ちなみに、こども園の先生方も素晴らしい方々で、毎日細かい報告を電話でしてくれます。下手したら親の私たちよりも息子のことをよく観察しています。私が子供だった頃よりも100倍以上って手厚く保護されていますね。私が保育所に通っていた頃は、こんなに手厚くなかったです。だから息子を託児所に預けても託児所が素晴らしいと思えたんでしょうね。
今から50年ぐらい前の保育所は、現在の託児所と変わらなかったと思います。
下手したら現在の託児所の方が50年前の保育所より手厚いかもしれません。
逆に言うと、待機児童が問題になっている原因は、
保育所が手厚くなったために
人手が足りないためでは無いかと思えてきました。
前にも書きましたが、50年前に私が保育所に通っていた頃は、何か工作をするときに家庭から持ってこさせるような行事があったときは、保育所の先生は、幼児に対して持ってくるように言っていました。当時はコピー機もないし、わざわざプリントを印刷する手段もない。電話だって普及率は半分以下だったと思います。もちろん私の家にも電話はなかった。迎えに来る人だって必ずしも親とは限らない。近所のお母さんが、ついでに連れてかえるケースもあるし、どうしても伝達手段が保育園児に限られていたわけです。
例えば、翌日に七夕飾りを作る行事があった場合は、幼児に笹竹と折り紙を持ってくるように言っていたんです。当然のことながら、忘れてくる子どもたちもいます。私もその1人です。で、忘れてしまって、笹も折り紙も持ってこなかった私は、他の子供達が七夕飾りを作るのをじっと見ていました。
問題が起きたのは、保育所からの帰り際です。私の祖母が、自分の孫だけ七夕飾りを持ってないのに怒りだしたわけです。慌てた保育所の先生は、大急ぎで保育所の裏にある笹竹を私と一緒に取りに行ってきて、 3分ぐらいで七夕飾りを作っちゃって、それを私に持たせ、
「おばあちゃんには自分が作ったって言うんだよ」
と言ったわけです。もちろん私は先生との約束を守って、自分がこの七夕飾りを作ったと言い張ったのですが、そんなことが自分の祖母に通用する訳がなく、祖母はますます激怒していきました。
ここで重要な事は、 50年前の佐渡島の保育所では、折り紙と笹竹の用意は、子供達に直接言っていたという事実です。今では考えられないことですが、当時は、こういう事が通じたんだと思います。当時、保育園児だった私自身も、これによって忘れ物をしたらどうなるかということを経験できたので、貴重な体験だと思っていました。だから私は保育所の先生との約束を守ったんだと思います。当時の私にしてみたら、祖母の方が、モンスターペアレントに見えていたと思います。
しかしこの体験も、現代の価値観からしてみたら、180度変わりますね。
コピー機や電話が発達した今の世の中なら、物忘れをしがちな園児に、七夕飾り用の笹竹と折り紙を持って来るように言うこと自体が信じられない行為であると思うし、忘れ物した園児に七夕飾りを作らせないと言うことも問題になる行為かもしれません。なにより
「おばあちゃんには自分が作ったって言うんだよ」
と園児に嘘をつかせた行為は、大事件に発展するかもしれません。そういう意味では、1960年代の保育園というのは、のどかな時代だったのです。
まぁそんな事はどうでもいいとして、本題に入ります。
息子がこども園に通うようになると、ショックを受けますよと、いろいろな方々から忠告されてはいたんですが、その意味がようやく分かってきました。こども園に通いだして間もなく、息子がトイレに入るたびに
「最高だぜ」
と雄叫びをあげるようになりました。年配の園児の真似をしてるんでしょうね。このほかにもいろいろな言葉を覚えてきています。良いも悪いも、上品な言葉も下品な言葉も覚えてきます。世の中のお母さんたちが、こどもの友人を選びたがるのは、こういうことが影響しているんでしょうね。
以前、子供は育てたようにしか育たないと、このブログに書いていますが、こども園に通いだしてからは、これが別の意味に作用しますね。今までは、なんだかんだと言って親の影響が大きかったのですが、これからはこども園の影響も大きくなってくると思います。トイレで「最高だぜ」と絶叫する息子を見るたびに、そう思うようになりました。
ただし、私はあまり心配をしていません。うちは自営業なので、親の方が圧倒的に息子に接する時間が長いんです。息子は、こども園から帰ったら、楽しそうに親の仕事の手伝いをします。ベットメイクをしたり、ワックスをかけたり、ゴミを片付けたり、何でも親子で一緒にやります。多少邪魔なのは仕方がないとして、 0歳児の頃から息子は、ずっと一緒に仕事をしていました。でも息子にしてみたら、遊んでるのと一緒なんです。
動物学をやった人なら、こんな事は常識なんですが、いかなる野生動物も子供は親の真似をしながら成長します。しかも親と遊びながら成長します。ライオンも狼も狐も、子ども遊ばせながら教育するわけです。だから私も、遊びながら息子と一緒にベットメイクしたり、客室の掃除をしています。息子と遊びながら、時には叱りながらやっています。これがいつまで続くのかわかりませんが、行けるところまで行こうと思っています。
話は変わりますが、現在ゴールデンウィークのお客様を迎えるにあたって、毎日忙しい日々が続いています。まず、 1,000坪もある庭を整備しなければいけません。大きな花壇を耕して土を入れ替えて、肥料を入れて、花の苗を植えるわけですが、これが大体、毎年5万円から8万円位かかるんですよね。しかも1週間ぐらいの肉体労働が必要なんです。
もちろんその作業をしている最中に息子もそばにいて、手伝おうとしてきます。どうしても子供は親の真似をしたがりますので、私が車輪で土を運んでいると、息子も一緒になって運ぼうとします。スコップやクワで土を耕していると、息子もそれをもって耕し始めます。それはいいんですが、先ほど苗を植えたばかりの花壇を踏みつけたり耕したりするので、邪魔で邪魔でしょうがない。
しかし邪魔だと言えないのが辛いところです。
もし言ってしまったら最後、息子は二度と手伝わなくなります。
そういうものなんですね。
いったん息子から興味を奪ってしまうと、後でどんなに興味を持たせようとしても、二度と振り返ってくれなくなるんです。これはインターネットで調べれば似たような事例がどんどん出てくる。そもそも自分の体験からして、そういうものだった。だから、どんなに邪魔でも、邪魔だと言えない。 1万円分ぐらいの花壇を破壊されても、これは痛い授業料だと思って我慢しなければなりません。そこが辛いところです。
おかげで、大量の鉢植えが庭に存在します。
この鉢植えの中には、非常に無惨な形をしたチューリップや水仙やムスカリなどがありますが、これらの大半は息子のお手伝いの結果です。ちょっと残念なことになりましたが、これも子供のためなので、仕方ないかなーと思っています。もし、家にお泊まりになるお客様で、このブログを読んでいる人がいたら、無惨な姿の鉢植えを見たとしても、
「どうしてこんな変な鉢植えがあるんですか? 」
なんて思わずに、スルーしていただけるとありがたいです。
つづく。
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