脳科学は、2000年以降に劇的に進化した学問です。理由は、MRIで脳を調べられることが原因らしいです。その結果、旧来の教育学の常識が、かたっぱしから覆されるという恐るべき時代が到来しつつあります。例えば、脳を発達させるための一番の薬は『快感』であることが分かってきています。その逆に脳の成長を妨げるものが『苦痛』ということらしいのです。
例えば『苦行』は脳に悪いんです。スパルタ教育も脳に悪い。脳が萎縮してしまうらしいのです。逆に『快楽』は脳にいいらしい。楽しい勉強ならもっといい。美食・グルメも脳にいいらしい。テレビゲームも脳にいいらしい。ただし、中毒症状になると脳に悪いらしいということです。
で、これからが本題になりますが、教育の世界では、昔から子供に対して食べ物などの御褒美で釣るのは良くないと言われてきていました。ところが脳科学者の見解は、全く逆でむしろ『御褒美』という報酬行為によって勉強や躾を行うことによって、脳が発達しやすいというのです。逆に暴力などで子供を押さえつけたり、我慢を強要しすぎると、脳が萎縮して正常に発達しなくなってしまうというのですね。
教育学者と脳科学者、どちらが正しいのか?
その正邪はともかくとして、わが家では、嫁さんの方が教育学者的に躾を行い、私が脳科学者的に息子に接しています。息子に対して御褒美をちらつかせて、ひらがな・カタカナ・アルファベット・小学校2年生までの漢字を3歳になる前にマスターさせました。もちろん遊びながらです。なので、息子の方から「漢字カードやろう」と言ってきます。彼にとって「漢字カード」も「砂遊び」も同列なんです。
これは登山にも応用できますから、御褒美をちらつかせて、1歳半の頃に小浅間山に登らせています。1歳にして息子は破風岳・池の平湿原なんかにも登山しています。2歳半の頃は、何度も湯の丸山を上っています。しかし、3歳になった今年は、あまり山に登っていませんでした。お盆から、ずーっと雨が続いており、とても登れる状態ではなかったのです。
しかし、9月12日に奇跡的に晴れたので、保育園を休ませて標高2,400メートルの黒斑山に登りに行ってきました。息子は、もうすぐ3歳6ヶ月になろうとしていました。まだ紅葉は始まってなかったです。マツムシソウなどがいっぱい咲いていて、花も終わってなかったですね。お盆以降、北軽井沢は雨が多かったので、なかなか登山するチャンスがなかったのですが、9月12日に奇跡的に天気が良かったですよね。
黒斑山も、楽勝とは言いませんが、それなりに登れるのではないかと期待していたのですが、7月から8月いっぱいまで、仕事で忙しかったためと、雨にたたられて山登りだ不可能だったために、まったくハイキングをしていなかった。そのために息子の体は、かなり鈍っていたようで、ちょっと苦戦していたようです。
出発が10時10分。元気が良かったのは、4合目あたりまでで、それからグズりだしました。湯の丸山あたりだったら肩車して行くこともできるんですが、さすがに黒斑山では危険すぎてできません。そこで出したのが菓子のプリッツです。これを与えて、私が三十メートル先にダッシュで進み、
「おやつですよ」
と叫んで待っていると、菓子を欲しさに頑張って登山します。これを繰り返すと、えらく息子の調子がいいんですよ。プリッツの塩気が登山に好影響を与えているのか? ただ単に息子の食に対する煩悩が強すぎるのか、ただひたすら菓子に向かって突進し続けました。そして、頂上に到達したのが、 12時50分。頂上まで 2時間40分もかかっています。黒斑山のコースタイムは、ジャスト2時間くらいなんですが、40分オーバーで到着しました。
頂上では、はやめの食事を終わらせて、13時に下山開始。
この日も御客様がおられるので15時に戻らなければならない。やばい。早く戻らなければと息子を肩車しようとしたら烈火のごとく怒り出す息子。息子は、下山が大好きなんですよね。私の手を引っ張って、ダッシュで降りようとするんですが、危なくて仕方が無い。コースタイムで1時間15分かかる中コースを降りたんですが、それより早い1時間で下山してしまいました。
というのも登山道(中ルート)の横にトレイルマラソンのルートができていて、走って降りられるようになっていて、そこを息子が全力疾走したがっていたんです。危なくて危なくて本当に苦労しました。でも、おかげで15時までに宿に戻れたんですけれどね。もちろん帰りの車の中では、爆睡で2時間くらい起きなかったです。家に帰ってからも2時間の爆睡を続け、目覚めたときには、足がフラフラで何度も床に倒れていました。なので一緒に風呂に入って、はやめに親子で寝ようとしたんですが、今度は目がさえたらしく寝てくれなくて
「漢字カードやろう」
と私を誘ってきます。しかし、私の方が睡魔に襲われて先に気を失ってしまっていました。
ちなみに今年は、 山小屋が閉鎖される寸前の10月中旬ごろに、宿を休館して、槍ヶ岳に連れて行く予定だったのですが、うっかり嫁さんが、お客さんの予約を入れてしまったので、家族全員で行くのは実現不可能になってしまいました。私と息子の2人きりで槍ヶ岳に行くか、それとも日帰りで登れる、この付近の山を片っ端から制圧するか、今ちょっと迷っている最中です。
話は変わりますが、翌日、幼稚園から「運動会が近いので、練習があるので、あまり園を休ませないでください」と、釘をさされてしまいました。ああ、これから、じゃんじゃん山に連れて行こうかと思ったんだけれどなあ。残念。園の運動会が恨めしい。こいつのために、連休なのに宿は休館しなければならないし、息子と山にも行けないんですから。まあ、でも、息子が団体坑道を学ぶ、貴重な体験ですから仕方ないですね。
つづく。
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