春といえば、毎年自治体が行っている癌に対する健康診断がありました。 3歳になったばかりの息子を連れて、夫婦で健康診断に行ってきたのですが、 3歳ともなると、かなり空気が読めるようになるので、息子はおとなしく椅子でずーっと待っててくれました。
面白かったのは、今年からポイントカードが付いたことです。がん検診の1つ行うとポイントカードにスタンプが押されてます。 4つのがん検診を行うと、 4つのスタンプが押されて、次のがん検診が1回だけ無料になるか、もしくは万歩計がもらえるシステムになっていました。要するに、自治体はできるだけ多くのがん検診を住民にさせたいわけですね。
そういえば、同じペンションの仲間で癌でお亡くなりになった人がいましたが、その方はいちども健康診断を受けてなかったです。そのために、癌の病気がわかったときには.もう手遅れでした。このような悲しい出来事を防ごうと、自治体も必死なんでしょうね。
健康診断が終わってから、 1週間ぐらいがたつと、特定健康診断があります。いわゆるメタボ診断です。めんどくさいと言ったらないですが、これも村民の義務なので、3歳の息子を連れて夫婦で出かけました。
特定健康診断というのは、体重身長などを測り、血液を検査し、食生活をチェックして、心電図や血圧をはかり、メタボにならないように指導するための検査です。非常にめんどくさい検査で、あちこち移動するために、私は息子の手を引っ張りながら検査を受けます。
うちの息子は、非常に行儀が良いので、その辺の椅子に座らせておいても、静かに座って待っているのですが、周りの大人達はそれを許しません。3歳児というものは、ちょっと目を離すと、どこにでも行ってしまうものだと言う概念があって放置すると怒られてしまうので、仕方なく私が息子の手をつなぎながら移動します。
例えば、体重をはかる時など、カーテンの中に一緒に入るときにも、息子を一緒に連れて行きます。外で待たせてもいいんですが、 一部の大人たちがハラハラするらしいんですよね。で、この特定健康診断では、いろいろなことを聞かれて、その都度、書類に記入されていくんです。
朝食事をしたかどうかとか、
どんな薬を飲んでるかとか、
普段の血圧はどうなってるかとか、
まあいろんな事をしつこくしつこく聞かれるわけです。
いい加減うんざりしながら答えるわけですが、
「何歳ですか? 」
と聞かれたので、
「 54歳です」
と答えました。
すると係りの人は、
「いえいえ、坊やの年齢です」
「・・・・・」
息子はこういうところに来ると、たちどころに空気を読んでおとなしくなるんです。これは宿屋の子供たちの特徴かもしれません。毎日いろんなお客さんがやってくる中で、瞬時に空気を読んで、お客さんに合わせる作業は、私も家内も日常的にやっているので、息子もそれを真似しているんでしょう。
そのせいか、係りの人やお医者さんが、本来なら必要のない息子のお腹にまで聴診器を当てたりしてくれました。うちの息子は、いつもこのような調子で、ちょっと得をします。もっとも本人には、まったく自覚はないでしょうけれど。
そういえば、私も、礼儀正しくて、お行儀の良い子供さん達が泊まりに来ると、ガンガンサービスしちゃうなぁと、人のことは言えないなぁと思ったりします。本当はこういう事はあってはいけないんですが、そこは人間ですから、可愛いらしい子供さんを見ると、ついついデザートで頑張ってみたりしてしまいます。これはどこの宿さんでも一緒でしょうけれど。
それはともかく、 54歳ともなると、食事に対する考え方が若い頃とずいぶん違ってきてますね。オープンの頃から、 15年前からうちの宿に泊まっているリピーターさんなら分かるかと思いますが、うちの宿は10年くらい前までは、お客様にキャベツを出してなかった。日本一のキャベツの産地であるにもかかわらず、オープンしてから5年ぐらいはキャベツを出さなかったんですね。その理由は、キャベツを徹底的に研究した結果、野菜の中でもキャベツは最も多くの農薬を使うことがわかったからです。
だからキャベツを出さなかった。
私自身もキャベツが好きじゃなかった。
それに、キャベツは、何か安っぽい感じがしたんです。
野菜の中でも1番安いのがキャベツ。
それをてんこ盛りに出すのに気が引けたわけです。
しかし現在は、キャベツをじゃんじゃん出しています。キャベツの美味しさを知ってしまったからです。嬬恋村には市場に出回らない幻のキャベツや、伝説のキャベツがあって、これがまた美味しいんですよ。一口にキャベツと言っても、いろんな種類があって、料理ごとに使うキャベツは違ってくるんですよ。
しかし、もっと本音を言うと、キャベツが癌に効くからです。癌に対する最強の野菜と言われています。特に、乳癌や肺癌、膀胱癌、前立腺癌、大腸癌などの癌に効果があるとされている野菜なんです。ニンニクの次に各種の癌に効果があると言われています。ちなみに3番目に癌に効き目があると言われてるのが、人参なんです。
私も54歳ですから、似たような世代の友人が、数多く癌で亡くなっています。明日は我が身ということを考えると、キャベツを食べないわけにはいかないのですね。
また、うちのお客さんの中にも、何人かが癌で亡くなっています。
癌を発病したけれど完治した人もいます。
それを思うと、お客さんに、キャベツやニンジンやニンニクを出さないわけにはいかない。だからうちの味噌汁は、人参や白菜や大根がたっぷり入っています。どれも癌に効果のある食材です。というか、最強の癌対策野菜です。もちろんキノコもたっぷり入っています。こいつも癌にいい。だから、癌が気になるなら、うちの朝食の汁物をたっぷりお代わりしてほしいです。
ニンニクは、直接出すわけにはいきませんから、ステーキソースにこっそりまぜてあったりします。たまにお茶会で、にんにく揚げを出したりもします。
料理もこの数年間でずいぶん変わりました。昔は、 1人あたり250 gの肉を焼いたこともありましたが、今はやめて、少量にして品数を増やしています。小さな皿を10皿以上、出すようになりました。少量のおかずを多数出すようになったのも、健康を考えてのことです。夕食だけで 30品目を食べられるようにメニューを変えたんです。
もちろん豆腐は必ず出します。
リピーターのみなさんは、毎回豆腐が出てくるのに不思議に思ってるかもしれませんが、豆腐に含まれるイソフラボンはガン細胞の増殖を抑制するんです。豆腐などの大豆製品を多く摂取している人は乳ガンや前立腺癌になる率が低いことは有名な話です。
私は前立腺がんの疑いで入院したことがあります。結局なんでもなかったんですが、それ以降、毎日豆腐を食べるようになりました。また、私の母親が骨粗しょう症になったこともあって、嫁さんにも豆腐を食べるように勧めています。なぜならば、イソフラボンは、抗酸化作用や抗腫瘍効果があるうえに、骨粗しょう症を予防したり、コレステロールを下げる効果があると言われているからです。
話は飛びますが、息子が産まれてから、この3年間。食事について色々考えさせられることが多くなりました。子供が生まれると、食事に対して勉強することが多くなります。特にアレルギーを持っているお子さんのお母さんは、なおさらだと思います。そういうお母さんは、素晴らしいお食事をお子さんに作っているんですよね。 3歳児健診の時に、メニューが素晴らしいと先生にほめられたりするわけです。
逆に、全くアレルギーのないお子さんのお母さんは、パンと牛乳ばかりだったりして、先生から注意受けたりするんですね。
つまり健康だと健康のありがたみが、今ひとつわからなくて、ついつい食育がおろそかになったりする。むしろ、 1つぐらい病気があった方が、健康に対する危機意識を持てるために、食事に気を付けたりする。
年をとっていくと、体にガタが来たり、友人が病気でなくなったりしますので、どうしても健康を考えてしまう。だから、息子が生まれた時にも健康であればそれでいいと考えたし、宿屋の料理も、どうしても健康を中心にメニューを考えてしまいようになる。食育を考えるようになってしまうんですよね。
つづく。
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