルの食事を出せるライバルは、簡単にはあらわれないだろうなあ? だって、あきらかに元がとれてないですから。ちなみに下の写真が、若女将の御主人。
これが朝食です。
美味しかったです。
とても良い宿だったので、ちょっと紹介してみました。
海産物が苦手な人には向きませんが、
海の幸が大好物という人には天国みたいなところですね。
おまけに佐渡では珍しい全室オーシャンビュー。
徒歩0分で海岸。
尖閣湾まですぐそば。いいところですよ。
つづく。
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