レンゲツツジが綺麗だったですね。
3歳3ヶ月になると、足腰もかなり丈夫になって、ほとんど自力で登れるようになってきました。もっとも急登の多い湯の丸山だと、さすがの私も肩車するわけにもいきませんから、自力で登ってもらう以外に手は無いのですけれど。
いつもは浅間牧場を散歩しているのですが、アップダウンがなくて、平坦すぎるために息子のやつは走ってばかりいる事の方が多いので、親も追いつけなくなってしまい、困っていたところなので、今回はちょっと高めの2,000メートル級の山に登ってみたわけです。
当然のことながら、幼稚園(こども園)はお休みすることになります。嫁さんはいい顔しませんけれど、私は、じゃんじゃん休ませて、山に連れて行ったり、博物館や動物園に連れて行ったり、おばあちゃんのいる館林の実家に里帰りさせたり、旅行する方針でいます。実際、先日も妙義グリーンホテルに泊まって妙義山に登ってきました。
なので、息子の幼稚園の出席率は50%くらいです。
そのために、息子が幼稚園が大好きで、今日は幼稚園に行く日だとわかると、朝から張り切っています。自分で名札をつけて、幼稚園の帽子をかぶり、幼稚園の鞄を持って、うれしそうに出かけます。脳科学的に言うと、これが大切なんですよね。大好きな幼稚園に行くのを、少しセーブするぐらいの方がいいんですよ。そのほうがもっと幼稚園が好きになる。
もちろんうちの嫁さんは、不安げです。
嫁さんは超がつく真面目な奴なので、そもそも幼稚園を休ませること自体、最初は信じられないという顔をしていました。最近は慣れてきたようですけれど。ちなみにうちの嫁さんは、妊娠しはじめると盛んに育児本を読んでいました。毎週図書館に行っては、何十冊も借りてきて、それを真面目に読んでいたんですよね。私もその中の数冊を、いくらか斜め読みに読んだんですが、どれもインチキ臭く思えて、途中で読むのをやめました。
と言うか、その手の本は、中学生の頃からさんざん読み漁っていたので、免疫ができていたんですよね。教育関係の本とか、育児関係の本は、戦前のものから、つい最近にブームになった方まで、大抵は読んでいるんですけれど、どれもこれもインチキくさいなぁと思っています。個人的には、あまり信用していません。
逆に、こいつは面白いなぁと思った本は、動物学の本や、脳科学の本です。脳科学と言う言葉は、日本人が作った言葉で、昔は認知学とか、神経学と言われていたようです。しかし、最近になって国際的に脳科学と言われるようになったようです。
まあそんな事はどうでもいいとして最近は脳科学の本が大量に出回っています。
トンデモ本もありますし、難しい専門書もあります。
育児関係の脳科学本もあります。
それらの脳科学の本を読むと、今まで言われてきた通説と
全く逆の報告が出てきて驚かされることが多いです。
例えば、テレビやゲームが脳の成長によいという報告があったりして、最初は「ほんとかよ?」と驚いたものです。では大宅壮一が、テレビに対して「1億総白痴化」と言って揶揄したのが間違いだったかというと、そういうわけではないんですね。テレビは確かに脳を成長させるのですけれど、中毒性があって、それだけを見続けると脳の成長は止まるんですよね。これはゲームでも一緒で、そればかりを続けると、その中毒性のために脳が退化するわけです。そういうことが、猿を対象とした事件で明らかになっています。
脳の成長は、テレビやゲームを含めて、読書や音楽や運動や勉強することなど、いろいろなことをやらないと成長しないわけです。それも「もっとやりたい」と思っている時に止めるのがミソらしい。
ほんとかな?
と思った私は、息子が1歳11ヶ月の頃に「ひらがなカタカナ」を覚えさせる時に実験してみました。息子がどんなに、ひらがなに夢中になったとしても、 5分で止めてみたんです。それを一日に3回ぐらいやったんです。すると、驚くべきことに息子は2週間で文字を覚えてしまいました。カタカナも2週間で覚えちゃいました。もう一つ言うと、最後の一回は寝る前にやりました。寝る直前にやると記憶が定着すると言われていますから。
脳科学ってすごいなぁ
と、当時の私は驚いたものです。で、 30分ぐらい勉強させたらどうなるんだろうか?という実験もやってみました。ひらがなもカタカナも覚えてしまっているので、漢字を使った実験です。見事に失敗しました。 30分も勉強させたら、漢字を見るのも嫌になったわけです。
なるほどなー
と思った私は、漢字の勉強をさせることを1年間やめました。で、 1年経った時に漢字の勉強再スタートさせています。もちろん、5分以上の勉強はさせていません。本人が、どんなにやりたがっても、 5分たったらやめます。すると、面白いことに、息子が漢字に夢中になったんです。漢字カードを見せるたびに興奮して、嬉しそうに興奮して絶叫して勉強します。けれど5分たったらやめます。どんなに息子がやりたがっても中止します。漢字カードしまってしまいます。けれど親が漢字カードを隠していても、どこからか息子は見つけ出して、ひとりで息子は漢字の勉強しています。
どうしてこういう事になったかというと、5分でやめるために息子は脳に快感をもったんですよね。それを逆手にとったわけです。好奇心を煽ると、脳が快感を感じる。脳が快感に感じることによって、脳が成長する。これは、テレビでもゲームでも食事でも一緒らしくて、快感に感じることによって脳が成長する仕組みになっているのですね。
ただし、それが中毒症状になってしまうと、成長を阻害するらしいのですね。だからわざと漢字カードを隠して、幼稚園を休ませて山に連れていくわけです。妙義山で岩登りをさせてみたり、湯の丸山で美しいレンゲツツジを見させます。
もちろんテレビもみせますし、ゲームもさせます。
ただし、5分で終了です。
ここで気がついたんですが、 NHKの教育テレビの幼児番組は、ほとんどの場合5分で終わるのです。なかには20分の番組もありますが、そういう番組も、3分くらいでコーナーが変わったりして、5分以内に別の番組になるんですよね。 NHK教育テレビは、絶対に脳科学を応用していると思いました。
これは幼児番組に限らず、高校生相手の教育テレビ放送も同じなんです。昔と違って番組が長くありません。 10分または20分で終了します。しかも番組の中で、いくつもコーナーが分かれていて、5分ごとに内容が変わっているんです。そのせいか昔の教育テレビの放送よりも格段と面白くなっています。
話を戻しましょう。
本題は、脳が快感を覚えると脳が成長するという話しでした。
真偽のほどはわかりませんが、もしこれが本当なら、スパルタ教育によって勉強を詰め込むことは、脳の成長を阻害する行為であるといえます。つまり、脳が成長する0歳から10歳までの間は、スパルタ教育は良くないということになります。
もちろんスパルタ教育をすれば、知識を詰め込む事ができると思いますが、脳の成長はかえって阻害されるということになります。知識が増えても、脳の成長が阻害されるのであったら、将来に重大な禍根を残します。
よく成績が伸び悩む高校生とか、熱心に勉強するのになかなか成績が伸びない子供もいたりしますけれど、そのような子供たちのなかには、幼少の頃にスパルタ教育を受けて脳の成長がうまくいかなかったケースも中にはあるかもしれません。
そうでないにしても、幼少期の頃に、厳しく躾すぎてしまうと、脳に快感が少なくなり、思ったほど脳が成長しないという事あるかもしれません。脳に快感を与えるためには、ある程度は優しくしてあげないと、躾がストレスとなって脳の成長を阻害してしまう可能性も出てくるかもしれません。
逆に、子供の頃に勉強しなくても後に大きく成長するケースがよくありますが、脳が順調に成長したために、たいして勉強しなくても成績が良くなっちゃう事例かもしれません。のびのびと育てられた子供達が、あとで大きく成長する事例も多いと思います。その代表的な成功例が、ドイツのシュタイナー教育なのかもしれません。
というのも、私が、そういう人たちを何人も見ているからです。私は自然ガイドを職業としていますので、頼まれて超有名私立高校のお子さんを相手に自然ガイドをしたりするのですが、超有名私立高校のお子さん達は、ガリ勉をしてないんです。というか勉強してないんです。もっと言うと、遊びの感覚で勉強してるんです。いや、好奇心や興味の対象が、たまたま高校の勉強だったと言う感じです。
ガリ勉をする高校生というのは、それよりもちょっとだけランクの落ちる中堅有名私立高校の学生さんなんですよね。すごい超有名私立高校のお子さん達は、無理して勉強してるんではなくて、楽しんで勉強してるんです。学校の先生を達は、勉強しすぎないようにセーブしているくらいです。ちょうど私が、息子から漢字カードを隠すような感じです。
で、共通して言える事はこういうところの学校のお子さん達は、好奇心が本当に強いんですよね。好奇心が強すぎて、めちゃくちゃ良い子に見えてしまう。最初は、ガイドの私たちが話を真剣になって聞いてくれるので、本当に良い子だなぁー礼儀正しいなーと思っていたんですが、そうじゃないんですよね。単に好奇心が強いために、人の話を聞こうと真剣になるだけなんです。
で、親から勉強しろと言われたことがあるか?と聞いてみたら、予想通り、言われたことがないと全員答えています。逆に親と一緒にアウトドアに行ったとか、親子で旅行ばっかりしてたとか、親と一緒に鉄道の写真ばかり撮っていたと言う人が多かったんですよね。そういう子供さん達と何度か自然ガイドで接しているうちに、巷に出回っている育児本とか教育関係の本が、非常にインチキ臭く思えてきたのです。
で、動物学や、脳科学の本をもっぱら読むようになりました。
それらの本の中で、面白かったのが「ミラーニューロン」に関する記事です。ミラーニューロンというのは、まねをする脳細胞のことで、ものまね細胞と言われてますが、これがあるために赤ちゃんは親の真似をするんです。親の笑い方とか泣き方とか怒り方を真似をする。だから
「子供は親が育てたようにしか育たない」
と言われるわけです。
そしてこのミラーニューロンが発達しないと、空気の読めない子供に育ってしまうんです。
それほど重要な脳細胞なんですね。
最近はスポーツ科学の世界で、このミラーニューロンを重要視しています。
ミラーニューロンを使って
イメージトレーニングすることによって、
脳内で練習することが流行っています。
まあそんなことはどうでもいいとして、このミラーニューロンのシステムを簡単に説明しますと、他人の表情を見てその人が今どんなことを感じているのか、やろうとしてるのか、頭の中で相手の表情の真似をして「こういう気持ちなのか」と相手の心情理解しているのです。相手を思いやる気持ちは、このミラーニューロンの発達なくして生まれません。相手の表情を真似をする脳細胞が発達して初めて、思いやりの気持ちが生まれるわけです。
つまりミラーニューロンを鍛えることで運動能力や言語能力が高くなるだけでなく、人の気持ちがわかる空気が読める子供に育つわけです。恐ろしいことに脳科学者によっては、ミラーニューロンの発達には臨界期があるのではないかと言う人もいます。
この記事を読んだらときには、本当なのだろうか?と半信半疑だったのですが、息子が生まれたこともあったので、ちょうどいい機会だと思って、生後2ヶ月の頃に、例の舌だし実験をしてみたら、本当に真似をしたので驚いたものです。ミラーニューロン恐るべしと思いました。
なので息子に対して、親の真似をするたびに誉めていました。そしたら、空気の読める子供になるのかなーと思っていたんです。結果は、このブログにも書いてある通り、すごく空気の読める息子になっています。脳科学というのは、本物のサイエンスなんだなぁと思ったものです。
ちょっと文章が長くなりすぎましたね。
続きは後日に書きます。
つづく。
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