2018年10月01日

幼児に対する道徳教育について その3『ホスピタリティ』

 今年は台風が多かったですね。そのうえ、まだ台風24号が来ると言うですから本当に困ったものです。けれど、どういうわけか北軽井沢は、台風の影響が少なくて、夏の間はずっと晴れていました。おかげでお客さんは大喜びです。うちのお客さんは、小さな子供さんを連れたファミリーが多いので、庭にはたくさんの遊具があります。子供さんに外で遊んでいただくためです。

 そうでないと、宿の中で小さなお子さんがドタバタ走り回り、他のお客様にご迷惑をかけたりするからです。廊下を走らないでくださいと言う張り紙をしてくださいと、お客様から注意された事もあるんですが、例に貼ってみても無駄でした。ドタバタ走り回るお子さんというのは、まだ小さくて文字が読めないんですよね。

 これでは困ると思ったので、 400坪ほどある庭にたくさんの遊具を置いて、息子をけしかけて、お客さんのお子さんたちと遊ばせるようにしました。最初は恥ずかしがっていた息子も、だんだんとコツを覚えて、お客さんのお子さんたちとすぐに良くなるようになり、外で遊ぶようになりました。おかげで、館内でドタバタ子供たちが暴れる事が減り、ほっと一息です。

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 話が変わりますが、息子のやつが五歳になって六ヶ月になります。 五歳児ともなりますと、それ以前と全く違いますね。まるで天使のようです。外見のかわいさは、三歳児や四歳児にかないませんが、五歳児には別の意味のかわいさがあります。

 まず、聞き分けが良くなります。親が怒ったり注意したりする必要がなくなります。多少反抗したとしても言い聞かせれば、簡単に納得してくれます。

 それから他人を思いやれるようになります。夏のある日、私が昼寝から目覚めますと、息子がそばにいて麦茶を差し出したりします。相手を思いやれるようになってきている。お客さんに御菓子をもらうと、独り占めせずに、他の子供たちにも分けてあげますし、親にも分配するようになりました。正直言って、御菓子なんか食べたくないのですが、教育のために無理に食べるようにしています。

 そして夏休みに、お客さんが、うちの宿にチェックインしている時、
「麦茶にしますか? 冷たいお水にしますか?」
と接客の真似事もするようになりました。私が忙しいですと、代わりに宿帳を差し出して、住所と名前を書いてくださいと、ご案内するようにもなりましたし、お客さんに館内の案内もするようになりました。五歳児に接客されたお客さんは、かなり驚いていました。

 また、お客さんの中に自分より小さなお子さんがいたら、本の読み聞かせをしてあげたりします。息子のやつは二歳になるまえに平仮名や片仮名を覚えましたので、今では絵本をすらすらと読めるようになっています。なので、お客さんの中に小さなお子さんがいますと、絵本を読んであげています。

 その姿があまりにも微笑ましいので、何度かこっそりを写真に撮りました。 三歳四歳の子供たちが、 五歳の息子の周りにずらりと集まって、息子の絵本の読み聞かせに静かに聴いている姿は、本当に可愛いものです。そして癒やされます。

 また、夜はお客さんに花火を持っていったり、お茶菓子を出したりもします。自分のおもちゃを差し出したり、シールをあげたりするようにもなりました。息子が、こんな調子ですから、 三か月もしないうちに、再びリピーターとして泊まりにきてくれるお客さんも、かなりの数になってきました。

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 実は、息子ができると、そのようになるという事は、多くの(宿屋の)諸先輩方から聞かされていました。佐渡島のユースホステルの奥さんや、子育て終わった近所のペンションオーナーに、親が一生懸命宿屋をやっていると子供はとても優しい子になるよと言われてました。

 北軽井沢には、アルバイトに小学校の非常勤教員をしつつペンションもやっている方もいるんですが、その方も、宿屋と農家のお子さんは思いやりの多い優しい子供が多いと言っていて。そのうちに息子さんが最強の営業ツールになるよ・・・と言われていたのですが、最初は半信半疑でした。

 が、今ならわかります。

 小さな子供は、徹底して親の真似をします。
 それはこのブログにもくどいぐらいに書いてきました。
  http://kaze3.seesaa.net/category/25476231-1.html

 例えば私が嫁さんを怒鳴ったりすると、息子も母親を怒鳴ったりする。逆に優しくすると、息子も優しく接するようになる。なので、極力夫婦喧嘩はやめて、できるだけお客さんに対するホスピタリティを上げる事に専念する。そうすると、息子のやつは、接客している親の姿を知らず知らずのうちに真似しているんですね。接客している親の真似をしつつ、相手に対する思いやりや、ホスピタリティの精神が身についてくる。つまり、親の後ろ姿を見せるだけでいい。自動的に思いやりがもてるようになるんですよね。

 別に特別な道徳教育のしなくても、親の後ろ姿だけでいいわけですから、そんな楽な事ありません。ファミリーのお客さんに、できるだけの事をしてあげるだけで、それが息子に対する最強の道徳教育になるわけですから、宿屋というのは、子供の道徳教育には、最高の環境かもしれませんね。

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 それだけじゃない。五歳くらいになると、自分の事は自分でするようになります。服を脱いだらきちんとたたむし、風呂に入るときなら洗濯機に入れてくれる。風呂から上がったら、自分でタンスから服を探して勝手に着ます。

 これは朝起きるときも寝るときも、自分でパジャマに着替えますし、パジャマから洋服に着替えます。つまり着替えに関しては、もう親の手はいらないんです。

 と、こう言う話をお客さんに言いますと、
「そうそう! そうだよね!」
というお客さんと
「うちは全然駄目」
というお客さんがいたので「変だな?」と不思議に思っていたんですが、最近、やっとその差の理由が分かりました。ほんのちょっとの環境の差で、明暗がでることに気がつきました。タンスの差です。信じられないかもしれませんが、タンスの差で自分の事は自分でするようになるんですよ。たかが、タンスの違いで大きく違ってくる。文章が長くなったので、続きは、後日で。


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つづく。

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posted by マネージャー at 11:54| Comment(0) | テーマ別雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする