ところで、このことは書こうか、書かないでおこうか散々迷ったのですが、さんざん迷ったあげくの上に、今日書くことに決めました。
実は嬬恋村は、今年から保育園も幼稚園も給食も小学校で使う教材も無料なんですよね。と、こんなことを書くと、幼児のお子さんを持つ全国のお母さんたちが、激怒するんではないかと思ったので、ここに書く気が起こらなかったんですよね。
うちの宿には、子連れのお母さんが、たくさん泊まりにきてくれますが、多くのお母さんたちが、毎月10万円くらい払ってお子さんを幼稚園に入れているのをしているために、どうも書く気になるなかったんです。息子の入園式の晴れ姿を、ブログでアップする気にはなれなかったんですよね。
嬬恋村は恵まれているけれど、全国的には珍しいケースであって、多くのお母さんたちは、非常に困っておられる。現にスタッフとして、時々 、ボランティアで宿を手伝ってくれる土井くんのところも、幼稚園に 10万円くらいかかると言っていました。土井くんは、埼玉県の浦和に住んでいるんですが、周りには私立の幼稚園しかないんですよね。だから彼は苦労しています。これは、都心部ならほとんどのお母さんが抱えている悩みなのではないでしょうか?
それに比べて嬬恋村のお父さんやお母さんたちは本当に恵まれています。嬬恋村くらい子育てのしやすい村はないかもしれません。うちの嫁さんが妊婦の時も、わざわざ役場の職員の人たちが、家庭訪問に来てくれたこともありましたし、幼児や子供のためのイベントも盛りだくさんにあります。いろんなことが、至れり尽くせりで、これぐらいに恵まれている村は全国的に見ても珍しいかもしれません。だから、ちょっとブログには書きにくかったんですよね。
で、今日、その実態を書こうかなーと思ったのは、観光協会の会議で、その現実を知らない人たちがいたからです。全国が嬬恋村と一緒だと思ってる人たちがいるんですね。都会のお母さんたちが、幼稚園に毎月10万円を払っているという話をしたら、信じないんですよ。
『そんなわけないよ』
と私自身が笑われちゃうわけです。
嘘つきにされちゃうわけです。
3人の子供を育てているお父さんが、信じてくれないんです。
幼稚園10万円もかかるわけないだろうと思っているわけです。
嬬恋村は10万円どころか、無料なんですよ。
無料の送迎バスがあって、
給食費から教材費まで無料なわけです。
そして、 1クラス13人。
おまけにこども園ときたら、やたらでかいんです。小学校を改造しているわけですから、ものすごく大きい。その辺にある児童公園の10倍ぐらいは広い敷地に、大量の遊具が並んでいる。にもかかわらず子供たちが少ないために、ものすごい勢いで遊んでいるのですね。幼児たちが、鬼ごっこをしていたりするんですが、全力疾走で100メートルぐらい走り回ってても息を切らしてないんです。なかには、小学校で使っていたと思われる椅子や机を担いで走り回ってる子どももいたりする。要するに野生児なんです。
こども園が、野生児養成所になっている。
うちの息子も、毎日のように小浅間山に登ったりするので、かなりの野生児だと思っていたら、とんでもない、とんでもない。毎日こども園に通っている子供たちも、うちの息子に負けず劣らず野生児なんです。なにしろ元小学校の運動場の大半が、わずかな数の幼児たちの遊び場になっているわけですから、広いこと広いこと。そこで、鬼ごっこなんかすれば、幼児たちの運動能力は、半端無いわけです。もう少しで逆上がりができそうな幼児たちが、鉄棒にぶら下がって楽しそうに遊んでいるわけです。目が点になりました。
どうりで嬬恋村には、児童公園が無いわけです。児童公園がないから、私はわざわざ息子を軽井沢まで連れて行って、軽井沢の児童公園で遊ばしていました。だからうちの息子は、軽井沢の幼児たちといっぱい知り合いになっています。要するに軽井沢は、児童公園が必要なんですね。しかし嬬恋村は必要ない。巨大なドッランみたいなところで、犬ならぬ幼児が走っている。
とにかくこの村は恵まれすぎています。おそらく日本でいちばん子育てのしやすい村では無いかと思います。けれど地元民が、恐ろしいほど気がついてないんですよね。当たり前だと思っている。今日、それに気がついたために、あえてこの文章を書く気になった次第です。田舎と、都会では、こうも違うものかと。
つづく。
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